BANANA FISHを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
山猫、雌犬、獅子に鳥。悪魔で天使、泣き虫なリーダー。素顔で泣きじゃくり、メガネをかけて罠を仕掛け、サングラスの下で殺意を研ぐ。
アッシュ・リンクス、あるいはアスラン・ジェイド・カーレンリースの百万の顔を、僕らは見る。
そのどれもが虚偽、そのどれもが真実。
美と同居する醜悪、善と隣り合わせの悪、脆さと裏腹な凶暴さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
そんなモノが複雑に見え隠れする、オフタイム回…のようにみえて、状況がスピーディーに動いていくエピソード。
細い線を巧みに組み合わせ、細やかな表情と芝居を状況変化に乗せて魅せる演出が、非常に鮮明だった。
アッシュはホームタウンに帰還し、ボロボロの服を脱ぎ捨て、食事を摂る。目覚めたあとのシャンプーには"Refresh"の文字。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
ショーター殺しの痛み、ゴルツィネやオーサーとのどす黒い豪を一旦忘れ…たフリで、NYの水を浴びてタフなリーダーに戻る。
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英二が後にモノローグするように、アッシュには複数の顔がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
運命が怒涛のようにうねり、スラムから刑務所、故郷の町に西海岸と流れてきた物語に乗っかる間は、見えなかった"アッシュ・リンクス"
殺しも当然のギャングの頭目、鋭い牙を研いだライオンたちのボス。群れの中だからこその光が今回強い
途中、英二との長いイチャイチャタイムを経て、それは無理をしている仮面のようにも思えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
だがメガネをかけてマックスとの親子関係を偽装したあとは、敵の急所に迷わず牙を突き立てる、凶暴な表情を見せて終わる。
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ファイアパワーに長けたオートマチックを拒絶し、古めかしいリボルバーを"歯止め"のために選び取る少年。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
一瞬のスターズ&ストライプス("BANANA FISH"がアメリカのどこに食い込んでいるかを思い出すと、刺さる演出だ)の幻影にも怯えず、日常の中に殺意をねじ込む凶悪な顔。
英二の膝の上(だけ)で涙を流し、年相応のボーイ(あるいはレイプされる以前の無邪気な少年)に戻る表情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
その全てが、アッシュ・リンクスの複雑なプロファイルを形成する真実だ。どれも手放せないから、英二という"アキレスのかかと"を抱え込んだまま、アッシュは戦争に突き進む。自分から牙を刺す
アッシュが今回、様々に衣装を変えるのはただのファンサービスではない。彼が持つ複雑なペルソナ、心理の綾を衣装に乗せて見せるために、日時も、場所も、表情も衣装も複雑に変貌を遂げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
そのどれが"本当"なのかと、問うことに意味はない。
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幼少期のトラウマによって壊され、冷血な自分自身に怯える弱く孤独な存在であり、情け無用の殺戮組織の頭を張る、覚悟と知恵の詰まった凄腕。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
英二がなかなか出会えなかった、多面的なアッシュ・リンクスと市庁舎を出会い直させるのが、今回のお話だとも言える。
何しろ事態が動いて以来、曇らせ隊大ハッスルでヒデー目にあいまくってきたので、"強い"アッシュはそこまで印象にない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
ボスとしての顔、超頭脳を引っさげた切れ者の犯罪者としての顔が今回強く出ることで、アッシュを客観的に描く筆が冴え、新しい肖像が見えた感じもある。出会いはいつも、面白い。
しかし一番尺を取っているのは我らが英二との柔らかな関係であり、そこでのアッシュは飾りが少ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
ネイキッドな裸身を晒しつつ、英二はホモ・セクシュアルな誘惑には溺れない。傷つき、寂しそうな現状をしっかり見て取る。
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おふざけ混じりのケア(『繊細なアメリカ人』と『不器用な日本人』という、ステレオタイプを逆転させた描写が瑞々しい)は、当然肉体の傷だけではなく、心の痛みにもかかっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
飾らない服、アイギアで目を隠さない関係の中で、アッシュは鎧を外し、隠していた涙を流す。
伊部さんが喝破していたように、アッシュの鎧を外せるのは英二だけであり、だからこそ英二はアッシュの特別でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
自分の呪われた美に惑わされず、持ち前の強さを求めず、ただ裸の"アッシュ・リンクス"を、性と暴力抜きで求めてくれる存在。真っ直ぐな鏡としての他者。
そういう存在を、ギャングの仲間にすら見いだせないことがアッシュの悲しさであり、強さでもあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
ズタボロでも的確な指示を出して、機械のように自分を直して、二時間寝てライオンのように暴れる王。そんな彼を人間らしく目覚めさせれるのは、英二だけなのだ。
そんな二人の日々は、非常に暖かな光の中で展開する。先週まで世界を支配していた怪しげな暗がりは消滅し、屈託のない笑顔の日差しが世界を埋める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
誰かのために何かを作り、一緒に食べるシーンも多い。
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ゴルツィネの屋敷では慎重に省略された、食卓を同じくし、同じ皿から何かを食べるシーン。毒が盛られたとしても、それごと飲み込めるほどの信頼を相手に預け、暖かなもの(コーヒー)、あるいは相手の属性(アメリカナイズされた豆腐、寿司)を口に入れる。己の中に取り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
今回のお話はシーンの意味をかなりセリフで補強しているが、食事に代表されるフェティッシュの使い方が(相変わらず)上手く、セリフは後出しの説明ではなく、なんとなく実感していたものに形を与えてくれる補助線として機能している。言葉の上手い使い方だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
英二がアッシュのために作る、一杯のコーヒー。子供のようにふざけながら口に入れる、トウフサンド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
あるいは、そんな二人を思いながら"親父"達が酌み交わす酒。髭と眼鏡で偽りつつ、親子として食べるオイスター。
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アッシュ・リンクスの複雑な肖像画を追いかけるように、様々に描かれる食事シーンはそのまま、彼が身を置く状況の多様性、難しさを反映もしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
親子の楽しい食事のはずなのに、話しているのは電子強盗と戦争の準備。ペーパーナプキンに血の決意だ。
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アッシュが血で消したEはなんのイニシャルだったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
"Ethics(倫理)"か"Elos(生と性)"か"Escape(逃げ場)"か。
そんな益体のない遊びも頭をもたげる、なかなか印象的な食事シーンだ。
お互い変装して、マックスと"親子"として出会うのが、屈折していていい。
第6話で見たとおり、アッシュと実父の関係はかなり壊れているし、そこから抜け出したあと、ゴルツィネという"父"と作った関係は更に最悪だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
セックスも暴力も介在せず、ただ血縁として繋がれた兄。その崩壊が縁で繋がったマックスは、時に殴り合いつつ、大人の責務を果たそうとする"良き父"でもある。
子供には出来ない大規模な取引を代理してもらうために、彼らは親子を装う。英二に見せたような無防備な姿を預けることはしない、お互いの信念のために利用し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
だがマックスは、ただの子供の顔を引き出せない自分を情けなく思い、アッシュもまた、ただの共犯者以上の感情をマックスに抱いている。
状況も外見も偽りでありながら、そこで混じり合う思いは痛ましいほど真実で、でも全てを預けられるほど圧倒的でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
英二との運命的な関係とはまた違った、"親父"との複雑な距離感が上手く描かれ、とても面白かった。
信号が青になっても、アッシュは地下へと突き進む。そこには酔っ払いの喜劇にナイフを隠し、戦争の先手を取る血みどろの舞台が待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
地上に残るマックスの表情は、痛ましく重い。偽物の"親父"でも…だからこそ情は本物か。
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そんなアッシュと愛情を奪い合う、もう一人の親子。ゴルツィネとオーサーの冷たい対峙も、今回印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
お互い同じ男を狂おしく求めつつ、立場は"父"と"兄弟"、複雑にねじれている。どす黒い感情に染まった目が、血に関係なくよく似ている。
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オーサーとゴルツィネは今回、二人で同じカメラに入らない。常に対峙しつつ、ゴルツィネの視界にオーサーが入っていない(アッシュが塞いでいる)状況を強調するように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
クソみたいな大人に魂を売って、虎の威を借る狐となったオーサー。独力で叛逆の牙を研ぐアッシュ。やはり、鏡合わせの二人。
その視線は絡み合いつつ別の場所を求め、"父"への対応もまた異なる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
オーサーからゴルツィネに伸びる視線の熱量は、結構大事なのかもしれない。アッシュが尻穴を犯されても振らなかった尻尾を、オーサーはブンブン回す。そうすれば、アッシュを殺す力が手に入るから…というだけでは、ない気もする。
自分をレイプと殺人から助けてくれなかった父の幻影を、アッシュが何処かに追い求めているように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
オーサーもまた、いつまでもアッシュを求めるゴルツィネに共犯者の愉悦を覚えつつ、自分を見ない"親父"にコンプレックスを抱えているような気もする。おぞましく、あまりにも人間的な視線の乱反射。
すれ違う"悪なる親子"の視線に対し、少年たちの関係はあくまで清らかで、柔らかい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
悪夢が墓場から顔を出して、世界がどす黒い闇に染まった時も、英二はアッシュの隣りにいて、涙を拭う。
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冷たい青から、暖かな光へ。アッシュが束縛される過去から、英二とともにある今へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
色彩と時間の変化が、アッシュの心の傷の深さと、それを特別に癒やしてくれる英二の存在感、危険だと理解っても手放せない執着の根源を教えてくれる。
アッシュの罪と弱さを許し、その涙と重たさを受け入れる英二の姿は、何処かピエタにも似ている。世の業すべてを背負って死んだ幼子の、人間性の残滓に涙する聖母のイメージは、未来の暗示か、あまりに暖かであるがゆえの本能的反発か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
英二との優しい関係はとても大事で、柔らかく温かいものだと描かれつつ、今回もその無力さ、儚さ、脆さが画面に埋め込まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
履かないからこそ貴いのか、手が届かないからこそ求めるのか。その裏腹な複雑さもまた、アッシュ・リンクスの表情を深める。
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結局アッシュは、何処か英二との日々に似た匂いのする酔っ払い劇にナイフを潜ませて、血で宣戦布告書面にサインする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
笑顔で兄弟芝居を楽しみつつ、ゴルツィネの口座を強奪し、それを手段として"パパ"をイタリアに追い出す。オーサーとの殺し合いの舞台を、冷徹に整えていく。
子供の頃のアッシュが怯えたのは、鏡に映る歪んだ自分だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
制御の効く暴力を求めつつ、暴力以外に手段を持たないアッシュ。柔らかな感情を秘めつつ、冷徹な殺人者、薄汚れた淫売、見捨てられた子供としてのセルフイメージを乗り越えられないアッシュ。
それが今後も不幸を連れてくることは、これまでの展開を見れば明らかである。強く、美しいがゆえに呪われた存在。望まぬ死を呼び込む、カボチャ頭の悪霊。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
そんな呪いを飛び越えて、アッシュは英二の背負う青い空へ、いつか飛び立てるのか。
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窓辺のシーン、つがいの鳥のモチーフが今回多いのは、そういうアッシュの運命、欲求を強く暗示している気がしてならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
英二のイメージカラーである清廉な青を着込みつつ、アッシュはそれに染まれない。英二の着る服が血の赤でありながら、悪徳の匂いをさせないように。
二羽の鳥が飛び立つシーンは、今回描かれない。アッシュは地下に潜り、暴力(と同質の性)渦巻く世界へ戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
いつか、二人が手を取り合って空へ飛び立っていく瞬間は来るのか。それが"死"の詩的な表現ではないことを、僕は強く願っているのだけども。
他人を暴力へと引き寄せる、アッシュの魔性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
アッシュが目指す空は、複雑に自分を繋ぐ因業からの自由だけでなく、そんな美と呪いからの自由も意味しているかもしれない。
そういう意味で、アッシュと英二のコミュニケーションにセックスが介在していないのは、かなり大事なことだろう。
銃もなし、セックスもなし。他人と向き合うときはそれが普通のはずなのに、アッシュの人生には必ずそれがつきまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
捨て去るには強く結びつきすぎているし、それを握らなきゃショーターの仇も取れない。英二と気楽にティーン・エイジャーやるには、しがらみと業が重すぎる。
それでも、いつか見た青い空を望むから。全てを捨てて無邪気に笑えた時代を夢見るから。二人の少年は一瞬、平和な巣の中で夢を見た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
そこには美も呪いも、銃もセックスもなかった。一緒に飯を食べて、笑いあい、涙を受け止める、当たり前の青春、当たり前の人間がありのままにいた。
そういう話であるし、そこにアッシュ・リンクスは背中を向け、様々なペルソナをかぶり直す道しか残っていないことを示す話でもあったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
雄弁でシャープな、とてもいいお話でした。この静かで豊かな結節点を挟んで、再び戦争。さてどうなるか、来週も楽しみ。
追記 緊張と緩和、油断と迫撃。作品が与えたい視聴体験のペースがよく考えられ、しっかり構築されている感覚を覚えた。映像一つ一つの品が良いし、クオリティも高いので、計画された激しいアップダウンに、気持ちよくノセられてしまう。
熱狂し没入させるために、非常に細かい計算を積み重ね、それ以上に計算をユーザーに感じさせないことに気を配る。優れたコントや、ジェットコースターに似た物語体験なのかもしれない。
BANANA FISH追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
今回のエピソードは、前回までのゲロ吐くような緊張感としんどみを布石に、コミカルな表情と濃厚なキャフフで視聴者を誘導し、ほっと安心させる話だ。
尺の大半は英二との日常に割かれ、アッシュも年頃のガキなんだと見ている側を安心させてくれる。そっちが"本当"だと。
しかしラストは地下鉄に沈み、コミカルな酔っぱらい演技(英二との日常の延長線上)でマジモンのナイフをぶっ刺し、戦争開始を残酷に告げてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
フードとサングラスで冷たく表情を隠し、"楽しい日常"すら殺しの煙幕に使えてしまうアッシュの冷たい表情は、24分の大半を裏切るように見える。
ショーター死亡のしんどみがマジやばくて、どっかに心の止まり木を求めていた視聴者(つまり僕)にとって、えーちゃんがアッシュの"真実"を引き出し、受け止めてくれる展開はありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
そんなスケベゴコロを存分に満たした上で、ラスト1ショットでざっくり足場を払う。何が"真実"か分からなくなる
この計算された構成、キャフフで安心させ腹筋を緩めた上で、『やっぱこのアニメそう言う話じゃねーから!』とボン殴ってくる展開の巧さが、今回はとにかく痺れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
地下に潜ってからがとにかく早いのが、状況の緊迫感、殺し殺されのシリアスさをズブっと差し込んできて、緩みがない。
"異国"で平和にアニメ見てる視聴者としては、アッシュとえーちゃんの暖かな夢が"本当"だと信じたい。心地の良い平和さ、人間が人間でいられる当たり前を揺るがされたくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
でも、アッシュを取り巻く世界ではそれこそが異物であり、とんでもない贅沢であり、叶わない夢なのだ。
その断絶がアッシュと英二を引き裂き、また引き寄せる。あまりに似ていないからこそ、二人は運命のように出会い、危険を承知で離れられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
キャラクターが投げ込まれた矛盾する嵐を、視聴体験を揺さぶることで疑似体験させ、作品に没入させる仕掛けが、今回の一見地味なエピソードに詰まっていた。
えーちゃんとの日常コメディが前にあるから、ギャングの酔っぱらいも演技じゃなく"本当"だと思いこんじゃうんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
でもそれは、白昼堂々殺人するための煙幕であり、敵を油断させるための芝居。サラリとぶっ刺されるナイフのリアリティが、アッシュの冷淡さおを突き刺してくる。
『必要があれば、英二との日常も切り捨てられるほど、アッシュ・リンクスは優秀な犯罪者だぞ』と、作品に言われた感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月15日
実際にナイフが刺さるまで、その気配を一切見せずに不意打ちしてくるところが、ほんと良いんだろうな。
強い意図を感じる演出であり構成。良いエピソードだった。