Phantom in the Twilightを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
舞台と主役とイケメン！ 話の骨格はだいたい説明したファントワ、今回はしっとり調子の妖精譚。
リャナンシーの恋人を巡る事件の中で、恋と責任を学んでいくトン。ビターテイストの展開が、人とアンブラ、子供と大人の才を際立たせ、余韻を作るエピソード。
というわけで、ある種のノルマをこなしたファントワ、変化球の第五話である。これまではアクション多め、爽快異能ジュブナイルとしての顔が強かったが、今回は活劇成分を少なめに、悲恋をしっとり進める方向性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
お話が出せる横幅が見れて、このタイミングでやるのにふさわしいエピソードだと思った。
リャナンシーといえば、才能と引き換えに男を吸い殺すファム・ファタールな妖精。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
銃で撃ったりクンフーしたり、暴力路線で進んできたファントワには珍しいゲストだが、原典を丁寧に扱う運びが良い質感を産んで、悲恋が綺麗に展開していた。
恋の苦さ、愛の重さを扱う今回は、トンの成長物語でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
いつものお気楽ノリで店長に就任し、ノリと勢いで依頼を受ける。しかしそれは人の命、アンブラの生き様がかかったとても重たいものだ。
浮かれたムードは雨とともに引き剥がされ、トンは決断の重さを自覚する。
それに押しつぶされず、今の自分に出来る精一杯をやりきって、その結末も引き受ける。バトルシーンで見せた気風の良さ、決断力と行動力は、形を変えて今回も生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
ままならなさに喚いたり、弱音を吐いたりしても良さそうなもんだが、やるべきことはやりきる。泣くのはそれから。頼もしい主役だ
今回はヴラッドの描き方も良くて、人間とは別の命を生きるアンブラらしく、『生きながらえるより、恋に焼き尽くされたい』という男心を支持していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
トンがあくまで人間らしく、生きる方向に舵を切るのとは正反対だが、これもまた一つの決断であり、彼らしい。アンブラらしい、とも言えるか。
人間とアンブラ、異質な存在の価値観がこうして衝突するのは、これまでなら暴力を伴った。それは激しいがわかりやすくて、殴り勝てば答えは出た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
しかし今回、ヴラッドとトンの立場はどちらも正しい。全てを解決する魔法が使えない世界で、せめてベターでビターな答えをどう掴むか。
それに思い悩み、悩み続けるトンの鏡役として、吸血鬼的な吸血鬼はいい仕事をしていた。永生者らしい耽美な空気も漂わせていたし、ロマンス第一主義者の秘めたる情熱も感じられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
最後に艶な冗談で、乙女な空気を出すのも良い。全体的にムード統一されていて、よく収まったエピソードだった。
ヴラッドの提案に、『死なないあなたが、命の価値を問うの？』とトンを返すのが好きだ。人間として生まれ、人間としてロンドンにやって来たごく普通の少女だからこそ、アンブラに切り替えせるいいセリフだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
そんな彼女が、悩んで下した決断をヴラッドが肯定するのも、しみじみと良かった。
多分トンは、最終盤でヴラッドとのロマンスに悩むのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
アンブラと人間の恋は、幸福には終われない。妖精の恋人がたどり着いた、苦くて甘い結論は主役への予言だ。
はじめての事件では、悔いの残る結末となった。その苦さを飲み込んで、トンは一歩大人になる。アンブラ事件は通過儀礼なのだ。
今後エピソードを積む中で、様々な苦さと決断がトンに積み重なっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
その果てにある（だろう）ヴラッドとのロマンスは、今回と同じ結末なのか？ それとも、別の答えを出せるのか。
それは、今後のエピソードの積み重ね、キャラの交流と成長にかかっている。
単話としての仕上がりが良かったので、話の先もクリアに見える。今後エピソードが積み重なる土台を、ちゃんと作るお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
店長としてフォービドゥンに馴染み、自分で事件を引き受ける。一筋縄ではいかない苦味を知って、それでもより良い結末に進んでいく。
キャラ紹介、世界観紹介では踏み込めなかったところにしっかり踏み込み、作品を一歩前に進めるのにふさわしい、良いエピソードでした。オーソドックスな筋立てを、作品独自の味わいでちゃんと料理できていて、面白かったです。来週も楽しみですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
あ、クリスとシンヤオは主役と関係ないところでロマンスしたり、世界観描写の補強したり、いい仕事してると思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月8日
アンブラが生まれる瞬間をビジュアルで見せたのは、不思議な世界への理解が深まってよかったな。シンヤオの優しいキャラも、ちゃんと伝わったし。今後も独立して動くんかね？
