ガルパ履修記録。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
ハロハピ一章ラストまで。
はぐみに見え隠れしていた陰りを巡って、ハロハピ最初の試練が訪れる。”笑顔の天才”弦巻こころに見える世界。その死角を補いつつ、絶対に届かない夢に時にため息、時に憧れを見せる奥沢美咲。
ぶっ飛びガールと常識人の物語が始まるまでのストーリー。
そんな感じのお話であった。最初に叫んでおくけども、あまりに”パッチ・アダムス”過ぎて死ぬかと思った。ホスピタル・クラウンの話には無条件に弱いので、それだけで二億兆点、はなまる満点ピッカピカです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
さておき、ご町内ヒーローであるハロハピに相応しく、コンパクトな奇跡にたどり着くまでの話
お話としてはトンチキバカに見える人たちの等身大の震えとか、心ひとつを変えることの難しさとか、あまりに正しいものが見えすぎる人をどう社会と接合していくかとか、お伽噺めいた柔らかな展開に、非常に硬い背骨がぶっとく伸びている。この芯の強さが、非常に気に入った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
話のフレームはいくつかあって、一つはともすればガサツなスポーツバカに見えてしまうはぐちゃんのナイーブな部分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
大事な人のために東奔西走、迷いつつ間違えつつ必死に答えを探すはぐみちゃんは、宇宙で一番ヒロインであった。他人の痛みを自分のものとして引き受けようとする…偉いッ!
はぐちゃんはバンド結成時に『”勝負”しか知らなかったから、そこから外れた活動は楽しい』と言っていたり、かなり感受性が鋭い(ガルパの女の子で”鈍い”子、いない気もするけども。センサーが反応する話題、領域が違うだけっぽい)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
なので勝ち気に見えて、結構負けの気配に弱い。
弱気がこむとズブズブネガティブになるというか、こころが持っているような無条件の自己肯定感が(当然)ないというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
それは誰しもそんなモノで、そこでポジティブ一発、一生折れないまま徹底的に正解を追いかけ続けるところに、弦巻こころの天才性・怪物性があったりする。
こころも間違えないわけではなく、常に”正解”し続けるということはむしろ最大の間違いでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
それを修正されないままおっぱいだけおっきくなっちゃったベイビーちゃんに、色々”他人の視界”つうもんを理解させる特権を、奥沢美咲は持っている。”常識人”だからね。
ハロハピ(の中心にいるこころ)が掲げるモットーは、圧倒的に正しい。人は幸せになるために生まれてきて、笑顔であることは素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
しかし病院内に蔓延する”現実”というやつが、その”正解”を遠ざける。それを突破するには、どうしたら良いか。かなり精妙なコントロールで、VS生老病死開始である
手術自体には成功していて、しかしリハビリに向かう心が蘇らない。そうすると、実際にネガティブな事態が固定されてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
この問題設定はかなり絶妙で、歌一個で動かせないほど重すぎるでなし、あーぱーハッピーなお伽噺だけで動かせるわけでなし、適度にシビアで適度にファンタジーである。
この軽くて重たい問題を前に、ハロハピは片っ端から間違え続ける。こころは他人と自分の境界線が分からないために衝突事故尾を起こしまくり、奥沢くんは蓄えた世知でブレーキを掛けまくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
はぐみは持ち前の明るさバカさが鳴りを潜め、瀬田はテキトーなことブッこき、かのちゃんははわわである。
自分と他人の境界線がない(奥沢くんとぶつかってそれを学んだあとは”薄い”)ことは、(他のガルパの女の子すべてそうであるように)こころの強みであり弱みでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
奥沢くんが『いやちょっと…』と常識的に判断しブレーキ踏むところで、フルアクセルでぶちかましである。
人は孤独の中にいると死ぬため、どこかで壁を壊してほしいと思っている。ただぶっ壊し方には作法と好みがあって、それを探るまでの悪戦苦闘がハロハピ第一章だとも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
無遠慮なアクセルベタ踏みでも、怯えたブレーキ踏みっぱでもダメ。魂の適切距離はどこにあるのか、探す必要がある。
こころは理屈も常識も蹴っ飛ばして、”正解”だけは解っている。途中式抜かして答えだけあってる数式みたいなもんで、常人の社会ではこれはNGである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
奥沢くんも実は直感力に優れ、何をするべきかは解っている。しかしそこに飛び込む勇気…というか素直さが足りない。
奥沢くんはハロハピの狂想曲に巻き込まれる中で、こころの素直さに感化されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
好きという感情、楽しいという思いを、子供のままのこころはけして隠さない。ここのメッセージ伝達力は非常に優れていて、嫌味なくポジティブアウトプットを成功させることが出来る。彼女の才能は笑顔なわけだ。
同時にこころは奥沢くんを通じて生涯初めて”挫折”というものを知る。自分が万能ではなく、頑張っても出来ないことがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
普通人なら幼稚園時代に欲しいおもちゃがどんだけ駄々こねてももらえなかったり、砂場から押しのけられた時に…母の乳房、あるいは子宮から切断された時に知る境界線。
これをいしきせずにいられたことがこころの異常な器のデカさ、”正解”への直感を育てている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
挫折が赤ん坊の心に自我境界線を引き、世界と自分と他人の輪郭を定めるのなら、一度も挫折(に伴う不快な感情、欲求不満)を意識しなかった心には、壁も限界もない。
奥沢美咲は普通に生きてきて、他人と自分の境界線を(少し過剰に)感受している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
妹という他者が身近にいて、それが自分とは違う存在で、しかしなんらかコミュニケーションして情報と感情をやり取りしなければいけないと理解していたのが、結構デカイかもしれない。
奥沢くんはこころが社会と衝突し、モヤモヤが広がるのが嫌である。こころが繋げてくれた仲間が現実の薄曇りに巻き込まれるのも嫌である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
なので、自分が見ている世界(境界線が幾重にも重なり、そこに踏み込むのに複雑なルールが設定/捏造されている世界)を、こころに贈与しようとする。
この異質な世界観を迷いなく受け入れ、かけがえのない知恵であり成長だとノータイムで判断できるところに、こころの才能がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
彼女はハッピーな世界という”正解”を一切ブレることなく見据えているが、そこに至るはずの自分の世界が揺らぎ、変わることを恐れない。
正確には、奥沢美咲がこころの境界線のない世界に唯一意識された異物で、なおかつその異質性を愛おしく思える何かに満ちていた結果、許容し認識できる変化になった、という感じだとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
奥沢くん以外の人がこころに踏み込んでいたら、彼女は自前の対処法…認識の外側に置くことで処理してたと思う
しかし奥沢くんと弦巻くんは運命的に波長が合って、お互いの世界を揺るがし広げ、あるいは適切に線引していくための鏡として、不快感なく相手を受け入れられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
自分とは違うけど、その差異を違和ではなく協和として許容できる他者。これに出会えるのは幸福だ。
奥沢くんがそういう自分、自分の中で凄まじくデカくなって自分を変えているハロハピとこころがスゲー大事だってことを自認するところで、物語は終わっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
こころとは違って、普通人の彼女は自分の変化を受容するまで時間がかかる。そのタイム・ラグが生っぽくていい。
だれもが弦巻こころのように、途中式をぶっ飛ばして”正解”を手に入れるわけじゃない。一見同じハッピーバカに見えたはぐちゃんは、幸福への途中式が上手く書けなくて、凄く迷ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
そういう人がたくさんいるからこそ、こころが見据えている”正解”、それを迷わず言葉にできる強さに惹かれる。
こころが天才的なのは、小さな奇跡を成し遂げたハロハピの特殊性と強さをしっかり認識しつつ、そこから繋がる大きな目的、広い世界を最大限信頼しているところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
ハロハピ全員が笑顔を忘れたら、世界の誰かがハッピーを取り戻してくれる。私達は別に、世界に唯一の存在じゃない。
その認識が卑近に繋がらず、自分たち(だけ)に出来ること、見据えている世界をどんどん広げていって、ハッピーワールドにハローと挨拶しまくっていこう! という”現実的”な目標にたどり着けるのは、弦巻こころという稀代のリーダーあってこそだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
手品とかキグルミとか、音楽以外のメディアとクロスオーバーしながら、幸福というゴールに辿り着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
他バンドが”音楽”に強くこだわる傾向を見せる(バンドゲーなんだから当然だ)中、ハロハピと弦巻こころは目的のためには手段を選ばない。
無論、幸福を手に入れる最適解は音楽ではある。
自分じゃなくてもいい。音楽じゃなくてもいい。だけど、今の私達にできる最適解は音楽で、自分たちがやるのが一番速くて強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
その確信は、多分弦巻こころにしかない。彼女に魅せられ勇気をもらってバンドになったメンバーは、皆”常識人”として”天才”の見据えている世界に憧れ、覗き込む。
そうさせるだけの強力な引力がこころの世界にはあって、しかしそれだけでは(あるいは、それゆえに)上手くいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
正解を導くための途中式はナイーブで、ブレーキを踏むところでは踏まなければいけない。踏みすぎてもいけない。
それをお互い教え合うのが、美咲とこころの距離感なのだろう。
かのちゃん先輩が時折すごく芯の強いところを見せて、こころが放つ金色の希望がどれだけ自分を支えたか、それと同じように様々な人を支えうるかを言葉にするのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
こころの近くにいると、ポジティブな感情を言語化するのに照れがない彼女の強さが、色んな人に感染するのだろう。
クールなやれやれ担当として、弦巻こころの外部ブレーキとして距離をとってた奥沢くんも、凄い勢いでやれやれ系の仮面を剥ぎ取り、生来の熱血が表に出ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
ブレーキを踏んでいるからこそ、バンドで唯一はぐの変調にも気づいた。ハロハピをやるうちに、心のバランスが整えられていく。
その行き着く先が『ハロハピやりたいです。今度は嘘じゃないです』であり、『ハロハピメンバーとしての奥沢美咲』のお話は、ラストでようやく動き出すのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
それは今までの覚めた賢い奥沢美咲から、自我境界線を引き直した結果だ。そしてそうさせたのは、やはり弦巻こころの引力であろう。
こんなふうに思春期のナイーブな心は様々な形を持ちつつ、相互に影響し認め合い、形を変えていく。境界線を幾度も引き直しながら、世界が広がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
ガルパの物語は少女の、バンドの、音楽の物語である以前に、自分と世界の形を定めていく時代…思春期の物語なのかなと感じた。
線の引き方、世界の形は個人の人生史、キャラクター、価値判断によって大きく異なる。だからこそ、お互い影響し合い、相手の見ている世界を敬意を持って受け入れ、自分を変える恐怖を乗り越えられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
正反対と思っていた人に自分の影を見て、似た者同士が譲れない一線を引き合う。
そういうのが各バンド、各キャラクターごと様々な色彩と組み合わせで見れると、コリャ凄いんじゃないかという期待が、ハロハピ一章を見終わって高まった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
ハロハピが出会ってバンドになるまでのお話、美咲とこころがお互いを反射し影響し合うお話には、そういう力が十分あった。
同時にこれは端緒でしかなく、奥沢美咲はまだまだやれやれ言いつつ変人集団を支え、社会とアダプターとして頑張っていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
弦巻こころは挫折を挫折と知らないままに、自分だけが見据える”正解”に突っ走り、様々な人をマーチさせていくだろう。
その歩みは確実に正しくて、その正しさ故にバカにされたり遠巻きに笑われたりする。けども、人は笑うために生まれてきたんだから、アクセル全開時々ブレーキ、五人とみんなで前に進んでいけばいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
そういう明るい前途がハロハピに見える終わり方だったのは、とても良かったと思います。
それはさておき、マップ会話でなぜあんなに奥沢くんは牛込にグイグイ来るのか。一体何が女と女に起こったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
これを知るためにも、また愛すべきバンドメンバーの肖像と関係を深掘りする意味でも、イベストは履修しないtダメっぽいですね。やっぱ莫大な学問だよ~ガルパ学。
奥沢くんが事務手続きとか外部対応とかしないと、こころの見ている”正解”はバンドの外側に接続できないし、奥沢くんがブレーキ踏んじゃう”正解”への突進がないと、幸福の総和はガンガン目減りしていく所が、天才と凡人、理想と現実のバランス取り超うまいと思いますね。お互いの死角を補うコンビだ、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
純白の美しい子どもの世界をずっと維持できてきた弦巻こころのハッピーワールドに、名前を覚えられない存在として奥沢美咲がいて、その甘い異物感がこころをどんどん育てていくのはほんと”ヤバ”
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
奥沢くんはこころちゃんのママなの? 金色の獣を己が乳で育てるアルテミスかなんか?
あ、そーだ。かのちゃん先輩が急に”コネ:白鷺千聖”を生やして、ミドルフェイズで煮えたクエリーシーンぶっ込んだのにはビビった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日
あの面の皮鉄仮面社会派女、幼馴染を”バンド”に取られて激重感情見せるような側面あったんだな…マップ会話で薫くんともよく喧嘩してるしな…。
ほんと奥沢が”姉”なの”ヤバ”で。アイツが家庭でどういう姉貴なのかは知らんが、妹は確実に弦巻こころ最終決戦で『同じ産道も通ってないくせに…』とぶっ込んでくるほどの姉キチでしょ。(期待十二割のドクサ)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月22日