ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
アペニン半島に風が吹く。悪徳と意志、腐敗と爽やかさがないまぜになった黄金の風が…。
杜王町での奇妙な冒険を終え、次なる舞台はイタリア、ナポリ!
DIOの血を引く爽快なる小悪党、ジョルノ・ジョバァーナの物語が、今劇的に始動ッッ!!
そんな感じの、五部アニメ化である。原作エピソードを見事に再構成し、キャラクターと世界をしっかり見せ、スタンドバトルのビザールな味わいも存分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
ぐるぐると事態が転がり、”凄み”ある強敵との対峙で次回に引くという、がっちり掴む第一話でした。いやー、面白かった。
とにかく再構成の腕が見事で、四部キャラが登場してのブリッジ部分、巨大犯罪組織とジョルノを結びつける”涙目のルカ”の強烈なキャラ、そして敵として出てきた時はぶっちゃけキモいブチャラティの顔見世と、色々起こっているのにスイスイ進む。腕力と上手さのある運びでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
ジョジョは部ごと、エピソードごとに味が変わるのが良いところ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
地方都市でのサイコ日常ホラーだった四部から、ギャングスタ異能野望物語な五部に変わるのにあたって、色彩設定とキャラクターデザイン、パット見目に突き刺さる部分が大きく変わってるのが、良い印象操作だと思いました。
ヴィヴィッドな色彩はそのままに、差し色を印象的に使って画面をスタイリッシュに仕上げ、不安が画面から襲いかかってくるような四部の印象とは、また違った雰囲気が生まれていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
単色でズズッと塗りつぶす重たさから、リズムとテンポのある風合いへ。色が雰囲気を生み、色が雰囲気に合う。
キャラもオシャレ共和国の親衛隊長みたいな、モード感バリバリのスタイリッシュさが全面に出てました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
もともとジョジョは日常からかけ離れた衣装、ポージング、シルエットが随所で爆裂して、異常な物語が異常な速度で突っ走ってくる予感をモリモリ盛り上げてくれる作品です。
五部はそのイカれたセンスが更に加速し、暴力と覚悟で渡世を切り抜けていくギャングスタたちが、尋常ではないスタイルをブンブンぶん回してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
胸元開きすぎ、肌露出しすぎだなアニメで色つくと…ちょっとHなラノベ棚じゃないんだから…。SUKIよ。
むちゃくちゃ男伊達じゃなきゃ、着こなせないデザインと色合いの服。それを日常的に着込んだ顔の良い男たちが、ただ歩きただ休むだけで肉体の曲線美を見せつけ、”しな”を作ってバッチリキメる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
ファッションショーに迷い込んじゃったみたいな”めまい”が、なかなかに心地よい。
こういうヴィジュアル面をしっかり再構築して、物語のムードを作り、また展開される物語に相応しい空気を全力で作っていく姿勢。原作を咀嚼し、原作以上に駆動させる決意。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
それが第一話から感じられるのは、やっぱ良いなぁ、と思います。アニメは”絵”なんで、ヴィジュアル強いの大事よね。
そんな”絵”の土台で乗っかるお話は、主人公たるジョルノ・ジョバァーナの顔見世と、彼が巻き込まれていく運命の序章を主にやってました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
窃盗クソ野郎なんだけども、どっか爽やかで、何かを起こそうな感じ。運命の中心にいて、暴力の嵐も覚悟で乗り越えていきそうな雰囲気。
康一くん(四部より更に縮んでた)や承太郎(声が落ち着いてて好き。小野D演技忘れただけかもだが)を橋渡し役に、『ジョルノがどんな少年か』『五部がどんな話になるか』を食べさせていく作りは、少しの懐かしさも込めて、嬉しく飲み込みやすかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
冒頭に挿入される街の雰囲気が、今後ジョルノが飛び込み、戦っていくマフィアの腐敗をいい具合にスケッチしていて、良い再構築だなと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
窃盗、暴力、麻薬。シンジケートが垂れ流す毒は、街を確実に汚している。それは吉良の秘された殺人とは、また違う味わいの”悪”である。
仗助は平和な日常を背負い、”悪”と正面から決別する立場だったわけですが、ジョルノはスられた財布は取り戻すけども、高い授業料も取る男。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
”悪”の巨大なシステムにショバ代払ってるチンピラ、”悪”を内面化しつつある15歳の少年がこの物語の主役である! というのが、よく判る出だしでした。
そこでの印象はそのままに、康一くんとのスタンドドタバタ開始。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
お互いの善性を反射し合ったように、拳を交えつつも死人が出ない追いかけっこは、後に描かれるマフィアとの、脳みそ凹みーの指口に突っ込まれーのバトルの凄惨さを、巧く引き立ててもいます。
悪辣な行動の端々に、爽やかさとユーモアが匂うジョルノのキャラクター。15歳にしては肝が座りまくってて、しかし完全無敵でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
ショバ代を取り立て、スコップで人間を肉塊に変える”悪”のシステムに、反旗を翻すことはしない小悪党が、スタンドという異質な力に目覚め、マフィアと接触していく。
そのまま”悪”の濁流に流されていくのか、はたまた運命に叛逆を見せるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
予断を許さないまま状況は停滞せず、ゴロゴロと転がっていきます。康一くんチェイス→ルカ問答→ブチャラティ強襲と、サクサクイベント起こるのはテンポ良くてグッドね。ディ・モールトベネね。
康一くんパートは四部の日常感、人の良さ、杜王町の空気をまだ残していたわけですが、やっぱルカさんがスコップ振り回すあたりから空気が変わってきて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
ヤバい奴らがヤバイ場所でヤバイことする、非日常ギャング劇場なんだなあってのが、むき出しの暴力と一緒に見えてくる。
武器が”スコップ”ってのが良いですよね。穴掘る日常の道具のはずなのに、ショバ代払わないクズを殴るためにしか使わない。身近なだけに、威力も簡単に想像できて、異常なギャング世界に入っていくための架け橋になってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
それが脳天にぶち込まれる因果応報っぷりも含めて、良いキャラ立ちです。
ジョルノは小悪を積み重ねて口にノリをするものの、勝手に生まれたカエルの意志と命を尊重し、自分からは暴力を振るわない分別がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
しかし”悪”に満ちた世界はそういう半端な態度を許さないし、追手は幾らでもやってくる。そんな世の習いに、ジョルノは膝を屈するのか。獅子身中の虫となるか。
ゴロゴロと転がりだした運命の波が、面白さを失わないままに巨大で、非常に良い感じです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
その舳先で変態サーフィンしてるのが、俺らのブチャラティなわけですが。初登場時はいい具合に腐ってて、いい具合にキモいな…アニメで色と声と動きがつくと、汗ナメがマジキモい。
激情を爆裂させいきなり殴りかかってくる(故に、攻撃を反射されて死んだ)ルカに対し、どす黒い”悪”を匂わせつつ、表面的は穏やかなブチャラティ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
だからといって善人なわけがなく、暴力とそれ以上の凶悪を振り回すのに躊躇いはない。五部が泳ぐ世界をよく見せる、いいキャラだと思います。
”ゴールド・エクスペリエンス”のインチキパワーを、康一くんとルカでしっかり見せて無双した後に、同等以上のパワーと異様さをもった”スティッキー・フィンガーズ”とのバトルを予感させてヒクのは、異能バトルモノとして満点の構成でした。続き気になるもんマジ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
いきなり口に、死人の指が突っ込まれる。体にジッパーが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
スタンドバトルの異様な雰囲気もズバンと伝わってきて、ぐっと温度が上がる後半でした。この怪現象を解明し、戦いを乗り切り、その中で自分が何をするべきか見つけていくうねりこそが、ジョジョの楽しさ(の一つ)なわけで。
唐突で、意味がわからなく、おぞましくて凄みがある。怪現象の一つとして、ブチャラティは満点の登場をしたなー、と思います。服も髪型も変だし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
そしてブチャは、顔も意志もあるキャラクター。こっから物語がどう変遷し、キャラの価値観がどう変化していくか。ドラマのうねりにも期待大ですね。
というわけで、非常にまとまりが良く、雰囲気があり、興奮とおぞましさが同居する…ジョジョっぽくて楽しい第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
スタイリッシュなイタリア半島で、異常な世界の異常な男たちが、奇妙な冒険に明け暮れる。五部の雰囲気と凄みが、テンポ良い運びでスルスル食べられる。とても良い第一話でした
運命はここで足を止めず、ドンドンと転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
変態汗ナメ死体流し込み野郎であるブチャラティを、どうぶっ飛ばすのか。ジョルノはこのまま、爽やか小悪党のクズ野郎のままか。”組織”はどう動くか。
物語の胎動もしっかり予感させ、黄金の風は強く、強く吹き始めました。あー面白い。来週も楽しみ
追記 ”部”ごとの雰囲気に合わせて、最適の要素、画風、ネーミングを引っ張ってくる的確なセンスが、やっぱJOJOを名作たらしめてるなぁ、と思う。フィーリングを共有する感覚器、それを表現する腕前が鋭い、というか。
ジョジョ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月6日
五部は暴力とセクシーが暴れまわるハードな世界観なわけだが、スタンド名がちょっとエロティックなのも、そういう雰囲気出す手助けになってる?
『黄金体験』『粘ついた指』『陰鬱な音曲』『性の弾丸』『紫の煙』と並べると、不思議にエッチだ。ナランチャはやんちゃボーイ担当なので除く