あかねさす少女を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
歩く。歩く。後悔を抱えたまま、明日に向かって橋を架けて。
黄昏アスカを相棒に、あすかの新しい旅が始まる。トンチキでちくわで、シリアスで薄暗い。最後の戦いに、クソダサスーツも激しい戦闘も必要なしッ！
黄昏は消えてなくなりはしないけど、私は元気です。
そんな感じの最・終・回である。唐突なサイコホラー風味、分厚い内面対話描写、残りのデカいのは全部ソシャゲくんにお任せ！ なぶん投げ加減。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
黄昏のデカいネタとか、きょうちゃん消失の真相とか、色々ぶん投げる豪腕勝負。しかし、このアニメらしい終わり方だった。とても良かった。
先週友情と仲間の話はやったので、今回は主役の話がずーっと続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
重たくなって以来『うぜーけど取り戻してほしいなぁ』と思っていた、元気で前向きなあすかと、トンチキ異世界旅行成分が序盤戻ってくるのが、なかなかありがたい。
アレがあると、黄昏アスカもラジ研の”仲間”になったんだと思えるね
全てのカードがオープンになった今、あすかのアホバカ加減は嘘なのだと判る。道化めいた明るさは、自分を守るための鎧、悲しみを麻痺させるための処方箋だったと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
しかしそれは、仲間を集め、世界を明るくする善でもあった。嘘っぱちでも空元気でも、良いところはある。
そういうモノを肯定できるようになったあすかが、また元気にトンチキして迷わない姿が、僕にはとても眩しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
それもこれも仲間が彼女に与えてくれたもののお陰であり、優の自由落下大告白のお陰である。エピローグ、”デキてるんじゃねぇか？”っていう空気だったな…。
あすかが投げかけたものは、全く違う相を持ちつつ深奥では響き合う仲間の悩みを、しっかり照らした。トンチキな異世界で自分と向き合い、クソダサスーツに包まれた自分の可能性と出会うチャンスをくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
そういう想いがあすかに帰り、黄昏アスカに放射されるリレーションが、僕は素朴に好きである。
まぁその象徴が最後まで”ちくわ”ってのが、このアニメらしいけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
最後に『優と大学に行く』選択肢（ｷﾃﾙ…）を選ばせることで『味噌か、竹輪か』という二者択一ではなく、もっと広い可能性にあすかが漕ぎ出せたのだと見せたのは、なかなか良かった。
きょうちゃんの亡霊を、ようやく祓った訳だ
アホバカの後はシリアスが来るのがこのアニメで、モノトーンに歪んだ内面対話で、黒沢ともよ最後のご奉仕、スーパー酷使の一人芝居タイムである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
黄昏アスカとあすかの明暗だけでなく、二人の内部にある感情と無感情も演じ分けていた。
ホンマ黒沢さんは頑張ってくれたと思います。お疲れ様でした。
お互いのオリジンを彫り合う内面対話、アクションがほぼ無い精神対決で最後を〆るところは、このアニメが纏うオールドスクールフレイバー（別名、古臭さ）に忠実で、僕は嫌いじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
ゼロ年代前半、こういう深夜アニメ山ほどあった！ 今でも結構ある実は！！ 俺そういうの好き！！！
あすかは優ちゃんの自由落下大告白で嘘つきの自分、強がりの自分含めて全肯定してもらったので、今回新しく何かを得る必要はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
それを黄昏アスカに分け与え、感情無いねん女が実は巨大感情女であることを暴き立てるのが、お話を〆る成長の証明となる。
トンチキ異世界旅行とクソダサスーツバトルに暴れまわりつつ、それはあくまで舞台装置。狙いははベーシックな青春を、奇妙で不思議な世界で際立たせることにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
変身もしない、バトルもない最終話は、そういう今までの歩みに凄く率直だったなぁ、と思う。
黄昏あすかは黄昏（≒避け得ない死の摂理そのもの。なので完全解決はしない）に屈服し、罪悪感を全世界に拡大してしまったあすかの可能性だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
彼女を救うことは、きょうちゃんを助けられないまま時間を止めていた自分を救うことでもある。だから、彼女たちは旅に出て、ちくわを分け合ったのだ。
黄昏アスカが絶望に身を沈め、子供であり続けることから踏み出す歩みは、そのままあすかの自己肯定、その先にある明日への架け橋でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
アーパーな顔でその実シリアスだったこの話は、主人公の過去と現在と未来を肯定することで、そういうギャップにも橋を架けた気がする。
あすか達の冒険が終わっても、黄昏は消えない。死人は蘇らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
もしかしたら、という曖昧な希望だけを見据えて、あすかは嘘っぱちの明るさを堂々背負って、明日に向けてかけていく。
そこには今までの仲間も、新しい仲間もいる。眼鏡を外した眼鏡と、新たなる眼鏡がラジ研に加入する。
そういうコンパクトな終わり、嘘を嘘なく肯定するための歩みで、このアニメは終わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
らしいなぁ、と思う。ずーっと、そういう話だったのだ。デカい設定に地味な血を通わせ、ドンチキドンチキ大暴れ。響く人には響くし、ダメな人にはダメだろう。
ソシャゲ由来のデカい設定をあくまで背景と割り切り、キャラのありふれた青春が駆け回るキャンバスとして使い倒したのは、結構賛否が分かれると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
自分は感情と関係性が明瞭ならなんでもいい人間なんで、非常に良かったです。トンチキだったが、感情に嘘はなかった。
シリアスさと腑抜けたギャグが乖離して、どういう温度で見れば良いのか分かんねぇ不親切さも、笑いと涙が裏腹の人生味がじんわり染みていて、僕は好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
トンチキを主導する萌え萌えハーメルンの笛吹き、主人公あすかの底抜けアーパー加減が、その実薄暗い感情と繋がっていた。
後半のツイストが、作品自体のテイスト、矛盾する温度差を収めるベーシックな感情描写の強さに支えられていたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
異世界で分裂する自我と、青春期の自己発見、仲間がいればこその自己肯定を、多元世界設定と絡め手料理したのも、デカい設定を上手く使っていた。説明はせんッッッ！
ぶん投げエンドに見えるけども、まぁソシャゲがまだ動いている柵もありつつ、死の摂理それ自体を克服するのではなく、それとどう向き合うか、死を思うことで私をどう確立していくかというテーマを思うと、適切な終わりだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
きょうちゃんは、特に黄昏と関係なく、当たり前に消えた。
そういう理不尽なモノを抱えつつ、人は生き残ってしまう。それを否定し忘れても、あるいは強く刻みすぎて囚われても。あんまいい結果にはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
そしてそこから明日に橋を架ける足場は、流れ行く今を肯定することでしか生まれない。凄くフツーの結論を、フツーじゃない運びで語る。
それを成立させるために、フツーのドラマ、感情のやり取り、青春のモヤモヤ、仲間のありがたさには嘘をつかず頑張って描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
そういうチャーミングな奮戦が随所に満ちていて、やっぱ俺好きだなこのアニメ。根は真面目なんだけども、必死にこっちを楽しませようといろいろしてくれる。あすかみてぇ。
スーツはぶっちぎりにクソダサだったけども、アクションシーン自体にはフレッシュなアイデアが投入され、見てて楽しかったのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
ツッコミどころに溢れるトンチキ異世界旅行も、アクが強いがなれると楽しかった。特にクロエの島世界な…なんだよあのほしがりジミーAI…。
そんなわけで、作品全体の真面目さとサービス精神が奇妙な化学反応を起こし、独特の味わいを生む怪作であり、快作でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
こういう複雑な味わいが、まんま主人公であるあすかの内面とシンクロし、そこを掘り下げていく終盤戦が異常な盛り上がりを見せたのは、なかなかレアな事態だったなぁ…。
古臭さとか、割り切ったぶん投げ感とか、万人に受けるお話じゃあないと思います。でも、俺にはウケた。大受けだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月17日
チャーミングで誠実な、とても好きになれるアニメでした。非常に面白かったです。
お疲れ様、ありがとう。
