エガオノダイカを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
戦争というチェス盤の上で、黒と白が踊る。全てを手に入れているがゆえに何も知らない女王と、何も手に入れていないがゆえに自由な兵卒と。
生まれも立場も、見据える現実も、夢見る明日も何もかも違う二人が、支払う代価はなんなのか。物語はまだ、始まらない。
というわけでタツノコ55周年記念アニメは、まさかまさかのファンタジーロボアクション。王国と帝国、社会体制も経済基盤も全く異なる2つの国が、摩擦の果てに戦火を散らしている遠い星の物語である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
どうやらW主人公で進むらしいお話の、光側のエピローグ…でいいのかな? 来週見ないとわからんッ!
第1話ほぼ全部を、ラスト15秒でひっくり返すために用意するかなり意欲的な構成で、巧くぶん殴られた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
姫様の夢見る平和主義者っぷりとか、ロボバトルのヴァーチャル加減とか、どっか呑気で綺麗な王都の暮らしとか、『嘘くせーなぁ…』と反感盛り上がるところが全部、最後の戦場のための導火線。
であると同時に、それは確かにある種の現実でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
12歳の幼い目に見えないからといって戦争が消えてなくなるわけでもなく、彼女が感じている平和が嘘になるわけでもない。
お転婆ながら健気で真面目、未熟なれど王器の見える主人公の現状を、なかなかうまく見せる第一話となった。
お話としてはユウキと王国の現状と問題点をザックザックとスケッチしつつ、色々背景設定喋ったり、”アーマードコア”っぽいブースター吹かしまくり障害物避けまくりロボアクションをチュートリアルしたり、といった塩梅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ブオーっと浮かんで闘うロボアクションは、なかなかフレッシュな質感でグッド。
ユウキは天真爛漫な純白の花で、臣民皆が彼女を綺麗に保ちたいと思っている。子供の特権として、そういう大人の努力を気に留めることもなく、プリンセスはすくすくと学び育ち、無邪気な平和を夢見続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
その白さを保ってもらうために、兵隊たちは現場で泥に汚れるのだ。
複数カメラで繰り返しで見せたり、ヨシュアとの甘酸っぱいロマンスを匂わせたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
姫様周辺の世界はとても呑気で、フニャッとしている。それが戦火によって切り崩され、強制的に現実を学ぶことになる未来は、なんとなく予感できる。綺麗な王都も、父母の像も、まぁボーボー燃える前振りだよなぁ…。
持ちすぎた王国と持たざる帝国、全てを手に入れた太陽(ソレイユ)と何も持たない星(ステラ)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
W主人公の配置からして戦争が起きないはずがないわけで、となれば今回描かれたものは嘘だ。しかし、甘酸っぱくも優しく、守ってあげたくなる嘘ではある。
そういうモノを情け容赦なくメッタメタのギッタギタにするのはタツノコ大得意であるので、まぁかなり厳し目の通過儀礼が待ち受けるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
しかし今は、王女は優しい揺りかごの中にいる。それを揺らすレイラさんの姓が”エトワール(星)”てのが不穏なんだよなぁ…。
『オメーお飾りでお子様だから、ウチラ軍部に実権譲って降りろや』という暴言に、『まぁご指摘は事実なんで、色々教えてください!』とカウンターを素直に当てる辺り、ユウキにはかなりの才気があると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
敵対者の言を積極的に聞ける強さが、実際銃弾飛び交う暴力政治の現場でも維持できるか。
そこは今後のお楽しみだが、現状戦争を嫌い平和を夢見る彼女は、しかし戦争の才能にも満ち溢れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
役割分担がはっきりして、コマのように盤面を踊るテウルギア決戦のまえに、チェスのシーンが入るのはわかり易い。王女は戦場遊戯は嫌いだけども、そっちの才気もあるわけだ。
実際にはテウルギアには兵士が乗り込み、殺されれば赤い血を流す。今回のVR決闘、玉を掴めばハイおしまいというヌルい戦闘は、将来確実に流れるだろう赤を際だたせるためのキャンバスでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ああいうお遊戯を玩弄する余裕が、王国(の、少なくとも最深部)にはありますよ、と。
そこで突いたり切ったり、定石を踏まえたりルール自体をぶっ壊したりするヴァーチャルは、多分リアルな殺し合い、それをテコとして戦場と政治を動かしていく現場でも生きてくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
『必要ない、無いほうが良い』と感じている殺し合いを、自分はうまく踊れる。踊る必要も出てくる。
その時、ユウキは幼い足を赤い靴に包んで死ぬまで踊るのか、はたまたダンスフロアから降りるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
まるでキラキラ群像劇みたいな、ユウキの呑気な青春。しかしそれは真実を知らされないことで維持される夢であり、いつか必ず覚めるものでもある。
そういう未来図を、あまりに満ち足り順調な嘘っぱちへの反発を生かして予測(あるいは期待。『こんなにキレイなもの、とっととぶっ壊れちまえ』という暗い願い)で結像させるのは、なかなかうまい運びだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ラスト15秒のどんでん返しが巧く刺さるよう、作り方を工夫したなぁと感じた。
ユウキの騎士であり兄であり恋人候補でもあるヨシュアくんの真っ直ぐさも、好感を抱かせつつ『まぁすんごい勢いで汚れていくんだろうな…』という予感を抱かせ、面白い作りだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ど真ん中に欲しいところで、強いの入れてくる良い少年だった。アカメくんのPC1みたーい(身内だけに通じるネタ)
彼も主と同じく、デカい正義も国家もよく分からず、ただ身近に人生を共有してきた愛すべき主のため、真っすぐに怒る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
その小さな身の丈が、押し付けがましさや視野の狭さを巧く遠ざけて、なかなかいい感じの少年主人公力を出していた。
ユウキとヨシュアのコンビは、ともに両親を奪われつつも経済的には恵まれ、王都で乳母日傘不自由なく暮らしたキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
経済的に困窮し、ユウキの無意識の哀れみを向けられる帝国とは、多分正反対の存在…太陽の王国の子供というわけだ。その豊穣が、持たざるモノの戦意を呼び込む。
既に戦端は開かれているし、その事実をユウキは知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
国が燃える化燃えないか、人が死ぬか死なないかの瀬戸際から遠ざけられ、国家の意思決定から遠ざけられる飾りの女王。
満たされているように見えて、ユウキは非常に致命的なところが欠落している。それを満たすには、奪われ現実を知るしか無い
地獄の国境線に送り出されたヨシュア(レイラさんが『よろしいのですか?』と聞いてたのは、多分その状況を知ってて『死ぬかもだけどOK?』ってことなのだろう)は、そのための教材としてベスト…なんだけども、騎士団としては12歳を12歳のまま守りたい感じなんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
実際通常の政務でも一杯一杯なユウキが、複雑怪奇な国際政治の現実に対処しきるのは難しいので、お飾りとして大事な仕事を果たしてもらって、実務は大人がって判断は間違いではないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ただ、お飾りでも国体は王の第二の身体である。国が血を流せば、痛みとともにそれは判る。分からねばいけない
今回見せたぽややっとした雰囲気がどう破れ、ユウキ(の分身としてリアルな戦場に出たヨシュア)は何を学ぶのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
血のイニシエーションは、子供から何を奪い、何を与えるのか。
ココらへんを見るためには、太陽の裏側にある星、グランディーガ帝国の描写を待つ必要があろう。
ユウキが失うことで物語を進行していくキャラなら、もう一人の主役であろうステラは手に入れることでストーリーを進めていく形になるのかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
少女の過剰な幸福、それが覆い隠すものは今回巧く見せれたと思うので、帝国サイドの欠乏もまた、いい塩梅で描いて欲しいところだ。
古いアニメの話をすると、宮国だけでなく礁国にもシヴュラを配置した”シムーン”みたいな印象を受けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
大国の幸福なる驕りと、その喉笛に噛みつかねば生き残れない荒廃。あのアニメが抜け目なく描いたものが僕は凄く好きで、もう一度形を変え見れると思うと期待も高まる。
白と黒に塗られたチェスボードが、どう混濁し戦争と平和を描くか。巧く転がるとなかなか面白い構図だと思うので、やっぱり帝国サイドのエピソードが大事になろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
持つモノは幼い夢を守るために、国境に立つ。では、持たざるモノは?
来週が楽しみですね。
あ、兵種が明瞭に別れたロボバトルを、キャラの役割分担と絡めて描きそうのは非常に楽しみです。能力が巧く描かれると、キャラは明瞭に立つしな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
ヴァーチャルで清潔な戦争を第1話で見せて、ホコリまみれのリアルで引いた後何を描くかも気になる所。タツノコ謹製ロボ地獄が出るのかな?
追記 あんま先読んでもしゃーないんだが、気になったんだからしょうがない。
エガオノダイカ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
”θεουργία(テウルギア)”は神霊に働きかける魔術を意味し、邪霊への呼びかけで力を発揮する”γοητεία(ゴエティア)”と対比される。
機械・装置を意味する”Gear”との重ね合わせなんだろうけども、戦争兵器であるテウルギアには何らか崇高な祈りが込められているのか。
第一話とOPで露骨に『これ大事だから!』と念が押された、莫大なエネルギーを生み出す謎の石。そこら辺と絡めて、なんかデカい設定隠してそうではあるな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月10日
そこに夢と現実、王国と帝国、ソレイユとステラが折り合いを見つけるギミックが仕込まれている感じも受ける。さてはてどうなるか。