ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
抹香臭い押し付け学習なんざぁ、まっぴらごめんだ! 俺たちの教室はゲーセンにある!
つうわけで、ゲーマーの魂がCAPCOMお膝元・大阪で燃え上がるスパ2X大会編。自分の思いを素直に口に出来ない、不器用な二人。彼らが繋がる手段はただ、ザンギとガイルの殴り合いだけ…。
そんな感じの、大野さんの大逆襲回である。滋賀でいい雰囲気になった日高さんに、三倍くらいの絆の太さを見せつけてくる、残酷な回であった…やっぱ共通言語・共通体験持ってるのはつえーな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
メストの誤植ネタ多めで、なんとも懐かしい気分になった。ホント『ハンドルを右に』には見えんのよな…。
今回はハルオのモノローグが分厚くて、彼がゲームに、大野さんにかける思いがグッと伝わる回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
スクールカーストも成績も下の方、青春全部をゲームにぶっこんだ劣等学生にとって、ゲームだけが世界と自分を繋いでくれるツールである。自分より遙か高みにいる大野さんとも、ゲームなら繋がれる。
だからこそ対等でいたいし、本気でぶつかりたい。ゲーマーハルオは自分の気持をそう固定して、大会と河原の殴り合いに挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
しかしそこには、一つの転倒が潜んでいる。ハルオがゲームにこだわるのは、日高さんという一人間と繋がる手段だからであり、求めているのは実はゲームそのもの"だけ"ではない
性別を超えた友人であり、魂を揺るがした大事な人。そんな彼女と繋がれる唯一のツールだからこそ、彼女がいなくなった後もゲームを続けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
いつかまた合う時に、心をつなぐ言葉代わりにボタンを押して、ちゃんと向き合いたいから。
ゲームキチガイに秘められた、熱い純情である。
ハルオは思春期ボーイなので、普段はそういう気持ちに向き合いきれない。茶化して、あるいは『俺はゲームが好きなだけだし!』という迷彩に逃げて、自分の友情と愛情と真っ向対戦しきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
しかし大事な大事なゲームが壊されたと感じると、そういうつよがりがぶっ壊れて本音が出てくる。
おもしろ対戦者が温度を上げてくれる大会パートも良かったが、ゲームを通じての対話が『これ、パンチボタン効きませんけど』で破綻し、伝わらなかった気持ちを言葉と拳で伝え合う河原パートの青春力が、まぁ凄いことになってた。番長漫画みてー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
"家"の抑圧、未成年の不自由。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
高嶺の花に見える大野さんも、強いストレスに悩まされている。そんな彼女にとって、ゲームという言語、それで通じあえるハルオという少年は、とても大事な存在だ。ハルオにとってそうであるように。
暴力という言語を振り回すのも、受け止めてくれると甘え、信じるから。
情け容赦のないボッコボコ描写は、大野さんがハルオに寄せる期待と信頼の裏返しであり、心に秘めていた鬱屈と期待そのものでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
ハルオはそれを避けない。武術の鍛錬を受けてないので、掴んで振り回すだけのゲーセン喧嘩術だが、自分なりの暴力をむき出しにして大野さんと闘う。
それはゲームとは別のコミュニケーションであり、ジリジリとした間合いの図りあいでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
ここまで踏み込んでも大丈夫、ここまで言っても大丈夫。大野さんが拳を振るい、ハルオがそれを受けるたびに、お互いの距離感が測定されていく。それは近い。少年と少女の魂は密着している。
劣等生の憂鬱も、お嬢様の鬱屈も、すべてさらけ出して共有する。そういうツールとして、ゲームも暴力も機能するなら、世間がなんと言おうとそれは"良いもの"なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
そういうメディアを通じてしか、自分と相手を理解できない。普通に充実した青春なんて送れない。
歪で、熱くて、どこか眩しい。フリークス達の友情と青春、すれ違いつつ繋がる思いがしっかり乗っていて、河原の殴り合い(大野さんの一方的蹂躙)はいいシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
ハルオの心情がドバっと溢れてくるのも、拳に乗っかった大野さんの気持ちをハルオが受け止めるのも、指輪の純情を見落とさないのも
そんな彼らなりの青春を、後ろで見守るゲームキャラ達。電脳世紀の妖精譚っぽくて、あの描写やっぱ好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
ハルオの世界は、ゲームで出来ている。人生で大事なこと、眼の前の女の子が言いたいことは、ガイルや安駄婆が教えてくれる。
フツーじゃないが、そういう世界にハルオは生きている。
それは大野さんも同じで、いびつなゲームキッズは対戦者であり、協力者であり、特別な世界を共有する仲間だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
宮尾が超いいやつなのに恋の土俵にすら上がれないのは、妖精が見えないからかもしれない。ホーントな、孤立した大野さんの友達になれるよう、敗戦前提で恋戦を仕掛けに来る所とかホント…。
宮尾はナイスガイなので、ハルオと大野さんの恋を遠巻きに応援する立場に映る。妖精が見えない自分を受け入れた上で、青春を共有する仲間を静かに見守ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
しかしそんな甘っちょろい距離感で、黙ってられない女もいる。妖精が見えないなら、見えるようになればいい。ゲームに狂えばいい。
河原で確認された特別な絆に、コイン入れて挑戦状を叩きつける。日高さんのリベンジがどこまで燃え上がるか、ゲーマーとしての進化が楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
いや…このままじゃ一切勝ち目が無いんで、共通言語手に入れないとホント無理…手に入れても、小学生時代の共通体験が太すぎるけど…。
そんな感じの、大野晶の横綱相撲でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
ハルオをあそこまで本気にさせ、お互いむき出しで通じ合う。二人の唯一性をこれ以上ないほどに叩きつける、良いエピソードだったと思います。
独り相撲だと思ってたら、がっぷり四つだった。すれ違いをプラスティックの指輪が一瞬で埋める所が超絶ロマンス。
宮尾の菩薩のようなナイスガイっぷりも印象的で、今後の出番が楽しみになります。ホント超いいやつだからなあいつ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月31日
圧倒的アドバンテージを見せつけられた、日高さんの巻き返しはあるのか。加速する格ゲーブームの行方は。ゲームキッズの加速する青春が、今後どう描かれるか。
とても楽しみですね。