HUGっとプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
薬師寺さあや。何でも出来るみんなの天使。女優にお医者さん、無限の可能性を秘めた優等生。
白紙の未来に悩む、等身大の中学生。
トンチキのバルブをぶっ壊したファンタジー展開の中で、少女の物語が締めくくられていく。思いの果てに、未来はあるのか。
つうわけでストーリーラインの締めくくり、坪田シリーズ構成過労死寸前のバリバリ勝負もさあや回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
ここまで重たい話が続いたせいか、かなーりドラッギーでアッパーな展開となった。狂った展開を真顔でやられると、シリアスが刺さるまで時間かかるっ!
話自体はさあやエピに登場したキャラクターと要素総ざらいで、いい具合におさらいになってる…んだけども、ゴッチャリ持った年末トンチキ要素がある種のノイズとなり、メインと喧嘩してた感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
この過積載もまたHUGっとだなぁ、という感じはあるね。欲張りなプリキュアだった…。
軽くてアッパーな雰囲気が悪いわけではなく、にゃんこルールーとか、真顔ですっとぼけた空気に挑み続けるママンとか、色々面白くはあったのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
ここら辺のすり合わせはなかなか難しい部分であり、ちと巧く行かなかった印象を、正直受けた。
さあやは偉大な母の影の中で、『いい子』であることをアイデンティティとしてきた子だ。そんな優等生の影の部分は、それこそはなとの出会いからずっと描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
なので、今回前向きに母超えを果たし、『なりたい自分』をしっかり定めたのは喜ばしいことだと思う。
ほまれがスケーターという夢を明瞭に定め、夢一本でやっていく厳しさを体現するキャラだったのに対し、さあやは恵まれているからこその多様さに溺れ、周囲のイメージに答えることで自分が見えなくなる、迷いのキャラだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
ここら辺の青と黄色の対比、夢自体がよく見えないはなとの対比は好き。
同時に『曖昧さ』という、物語として扱うにはかなり難しいテーマを背負った結果、なかなか芯が見えにくいエピソード郡となったのも、また否めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
ほまれにとってのハリー&アンリ、はなにとってのジョージみたいな、鏡役になってくれる異性が配置されなかったのも、ちと弱いか。
しかし優等生であるがゆえの曖昧な悩み、周囲の期待に答えれてしまうからこそ天使的幻想を集めてしまう”Ange”の物語は、僕はとても好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
強烈に突き進む推進力はなくとも、芯の強さとちょっとのトンチキさで引き込む。さあやらしい話運びが、最後まで続く印象だ。
今回も役者に医者に、シリアスにコメディにとブレつつも、今までであった人々、見つけた夢といい具合に向き合い、さあやは道を見定めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
蘭世ちゃんこんな良い仕事回すなら、もうちょい味の濃いエピソード用意してあげても良かったんじゃないかな…熱くていい問い詰めシーンだったけども。
選んだ”仕事”をしっかり果たし、憧れに十分な光を発していた川上先生が、『どんな道を選んだとしても、後悔はする』と言ってたたのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
夢は傷のない宝石ではなく、嵐の中で咲く花。様々な困難や期待ハズレが、道を選んだ後も激しく決意を揺るがしてくる。
しかし理想と違くても、選び取った道への愛と誇りを胸にあるき続けていれば、思わぬ喜びも転がり込んでくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
実際に道を選び歩いてきた先輩だからこその言葉は、ずっしり重たい説得力でもって、さあやと僕に届いてきた。登場エピの良さを、最大限活かした印象。
そしてさあやの物語に、長い影を伸ばし続けてきた母。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
感情表現が不器用で、でも愛情満点。あらゆる状況で演じ続ける女優魂が、娘との関係を邪魔もする。
これまで輪郭で描かれてきた彼女の人格を、しっかり塗り込む展開となった。でも母×娘主演の女々感情巨大姫騎士物語は、攻め過ぎだと思うよ。
2つのことが一度に出来ない一本気な不器用は、親子で全く同じである。血を分け、同じ屋根の下で暮らしてきた二人は、近ければこそ距離を置き、想いが巧く伝わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
ここら辺のもどかしさが、なんとも生っぽくてよかった。『いい子』でいれば、全てが解決するわけじゃないのだ。
自分のクローンを作ろうとしていた愛崎家とも、多数派の形とは違っていてもお互いわかりあえた輝木家ともまた違う、薬師寺家のコンプレックス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
自分と違う道を歩き始めた娘を祝福したいのに、自分が否定されたようで悲しい。今回は親離れの話であると同時に、子離れの話でもある。
そこで『女優=自分』と為ってしまうところが、薬師寺れいらの肥大化したエゴであり、女優業に賭けるプライドでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
大真面目だからこそトンチキで、ヘンテコだけど真摯だから憎めない。れいらママンは、かなり複雑な人格をしている。
その魅力を今回ちゃんと引き出せたのは、凄く良かった。
パップルさんを開放した時と同じ心のダイレクトジャンプで、アンジュは母の心、知りえない過去を受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
傷ついた年増女が年下女のバブ味でオギャるシーンが大好きな人間としては、今回のバトルは非常に良かった。リストルさんが、エロい迫り方してくれたおかげだよ!
母と同じ存在になろうと思い込み、しかしそこに軋みを感じていたさあや。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
(祖父のクローンとして”家”の規範を内面化していた)正人が否定する”ロック”に、ソウルのシャウトを感じていたえみるとは正反対の家族関係だが、そこには魂の体温が、色褪せない愛がある。
えみるが”家”を離れた自分を貫くことで、正人との関係を再生出来た(ことが、祖父との関係変化に希望を見せた)ように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
さあやは母の面影を追って飛び込んだ女優業から去ることで、母の先にある景色、自分だけの未来を見据える。そしてそこには、確かに母の面影が宿っている。
乗り越えたはずなのに名残り、追い抜いたはずなのに長く影を伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
今まで鬱陶しくもあったはずの母の影が、自分を支える巨大な手であったことに気づいたさあやは、母を愛すればこそ母から巣立っていく。
それは親としては喜ばしい。でも、寂しい。その視座を、子供の成長に重ねたのが良かった。
人生はとても裏腹なもので、相反するように思えるものが実は密着しているという真実は、このアニメにおいて、またプリキュアにおいてとても大事にされてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
光は影の中に、正義は悪と向き合うことで、夢は挫折と隣り合わせだからこそ。そういう書き方が、ずっと続いてきた。
この成長を寿ぐと同時に、そこに耐えられない哀切を埋め込む。主役である子供の視座だけでなく、それを見守る親の視点も描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
そんな筆が、永遠の幸福を求めるがゆえに世界を静止させるクライアス社と、ちゃんと重なって動いているところは、シリーズ構成渾身の筆致であろう。
トンチキな空気を引きずったヒキで、空からサンタが降ってきて。次回バラエティ回ッぽい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
HUGっとはサブの使い方が良かったので、色んなのが出てくる話は楽しみだ。思う存分息抜きやっても、そんなにダメージ少ないだろうしな!
そこを抜けたら、いよいよラスト一ヶ月、最終決戦である。
坪田さんが狂気の六話連続脚本執筆を駆け抜けたおかげで、はな以外の物語はだいたい収まってるからな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
残り一ヶ月をどう注ぎ込み、夢のカタチがまだ見えない素足の少女を、彼女が背負う物語を、どう収めていくのか。
非常に楽しみである。地味にキャラ別回でも、エールの描写濃かったしね
あ、はぐたんの言語能力が一気に二年ぐらい育って、色々おしゃべりしてたのは最高に良かったです。泣いてる子に優しく出来て、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
はぐたんは偉いねぇ…去っていった娘の面影を、別の赤子に投影するママンの修羅っぷり、コメディで飾ってないと尖すぎたよね今回。
さあやは周囲が見えすぎて、自分のことが見えなくなっちゃう子だったと思います。そういう優等生がようやくワガママを押し通して、自分の道を歩いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
星を追うほまれの物語とも、別れにすら意味を見出すえみるの成長とも、作り物の命・偽物の記憶に新たな息吹を吹き込んだルールートも。
さあやの物語はちょっと違う進み方、終わり方をしました。ちょっととっちらかって曖昧で、でもそのよく見えなさが、僕はとても薬師寺さあやっぽいなと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月16日
社会にとって都合の『いい子』の抱え込んだ悩みを、ちゃんと掘り出してくれるアニメは、とても好きです。来週も楽しみ。