ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
あの時の輝きは、手が届かないほど離れて初めて見えてくる。
トンチキながら優しい母親、ミステリアスな女の子との距離感、日々成長するゲームとの真剣勝負。
特定世代のおっさんを羨ま死&懐か死させるノスタルジア・フェアリーテールは、今週もエンジン快調!
つーわけで、俺たちの失われた青春も第二話である。ゲーム世代の雄を狙い撃ちしすぎて、タゲ層が狭くなってるきらいすらあるけども、タゲ直撃な自分としては刺さる刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
俺の小学生時代にはハルオも大野さんもママンいなかったが、あのどこにもない青春が懐かしくって仕方がない。
ゲームをメディアに、何処かにあったはずだが何処にもないアルカディアな青春を、郷愁詩情たっぷりに描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
原作が持っている根本的なパワー、紙のタイムマシンっぷりを、しっかりコンバーションして移植してあるアニメだ。アーケード完全移植!
大野さんとのラブコメだけでなく、学校の風景や買い食いのメンチカツ、駄菓子屋のババアに至るまで。作品を埋め尽くす、甘酸っぱい切なさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
それは当然押切先生のセンスから生まれるわけだが、アニメにはアニメの間合いがある。原作の味わいを殺さず表現するには、当然努力がいるわけだ。
大野さんの微細な表情、ハルオのイケメンっぷりは3Dモデルでもしっかり伝わってくるし、彼らがいる思春期の聖域の匂いも、背景から立ち上がってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
非常に工夫して、原作のエッセンスを3Dに落とし込んでくれている誠実さが、ちゃんと伝わる。そこがこのアニメのいいところだと思う。
さて、お話としてはお家デートとお外デートである。『ハルオくんマジキミさー…もう”勝ってる”でしょ?」と説教たれたくもなる、甘々イチャコラエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
ハルオはバカで鈍感だが、人間の心を土足で踏むことはしねぇ。その良いやつっぷりが、主役を好きになる足場だ。
大野さんを無言ヒロインにしたのが、本当に巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
思春期の少年(と、背丈が伸びただけの、童貞力満載の作者と視聴者)にとって、少女は永遠の謎である。よく判らないからこそ惹かれ、ずっとファンタジーでいてほしいと願う存在だ。言葉が通じて理解ってしまえば、それは生臭いリアルになってしまう。
ここら辺の夢想を維持するべく、大野さんは人間の言葉を使わない。しかしゲーム(と暴力)が、言葉以上に思いを届けてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
バカでイケてない、スクールカースト最下層であっても、ゲームだけには本気で。そのゲームさえあれば、クラスで一番の美少女とも判りあえる。
そういう夢想を叶えてくれる特別なメディアとして、このアニメの”ゲーム”は神話化されている。ゲームの特別性を出すために、特別コミュニケーションが難しい美少女が配置されている、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
同時にその特別性は罠で、ハルオはゲームを外すと大野さんの感情が、基本さっぱりわからない。
クソナードに相応しく鈍感バカで、しかし構えずクリティカルなことをする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
家と習い事に押しつぶされそうな大野さんを、自転車で”外”に連れ出し、メンチカツを食わせ、『俺が仲間になってやるよ』と宣言する。コイツ無敵か…無敵のイケメン様か…?
『そら好きになるわ!』という振る舞いなんだけども、ハルオは大野さんの好意に気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
なまじっかゲームで繋がれてしまうだけに、そこを離れたナイーブな気配を感じ取れない。感じ取らないことで、永遠のゲーム少年であり続けようとする。
大野さんとハルオにとって、ゲームは世界唯一の共通言語であり、プレーンな人間関係を阻害する障害でもある。そんな特別なゲームを通じ、あるいはゲーム自体にどう向き合っていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
二人のナイーブな関係性が、ゲーム業界と思春期の成長に伴ってどう変化していくか。それもこのアニメの軸である。
ゲームという表現が日進月歩の変化を遂げ、一日一日”なにか新しいもの”が見れた時代。ゲームメディアが受け入れられ、それで産湯を使った異端児たちも人の親になる現在からすると、懐かしくも遠い日々。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
そこに、心と体をグングン成長させる子供を置くことで、より強いシンクロ率を生む。
ハルオと大野さんにとって、ゲームは”今、俺たちの”メディアである。(かつて、僕たちにとってそうであったように。もしかすると、今もそうかもしれない)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
切迫感と懐かしさが奇妙に同居する視座が、小学生とは思えないゲーム史的メタ認知をバンバン出してくる、ハルオの姿に宿っている。
ハルオは頭の悪い小学生のガキのはずなのに、ゲーム史への理解と敬意は図抜けている。それは製作者(と僕ら)の感覚を宿し、”ゲーム”が特別なものだと主張し、再確認したい気持ちが溢れた結果だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
”ゲーム”を描くお話の主役は、俺達と同じようにゲームが好きで、全てを俯瞰し愛して欲しい。
そういう願いが、妙にメタなハルオの饒舌さにあらわれている気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
級友にはドン引きされる早口ゲームオタクっぷりは、無言の大野さんにはよく染み渡って、無言の奇妙なコミニケーションを成立させる。
ハルオの奇妙な情熱を理解ってくれるのは、同じく奇妙な美少女だけだ。その閉じた魅力。
こういう色んな要素が掛け算して、見ながら思わず悶えるノスタルジーと甘酸っぱさが醸造されているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
母ちゃんもヘンテコで楽しくて可愛いしな…新井さんはマジベストチョイスだと思います。まずメシ、ホットケーキとメンチ。そういう距離感の詰め方ですよホント。
PCエンジンネタ、レゲーネタはディープ&コアで、直撃世代(とある程度勉強した後輩世代)しか通じない気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
のだが、そこに込められた愛情と熱量は、わけのわからない勢いを産んで知らない人も引き込むかもしれない。僕は理解る側なので、想像でしかないけども。そうであったら良いなあ。
あの時代のアケゲーマーは『移植の忠実度、密度』でハードを選んでいた部分もあり、ハルオがPCエンジンユーザーなのはよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
まぁ王道を素直に飲めない、クソひねくれたアウトサイダー気取りだからってのもあるけど。つうか、多分こっちがメイン。ふつーにSFC買え。
大野さんはかなりオールドスクールな暴力ヒロインでもあるのだが、春夫はそれに(基本)暴力で返さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
拳はゲームと同じ、言葉を持たない彼女のコミュニケーション手段なのだと受け入れて、ポコポコ殴られる。そこら辺の器量がまた、イケメン力を上げるわけだが。
そんな二人の夢の日々は、まだまだしばらく続いていく。ちょっとホラーな非日常も、ゲームで繋がる濃厚な日常も、その意味を知らないまま積み重なっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
岡目八目で見てるととんでもない価値なんだが、ど真ん中にいるハルオは無邪気に、小学生時代を遊び倒す。その断絶もまた、切なくていい。
『ハタから見てると』つー意味では、大野さんの好意は巧く仕草に落とし込まれ、視聴者に見えやすかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
全国二億人のノスタル爺が『抱けー!』と叫んだだろう、甘酸っぱい距離感。それに向き合ってしまえばお話は終わりなので、ハルオはゲームに夢中で気づかない。ハーハルオくんホントさぁ…。
ゲームに本気で取り組み、”あの頃”を悪魔的入れ込みで再現するだけでなく。恋と自意識に向かい合っていくハルオの青春、その序章を丁寧に積み上げて、彼を主役とした物語を大事に大事に進めてくれているのが、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
そこには、必ずゲームがある。このアニメはゲームのアニメだからだ。
ゲームがあればこそ繋がれて、でもゲームだけが全てじゃない。非常に難しいバランスをしっかり見据え、どうしたら人間と人間を繋ぐ特別なメディアとしての”ゲーム”、そこに繋がれた少年少女の青春を描ききれるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
本気で考え、しっかり形にしてくれているのだと感じられる第二話でした。
ママンはいかにも新井さんで最高なんだが、先生役の杉田さんとか、萌美役の伊藤さんとか、『いつものアレ』っぽくない演技を見せてくれるのも、このアニメの魅力だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
なんつーか、ベテランの新しい顔を、ひょっこり見せてくれる感じが良い。当然ながら、皆さん芸達者だなぁ…。
ゲームの表現はいつもながら超本気で、超素晴らしかった。画面の外の俺らからしたらノスタルジーの対象なんだけども、画面の中のハルオと大野さんにとっては最新鋭の”活きた”ゲーム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
このギャップを巧く描くのかなり大変だと思うんだけど、実機より鮮明なゲーム画面から、活きの良さがビンビン伝わる
ゲームの魔法が人を繋ぎ、青春の残酷さが人を切り離す。そういう往復運動の話だから、ゲームと青春を活きたものとして描くのは大事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月20日
そんな難しい表現を、しっかりやってくれていると感じさせる二話でした。いい、すごく良いアニメ化だぞ…来週も楽しみです。