DOUBLE DECKER! ダグ&キリルを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
バカは天才だった!
衝撃の事実が判明する医療&科学回であり、親子の情愛、死の苦しみと悲惨さを乗り越える魂の輝きが見えるエピソードである。
ダグが負傷でメインを張れない分を、補って余りあるキリルの成長、善性が嬉しい。ほんと良い主人公だなアイツ。
つうわけで、ど真ん中にいい話をぶち込みつつ、アンセム周辺の設定を医療に交えて伝えてくるお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
取り締まるべき魔薬ではなく、死の処方箋としてのアンセムを掘り下げることで、作品設定に深みが出るエピソードだったと思う。死にネタに親子愛、境遇を越えた共感まで交えて、涙腺を本気で殴る
法執行者から見たアンセムは、悲惨な被害者を生み出す悪徳。しかしその薬効は神のそれであり、制御できるのなら福音ともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
患者を実験体にし、データをエスペランサに上げていた院長はゴミクズ中のゴミクズであるが、悲しいことに彼の言うことにも一理ある。
毒をもって毒を制す構造は、ハミ出しものを寄せ集めてアンセム犯罪に対抗しているSEVEN-0,彼らが使う救済の銃弾が劇薬を組み合わせて出来ているからも見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
ようは使い方、人の善性だけが悪徳を制することが出来る…という理想論は、現実を前にするとなかなかに無力だ。
病院を舞台にし、犠牲者でしかない末期患者を”犯罪者”にしたことで、そういうままならなさは巧く浮き彫りにされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
どんだけ綺麗事を並べても、ゴミを掃除したきれいな世界に、死人は住めない。必要なのは今の痛み、今の恐怖を抑えることなのだ。ターミナル・ケアを持ってきたのは、面白い意識だ。
それでも勇気をもって、悪徳を秘めた救済を拒絶すること。人間としての背中を息子に見せ、毅然と死に飛び込んでいくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
親父さんが果たした最後の決断は、高潔であり立派だ。優しさの使い方がわからず、ナオンを札びらで張り倒してたゴミ息子も、その行動で正しく背筋を伸ばすことが出来る。
他人を外見だけで判断し、銭金で性を買う。ゴミ以下のゴミ所業で第一印象最悪にしておいて、そこに秘められた子供の情愛、健気な最後の親孝行につなげるのは、非常に上手かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
『ゴミじゃん!』って初見で思えば思うほど、少年と優しい人達が真相を語るシーンの衝撃が、ドドンとデカくなるからな。
親が死ぬ。回避方法はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
人生のどん底、ダグが嫌いな『貧困と格差』にまみれた状況に、キリルだっていた。そこを努力と知恵でくぐり抜け、憧れのヒーロー稼業に傷まみれで取り付いた男だからこそ、孤独を約束された少年に寄り添うことだって出来る。
俺の家族はまだ生きているけども、お前と同じような地獄をくぐり抜けて、それでも明るく元気に、バカでやってけているから。人生そこまですてたもんじゃねぇから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
ヒーローは、お前の眼の前にいるから。
こういうことを堂々と、真正面から言葉にできるからキリルは良いやつである。賢く優しく強い。
キリル・ヴルーベリの部屋にはブルーベリーの鉢がある。大切に育てた花に込められた意味は『実りある人生』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
家族と離れ、貧困の荒野に放り出され、それでも人生を諦めなかった結果、結構夢のヒーロー生活を満喫できている少年に、ふさわしい花だ。
©SUNRISE/DD PARTNERS pic.twitter.com/IZkLWoZyoU
女もいるのに、キリルに花嫁を選んだのは、少年がヒーローを尊敬しているからだろう。異性の装いをしているから、ウェディングドレスを着ているから、ヒーローに為れないってわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
人生への希望、父がいなくなっても掴み取れる輝かしい未来を、少年は自分の夢を守ってくれた男に託した。
少年は未来を語る。当たり前に結婚して、当たり前に子供を手に入れる未来を疑いつつも、どういう形になっても良い未来なのだと信じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
その構えのなさ、自分と世界の形を決めすぎない自由さは、このアニメの凄く優れたところだと思う。
”流行の”LGBTに配慮した、というよりは、人間の尊厳について、人が人として輝かしくある未来についてホンキで考えた結果、『性ってのは大事だからちゃんとやるべぇ』となって、多様なあり方を描いている感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
第8話に引き続き、とても良い。笑いを交えることで、肩の力と説教臭さが抜けてる。
キリルを仮想のパートナーにすることで、少年が物語初期に知らず囚われていた偏見と蔑視、『女をカネで買う』ヤバさも乗り越えられたと見えるのが、凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
親父さんに幸福な末期を与えたかった思いは、今も昔も変わらない。でもその表現法が間違っているなら、正したほうが良い。
キリルが本気で犯罪に立ち向かうことで、少年は人と人とのパートナーシップ、恋と愛と婚礼と生殖にまつわるスタンスを改め、銭金で顔面を蹴り飛ばすのではなく、敬意のある衣装で意志を表明することを学び取った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
彼のセクシュアリティは不明なままだ。ストレートかもしれないし、ゲイかもしれない。
Aセクシャルかもしれないし、また他の性指向があるかもしれない。生殖と切り離された性と結びつくかもしれないし、性と関わりの薄い人生を生きるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
それでも、その全てが幸せであるようにと祈りを込めて、彼はキリルに花嫁衣装を着てもらった。キリルも装いを整えた。
凄くヘンテコで、一般には”倒錯した”と言われるかもしれないシーンだけども、僕にはとてもヒロイックに写った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
かつての自分を見るような少年のあこがれと真摯さを、かけらも茶化さず、ユーモアをもって背負ってやる。そういう事が出来るなら、女みたいな顔してても、当然ヒーローなのだ。
そういう形で性のアイデンティティと決意、親と子の間に受け継がれるもの、未来への希望とヒロイズムを描けるのは、やっぱり凄く力強いアニメだし、面白いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
こんだけ立派なことをやってんのに、ちゃんと楽しいのが何より偉い。笑いが上品で強い。
アクションもコメディもしっかりあって、いい話も高い志もみっちり詰まっていて、それぞれがそれぞれを引き立てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
アンセムやSEVEN-0という設定も、描いているドラマにしっかり噛み合ってトルクを上げ、伝えたいメッセージがズドンと胸に届くよう、威力を上げてくれる。
もうそろそろ終わってしまうけども、だからこそやっぱ『いいアニメだなぁ…』という感慨が強い。このアニメ見ててよかったな、俺。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
上手さをひけらかさず、志の高さで殴りかからず、あくまでアホバカ警察コメディ(時々人情系)くらいに調整して美味しく食べさせてんのが、マージ業前で高徳。
『バンブーマンが反応でなかったのも、今回病院で見せた治療=隠蔽の技術が適応されてたから』みたいな設定開示も、やっぱスマートで上手い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
病院までエスペランサの長い手が伸びてるところとか、生々しくゾッとする。”二階”関係者は、この街のマスターキー持ってるようなもんだなこりゃ。
そんなヤバさを抱えつつ、やってきました軍部のスカウト。ただのバカが引っ張られても説得力ないので、今回割と唐突気味に天才設定出してきたんだろうなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
あのバカ、ダグ好き好き病患者なんでそうそう崩れることはないだろうけども、なにしろ敵の手が隠微で長いからなぁ…。
少年と父親に反射する形で、ミラお兄ちゃんお姉ちゃんとキリルの絆と過去を強調してきたのも、今後の展開の中で使うためだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月3日
新世代のバディームービーも、遂にクライマックス、どういう物語を展開させ、一体どういう物語、メッセージを見せてくれるのか。とても楽しみですね。