Free!-Dive to the Future-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
愛憎が渦を巻く東京を一旦離れて、舞台は鳥取岩鳶へ。高校生組はみんな仲良し、お互い気遣って健全部活モードです!
すっかり”先輩”が板についた怜や渚、似鳥の頼もしさが、後輩にじんわり染みていく穏やかな展開に、心が安らぐエピソード。
というわけで、窒息性の水とは一旦おさらば、明るく元気な青春水泳、Free! 高校編開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
大学組がネトネトした感情に身動き取れなくなる中、素直な気持ちを素直に通わせ、素直に問題解決していく高校生組の爽やかさが際立つ。『尺割り振れないからチャッチャとやれ!』つーことかもだが。
さておき、ロミオくんを悩み役に進んでいく今回、これまでのエピソードで見せた陰りはほぼ、顔を見せない。複雑な関係性の屈折をレイアウトに託したり、フェティッシュに語らせる難しい演出も、そんなに表に出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
明るく、シンプルに。新生岩鳶のリレーは、問題の発覚も解決もスムーズだ。
ロミオのスタートイップスは、相手をよく見る眼の良さ、的確に伝える口の巧さで解決される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
伝えるべきメッセージが何なのか。何を求めて泳いでいるのか。大学組が見つけられない難題を、先行して解決している印象もある。んーむ、爽やかだなぁホント。
解決の舞台となるのがリレー“なのは、これまでのFree! の文法からして当然だし、これから問題に飛び込む連中の予言としても妥当だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
仲間がいること。信頼して体重を預けること。新しい景色を見ること。
このアニメは常にそれを解決策にしてきたし、三期でも変わることはないだろう。なので”リレー”だ
怜くんが心打たれ、仲間になったリレー。その思いを拳で叩く仕草を、リレーを終えたロミオもする。”部”のなかで受け継がれるもの、感動のリレー。胸に宿る情熱が、青春の心臓だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
そういうモノを後輩に与えられる存在に、怜くんもなったのだ。
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ロミオが負けた悔しさを言葉にしたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
負けて得るものもあるけど、勝ったほうが当然楽しい。悔しさを忘れてしまえば、競技への敬意も失われていく。
あくまで勝ち負けに拘る所含めて、高校組は本当に健全で、こじれたところがない。その爽やかな素直さが、とても喜ばしい。
素直な気持ちが流れていくためには、その源泉と行先を見ないといけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
今回は”口ほどに物を言う”眼の描写、アイコンタクトの強調がとても多かった。細かく挿入される視線の交錯が、良好なコミュニケーションを教える。
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誰かを見る行為は、つまり誰かを思いやる、ということだ。”先輩”になった渚は、自分のキャラである自由奔放な身勝手さを意識して使って、ロミオと二人きりになる状況を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
そんな”先輩”らしい気遣いを、怜と当意即妙に交換して、”部”がスムーズに機能する環境を維持していく。大人である。
渚も”永遠の弟分”ではなく、後輩ができたら立場が生まれ、それにふさわしい気遣いを見せる。誰かの”兄貴分”になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
考えてみれば当たり前の、しかし大事な変化が丁寧に書かれて、誇らしくも少し寂しかった。少しずつでも、みんなの背丈が伸びるのだ。
宗介もまた、様々な人に目を向ける。ロミオの恐怖に共感してみたり、それでも”大人”らしくアドバイスしてみたり。同じOBとして夏也を気にかけて、言葉と視線を交わらせてみたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
そんな視線から受け取ったものが、彼の背丈を伸ばし、どこかへ連れて行く。群像劇らしい、影響の乱反射。
傭兵スイマーである夏也が、第3話に引き続いて巧く使われていた。”大人”としてアドバイスしたり、メッセージをそれとなく繋いだり、”子供”として悩んだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
話の中心軸から少し離れた場所にいる強みを、巧く使っていると思う。全体の進行調整役をやりつつ、少し陰った表情も見せる感じ。
そんな男たちの感情は、視線に乗ってやり取りされる。だからこそ、目が映らないシーンに込められたものが、ハッと胸を打つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
過去の薄暗がりに踏み込まれた瞬間の唇。トラウマに握りしめられる手。ぶつかり合う磐のような拳。
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わかりやすくモノを言う”眼”と、少し暗号率が高い部位。これを織り交ぜて感情を描くことで、演出に緩急が付き、映像の記号論に奥行きが出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
これまでとは違う、オープンな方向性でエピソードを描きつつ、その表現力はやっぱり高い。色々見れて面白いなぁ、Free!三期…。
基本的に青春のピカピカ色で描かれる今回だが、影を引っ張る(ことで今後の物語に伸びしろを残す)宗介だけは、陰りを強調される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
夏也が触れたナイーブな心は、競技復帰に向き合えるのか。ロミオに自分を投影していた男は、スタートを切り直せるか
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そこら辺の含みもしっかり作る、面白い寄り道でした。まぁ東京で陰影激しい感情ネトネトばっかり見てると、どうにも息が詰まるからな…高校生組は扱いやすい優等生として、今後も空気穴に使う感じかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
今回負けた”リレー”を、夏本番ではしっかり描き、勝たせてあげて欲しいところだ。
人数の多い話なんで、色んなキャラが賑やかだったのも良かったですね。冒頭の気まずいドライブは、運転の下手な人描写が生っぽくて面白かった。気づかないから荒いんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
あと歩Changが可愛かった。マスコット系やってる時の広橋涼は、やっぱり神よりも神。
”先輩”がいなくなっても、しっかり”部”を引っ張れている二人を見せて、視聴者を安心させる回だったのかもしれん。というか、大学組が現役時代より、全然安定してた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
周辺視野もコミュニケーションも良好で、健全安心部活動って感じ。ホンマ立派になって…。
一方東京の人達は、先に進んだと思ったら泥に囚われ、なかなか難儀しておる。その陰りを色濃く見せるために、岩鳶を光で満たしたとも言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
次回は闇の源泉、郁弥と日和の子供時代っぽく。愛ゆえの檻がどう生まれたのか、まーた重たい話になりそうでとっても楽しみです。すげーネトネトしそう。
追記 これをキャラクター生来のニンの良さと見るか、物語の都合で首輪をつけられていると見るか。色んな角度から見れる演出だと思う。
Free! 追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月9日
普段は水泳シーンで荒い息遣い切り取って、雄度を見せてくる音響が、今回かなり引き気味にポジションしていたのは、なかなか面白い演出だと思う。
物分りよく、野獣っぽい感情を制御できる高校生は、泳いでも獣の息遣いにはならんわけだ。コントロールされとるな。