BANANA FISHを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
悪意と狂気で作られた檻から、虎が這い出していく。悪しき父の歪んだ期待を背負い、野に解き放たれた豹。彼をせき止めるものは、もうなにもない。
スタイリッシュ老人介護アクションあり、オールドスクールなギャグ描写あり、バラエティ豊かにお送りする病院編ラスト。
つーわけで、人がバンバン死ぬハードコアな状況にもかかわらずギャグ回である。悲惨と暴力が間近に迫っても、人間は笑いを忘れないというか、もう笑うしかないというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
ちと(どころではなく)古臭い笑いの表現に、懐かしくなったり面白かったり。全体的にちょっと異色な、アクション多め回。
腹に大穴あいてても、薬でズタズタにされてても。アッシュは相変わらず超人である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
70キロ抱えて懸垂し、銃を握れば必ず心臓。頭脳が取り沙汰されることが多いけども、肉体的にも怪物だよなアッシュ…”ダイ・ハード”って感じだ。
そんなアッシュにメラメラと、ゴルツィネは執着の炎を燃やす。自分が作り出した最高傑作が、たかだか絶対の窮地程度で止まるはずがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
歪な愛情、歪んだ執着。綺麗なものが綺麗なままではいられない地獄の中で、ゴルツィネの父性愛は性を伴い、死に繋がっている。
やっぱどういう形であれ他人を思う気持ちが話を動かしていく物語で、私欲とか結果だけ求めている連中は、突破力が弱い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
ゴルツィネの後釜に座ったマフィアも、フツーにアッシュを処理しようとして失敗する。誰かを特別に思う気持ちがなければ、この荒野では生きられないのだ。
それが素直に形になるなら美談だが、あるいはゴルツィネのように感情を抱く側で歪み、あるいは英二のように世界のほうが、真っ直ぐに思いを遂げさせてはくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
女の衣装をまとうアッシュのように、荒廃のバビロンでは何もかもが倒錯し、転倒している。その歪みの中に、アッシュの生がある。
そういう意味では、シャレになってない状況で乱打されるギャグも、世界の実相と言えるのかもしれない。狂ったカーニヴァルのように、聖性と冒涜、笑いと殺戮は同居している。綺麗に切り分けられる”マトモ”な世界は、ずっとアッシュの人生から遠く、英二が今いる世界も狂っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
”良い親父”の支援、”悪い親父”の傍観に支えられて、アッシュは檻の外に出た。しかし物語は、彼が一番帰りたい場所へと素直に帰還させてくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
会いたいと思うほど、英二は、善が善であり続けられる青い世界は遠ざかっていく。そんな皮肉は、檻を抜けても消えはしない。
そんな皮肉な世界の実相を思う、病院脱出編だった。普段と空気が大きく違うけども、基本的なルールは変わらんのだなぁ、やっぱ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年10月27日
アレクシス教授という切り札を手に入れたアッシュが、BANANA FISHという悪徳にどう立ち向かうか。その道程に、英二はどう関わるか。来週も楽しみ。