ルパン三世 PART5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
2クールの長きに渡って繰り広げられた、世界一の怪盗の大冒険もついに幕。国家VS企業の大戦争を背景に、ルパンが狙う獲物とは。様々な歴史、様々な想いが交錯しつつ、少女は男の手を取って離れ、女は男の手を握り直す。
さぁ行こう。明日はきっと、もっと面白い。
というわけでPART5大団円である。PART5で顔見世した仲間も、過去エピソードの女たちも、賑やかに勢揃いしてのラストアクション。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
不二子とルパンの関係、ヒトログの始末、エンゾとアミの関係など、大ネタをバンッバン回収しつつ、社長の末路をアルベールの見せ場に使うなど細かい配慮も行き届いていた
とにかく自分が作った物語、そこに接合する”ルパン”全てへの愛と情熱が満ち溢れた最終話であり、感激と感謝しかない。ありがとうPART5…本当にありがとう…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
レベッカ再登場はマジ歓喜であったが、まさかダイアナまで…しかもオリジナルキャストのセリフ付きである。PART5らしいなぁ…。
前回次元を主役に”男”を描いたので、今回は不二子とアミ、そしてこれまで”ルパン”に惚れ込んできたすべての”女”’(僕の中の乙女含む)について語る話(でも)ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
最後にアミがたどり着いた心境は、レベッカやダイアナ、あるいは不二子の気持ちと同じなのだろう。少女はようやくヒロインになったのだ
不二子とルパンの倦怠期は、PART5を深く貫くテーマだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
いつもの「不~二子ちゅぁ~ん」なルパンダイブを封印し、大真面目に男と女として、その関係が一旦成立し瓦解した後の風景に、”ルパン”と”不二子”を置く。二人のロマンスは一体何なのか、考え直す。
スーパービッチの師匠であり、恋敵であり、失われた母でもある不二子に、アミは正面から問う。パダールでは自力が足らず踏み込めなかった過去に、思い切って身を投げるアミちゃんの雄姿が眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
それは僕も知りたかったことだ。一体何が、不二子とルパンを分かったのか?
答えは”日常”であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
大冒険の果てに真実の愛を手に入れた大泥棒は、愛の巣で羽を休め、二人は永遠に幸せに暮らしました。
そんなカビの生えたハッピーエンドは、冒険と刺激を求める”峰不二子”を、秘密多き大怪盗”ルパン三世”を殺してしまう。
不二子が花嫁衣装で檻に囚われていたのは、『結婚は人生の墓場』というありふれた警句をヴィジュアル化したものであり、白いドレスは日常への喪服なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
安定し、幸福で…つまらない。不二子が”峰不二子”で、ルパンが”ルパン三世”であり続けるためには、ありきたりの制度に休まるわけにいかない
当たり前の愛に閉じ込められていては、お互い死んでしまう。そんな難儀なカップルは、しかしやっぱりお互い真実愛し合っていて、だから一旦羽を休めもした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
不二子が檻の中でルパンを待ち続けるのは、”峰不二子”を捨てて飛び込んでみた新婚生活、その破綻から、心が前に進んでいないからかもしれない
結婚という”終わり”を画面の外側で迎え、しかしそれに満足できなかった二人。じゃあどんな終わり(あるいは始まり)が良かったのか、不二子は命がけで問い直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ミサイルの雨の中微動だにせず、花嫁衣装で”家”に居続ける。ビッチの表情が鳴りを潜め、貞淑で真剣な素顔が除く。変装かもしれんが。
旦那たるルパンは手を真っ赤にして、アナログな人力で塔を登りきり、不二子のもとに駆けつける。エンゾがアミを顧みなかったように、ルパンがエンゾを歯牙にもかけないのが、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
お互い、大事なものが別にある。あると思いこんでいるのだ。その妄念が、人間を突き動かす原動力だ。
あるいはそれすらも、ビッグデータは解析してしまうのかもしれないけども、人生一つ賭ければ秘密の一つくらいは作れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ルパンの本当の素顔をもって、男は女に操を立てる。嘘まみれで、普通には生きられない大怪盗が差し出せる、世界最高のエンゲージリング。
それがバレれば、命取りになる秘密。
それを唯一さらけ出せる相手が、”峰不二子”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
漫画原作の設定を最高のタイミング、最高のドラマの中で拾いきったアンサーは、PART5スタッフが必死に、血が出るほど”ルパン”について考えた証明だと思う。
恋が約束する普通の終わり…”結婚”はダメだった。じゃあ、どんな答えを二人に出せばいい?
知恵を絞り、歴史を学び、物語を組み立てた末に出したのは、『ルパンは続いていく』ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
新しい仲間が世界に華を添え、あるいは過去の物語を懐かしく思い出し、時代に対して自由に変化しつつ、”ルパン”は”ルパン”であり続ける。
ときには、最大級の設定バラシもする。
それが物語唯一の答えなら、大胆に”ルパン”を変えてもいい。今回の素顔設定は、そういう決意と誇りを実際の描写で刻み込む、渾身の一打だった。いいシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
泥棒の魂を預けられることで、不二子はようやく”ルパン”と、ルパンを愛する”峰不二子”を取り戻す。自分から鍵を開けて出てくる。
あんなちゃちな鍵穴、ルパンにかかれば一発で開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
でも、ルパンは不二子が”檻”から、安定した愛の巣から出てきてくれること、止まってしまった時間から歩きだして、またバカみたいな惚れた腫れたをやってくれるまで待つ。
それが”ルパン”のエスコート美学で、女たちはそこに惚れ込むのだろう。
ルパンが伏せてた最強の秘密は、エンゾのつきものも落とす。ヒトログというシステムに取り憑かれ、国家システムを超えたより良い秩序を夢見た狂人は、欲しかった答えを手に入れることで”父”に戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ちと強引な変化だが、話がスカッと終わるためには大事だし、なによりアミちゃんが幸せそうでよかった
不二子がルパンの素顔に最高の愛を見たように、エンゾも捕まえられなかった答えを見た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
国家の政治力と軍事力が喉元に迫っても、自分が作り出した理想を裏切れない狂人。でもその根源には、なにか温かい感情があった。そこに戻るためには、行き着くところまで行くしかない。ルパンと不二子と同じだ。
その突破口としても”ルパンの素顔”は、良いカードだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
世界最大級の秘密を得たことで、エンゾは満たされたのだろう。求めていたのはより良い世界ではなく、知的好奇心を満たす謎そのものだったのかもしれない。
そこで満足して”父”になれてしまうところが、籠に入れないルパンとの違いか。
細かいクスグリでと思っていたアミ↑の発音は、”網=ネットワーク”という父母の願い、確かにあった絆の証明として、最後の最後で背中を刺してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
過去の自分が、生まれてきた命、愛した人の願いを込めて付けた意味を思い出せる。それもまた、エンゾの妄執が晴れた証明なのだろう。
クレイジーすぎる相方に折れて、現実に膝を屈する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
社長はアルベールのマッチアップ相手ともなり、ルパンを塔のてっぺんに上げるために体を張る次元&五右衛門との対比にもなった。
仲間を信じきれるか。事前にたっぷりお話を貰ったルパン一味と、いきなり大ピンチに投げ込まれた社長の差が少し哀しい
社長がエンゾのロマン(あるいは妄想)に、最後まで付き合えたら結末は変わっていたのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
自分が相手にとってどんな存在なのか、本気で問いただし、時に敵対するような関係を作れていたら、奇跡の大逆転を掴めていたのか?
そんなことを考えるが、現実はそういう話はない。なかったのだ。
結果、国を盗む大悪党の懐に滑り込み、命を永らえることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
アルベールは悪いやつだな!! 最高です!!
パダールでは国家を切り崩す巨大資本の強さを見せ、今回は悪魔的人材を吸い上げ圧倒的な武力で押す国家の強みを見せる。なかなか面白い、サイバーパンク描写である。
優秀な官僚、練り上げられた種々のシステム、最終解決策としての軍事暴力。あるいは涼しい顔での裏切り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
”国家”が本気を出した結果、時代を変革するに思えた私企業は倒壊し、既存の秩序が戻ってくる。しかしそれは、世界の様相を十分変えつつある。
非対称の宣戦布告は、”国家”をハックしたテロリスト集団だけではなく、一私企業に対して行われてもおかしくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
それだけ世界の形が変わっても、”国家”は相変わらず強力で、自分の形を保とうとあがく。制裁で、暴力で、変革の目を摘み、自分の生存を志す。
近い未来にありえるかもしれない変化を、ポップなドラマに織り交ぜてしっかり描ききる。PART5はコーポレイトSFとしても、なかなか面白いヴィジョンを見せてくれたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
こうして終わってみると、PART1のカビ臭さは狙ったんだろうなぁ…大河内先生、スイマセンでした!!
そんな大きな物語と並走して、アミちゃんの青春も走り抜ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
不二子にようやく目をあわせて話が出来たこと、パダール血の通過儀礼を経ての父との対峙、ルパンとの握手と別れ。
狭い塔に閉じ込められていた少女は、長い物語を終え巣立つ。ここら辺の動きが、不二子のロマンスと重なってるのがマジ……
アミちゃんの物語が教えるのは、鍵を開けて、自力で扉を開けるタフな女は”峰不二子”だけではない、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
PART5が自信を持ってヒロインに据えた女の子は、可愛く、可能性に満ち、迷いと悩みを成長の糧にして、ルパンと対等の”プロ”になった。そんな悪党ジュブナイルも、PART5の魅力だ。
エンゾが娘と向き合えた理由の一つは、彼女が”アンダーワールド”だと知ったこと…自分と対等のハッカーだと判ったからな気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
情や血縁をすっ飛ばして、まず実力を見る。そこで納得しないと、相手を受け入れられない。ちょっと”ルパン”にも通じる、冷静で狂った視線があんじゃないかな。
ルパンが銃を取り落としたのは、おそらくわざとだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
長い旅路の果てに、アミが”プロ”になったのか、当たり前の価値観を疑い行動できる”大人”になったかを、エンゾへの銃口で確かめたかったのだろう。
その上で撃たせない。ハッピーエンドを狙い撃ちにする。ニクい奴である。
不二子への返答でエンゾも浄化され、親子関係はヘンテコながら修復された。もう一人の”親父”である銭形が、キッチリ二人の安全に目配せしているのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
OPにかぶせてのラストシーンは余韻もあり、出演者へのねぎらいもたっぷりで、スゲー良かったな…分厚くて香りがあった。
”プロ”の証明を果たしたアミに、ルパンは珍しく自分から声を掛ける。女の子の方からプロポーズするの多かったからなぁ…クラリスとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
アミはその手を握りしめ、そして離す。PART5は終わる。アミちゃんはルパン一味にはならない。
原作:モンキー・パンチ ©TMS・NTV pic.twitter.com/laFDtPSiOi
そのシェークハンズは、でもとても爽やかで良いものだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ルパンに出会い、好きになり、対等に付き合えるだけの自分を冒険の中で手に入れて、しっかり手をつなぐ。
自分だけが守れる”父”というお宝を護るために、ルパンから離れた自分の物語を歩いていくために、その手を離す。
それはやっぱ、ルパンが好きで、でもその正体をいつでも探りかねている僕たちの似姿だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
とても可愛く現代的なルパン・ファンガールを主役に定め、走ってきたPART5。その終わりがドタバタ騒がしく、湿っぽくない”いつものルパン”だったこと含め、とても良い終わりだった。
明日に向かって全力疾走するルパンは、不二子の手を取る。かつて離したその手を、不二子はもう離さない。世界最大の秘密、”ルパンの素顔”というエンゲージリングを受け取った女は、ようやく冒険の日々、惚れた腫れたのアドヴェンチャーに帰還するのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
原作:モンキー・パンチ ©TMS・NTV pic.twitter.com/xZ4SDKazQH
征く女、残る女。二つのシェークハンズを並べてみると、PART5は女たちの物語だったな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
それと同じくらい、次元の、五右衛門の、銭形の、アルベールの、”ルパン三世”の、男たちの物語でもあった。顔も名前もない人々含め、あらゆる人の物語であったし、”ルパン”はそういう力強さを持ってる。
そういう豊かさをしっかり包み込むために、PART5の連中が賑やかに再登場し、過去エピのキャラもどしどし顔を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ノスタルジーをそれだけで終わらせずに、今を活かし、未来を躍動させるためにしっかり使い倒す貪欲さが、最後まで元気だった。最高のファンサービスだった。
かくしてPART5は終わった。とにかく素晴らしかった。面白かったし、賢かったし、バカバカしかったし、心の底から”ルパン”だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
具体的にどこが素晴らしかったかは、過去の感想にみっしり詰めたつもりだ。本当に良いシリーズであり、良いお話だった。メタ視線の冷たさと、ドラマの熱量が同居していた
こんだけ全力で集大成をやられると、次がないような満足感が確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
でも、PART5を”ルパン”を徹底的に解体し、問い直し、自分なりの答えを全力で描くような作りにしたのは、当然終わらせるためじゃない。
現在でも古臭い大泥棒と、彼が背負うロマンとドラマは通用する。
まだ、ルパンはやれる。
それを大声で叫ぶために、このシリーズはあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
ルパンたちが軽妙に駆け抜けていく青い海、広い空のように、無限に広がる未来に向かって、この物語は伸びている。
そう確信できる終わりだったのが、何よりも嬉しい。全てを焼いた後の灰からは、不死鳥が飛び立つものなのだ。
PART5は最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
だから、僕はいつか来るPART6に、銭形主役の小池映画に、強く期待する。
PART5が見せた批評眼、”ルパン”という問いに出した答えを受けて、もっと良いもの、新しく素晴らしい風景が見れると、心の底から期待する。
そう思わせてくれるパワーと賢さが、24話全てに詰まっていたことを最高にありがたく思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月18日
PART5,いいアニメでした。
自分がどれだけ”ルパン”が好きで、何を気にかけていたのか、ちゃんと教えて答えも見せてくれる、最高のリブートでした。
俺、ルパンが好きだよ。本当にそう言える。ありがとう。