少女☆歌劇 レヴュースタァライトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
"ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず"
より良い第100回へ、より良い私達へ。変化と成長を求めるひな鳥達を、守護し支配してきた母なるニュクス。
その世界卵が、ついに壊れる。二人で星を摘むべく、天を目指す少女の思い。
そして、幕が上がる
というわけで、大場なな三部作最終章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
スタァライトらしい二層構造が随所に盛り込まれ、圧縮率は高いながら充実感があり、取りこぼしのないエピソードとなった。
勝者であり主人公である華恋ではなく、ルームメイトであり最初の敗者である純那にトリを任せてくれたことに、感謝しか無いマジ…。
アバンからの三分半は、非常にありふれた演劇学校の一幕が描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
裏方も必死に頑張り、皆で意見を出し合い、最高だった過去をさらにリファインしていく。
私達はもっと良くなれる、世界はもっと輝く。若人の根拠のない期待がピカピカ輝き、とても眩しい。
レヴューの濃厚な時間/体験に飛び込む前段階の、のっぺりした現実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そこに濃厚な意味を圧縮して配置しておくのは、スタァライトの基本形であり、得意技でもある。
今回も最初の三分半に、ななが何を思い、何処に留まり、どれだけ孤独なのかは活写されている。
なな以外の八人はみな、演劇の全領域にコミットし、意見を交換している。裏方も役者も関係なく、一つの舞台を作り上げるコミュニティ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ななはその集団からも、集団が共有する理念からも孤立している。前進、改革、再生産。舞台少女の共通項から、支配者/守護者であるがゆえにはじき出される。
最終的に純那が切開役を担うが、ななも変化と再生産を望む舞台少女の一人である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
一回こっきりの舞台にすべてを燃やし尽くし、その貴い炎でさらなる高みを目指す。過去と現在と未来は健全なリンクを保ち、進行方向は過たない。
はずなんだが、今のななは優しさを暴走させている。
自分で止まることは出来ないので、イレギュラーたる華恋に決定的に破れ、その中で問いを顕在化させていく必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
今回のレヴュー(の後の純那ちゃんとのトーク)、ななちゃんは質問ばかりしている。それは、答えを知りたいからであり、答えを持っていないからでもある。
優しさだけに囚われた、大場ななの狭い視界。その中でもピンク色の星は随所に光り、未来への道は開かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ただ、視野が狭くなったななはその当たり前の光には気づけない。自分が正しいと言い聞かせることで、自分の優しい世界を守り続ける。
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華恋は結構エゴイストなので(トップスターとしては、大事な資質だと思う)、ばななの再生産は純那がやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
彼女の優しさ、過ぎ去った過去を愛おしく思う気持ちは、否定するべきものではなく再生産するべきものだと。一人ぼっちで再演を繰り返していた少女を、ちゃんと見つけ直してあげる。
その肯定があってこそ、ループを打破され自分の世界を壊されたばななは、自分を再生産できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
成長は過去を材料にしてこそ成立するもので、過ちと切り捨てられてしまっては再生産する材料がない。純那ちゃんは過去の知恵と、自分の言葉をばななに分け与えることで、再生産を手伝ったのだ。
しかしそれは結末であり、ななの心に分け入る過程では、迷妄や暗がりが牙を研いでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
未来の夢をピンどめしたボードを前に、よりそうななと純那(そして華恋とひかり)。第2話で敗北を肯定した純那は光に留まり、ななは闇に沈む。
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暗くて冷たく独りよがりな場所。自分の優しさの闇へななは進んでいってしまうし、これまでの再演(再生産ではない)ではそこから出れなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
純那は日常の中でななと出会い直し、彼女が闇の中にいること、自分がななの繰り返す母胎の中にいることを学んでいく。
ななが永遠を望むようになり、99回公演が開始したスターティング・ポイント。果たされることのなかったレヴュー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
”だいなな”中学校なのが面白いけども、そのタイトルは『情熱が目覚めるとき』である。大場ななにとっての約束タワーは、孤独で不完全燃焼であった。
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その無念を克服…というより、愛と期待を込めて再生産するべく、ななは聖翔へ向かった。未来に向かって飛翔するための、聖なる楽園で、ななは永遠と初めて出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
奇跡のように挫折は回復され、夢は不死鳥のように蘇る。(第3話における真矢と鳥のモチーフを思い出すね)https://t.co/lmex6EsoBD
それは呪いのトゲともなり、ななの胸に突き刺さる。目覚めることない茨姫、スタァライトの魔法は魔女の呪いでもあったわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
強すぎる輝きは、時に盲目を生む。スタァライトの結末が示唆するものは、なかなかに多層である。ホントクソ悲劇だと思いますけども!
ななの起源と同じように、華恋&ひかりの根源にある舞台・スタァライトの大筋も今回開示された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ななが『友達と別れ別れになっちゃうクソ悲劇』だと受け取ったものを、華恋とひかりは『強い思いの物語』だと解釈する。痛みの中に弱さを見るか、強さを見るか。
華恋とひかりはトンチキ劣等生のペルソナの奥に、物語全体を俯瞰し、テーマを見抜く批評家の視線を持っている、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ななは自分の個人的体験・感情が強烈過ぎて、舞台全体を俯瞰できない。スタァライトの解釈違いは、世界(あるいは演劇行為)を認識する視座の差だ。https://t.co/DkbinjS5V6
あまりに眩しく孤独な星。強すぎる光が目を焼き、最も大事な人の姿も、かけがえのない命も奪ってしまうような悲劇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そこで試される人間の美徳を、また別の結末に繋げるのか。世界の厳しいルールは変わることなく、犠牲を求めるのか。
舞台・スタァライトが第100回公演でどう変わるかは、大事だろう。
悲劇に終わったスタァライトの段階で、星が2つあることが一つの示唆かな、と思う。禍々しい赤の主星には、小さな伴星が常に寄り添っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
それは華恋とひかり、あるいは真矢とクロディーヌを照らし、また二人に照らされるものでもあるのだろう。
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ななは今回主役に敗北することで、世界の玉座(あるいは牢獄)から開放され、涙を流す人間であることを許される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
これまでも舞台少女の内面を開陳してきた、私室と机。そこにあるのは写真、テープ(束縛と修復のためのツール)、バナナ、蛙である。
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自分がそこに帰属し、自分がそれを所持していることを強調するように、99回台本に貼り付けられた蛙マーク。真新しい(完成させ『ちゃった』)100回台本に、ななはシールを貼らない。まだ、そこに自分が帰属しているのだという確信が得れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
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新しい可能性を手にとる時、シワクチャの過去を捨てる必要はない。愛おしさと共に抱きしめ、やりきれない思いを涙に流しながら、片手で過去を、もう一方の手で未来を掴めばいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そういう場所に大場なながたどり着くには、思う存分迷う必要があるのだ。
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一歩ずつ闇を深くしていく階段を降りつつ、ななはループと変革について考え、転校生であるひかりではなく、彼女を導きにレヴューに飛び込んだ華恋こそ、世界を再生産する中心点、物語の主人公であると思い至る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
その歩みが世界と連動しているからこそ、主役は主役なのだ。
華恋の参戦(を呼び込んだ、ひかりの決意。敗北し全てを略奪されてもなお、勝利を再生産しようと二度目のレヴューに挑んだ敗北者の意地。再演を繰り返すことで、ななが知らず蔑してしまったもの。純那ちゃんの自分星)、新たな変化が自分を壊し、未来への夢を疼かせていたことに、ばななは思い至る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
永遠を固定した自分が、変化を望んでいること。自分が間違っているかもしれない、という疑念。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
人間・大場ななを深く深く掘り下げていく日常パートで、もしくはこれまでの大場ななの描写の中で、答えは出ている。なので、決闘パートは結構あっさりである。そこで、ななの答えは出ないからだ。
しかし問いを見つけなければ、出すべき答えは見つからない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
レヴューで二刀を叩きつけつつ、華恋にななが問い続けるのは、変化しつつある世界と自分をしっかり見つめ、日常の中で視野を広げていた結果でもある。
完全なる世界/自己認識が崩れ、不完全な実相を受け入れる。ななの自我が成熟していく。
『どうして?』と華恋(自分の完璧な世界を壊す主人公)に問うようになったのは、答えがないと不安だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
『私が守ってあげる』という今までの答えは、この段階で大場ななを安定させる真実ではなくなっている。失われた確信、永遠の再演の代わりをななは求め、問う。親なき子供のように。
悪しき母のように、少女たちの成長を阻害していた大場ななが、実は最も不安な子供であった。分からないから問い、世界の真実がどんなものか、震えながら探し求める少女であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そういう描写はこれまでも随所にあった。ななは自分のエピソードの最後に、見落とした星を摘むだけなのかもしれない。
ななは刃で、あるいは写真機としての携帯電話で目を塞ぎ、未来へ向かう他人の、世界の、自分の真実を見ないようにしてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
その覆いは、永遠の再演を維持するための勝利を求め、剣を振り下ろしレヴューすることで剥がれてしまう。
(C)Project Revue Starlighthttps://t.co/JBbBbUcsNT pic.twitter.com/lDWvpcw7EK
永遠を続けるためには、一瞬に全てを賭けるしかない。剣は自分の目を塞ぐためではなく、相手を打倒し、戦いの中で何かを学ぶためにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ななのレヴィーは矛盾に満ちているが、そこに答えを与えるのは華恋ではない。華恋は問に真摯に答えるが、それは自分の答えであって、ななの答えではないのだ。
ななが恐れつつ惹かれている変化の象徴として、『カップリング』が使われているのは凄く面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
クソオタクを引きつける甘い蜜として、当然タクティカルに企画に組み込まれた女の子のキャフフ。定型化したキャラ記号を、定番に従って組み合わせることで生まれる、停滞した安心。
『いかにもくっついてそ~』と、鍛え上げたオタクリテラシーが吠える組み合わせは、しかしアニメ序盤ではあまり充足しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
トップと二番手、お嬢様と騎士、幼馴染と転校生という鉄板の組み合わせを外して、意外なクロッシングを序盤で見せる。
『描かなくても、お前ら判るだろ』とばかりに。
そんな第1話、第2話あたりのキャラいじりに僕は悶えていたわけだが、今回ななが『繰り返さない意外性』の象徴として女々の関係を思い返すことで、描写が意図的であり、戦術的であったことが裏打ちされた感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
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スタァライトはラブライブの、シスタープリンセスの、ときめきメモリアルの"後"にある物語だ。二次元美少女を大量に並べ、その組み合わせで萌えと消費を加速させる物語商売の最先端だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
過去積み上げられてきた、キャラ記号の順列組み合わせ。その資産を再生産して、新たなレヴューを生む企みである。
なので、『いかにも』なカップリングを掘り下げる前に横に広げ、新しい組み合わせを見せていく。それぞれ異なる舞台少女が学友として、戦友として絆を作る様子を、定番で安心させる前に叩きつけてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そのちょっと新しい記号いじりがななのループと組み合わさった時、ファンサービスの領域を超える
華恋とひかりのお姉ちゃんしているまひるは、ひかりが転校してきて嫉妬のレヴューが炸裂し、栄光の過去が今なお続いていて、自分こそが輝きの発信源であると気づかなければ、見れなかった光景だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
第5話がないと今回の、萌え萌えむくれっ面お姉ちゃんは見れなかったはずである。
隣り合ってきなこ棒を食べる双クロも、真矢と香子の裸の付き合いも、第6話で双葉と香子が衝突し、捻じくれた共依存の先にある自尊と独立にたどり着けたから生まれた光景だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そしてその変化を生み出したのは、第1話で華恋が果たした力強いジャンプなのだ。https://t.co/roExLECYgS
その癖、話の真ん中を支える『貴方一人』の関係は、話のメインに据えてどっしり描く。一回休みな真矢様が、静かな闇の中見つめるのは99回の思い出、写真に切り取られたクロディーヌなのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そういう変奏とメインテーマの組み合わせが、このアニメは非常に巧い。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/OTE6CvUDiQ
話がズレたが、ばななの問いに自分の答えを返した(第3話、第4話の迷いと再発見あってのことだ)華恋は、世界に刻まれた『99回』から出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ななの支配する狭い世界に反逆し、自分の星をつかめるポジションへと遷移する。
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相手の土俵に乗らないこと。自分の輝きでステージを埋め尽くし、地の利、人の支持を掴むこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
これまでのレヴューでも、勝ち星は舞台を味方につけた側が掴み取っていた。地面に刻まれた"思い出タワー"から出るのは、必然であり必勝の歩みなのだ。
かくして、大場ななは敗れる。華恋は真摯に勝負に向き合い、ななを高い塔の孤独から下ろしてはくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
しかし、華恋が見据える『たった一人』はあくまでひかり。ななの孤独を埋めてくれるのは、別の舞台、別の相手である。
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それが第2話で敗北した星見純那であることに、僕は必然と感謝を覚えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
負けの先の自分星、傷を受けてなお未来を求める強さを、物語の舳先に置いた純那ちゃんが、初めて敗北を知り、崩壊と変化を繰り返す世界の実相に怯えているばななちゃんに、特権的に寄り添う。
それはとても大事なことだ。
ごはんを用意して、後ろで見守る。『みんなのお母さん』だったななは、自分の充足した世界を壊され、不安に震えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そこを、純那が凡才故に学び取り、自分を支える足場にしてきた確言…過去の、他人の知恵が補っていく。ななの楽園にはなかったものだ。
この時、ななは大きい体を折り曲げ、自分を守っている。それが大場ななむき出しの魂であり、素直な身の丈であったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
持ち前の優しさから生まれた、『みんなを守らなきゃ』という義務感。それが無理くり伸ばしていたデカい身の丈を剥がしてみると、大場ななは脆く、小さなただの舞台少女である。
それが生まれてきた過去の思いも、繰り返してきた優しさも、純那ちゃんは否定しない。自分も迷い間違えてきたから、同じように間違えた戦友の再出発に、優しく寄り添える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
負けることで優しくなれるなら、そこには勝利以上の意味がある。第2話で見つけた自分星は、無意味でも無価値でもない。
震える小さな友達に、『世界はこんなに広くて、昔の人は色々知ってたんだよ』と教えられること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
自分も膝を折り曲げて、対等な立場で仲間を抱きしめ、涙を止めてあげること。
それはスタァとして輝く以上に、尊く意味があると僕は思う。
(C)Project Revue Starlight
震える小さな友達に、『世界はこんなに広くて、昔の人は色々知ってたんだよ』と教えられること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
自分も膝を折り曲げて、対等な立場で仲間を抱きしめ、涙を止めてあげること。
それはスタァとして輝く以上に、尊く意味があると僕は思う。
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すっくと背筋を伸ばして立つ星見純那は、敗北を先に知りそこから立ち上がったゆえの人格的優越を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
その優位を手放し、傷つき震えるむき出しの大場ななを抱きしめる姿勢からは、純那ちゃんの優しさを。
それぞれ感じ取ることが出来る、見事な同ポジ演出であった。ありがとうスタァライト…。
星は、高い塔の上でなくても世界に満ちている。その光は、瞳を焼き人を殺すだけではなく、涙の中で優しく寄り添ってもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
大場ななは星見純那に抱きしめられること、シワクチャの99回台本に込めた想いを受け止めてもらうことで、それに気づく。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/oJeyFqHhIc
それはとてもありふれた少女の成長譚であり、同時にとんでもない奇跡なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
笑顔の仮面を貼り付けていた大場ななが、ようやく人間の表情で泣き、笑えるまでに、3話とそれ以上を使ってくれたこと。そのうねりの中で、舞台少女の表情を活写したこと。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/mdM6MgK1lF
かつて歌えなかった星積みの歌を、大事なルームメイトと合唱できるようになったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
レヴュースタァライトとは、そういうモノを書く話なのだということを、今回のエピソードは見事に主張し、また再生産した。それは純那ちゃんが負けて立ち上がった第2話から、あるいは物語の開始から言われている
一少女が己に迷い、取り戻す。そこに仲間が手を差し伸べる、ありふれた物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
それはあまりにも特別で、力に満ち、裏腹で複雑な象徴と、シンプルで力強いドラマが組み合わさって成立している。
そういう自分たちの設計図を、見事に物語として歌いきった三部作であり、最終章であったなと思います。
大場ななの魂を描く時シンプルに明暗で分けるのではなく、光の中で泣かせ、闇の中で笑わせる。そういう捻った表現は難しすぎず、何を描いているのかストレートに見えもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
人間・大場ななを描く筆は、そういうスタァライトの強みを最大限ぶん回しもしてました。徹底してポップなの、ほんと無敵。
ホンマ、ななちゃんが無理して世界のお母さんしてるのは痛ましくて見てられなかったんで、華恋が身勝手な情熱で真剣にぶっ壊して、純那ちゃんが完璧に拾い上げ隣に立ってくれた今回、ありがとうしか言えん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
笑顔の仮面の奥で、わけが分からなくて泣き続けているガキをほっとけないアニメ、マジ信頼。
ななが負け、ありのままの自分を見つけ直す自由と知恵を手に入れたことで、物語は時空SFのツイストから離れ、ど真ん中演劇スポ根に帰ってきます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
次なるはオーディション最終回、トップ四人がしのぎを削るラストバトル。え…残り四話もあるの? なにすんの?
という疑問には、実際描かれるものが完璧に答えてくれるでしょう。そういう無責任な信頼を寄せていいことは、これまでの9話が証明してくれています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
この三話で描かれた大場ななという人間の陰影、じゅんななの関係性の濃さを思うと、次に来る真矢クロで脳髄をぶっ壊されるのは、まぁ確定。
作者がぶん投げてくる叙情性と感情の爆弾で、狭い視野をぶっ壊され世界が広がっていく快楽。間違いなくスゲェのブチ込んでくれるという期待感も、必ず報われるでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
一つの幕が下り、また一つの幕が上がる。レヴュースタァライト、とても面白い。来週も楽しみです。
追記 タロットに置いて塔は破壊と再生産の象徴。大場ななは優しさ故に塔にこもり、金色の髪の毛を伸ばす手段を知らないラプンツェルだったのだろう。
スタァライト追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
99回で使って用済みになった、星見の塔。ななの優しさと身勝手なノスタルジーを受け止めるフェティッシュが『作り直される』のは大事なことだ。
それは捨てられない。それを元に、第100回の新たな星見の塔が再生産されるのだ。
ななはあの暗い部屋で、『捨てられる』ことに目を塞がれ、『作り直される』事実には目が行っていなかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
世界は認識で出来ている。心の在処一つで全てが変わるが、だからこそ心を動かす奇跡はなかなか起きず、革命にたどり着くまでには長い迷路が必要になる。
そういう大変なことに挑む時、完全に新しいリソースだけで戦っては勝てない。過去を活かし、肯定するべきを受け入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
そういう優しい手つなぎに成功して初めて、世界の道理を曲げる再生産が可能になるのだろう。だから、星見の塔は『作り直される』のだ。大場ななと同じように。
追記 すまねぇ……魂をイクニに焼かれたおっさんは、どうやっても『実質ウテナ』と言いたくなっちまうものなんだ……。
スタァライト追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
ディオスとかサネトシ先生とかも、青春が歪む決定的瞬間に『ボケがー!!』とぶん殴ってくれる人、『お前は今泣いていい!』と抱きしめてくれる人がいてくれたら、世界と他人を歪めずにすんだ。
そういう人が訪れないのがイクニ世界であり、間に合うのがスタァライトであろうか。
徹底して『昔にすがる、言い訳が似合う大人』を介在させないアドゥレ・サンス主義は、レヴューの特徴であり強みだとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月9日
時間的奥行きは青春ど真ん中の舞台少女の過去・現在・未来にだけ託して、別軸の『敵役』を作らない作り、というか。タメの99組だけでキャラが構成されている意図とかね。