ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
無事襲撃者を撃退し、ポルポの隠し財産を手に入れたブチャラティたち。しかし、ギャングに平穏は似合わない。甘い汁を吸うより早く、くだされた命令はボスの娘・トリッシュの護衛ッ!!
迫りくる切れ者・ホルマジオの魔の手に、ナランチャ・ギルがが挑むッッ!
そんな感じの、一切休み無しハードコアギャング激務バトルアニメである。どんだけ稼げるかちゃんと描写しておいて、それを味わう日間もなく状況が転がる世知辛さ、ギャングの厳しさを見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
そもそもブチャは栄達を求めて幹部になったわけではないが、安住できそうなとこを見せておいて蹴るのは良い
一つのクエストが終わり、一つのクエストが始まる。この連なりが長編であるが、五部はとにかく休みがない。戦いの中の笑い、一瞬の日常と休息はあっても、すぐさま組織から指令が、あるいはそれを受け取る訳にはいかない状況が転がってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
この矢継ぎ早な調子がテンポを生み、面白さにもなる。
なので、苦労してマネーをゲットしたと思ったら即! クソ女の護衛に回されるのもしょうがない。せっかく”ギャングスタ”で”スタンド使い”、二つの非日常を重ねているので、ダラダラしてるのはもったいないからな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
…ジョジョはダラダラしてるシーンが凄く良いので、もうちょいダラダラしても…。
さておき、ペリーコロさんとトリッシュ、ホルマジオが画面に写り、なかなか賑やかな今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
それぞれ一筋縄ではいかない”凄み”を、外見とか行動とかの普通じゃなさに繋げて、巧く描いてきた。皮膚感覚でキャラを理解らせる描写の上手さが、ジョジョの沢山ある強みの一つだ。
ペリーコロさんはまず、外見が魁偉である。デカすぎたポルポ(火葬ネタで不謹慎に笑い飛ばすところが、ホルマジオの不遜と大胆を巧く表現してていい。完全に余談だけど”!?”出てきて、ゾンビランドサガと繋がり過ぎて大笑いしちゃった)に比べ、異常に小さい。https://t.co/nV9ptXAGnW
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
好々爺風の顔貌も、斜視が一筋縄ではいかない異質さを付け加え、幹部に必要な”凄み”を出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
”便所”という不潔で異常なセッティングに、ポルポの隠し財産が生臭く絡む状況でも、当たり前のように涼しい顔で対応してくる。異様さを平然と乗りこなすことも、また異様だ。
トリッシュもまた、初対面の男の上着をハンカチにしたり、ヤベーギャングが命を狙う状況でもGIVENCHYのチークに拘ったり、トンチキなところを見せてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
最初にナランチャとの対峙を見せて、『ただのバカ女じゃない、ジョジョ女だ!』と理解らせてから描写するのが、非常に面白い。ヤベー女だ!
トリッシュが現状を把握せず、等身大の15才(に見えない言動と顔と服とケツだけども、15歳なの! 阿良々木火憐と同い年なの!)であることは、今後の成長を描く大事なキャンバスである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
『低く入って、高く上げる』のは五部のキャラ描写の基本であることは、アバ茶やブチャのペロペロを見てもわかる
最悪の印象が深く入ればこそ、それが覆される瞬間は面白い。なので、思う存分クソアマだってのをシンプル&ストレートに突き刺してくる、お買い物おねだりはいいシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
ホルマジオが護衛チームの状況に気づき、ピンチが接近する布石になってるのも、非常に面白い。
ゾンビ映画のチワワもってるババアかオマエは!とツッコみたくなるようないらんことしぃだけども、その脇の甘さがトリッシュの現状、”覚悟”のなさを証明している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
そんな女の子が欲望の嵐に巻き込まれ、殺し合いの的になる。トンチキだけども、やっぱ悲惨よねこの状況。
そしてそんな状況を乗り越える資質の片鱗も、トリッシュは既に見せている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
ギャングスタの悪しき側面をむき出しに、公共の場所を占拠し、ナイフで脅すナランチャ。そんな彼をトリッシュは制し、『ここはお前の家じゃない』と宣言する。
それはドラッグを堂々と流通させ、他人を踏みつけて恥じることのないギャング…ブチャラティとジョルノが打破したい現状を、トリッシュも認めない、という宣言だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
ナランチャがまだ、黄金の風を自分にしていない、ということでもある。キレすぎだからな今回アイツ…。
他人を恣に使い潰し、己の欲望を満たす。最も身近だからこそ、最もどす黒い”悪”の形を、トリッシュは拒む…わりに、わがままぶん回し系クソアマなんだけどね、現状。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
とまれ、彼女もまた黄金の風を背に受け、正義に向けて羽ばたく存在であるという暗喩は、薄汚い便所を舞台に丁寧に描かれているわけだ
やっぱ”便所に黄金”という取り合わせは、異質でありつつ同時に妙な納得感もあって、なかなかすげぇな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
『ポルポが蓄えた財産なんぞ糞と同じ、でも使い方次第では黄金にもなる』という風情もあるし、汚濁と煌めきがシュールに同居している状況が、ギャングスタ的で良い。
そこに横槍を入れんとするホルマジオ。福島潤さんの演技がキレてて、世界一の好青年・ハリハムハリーと同じ声だとは、とても思えなかった。声優さんは凄いなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
彼の異様さも、『猫を瓶に入れる』という異常事態で、登場時からしっかり強調される。荒木先生は猫が嫌いすぎる…。
異様な現象が一体何を意味するのか、能力を推察するミステリもジョジョの花であり、その出題として『猫を瓶に入れる』は完璧だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
ショックが大きいし、ついつい読み解きたくなる圧力に満ちている。答えは『小さくなる・小さくする能力』なわけだが、解答を一話の間に出すのは親切だった。
改変でナランチャの等身が縮むシーンが挿入されていたけども、『リトル・フィートが自分だけでなく、敵にも適応可能だ』という脅威を鮮明にし、展開を飲ませるため、過剰にヒキを作らないための早めの解決だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
靴のシーンの衝撃は和らぐが、良い操作だと思った。
『下らない能力』と卑下されるリトル・フィートだが、それを使いこなすホルマジオの頭脳がとにかくキレて、ヤバそうな気配がプンプンしてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
車の所有者を先回りして調べておく周到さ、社内の物品から状況を読み解く推察能力。『ギャング止めて探偵やったら?』って感じだが、あの性格じゃね…。
強敵が向こうに回ることで、ナランチャのキャラも深く描写される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
とにかく即切れ、超暴力主義。エアロスミスの破壊力も凄いが、車のドアをベコベコにするほどの蹴りがあの痩身から繰り出されるあたり、心に秘めた暴力のエンジンが規格外である。
可愛い顔してるのに…あざといのに…(そこが好き)
探索型のスタンドのはずだが、凶暴な牙も兼ね備えたエアロスミス。それを生み出すナランチャの心の中は、一体どんなものかは、やっぱりオリジン描写を先出しして掘り下げていくのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
来週の冒頭が楽しみである。チームの中で、彼のオリジンが一番好き。ナランチャ全部好き(ただの推し)
しかしマトモなお使いも出来ねー低能野郎だってのも、フーゴとのおもしろギャング漫才で示されているので、切れ者ホルマジオとの相性は悪そうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
むしろ彼を鏡にすることで、薄ら馬鹿の単純特攻野郎に見えるナランチャの意外な側面…リトル・フィートが『良く見える飛行機』である理由がわかる形か。
荒木先生がメインで書くキャラがただのおバカなはずはないわけで、これもまたトリッシュと同じくギャップの妙味、白紙だからこそ自由にキャラを見せれる楽しさと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
異様さはキャラを印象づけ、その変化を鮮明にするための大事な足場になるのだ。
異様なナランチャと、異様なホルマジオがぶつかりあう限界スタンドバトルは、いい感じの爆発描写で号砲を上げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
休む間もなく襲い来る、暗殺の魔の手。幹部の椅子に身を預ける暇もなく、ブチャラティと仲間たちの物語は加速していく。その風は、危険で熱い黄金の風だ。
停滞することなく状況が進み、しかしそれが一つのクエストではなく、区切りと新鮮味がある。五部の転がし方は結構今までと違っていると確認できるのも、良いアニメ化のおかげだなぁ…ほんっと面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月30日
激戦が約束されたVSリトル・フィートを、一体アニメがどう書くか。来週も楽しみですね。