Persona5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
超常の力を使いこなし、腐った悪を討ち果たす。世間に見捨てられた子供たちが、異界で夢見た儚い世直し。それが実は、巨大な陰謀に仕立て上げられた、愚かな踊りだったとしたら…。
じわじわと狭まる包囲網。逆転するネットの世論。薄曇りの空の下で、青春が踊る。
そんな感じの、現状認識&関係進行回。浮足立ってた怪盗団が足場を掴み、ガキの無力さを噛み締めつつそれでも諦めない姿を、巧く24分にまとめる回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
いろんなことを詰め込んでいる駆け足感は前回と変わらんのだが、なんか充実感があったな。
Aパートはオクムラ死亡をトリガーにして、怪盗団を泳がせていた存在が包囲網を狭めてくる様子を描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
体罰教師、やりがい搾取、半グレにブラック企業。これまで反社会的存在を相手取ってきた怪盗団だが、今回の敵は警察…社会秩序そのものである。悪なる善を振り回す少年たちは、真っ当な善…
に巣食った悪には弱い。悪童達の英雄ごっこをお膳立てし、良いようにつかい潰す計画が次のフェイズに移った結果、怪盗団は寄る辺を失っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
どうなのオバサンが出世を出しに引っ張り出され、スケープゴートに据え付けられるのも、同じ流れか。出世第一主義な方向に、認知イジられてんのかな…?
薄暗い空の息苦しさが、怪盗団を取り巻く『正義』の隠微さを巧く表現していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
掴みどころがなく、しかし確実に首を絞めてくる。ネット世論や司法制度といった、目にはみえないが確実に存在している透明なインフラで殴りつけるのは、そこにアプローチする手段がない子供にはよく効く。
こうして包囲網が狭まってみると、これまでの上っついた感じは意図的だったのだな、と納得する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
抑圧されたからこそ、ペルソナで世直しするのは楽しかった。自分が一端の人間になれたような気がした。でも、その快楽と正義は、クソみたいな世界がお膳立てしてくれた、儚い夢だったのかもしれない。
足元が完全に瓦解してからそれに気づくわけではなく、双葉の部屋で情報をまとめ、その輪郭を地力で書き直すシーンは、怪盗団の能力と矜持を感じさせてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
浮かれポンチだしワキも甘いけど、完全にバカってわけでもないのだ。特に真と双葉。この二人が生命線だな…。
双葉の部屋が、カオスながらも整頓され、自分のルールを持った構成だったのは面白い。母の死に苛まれ、自分も他人も世界も見失っていた時のゴミ屋敷は、怪盗団と出会い、怪盗団となることで整頓された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
様々なものに興味を持ち、ディープに調べきる。双葉の個性と強みが部屋に出ている。
真相を探っていく時に、フェザーマンRのポスターに『今明かされる衝撃の真実』と描いてあるのも面白いし、ヒエログリフが飾ってあるのもいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
心の中のピラミッドは、未来に場所を明け渡した。でも、そこで受け取ったものが消えるわけじゃない。
©ATLUS ©SEGA/PERSONA5 the Animation Project pic.twitter.com/fC5vSrMnJk
そんな双葉のケオティックな知性は、コードに仕込まれた指紋を読み解き、状況を整頓していく。春も姉の生活情報から特捜の動きをハックし、権力が動き出したことを感知する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
しかし、そこで終わりだ。状況を認識しても、子供である彼らには権力へのアプローチ手段がない。
第1話の曇り空よりは前進し、しかし完全に自由になったわけでもない。超常の力はあっても、それを仕組んだ巨大なシステム全体と戦えるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
怪盗団を包囲するジレンマ、そこに埋め込まれた陰謀と希望を、スマートにまとめるAパートだった。双葉CHANGが賢くてよかったねウン。
Bパートは色んな人と高速でふれあい、失った自信を取り戻していく話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
英雄の介添人でありながら、英雄自身にはなれない。ペルソナなき三島くんの生臭い悩みを中心に、新しい出会いあり、出発点の確認あり。
曇り空が重たいからこそ、小さな光明が救いにも感じる。良い明暗の対比だった。
将棋少女とイチャコラしたり、ゲーセンでガンシューしたり。危機的状況を把握しても、蓮の毎日は変わらない。変えることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
しかしそこでも、出来ることは在る。コンプレックスと認知の歪みを極限化させ、シャドウ出しちゃった三島くんを救うとか。
あそこでペルソナバトルでゴリ押しするのではなく、三島くんを信じて言葉だけ預け、自力で克服させたのはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
誰かに用意された(かもしれない)超常の力が、怪盗団のヒロイズムの全てではない。
当たり前の生活の中で、一つづつ積み上げてきた当たり前の青春と友情。
それこそが、真実力強いのだと証明しに来た感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
お膳立てされたヒロイズムに酔っ払ってたのは、蓮も同じ。どす黒い欲望を吐露する三島くんは、自分を移す鏡でもある。だから、ペルソナに頼らず、鏡の中の自分を信じて、共に立ち向かう道を選ぶ。ジュブナイル!
そういう甘っちょろい純情を、土足で踏みつけにしてくるのが腐った大人でも在るわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
Cパートで顔面ボコボコの蓮を映すことで、彼の決意が一度は踏みにじられることは明示される。大事なのは、ボロッカスにされた後の逆転の一手が、あるのかないのかだ。
他人を見ることで道を改めるのは、主役の特権ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
怪盗団が始まった事件の"その後"を描くことで、杏殿がパワーを取り戻したり、それが父を失った春ちゃんに電波したり。
怪盗団が"団"である描写が多めで、一筋の光明になっていた。ゼニもコネもねぇガキには、ダチしかいねぇんだ!
志帆さんのリハビリが描写されたのは、個人的にはすごく好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
デカい事件が終わって、ボスがぶっ倒されたからといって、事件で傷ついた人が消えるわけじゃない。悪逆に踏みつけにされた人も、ぶっ倒れたままじゃない。
諦めなければ、支えてくれれば、人は前に進む。進むことが出来る。
非日常の力を持たない三島くんや志帆さんを、ペルソナを持つ怪盗団が支える。立ち直らせ、手を取り、一緒に歩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
その時、超常の力は善を為す絶対条件ではない。あらゆる人に宿り、だからこそ守ることが難しい良心こそが、曇り空を切り裂いていく大事な武器になる。
それさえあれば、それをより集めれば、一度間違え、地面に伏したとしても立ち上がることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
今回描かれた凡人達の苦悩と再起は、実は今後超人高校生を襲う苦難と"その後"を暗示するエピソードだったのかな、と感じた。キャらの根っこが同じだと感じられて、すごく好きな作り。
そして良心の光は、あくまでか細い。腐った大人が本気で振り回す力は、弱々しい抵抗ごと怪盗団を飲み込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月2日
法、世論、権力。ペルソナ程度じゃどうにもならない巨大な装置が、陰謀の顎で噛み砕こうと軋んでいる。怪盗団が振るうは正義の刃か、蟷螂の斧か。次回も楽しみ。