ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
黄金の風が薄汚れた魂の錆を落とし、男たちは同じ世界を見る。
悪を以て悪を制し、本物のギャングスタになる。
ジョルノの覚悟はしかし、超常の入団試験を経て確かめられねばならない。
託された炎が運命を導き、始まるぜ…笑ってはいけないパッショーネ24時!
そんな感じの新展開、ジョルノ少年のギャング入門編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ブチャとの爽やかな魂の交流、あからさまにフツーじゃないポルポの凄み、コント『消してはいけないライター』からのブラック・サバス降臨、無辜なる犠牲者と、上がり下がりの激しい回だった。
ほんと、ライターコントおもしれぇな。
理想を語り合って爽やかな風が吹いたと思ったら、刑務所の中でゴミ以下のギャング人間と対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ライターコントで笑ってたら、なんの罪もない爺さんがぶっ殺される。
なんとも落差の激しい展開であるが、絵的な表現もそれを追いかけてくる。
戦いを終え、約束された裏切りをブチャと共有するジョルノは、非常に爽やかだ。麻薬や暴力、過剰なパワーで他人を傷つけるのではなく、適切に制御して使いこなす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
そういう意志が、ソフトなタッチでボールを蹴るブチャラティからも感じ取れる。ボールはパスするものであって、蹴り飛ばすものではない
そんな眩しい光は、どす汚れた組織の現実の前に、あっという間に陰っていく。ジョルノとブチャがどれだけ青雲の志を秘めようと、現実問題組織は腐りきっていて、その濃い闇のなかにこそ、青年たちの未来が在る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
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理想と現実を反映した、強い明暗。そこを超えると、全く異質な光が見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
人格を超常の力に変換し、他人を守るためにも、傷つけるためにも使える強大なパワー。このアニメはスタンドのアニメであるから、現実的な倫理の対立とは別軸の色彩が、闇の奥には広がっている。
自由を奪い、正義を為すはずの監獄の奥で、でっぷりと肥え太る悪。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ポルポの領域は、ジョルノが身を置く善悪の彼岸とは全く違う、超越的な色彩で塗られている。そこに繋がる通路も、緑色の悪徳がビカビカと光る。
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実験室か現代美術のような、唐突で生活感のない独房。不自由な純白と、銃や酒という悪徳の同居。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
本来隣り合うはずもないものが、唐突に同居しているシュルレアリスティックな部屋は、そのままポルポの超越的な存在感、その悪の質量へと繋がっている。
犯罪組織の幹部なのに、エグゼクティブのような生活を監獄の中で送り、いけしゃあしゃあと”信頼”を口にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ジョルノ達が立ち向かうことを決めた矛盾を、迷いなく貪欲に飲み込んで、歯クソを投げつけてくる傲岸不遜な”悪”の異質感が、良いビジュアルと声でしっかり立ち上がってきた。
あんだけ凄みのあるポルポだが、数あるパッショーネ幹部の一人でしかない。その存在感、醜悪さはありふれたものでも在るのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ジョルノ達はそういう、特別で巨大で怪物的で、それでいてつまらなくありきたりな悪徳と戦っていくことになる。その象徴として、ポルポの巨魁はいい仕上がりだった。
紳士ぶった態度も見せるけど、食事や人あしらいが全体的に粗雑で、魂の悪辣さが仕草に出ているところが、ポルポの良いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
魂の腐ったやつは、振る舞いも腐る。ある種のルッキズムはわかりやすく、善悪の在処を教えてくれる。
ブチャも薄暗い現実を前に魂が腐ってたから、激キモペロペロ人間として振る舞うしかなかった。ジョルノに魂を再生して貰った後は、涼やかな男ぶりが胸に心地よい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
そういうパッと見のわかりやすさ、倫理的ビジュアルの強さは、ジョジョの強さの一つだと思う。
ありふれた悪は、スタンドという超常の力に後押しされることで、超常的な悪になってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
吉良をキャンバスに何度も描かれたテーマは五部でも健在で、”ブラック・サバス”が発動した時、世界は一気に色彩を変える。
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欄干の影が階段を斜めに切り取り、光と闇が市松模様を描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
何気ない日常をマフィアが支配するネアポリスを、ビザールに表現しきった良い絵だと思う。
大真面目のトンチキさにゲラゲラ笑ったその直後、情け容赦のない死は、鋭い鏃を携えて問答無用に迫ってくるのだ。
スタンドの力は心の力。善なる心からは善なる力が芽生え、悪からは悪の果実が成る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
”矢”によって身勝手に選別され、スタンド能力に選ばれなかったお爺さんは、自分がなぜ死ぬのかも理解らぬまま死ぬ。それこそが最悪の悪であると、血の色の画面がよく語っている。
ジョルノはスタンドが視える側、超常能力に選ばれた側として、生き死にを勝手に選ぶ存在に対抗出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
ポルポ(が代表する、ありふれて強大な悪)とコントを続け、闇とその奥にある超常の光を飲み込むことは、もう出来ない。ブチャラティと覚悟を共有した時点で、その選択肢はないのだ。
ライターコントの切れ味がいい分、そこで素のジョルノが笑いと一緒にしっかり立ち上がってくる分、冗談みたいな流れで火が消えて、サバスが出てきて、ジジイが死ぬ切断はショッキングだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
あっという間に日常は、非日常に彩られてしまう。スタンドは普通人には見えない。悪人はやらずぶったくりである
ジョルノにゴールド・エクスペリエンスがあるということは、そういう世界に異を唱える権利がある、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
理不尽な簒奪、身勝手な選別に踏みにじられる人々の代理として、悪の中に飛び込み、悪を制する。そのためのスペシャルな力は、既に手にしている。
日常と非日常。善と悪。コメディと悲劇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
温度差が激しいシーンを幾度も行き来することで、それが矛盾しつつ隣り合い、常に侵略されていることを巧く示すエピソードでした。
光の奥の闇、闇の中の普通じゃない光。志あるギャングスタは、そういうものにこそ立ち向かうのだ。
しかし闇の奥に潜むのは、あの尋常ではないポルポである。覚悟を決めても、現実はいつだって手強い相手だ。だからこそ、戦いの記録が面白くもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月19日
VSブラック・サバス、アニメの中でどう描くか、どう魅せるか。そこに善悪の対峙をどう塗り込めるか。来週も楽しみですね。