ジョジョの奇妙な冒険を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
高空の追跡者VS縮退の潜伏者。ナランチャとホルマジオ、お互いの能力を探り合うバトルは続く。
ブチ込む一手一手が、死を引き寄せる銃弾であり、敵を探るヒント。そんな死の際の中で、顕になる起源。”敵”である暗殺者(ヒットマン)チームもまた、覚悟を抱えて死線に立つ
というわけで、アニオリモリモリで暗殺者チームを掘り下げるVSホルマジオ中編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
悪の中の善、闇の中の光を掘り下げる第五部は、明瞭に色分けされた敵味方があるわけではない。
全員脛に傷を持つ狂犬(ギャングスタ)、お互いの野望と理想のために喉笛に噛み付く死闘(ドッグ・イート・ドッグ)。
その血みどろの悪VS悪が、異様な迫力を背負って飛び出してくるのが醍醐味であるから、暗殺者チームにも理があり、覚悟があり、絆がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
”ボスを殺す”という目的では一致しつつ、そのための手段、果たした後の夢が異なればこそ、ブチャラティチームと殺し合う。
情熱(パッショーネ)は血を求めるのだ
なので、アバッキオやミスタで見せた『オリジンの前倒し』が今回も行われる。というか、原作にはなかった深い掘り下げが行われる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
今後血みどろの宿命が始まる、ホルマジオの凄みを見せつけた後というタイミング。原作で謎だったアレやソレが一気に保管される内容。
全てベリッシモ・ベネであった。
五部は味方スタンドが簡単に正体を明かさず、正体不明のワクワクがページを捲らせるエネルギーとなる、ある種”能力ミステリ”的な構造がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
今回強敵の能力を読み解き、窮地を脱する主人公は”味方”であるナランチャ…であると同時に、”敵”であるホルマジオでもある。
”下らねぇ能力”だからこそ、頭を使って使い所を考え、必勝の状況を作る。そこから抜け出そうとする”敵”のあがきを、こっちも体と頭を絞って潰していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
下水のドブにまみれつつも、自分のため、仲間のため、野望のため負けられないと叫ぶホルマジオは、ほとんど主人公である。
この転倒は敵味方、ともにギャングスタという荒廃し混沌とした状況をより強調し、戦いの熱量、純度を上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
どーでもいいヘナチョコが敵に回るより、味方と同じく背骨に覚悟が入って、とんでもない能力を持ち、どす黒くも光る野望にギラついた輩のほうが、戦いは絶対面白い。
ブチャラティチームに負けない”凄み”が暗殺者チームにもあり、なかなか帰ってこないナランチャを心配するフーゴ達のような確かな絆が、”敵”にもあるのだと見せる今回は、今後長く続く血みどろのバトルが、ただの殺し合いではないことを上手く見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
見るからにヤバい連中揃いの仲間たちが、薄暗い部屋の中でビリビリ触れ合う。しかしそこにはどこか、お互いを尊重するムード…ブチャラティチームに似た雰囲気が、確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
ドブの下から這い出ようという意志は、昇竜の勢いなブチャチームより、暗殺者チームのほうが強いかもしれない。
ホルマジオが下水に追い込まれ、勇猛果敢にネズミの馬に乗るのは、チームの状況をうまく見せている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
他人のクソに塗れようとも、血みどろの栄光を掴む。それまでは、ちっぽけなネズミが愛馬。そういう誇りがあればこそ、汚れ仕事にだって甘んじる。チームみんなで泥を飲む。
その意志を捻じ曲げるほどに、ボスの長い手は隠微で邪悪だ。アニメになってみると、ソルベとジェラートの最後は本当にえげつなく、強い意志を持った凄腕が軒並み腐ってしまうのも、納得がいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
…この”腐ってた状況が動き出す”ってのも、ブチャチームと似通ってんだな。
原作では結果だけが見せられた見せしめだけども、今回深掘りされたおかげで、原作ファンにも嬉しい描写となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
なーるーほーどーなー、お前らに全部任せたからああなったのね…撮ってんじゃないよこのゲス中のゲス!
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/T9ih59HtjF
異様な殺しで凄みを見せるのはボスだけでなく、ホルマジオの暗殺も凄まじい。組織の意にそぐわない政治家を、車を出産させることで惨殺。まさに異様、まさに残忍ッ! って感じだ。ホルマジオの”凄み”も爆裂よ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
そしてこの殺しで、ぶちゃチームと暗殺者チームの決定的な違いも見えてくる。
ナランチャは人混みで一旦エアロ・スミスを収容し、自分の(あんま効かない)目で敵を探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
ホルマジオは(おそらく見せしめの意味も込めた)派手な殺しで、同行していた女性も巻き添えにする。
ともに暴力、ともに悪。しかしその制御を手放し野放図にするか、あえて抑え込むかは大きく違う。
麻薬ルートを手中に収めようとする暗殺者チームと、麻薬ルートを壊滅させるために組織を手に入れようとするブチャチームの違いは、ただのモットーではなく、最も下劣な行為である暴力の中でこそ、どす黒く光り輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
だからこそ同じ熱量、同じ連帯で結ばれた二つのチームは不倶戴天、殺し合うしかない
ただ鏡合わせの殺し合いではなく、決定的な一線があればこそ殺し合うしかない、という状況を深く見せたからこそ、今回のアニオリ回想は非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
どうせギャングスタ、世間に迷惑をかけて生きるしかない。
そこで『だからこそ』と光に向くか。
『それならば』と闇に沈んでいくか。
暗殺者チームの強い意志と、それを不適切に振り回して被害を拡大するやり方を鮮明にすることで、主役たちの高潔もより際立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
誰もが諦め、暴力の制御を手放して当然の状況『だからこそ』、不屈の意志で正義を追い求める意志、悪を持って悪を制す決意は尊い。
五部がギャングスタを主役にしているのは、そういうモノを描きたいからかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
光の中で常に輝く星とは別の、闇の中の光。それを主役に据え、正義の意味を今一度問うためには、同じ資質、同じ意思を持ちつつも闇に沈んでしまった双子を敵に回すのが、一番力強い。
そんな衝突の先頭で、激しく火花を散らすナランチャとホルマジオ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
バカで直情型のナランチャだが、スタンド”エアロスミス”は索敵に長けている。学が足らないからそれを使いこなせていないが、系列としてはアバッキオの”ムーディー・ブルース”に近いのだろう。
アバッキオのスタンド能力…心の力が後悔に満ちた過去を再生するのに対し、ナランチャの翼は未来を求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
学のないチンピラ、周囲に暴力を撒き散らすしかないガキでしかない彼は、しかしその心の現れたるスタンドに、何かを見つけ、探り当てる能力を秘めている。
彼を待ち受ける運命を識っている身としては、その皮肉に涙が出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
ナランチャは、バリバリバルカン砲を撃ってぶっ壊すだけじゃなく、人間の目じゃ見えないようなものを、自分の目で確認したかったのだ。そのための賢さを、小さな翼で求め続けていたのだ。
とはいうものの、今の彼はどこに出しても恥ずかしいどチンピラであり、索敵能力は”敵を殺す”一点に使われる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
相手が頭脳派の絡め手だからこそ、おんなじように戦えそうなのに真っ直ぐ行き過ぎなナランチャの不足が際立つのは、マッチングの妙味だ。やっぱ五部ベストだと思うなぁホルマジオ戦。
ホルマジオに主観が写ってからは、逃げても逃げても追いかけて銃弾を叩き込む不気味さがエアロ・スミスから匂い立っていて、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
四部で磨き上げたモダンホラー演出が、”敵”ではなく”味方”を描く時に生きるのは、なかなか面白い。正体がわからないからこその、ホラーテイストの楽しさ。
ナランチャの方も強敵・リトル・フィートのジワジワ殺しに追い詰められ、ギャングらしいやり方交えつつ必死に抗う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
自動ドアと”公衆”電話のコインを、『めんどくせぇ、ぶっ壊す!』で突破しに行くのが、五部だなぁという感じ。悪いことだと理解っていても、最高にスカッとするぜー!!!
お互いの推測と決意が盤面を幾度もひっくり返し、少しずつ能力が判明していくバトルは、まさにジョジョの真骨頂と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
ナランチャがようやく自分の力の使い方を把握し、『二人分の息』に狙いを定めたところで、ホルマジオが『縮める』に続くもう一つの力『伸ばす』を開放し形勢逆転。盛り上がる!
ボールペンで窮地を脱した時に『伸ばす』能力の伏線、それが侮れないものであるのをサラリと見せているのが、意外な展開に確かな納得を添えて、バトルの組み立てが上手いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
急に新能力出てくると、展開重視のチートに見えっからね。攻防の流れの中で、サラッと見せておいてドカン!!
これが効く。マージで効く。マージで面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
こういうシンプルなバトルの興奮(を作るために、尋常ならざる知性が駆使されているのが面白いとこだけども)と、暗殺者チームの抱えたドラマ、凄み、譲る訳にはいかないドス黒さが同居することで、両方がぐんぐん熱量を上げるのだ。
アクションはドラマのために、ドラマはアクションのために。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
創作の基礎にして深奥をしっかり抑えたエピソードで、非常に面白かったです。
拷問ダンスといい、アニメでしか出来ない楽しさをどんどん付け加えつつ、作品のコアを抑えてアニメに最適化していく。楽しさを再構築していく。
なかなか出来るもんじゃないが、それをサラッとやってのけるからこそ面白い。先のこと知らず初見で見れてる視聴者、マージ羨ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
だって今回ハッタリ満点、ちょっと共感できるウェットさとヤバさで登場した”奴ら”が、今後ぞろぞろ顔を出しては地獄のバトルを繰り広げるさまを堪能できるんしょ?
『前世で仏陀のために体を投げ出しても得られないラッキーが、今眼の前にある!』って感じだけども、まぁ既読者故の楽しみってのも当然あるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
暗殺者チーム推しの人たちは、血管切れるほど興奮してんだろうな…待ちに待った仲良し殺し屋きららアニメでしょ。OPできららジャンプとかしそう
まぁしません。”ギャングスタ・アサシン”はきららジャンプとかしない!キルミーベイベー!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
エピソードの仕上がりが良すぎて、自分でも何言ってんだか分かんなくなってきた。ともかく最高だったし、今後が死ぬほど楽しみになったってこと。興奮でもう三回心停止してるから、四度目は勘弁な!
歪んだ鏡に写った、宿敵の肖像画。似通っていればこそ殺し合うしかない、狂犬と猛犬。譲る訳にはいかないバトルの先鋒は、ナランチャ・ギルガに託されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月8日
次回おそらく決着するバトル、どう運びどう決着させるか。アナタと同じように僕も、非常に楽しみです。マージ面白いこのアニメ。マージ。