レヴュースタァライトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
東京迷宮を舞台にした、心のをくぐり抜け、二人は約束の塔で出会い直す。あの時の思いに、輝きを求める自分に。
スタァに相応しい姿勢を獲得した華恋に、置いていかれるものがいる。否、そもそも肩を並べていたのか。”まひるの華恋ちゃん”だった時があるのか。
そんな残酷な問を、爽やかに駆け抜けていく二部第一話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
負け犬のオーラを色濃くまとい、華恋を主役に躍動する物語に置いていかれていたまひるが、主役となるエピソードである。
前々回当たりから加速しだした作画・演出面での”遊び”が、まひるのトンチキなキャラを借りて更に勢いを増してきた。
日常パートもレヴューパートも絶好調。コミカルとシリアスが切れ目なくダンスを踊り、象徴性と笑いが同時に攻め立てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
じっとりと重たい感情を描いているのに、穴が空いて風通しが良い。このアニメ全体に漂うポップな雰囲気を、最大限に活かす作りとなった。
さて、今回まひるは徹底的に置いていかれる。これまでも置いていかれたが、その比ではなく置いていかれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それは華恋がスタァという夢に向かって駆け出したからだし、まひるが停滞…というか逆行しているからでもある。
先に進むもの、過去に戻るもの。ベクトルはさかしまで、必然的に距離は開く。
今回印象的な、輝きのパーティクル。まひるがいつの間に失ってしまっていた”華”は、華恋という外部(に接続された瞬間だけ、まひるにも)に、あるいは北海道での過去に宿っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それはまひるの外側にあるもので、求めつつ遠い。そしてその事実を、まひるは遠くから見ている。
一年前の舞台袖、あるいは現在のトレーニング室。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
まひるの視界の中で、華恋はまひるだけに微笑み、輝きをくれる。華恋に関わっている間だけは、”華”の一欠片を再獲得できると思い込んでいるまひるは、過去の栄光を取り戻し自分を慰める意味でも、華恋に執着する。
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まひるも入学が決まった時は、地元の星として脚光を浴びた。しかし厳しい選別の中で、輝く星と比べられた伴星は己を恥じ、いつしか”華”は逃げてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それでも、華恋ちゃんと一緒にいれば。地の底でも、輝きのかけらを手に入れられる。まひるはそう信じていた。
しかし華恋はひかりと再び出会い、彼女を守るためにレヴューに挑んだ。純那を倒し、真矢に破れ、道に迷ってひかりを追いかけ、その途中で自分の過去と未来を見つけ直した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
真紅の『アタシ再生産』で始まるレヴューは、幻想的に美麗な東京の中で剣戟を伴わないまま実行され、華恋の背中を押した。
自分を見失い、向かうべき先を見定められないまひるは、そこに置いていかれる。三人でいるはずなのに、まひるが華恋と私室を同じくするシーンはほぼない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
むしろ憎むべき泥棒猫・神楽ひかりのほうが、共有している時間は多かったりする。
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華恋は『だらしなくまひるに世話されている自分』と決別し、朝一人で起きるようになった。光のステージに、練習着で挑む資格をもぎ取りに行った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
そのパートナーに相応しいのは、過去の約束と未来の野心を共有するひかり、あるいは他の戦士である。
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ステージ型に切り取られた、大きな明暗。それが舞台に立つ資格、夢に挑む姿勢を選別しているのは、まひるだけが運動に適さない制服姿なところからも判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
停滞し、前を見ない。自分の真実を直視せず、他人の変化も受け入れない。まひるの逆行に、作品世界はなかなか厳しい。
それは華恋も同じことで、まひるに遠巻きに見守られつつ、主人公は生き方を変えていく。戦士たちが身を置く厳しい練磨に自分を投げかけ、輝きを受け取る資格を証明していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
まひるはそれを、遠くから見るだけだ。まひるの輝きは外部に、過去にだけしかない。
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TVの記録映像の中の、沢山のトロフィー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
輝いていた過去の光は、現実の闇の中でとても遠い。遠くに離れてしまったものを見つめ、足を止めるモチーフは華恋という外部、あるいはまひるの内面、両方に伸びている。
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しかし第二話で示したように、負ける側にいるものもまたプライドと光を持ち、自分の物語の主役である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
まひるが華恋を求めるのは、彼女が放つ光が自分を照らしてくれるからであり、華恋が好きな自分が好きだからでもある。献身で包んだ愛情は、存外エゴとプライドを宿しているわけだ。
そういう内側から漏れる光に気づかず(あるいは目を背けて)まひるは華恋を求める。だが生物としての華恋は、自分の足でどんどん進んでいってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
合いた距離を、華恋の名残(それは過去の残滓でもある)を宿した静物に求める、フェティシュでエロティックなシーンが描かれる。
匂い、つば、あるいは汗。身体の一部でありながら、身体から切り離され停止するものに、まひるは親近感を覚える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それは停止する自分によく似ていて、同時に自分のものではないからだ。自分では生み出せない輝きを持つ、華恋に属するものだからだ。そして、その停滞の試みは失敗する。
ヤバいペロペロに飛び込む直前で、うひゃー!と投げ捨てる。この天丼のセンスは最高に良かったし、感情の危うい淵でフッと身を躱し、重たくしすぎない作品の特徴を表しているとも思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
そんな緊急避難の現場には、つねにひかりがいる。
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ひかりは感情表現がドヘタだし、コミュニケーションもヘタクソだ。前回のクッソめんどくさい逃亡劇を見ていれば、それは判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
まひるも華恋(に反射する輝く自分)を見すぎて、ひかりが視野に入っていない。そこでひかりを怨まない所が、まひるちゃんの善良さなのかもしれんが。二人の視界はすれ違う
しかしそれが袖摺りあった程度の縁でも、想い人の無神経で結ばれた結果だとしても、二人は同じ部屋にいる。同じ場所で、同じ夢を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
まひるが危ういフェティシズムに沈みそうになった時、ひかりがお邪魔するのは、僕にはある種の救いなのではないかと思えた。
そこには断絶がある。不手際と無関心がある。しかし同時に、華恋に思いを寄せる二人は確かに隣り合い、影響しあっているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
投げ捨てた水筒が断絶を強調するレイアウトから、レヴューの幕が上がる。二人は同じメッセージを、同じメディアで受け取る。
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ここでも、まひるが制服、ひかりがレオタードなのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
第3話での華恋のように、まひるは舞台に真摯に挑む姿勢を取れておらず、そのことがまひるの敗北を呼ぶ。そして、そこからあるき出すのだ。純那ちゃんや華恋のように。
夢と星を追うものとして、少女たちは同じ道を歩む。
(物語の基点であり終着点でもある演劇。その主役が『クレア』と『フローラ』なのは、とても面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それぞれフランス語で『光』と『華』、舞台少女が求めて止まないカリスマの、別々の現れである。こういうところにも、シンクロと暗喩が埋め込まれているのだろう)
ていうかモロに”華”恋と”ひかり”なんだな。二つ星が天に昇るのは約束された宿命としても、その道程はけして平坦ではない。その凸凹をしっかり予見し、描ききる覚悟がネーミングから見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
このアニメの名前関係の遊びは本当によく練り上げられていて、読めば読むほど発見がある。面白いなぁ。
日常に閉じ込められては開放されない心を、演劇的空間で炸裂させる。前回のレヴュー無きレヴューで示された心理的切開は、今回も元気である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
というか、これまでで最高にイカれてぶっちぎっている。
ハリボテ、飛び出し太郎っぽいの、猫汁っぽいの。さーて、エンジンかかってきたぞクレイジーの。
野球モチーフが暴れまくる今回のレヴューも、これまでと同じように少女の心象が転がりまくっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
ひかりを話題に出した瞬間、空から降りてくるネコ型インベーダー。まひるの日常の破壊者は、華恋を別のステージに連れて行ってくれる。
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リアルな破壊力を想起させるメイスを、まひるはバットとして扱う。華恋をぶっ飛ばし、他の少女が争う戦場を呑気に横切りながら、二人の気持ちがやり取りされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
エピソード全体を包んでいたコメディ調子は、ここでも元気だ。謎の地下旅行が天丼する時、思わず微笑んでしまった。
しかしそこはシリアスな決意の場であり、真剣に思いを交わす宣誓の場だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
華恋がシリアスな自分を再生産した、約束の相手。ひかりの戦場に迷い込んだ時、ポップな色彩は消え、高い星の輝きと現実の薄暗さが帰還する。
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今、眼の前の相手だけに三昧に向き合うこと。同時に、隣に同じ夢を追う強敵(とも)がいると忘れないこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
華恋は迷いつつも、舞台少女たちが身を置くシリアスな競争心、公正な優しさに向かい合う。迷うシーンは、真矢が与えてくれた敗北、ひかりと思い出した約束で終わっているのだ。
これに対し、まひるは書割の舞台で踊り続ける。傍らに人無きが若し、傍若無人な狂気を振り回しながら、戯画化された”いつもの松”の前に陣取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
そこにいるのは生身の、前に進める華恋ではなく、ディテールを塗りつぶされ、地面に縫い留められた人形だ。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/iUPpL1Mc7I
こうして演劇的デフォルメを加えて現実の風景を再生産されると、学校が一種のステージであり、日常を劇的空間として切り取る演出指針は際立ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
能舞台に必ず描かれる松の絵を、学校は正門前に有している。日常が展開する場所は、常に特別なステージなのだ。 pic.twitter.com/tXrmiy99ya
ありのまま、眼の前の相手を、自分の恋を、夢への情熱を見るのではなく、歪んだ形で受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
あるものではなく、自分が望むもので世界を満たし、つねに流転する現実に身を投げない。
日常パートでコミカルに描かれていたまひるの歪みは、強敵に歪んだポップな舞台で、鮮明に描かれる。
この歪みの裏側に潜り込むことで、華恋は押されていた戦況をひっくり返し、勝利に近づいていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
しかし薄暗い心に風穴を開け、それが解決されるきっかけを作ったのが、まひる本人であったのは重視したい。
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たしかにまひるは歪んだ夢、身勝手な願いを華恋(に反射される自分)に投射している。それは人形のように時間を止め、どこにもいけない呪いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それを場外ホームランでぶっ飛ばし、勝者になるのは華恋だ。しかし、最初に書き割りを壊したのはまひるだし、お婆ちゃんに習わされていたトワリングだ。
全部他人の借り物で、輝きなんてどこにもない。過去の栄光もやらされていただけ、自分にはなにもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
後に華恋に優しく否定される、そんな思い込み。それを先行してぶち壊したのが、まひるの重たい鈍器であり、過去身につけたトワリングの技術であったことに、僕はやっぱり救いを感じる。
華恋とまひるの閉じた関係性に、いくらでも閉塞できそうなこのお話が、ひかりとの接触で進展していったように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
特別な主役に救済される物語に集約できそうなこのお話は、まひる自身を構成する過去と現在と未来に、まひるを帰還させることで収束していくのだ。
そのキッカケになるのは、やはり華恋だ。つばぜり合いから押し込み、影から光へ、思い込みから真実へとまひるを開放してあげられるのは、まひるの想い人である華恋の特権なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
貴方が思い込んでいるほど、貴方も世界も悪くはない。私が好きな貴方を、貴方が好きな私が認める。
そんな救済への圧力を象徴するように、まひるはキラキラする光の側へ歩みを進め、自分の顔を見つめ直す。(ダンス授業で良いステップを見せた後、華恋が”鏡”に向き合っていたことを思い出そう)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
そうしてようやく、まひるは適正距離を見出す。前回、華恋がそうしたように。
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外部に求めていた輝きは、自分の中にこそあった。過去の、そして現在に繋がる自分から発する、光のパーティクルは、多分闇の中で同じ映像を見たときにも輝いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
しかし、あの時は気づけない。レヴューを経て、華恋に真意をぶつけ、自分の真実を見つけたからこそ。
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まひるは真昼の星のように輝く、自分の中の可能性と夢を見つけられたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
身勝手な理想を抱いて停滞する場所から、過去に戻って現在へ、そして未来へ。とても普遍的な青春の悩みと決断を、とても特殊な演出で見せる。とてもこのアニメらしい歩みを、まひるちゃんに用意してくれたのが、僕は嬉しい。
今後まひるは、華恋とどういう関係になっていくのだろう。ひかりをどう受け入れていくのだろう。同じように”敗者”になった純那ちゃん、クロちゃんの輝きを見ていると、そこは死ぬほど信頼できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
勝ち負けは残酷に定まる。それは大事なルールだ。だが、それが全てを定めはしない。
星は自ずから輝くからこそ星で、しかしその光は何かの反射でもある。どちらかだけに偏れば、認識は歪み、思いは道を見失う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
光を取り戻すためにも、レヴューの特殊な舞台があり、オーディションの厳しいルールがある。まひるちゃんの新たな輝きを今後どう書くか、非常に楽しみだ。
そして、他の舞台少女たちの輝きも。例によって計算高く横幅広く、色んなキャラを切り取る筆が元気である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
故郷(≒過去)と和解したまひるを、命の糧として美味しくいただく。少女たちの食卓の笑顔が、あまりにチャーミングだ。
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レヴューでは真剣に勝負を演じ、食卓では友情と親愛を味わう。どちらも大事な人生の一場面で、基本この子たちはそれに真面目だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
そうやって少女を描いてくれていることが、作品への信頼、キャラクターへの愛情を豊かに育んでくれる。
俺、マジこのアニメ好きになってるから…(唐突な告白)
ひかりが一人笑顔じゃない所、ちょっと離れたところに立っているのが、彼女の心理的距離を示して面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それでもじゃがいも…純朴さを宿したまひるのフェティッシュを、ひかりは口に入れ、味わう。肯定し、受容するのだ。
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前回思いっきり迷った華恋が、今回非常に良い歩みを見せたように。あるいは純那ちゃんやクロちゃんが、”負け”で吹っ切れたように。そして今回、まひるが存分迷走したように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
舞台少女は皆、陰りや疎外を抱えている。それをしっかり切開しないと、夢への歩みは本物にはならない。
なので、メイン回が来ていないキャラはちと不穏で、危うい描写が散見する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
ひかりにかかる陰り、あるいは一年前の再演を望むばなな。こういう予感を巧く作ることで、次への期待が強まる。同じ悩みを抱えつつ、その現れは個別の色を写す。
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裏方に身を置きつつ、裏方になりきれないばなな。その行く先が開放的でないことは、彼女が背後に背負う影から判る。もしくは、モブが背負う窓からか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
この重たい暗示を、ばななメイン回でどう炸裂させるか。まひるの停滞とも通じる重力を、どうばなな色に使いこなして見せるか。非常に楽しみだ。
香子と双葉の共依存も、そこから離れようとして離れられない双葉のあがき、しがみつく香子のズルさをちらりと見せて、しっかり描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
こっちもどう描くか、非常に楽しみだ。
愛ゆえの停滞と、夢ゆえの離別。ここら辺も、今回描かれたものにしっかり通じ、複雑な折り重ねを見せている。
というわけで、霧崎まひるが如何な思いをいだき、如何な愛と夢に囚われていたかを、丁寧に伝えてくれるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
コミカルな軽やかさを空気穴に使って、重くなりすぎないよう調整しつつ、しかしそのシリアスさを茶化しはしない。重たさを引き受けた上で、明るく前に背中を押す。
自分たちが紡ぐ物語、生み出した世界、そこで生きるキャラクターへの愛情と責任感が、肌で伝わるような良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
重く薄暗ければ、それだけで真実ってわけではない。どうやっても漏れてしまう明るさのなかで、渦を巻く暗黒。それも含めて今の私を、肯定し再生産していく。
ここまでのお話で幾重にも積み重なってきた、このアニメの青春へのスタンス。それがもう一枚、強力な証明を果たしたと確信できる、素晴らしいお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
それぞれの役柄、役割の中で、みな必死に生きている。自分星に向かって進むアニメは、一体次回何を魅せるか。とても楽しみですね。
追記 ネクロフィリックな愛の自滅性に、笑顔で背中を向ける事。その歩法があくまで、輝く自発性に導かれていること。それらの運動が自然であること。やっぱいいアニメだなこのアニメ。
レヴュースタァライト追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
ギャグ調で描かれていたまひるの静物への愛だが、それが行き着く所は究極の静物…死体への愛好である。時間を止め、生物的変化を拒絶し、自分に都合のいい永遠の中で腐敗する。
それはやっぱり、幸福ではない。生き生きした光を、まひる自身が求めている以上は。
死体を愛好するには死体を作り出さなければいけないわけで、まひるのフェティシズムへの偏向をそれとなく止めたひかりは、やっぱ大したことをやったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
華恋だけではなく自分の心の瑞々しさも殺す、ある種の殺人事件を、まひるの接触(あるいは偶然)は未遂で終わらせたのだ。
それを『正しくないから』という外部の視座ではなく、『キミの真実に背いているから』という内部の視座で掘り下げていくのが、今回のレヴューかな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月10日
その自分本位の体温が、凄くあの子達の青春を尊敬しているように思えて、僕は大好きだ。
追記 食べることは肯定すること。まひるは芋である自分自身を食べ、仲間に食べられる。過去を、敗北を、未来を食べて、その先へ。まだまだ物語は続くのだ。
スタァライト追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
まひるの“キラめき“が時間的(栄光の過去)も、空間的(北海道という故郷)に、主観的(華恋という他者)に離れていたところから、その全てが自分を構成しているのだと気づき、納得し、受け入れるまでが今回のお話である。
つまりそれは自分の起源を認識することで、現在の惨めな自分を肯定し、惨めではない未来へ踏み出す歩みである。過去と現在、現在と未来が有機的に繋がっている人生を認識することである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
グッドルーザーであることを受容した、ともいえる。
良い負け犬として、自分を認識すること。青春の荒野をくぐり抜けて、自分の人生を照らしてくれる星を掴むこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
みな敗者として、幼い全能感を失った後の人生を生きる。しかしそれは、惨めなことではない。一人の勝者足り得る華恋を主役にしつつ、このアニメは百億の敗者に目を向け続ける。
”華”のない、芋っぽい自分。故郷の大地と強く繋がったそれを、まひるは肯定し、仲間は美味しくいただく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月11日
華はなくとも、実は残るし腹は膨れる。明日に向かって歩き出すエネルギーは、皆と食卓を囲むことで再生産されていく。
そういう敗北の書き方には、優しさと体温がある。やっぱり、このアニメ好き