ハッピーシュガーライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
バットマンのいないゴッサムシティ。あるいは吉良ばっかりの杜王町。
人間の臓物を砂糖で煮込んだ、この街は愛と狂気の果て。二人の愛の巣を飛び出したしおちゃんが、覚醒を果たした三星くんと接触する。身を焼く苦さの意味を知ったさとうは、嫉妬の海で歓喜する。
そんな感じの、僕らのハッピーシュガーライフ第三話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
幼女にバブみを感じてオギャりまくる三星君を、花江くんが怪演好演。食われるだけのモブ雑魚から変態Z戦士へ、見事な変貌を遂げた三星君のぶっちぎり限界バトルが、とっても元気なエピソードでした。
いやー、やっぱ凄いわ花江くん。
三星くんは性虐待から認知がネジ曲がり、ピュア(だと思い込んでる)な幼女としか接触できなくなってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
現実とのコネクタがぶっ壊れる過程が実際見れたので、最高に気持ち悪いがある程度理解ってしまうという、大変困ったポジションに滑り込んできた。
一方的に奪われる立場から、暴力を持って奪い返す立場へ。愛を求めて殴られる側から、これが愛だと殴り倒す側へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
三星くんの変貌は、『いや…それアビューズで犯罪だし…』という客観的な視座を失っていること含めて、登場人物ほぼ全てに共通している。
そこに忘却のマスクがかかっているか、自分を怪物に変えることで生き延びるか。シラフじゃ殴られ奪われるばっかの世界で、正気でいる理由はあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
あさひくんを『ソレ』としか呼ばず、殺す代わりに『壊す』と言い続けるさとうちゃんも、自己防衛のために怪物になった感じがある。
犠牲者だからといって新たな犠牲を生んで良いわけじゃないし、共犯関係とはいえ罪悪は罪悪。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
さとうちゃんのハッピーシュガーライフはけして褒められたわけじゃないが、呼吸するように暴力が飛び出すあの世界を見ていると、一つの適応例かなと思う。
真っ当に善人してると、あさひみたいにボコボコだし
さとうちゃんは自分としおちゃん以外を全て切り捨てることで、ようやく甘さを手に入れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
好悪や善悪を味覚で認識する、奇妙なズレ。殺戮に至るほどの嫉妬すら、愛の証だと甘く噛み締められる倒錯。さとうちゃんの歪みはしかし、ある種の自己防衛だ。しおちゃんの忘却と同じである。
顔も名前もない、でも自分を守ってくれる存在が”母”なのはおそらく間違いないが、少女はその名前を知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
自分が何を痛いと感じるのか、何が普通で異常なのか。価値判断を置き去りに、甘い檻の中で微睡んでいた彼女も、闇の奥にある記憶が疼けば外に出る。生き延びるために。
兄弟であるあさひくんの回想と合わせると、そうとうドヒドいことが起きて記憶に蓋をしてしまったっぽい。”
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
お母さん”の幻像も母親自身というより、生き延びるために最善手を打てるもう一人の自分、という気がする。無邪気な天使は、結構図太く周囲を観察し、逃げ道を探すのだ。
三星君がペド回路を全開にハーハー言うのも、トラウマを癒やしてくれる相手を探してのこと。自分を認め頭を撫でてくれる存在…三星くんもまた、”母”を求めて裏切られ、歪んだ認識の中で誰かに押し付けている形か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
マザー・コンプレックスの話なんだな、このアニメ。
暴力と虐待で歪んでしまった、麗しき”母”の像。さとうちゃんも三星くんも、しおちゃんに聖母を求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
しかししおちゃん自身、お母さんに傷つけられお母さんを求めるただの子供だから、無理をしてると頭が痛い。
傷つけず傷つかず傷つけられない。無原罪の無敵の天使は、この街にはいないのだ。
目の前の相手をまっすぐ見て、そこに反射する自分も見る。そういうまっとうな関係を、作中誰も作れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
なんらか認識が歪んでいて、それが実際の行動に反映されて相手を歪める。その大間違いの中に、不気味に輝く救いがある。犠牲者は加害者になり、天使もまたいびつさを抱え込んでいる。
そういうバロックな関係は、お互い影響し合いながら加速し、拡大していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
しおちゃんを身近に置くことで、さとうちゃんの認識はどんどん歪んで強化されていくし、その巨大な檻がしおちゃんを守り、また傷つけもする。傷口が砂糖味の血と、毒虫を誘う甘い匂いを吐き出していく。
そういうどうしようもない世界の、どうしようもないルールがヤバく迫ってくるエピソードでした。ヤバ気なサイコども軒並み虐待被害者っぽくて、なんとも行き場のない息苦しさを感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
まっとうな人が正しさでぶっ壊せりゃ良いんだけど、この世界律だとまともな人ほど弱いからな…狂気が力だ!
んじゃあ狂っちゃった人は全部、歪んだ認識だけを持っているのかというと、そういうわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
助けて欲しい、痛い苦しい愛して欲しい。そういう根源的でピュアな欲求は、全員にちゃんとある。むしろそれが強いからこそ、正しい出口を見つけられず世界と自分を傷つけていく。
とても人間的な愛が、人間的すぎるがゆえに道を見つけられない。残酷で優しくない世界の中で、生き延びるために凶器に変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月28日
そんな現在進行系の凶猛と、それを生み出した過去がジワジワと見えてきました。ポップに味が濃いけど、どこか寂しいところがいいなと思います。来週も楽しみ。