からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
男は走る、女は戦う。奪われたものを取り返すために。
悪意と暴力が渦を巻く、才賀からくり屋敷。鳴海としろがねは臆することなく、その渦中に飛び込む。激戦が心と心を繋ぎ、人形は揺らぐ。
奮戦を眼にした勝は血に塗れながら、己の戦いを開始する。
少年はその日、獣になる
そんな感じの、スーパー伝奇バトルアクション第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
物語始まって最初の大規模戦闘っつー事で、どうなるかワクワクであったが、期待に120%答えるいい仕上がりであった。
奇っ怪な機械人形と傀儡子が血みどろの殺し合いを果たす伝奇力、アクション力もいいが、キャラの交流がとても良い。
熱い血が流れればこそ、魂の地金は試される。血みどろのスーパーアクションの中で、危機を前に引けない理由、生まれ変わる訳はどどんと重たく胸に迫ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
じっくり日常を積み重ねるのも良いが、今回のような激流の中で魂がぶつかりあうのも、また良いものだ。
冒頭、戦う理由をしろがねが問い、鳴海が”答えない”ところから、まず良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
人形であるしろがねは、仁義を背負って人道に飛び込む鳴海のロジックが、どうしても納得できない。だから問う。
傷ついた人を見たら、我慢できない。それは言葉で説明するものではないので、鳴海は答えない。
この後、体を張ってしろがねに答えを教える所含めて、鳴海にーちゃんのリアクションは完璧である。グリッターニ億点あげちゃう!!(なんでもDLHで考える狂人。今回最高のクエリーシーンが連続してて、ホント最高のDLH資料だった。TRPGモノは全員、原作を写経だな…)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
この段階だと、鳴海は最も人格が発達し、”答え”に一番近い存在である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
親に見捨てられた無力なこども、勝。人間の生き方を封じ込めたしろがね。答えのないものは、白無垢に血を滲ませる鳴海の背中を見て、自分がどう生きれば良いか学ぶ。
しろがねが鳴海の一挙手一投足にトゥンクするのがホンマ…。
でもしゃーないよ、鳴海兄ちゃんはかっこいいからな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
ここで見せた鳴海優位の人格マラソンが、人形をやめることにしたしろがね、子供であることを殺した勝の追い上げで、どんどん順位を変えていく有り様もまた、からくりサーガの見所である。
時の流れ、厳しい戦いが積み重なる中で、人は変わる。
それはプラスの方向にも、マイナスの方向にも動く。光だと思ったものが闇であり、どす黒い感情の奥に至誠が見つかることもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
様々な色が入り交じる混沌の中で、それでも輝く黄金を信じ、生き続けられるか。少年漫画のど真ん中は、そういうことを問い続け、試練を与え続ける。
鳴海&しろがね連合軍の前に立ちふさがる、殺人からくり屋敷と誘拐組。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
中田とローディングアームズガテンポよく噛ませ犬になって猟奇死する所とか、しろがねがサーカスの技を生かしてボール爆弾を回収する所とか、グロテスク&デカダンスな暴力描写が心地よい。
せっかくからくり人形なんつー、伝奇力の塊ネタにしてんだから、バイオレンスシーンもおどろおどろしく、超常のパワーに満ち溢れた描写にして欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
木っ端のようにザクザク死んでいくヤクザと傀儡は、そういう狂った世界のルールを血のインクで、しっかり刻む。
人形と育てられたしろがねは、敵と同じルールで動いている。感情はいらない、命は惜しまない。暴力と死にすくまない、人形を操る人形。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
19歳の好青年、鳴海は当然、その異常さにビビる。命は惜しい、傷が付けば痛い、できれば人死は見たくない。安全圏でぬるま湯につかった、腑抜けた価値観。
しかしそこから手を伸ばして、泣いてる子供を黙ってみていられないのが男・加藤鳴海である。覚悟の白装束を血に染めて、自分のために他人の厄介事を引き受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
優しさと強さが立派に同居し、信念が行動に結びつく。そんな鳴海の生き様は、人形たちに無言の問いを投げる。
『お前らもやっぱ人間で、同じように血を流し、同じように弱い奴らを見捨てられないんじゃないのか?』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
そういう血みどろのクエリーに反応して、凍っていたはずの心が動き出す。この連鎖反応は、しろがねも阿紫花も同じだったりする。つまり勝は、モニタ越しに鳴海の生き様を継承したわけだ。
『私は人形だから…』と伏目をそらすしろがねが、もろに綾波でうっかり爆笑してしまったが、涙を流す人形なんていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
身体に傷はなくとも、思い出が魂を苛むのなら、やっぱり人間なのだ。それに惚れ込んで、鳴海は音速のプロポーズをキメる。
エリーに捧げるロ・マ・ン・ス!(からくりヲタ芸)
鳴海は特権的に血まみれになる。先頭を切って鉄火場に飛び込み、体を張って”何か”を守る。勝もまた、バールでマジボッコにされ、鳴海の生き様を継承していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
エレオノールが現状無傷なのは、そういう地平にたどり着けていない証明でもある。おじさんも血を見せないなぁ、そういや。
血のインクで書いたサインだけが、人間証明書には有効。この物語はそういうロジックで動いていて、感情が動き、人間が人間になる瞬間には、激しいバトルが必要なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
悪役、人形、賢い大人。誰かが流したちに共鳴して、そういう役割を振り切る瞬間のドラマが、このアニメには満ちている。
つまり悪役は魂の産婆役であり、どんだけどす黒い悪意、ハードな暴力をぶちまけられるかはとっても大事なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
大塚明夫という大駒を迷いなく切ってきた、善治の”ヤバ”は圧倒的に本物だった。アニ勝がかわいいかわいいショタになってっから、別の匂いがついてるな、おじさんの圧力…。
登場時の『あ、ダメダこの人』感から一気にゲス顔、追いかけて追い込んで殴って反撃されて、たった一話(&しろがね・鳴海のドラマと並列)とは思えない濃度で、勝の魂を磨き上げる砥石の役を、しっかり果たしてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
やっぱ悪役に存在感があるお話は、反発シーンがビシッと決まって良いなぁ…。
勝は子供なので、世界が善いものだと無邪気に信じたい。そういう世界でなければ、無力な存在は生きられないからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
でもクソ親父にはエサ呼ばわりされるし、おじさんは変態オーラをむき出しにしながらメガバイオレンスだし、世の中マジろくでもない。そういう本音を、強制的に押し付けられている。
守ってくれる鳴海にーちゃんは自分の戦いで手一杯だし、つーかしろがねママンとロマンスしてるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
泣いている場合ではない。少年が大人に、男になる瞬間だ。
おじさんが勝を絶望させようと連れ込んだモニタ室で、むしろ不屈の闘いに勇気づけられているところが、皮肉な運命である。
ここまで可愛い可愛いショタボイスで僕らを魅了してくれた植田千尋さんが、勝の変貌、そのための通過儀礼を迫力満載でしっかり演じきってくれたのが、本当に素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
可愛いだけじゃない、試されるだろう。スクールアイドルならそんな主題歌が流れていただろうが、このアニメは伝奇アクション
男の証明は血みどろである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
諦めに閉じ込められるよりも、硝子をぶっ壊して前へ、前へ。死を恐れず血を流す覚悟を証明し、運命はそれに報いる。枝で減速する描写カットされたから、逆に運命力高まってんな、勝と阿紫花の出会いシーン。
ここの阿紫花の”ウケ”は天下一品で、獣の闘志に目覚めた勝の眼力をしっかり説明し、一体どんな変化が少年(と彼を主人公とする物語)に生まれたのか、視聴者にわかりやすく教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
リアクションの的確さは、物語の真意をしっかり消化させる上で、非常に大事だ。
銭金のため、黒賀の生き方を捻じ曲げてヤクザをやっている阿紫花。そんな彼も、見えない糸に操られる人形であることを、男と出会って止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
少年とヤクザ、青年と美少女。今回並列して描かれる魂の接触は、登場人物が同じ舞台に立ち、同じルールで動いていることをしっかり教えてくれる。
老若男女、一つの物語で共演するなら、統一感のあるルールでまとまることになる。作品が定めた背骨は、敵だろうが味方だろうが、強かろうが弱かろうが共通だ。その統一感が、物語の支柱となり、強力なメッセージを作品に付与する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
そういう”抜け”のなさが、今回のエピソードにはギラギラと漂っていて、良い第三話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
年も距離も離れた、勝と鳴海の間で共鳴する赤い血。
心を閉ざした人形たちが、そんな血潮に触れて変化する予感。
迫りくる兇猛なる暴力と、それに負けない闘志。
誰かのために、身を投げる気迫。
そういうモンをみっしりと、ギュウギュウに詰め込んで届けることが、作品の土台になり、背骨になる。一番最初に『俺はこういうお話だ!』と、デカい声で挨拶する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
それはとても大事なことで、なのでファーストエピソードは時間を使うのだ。いやー、四話あるとはなぁ…嬉しいけども。
欲望と決意、暴力と仁愛、出会いと死。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
どす黒い黒と魂の赤、真っ白な善意。様々な色が入り交じる人生劇場は、暴力の密度を上げながら更に加速する。そこで演じられるバトルオペラは、ここからはじまる長いサーガの序章でしかなく、全ての縮図でもある。
そういう熱量が、ギュッと高まる第三話でした。
バトルが始まることで、ここまで見せてきたキャラの顔がグッと変わって、でも根っこの部分では共通で、熱く面白くなってきてんの素晴らしいなぁホント…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月25日
そしてこの温度で、クライマックスはまだまだこれから。鮮烈なる物語の幕を、どう落としどう開けるか。序章最終話、非常に楽しみです。