エガオノダイカを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
かくして少年英雄は倒れ、戦場は拡大していく。
帝国の兵士たちは己の足で王国を歩き、子供と触れ合い、銃弾で殺す。隠蔽しようのない矛盾がそこかしこに顔を出す中、ステラ・シャイニングの物語が始まる。
人形は、微笑み以外の仮面を持たない。
そんな感じの帝国サイド、頂点から底辺まで一気に急降下な第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
姫様サイドがVRに平地での機体戦と、あんま血を見ない戦いだったのに対し、ステラサイドは地べた這いずり回って地道な特殊作戦、ハート&マインドに鉄砲による対人戦と、なんとも生臭い。名前は”星”なんだがなぁ…。
指示系統でのポジションにしても、姫様はお飾りの最高司令官、ステラは戦争の歯車の一つと、上下の差が激しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
この落差を遠近法に使って、戦場の立体感を出す作り…なのかなぁ? 差し込んだ印象を悪用して、別のイメージに繋ぐ運びが結構上手いからな、このアニメ。
真下から見上げる帝国は全容が把握しにく。新参隊長の不信感も命がけのミッションで拭い去るどころか、むしろ深まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
過去何をやって飛ばされたかも分かんないし、血みどろの略奪戦争でなおかつ人間でい続けたい贅沢は部下には理解されない。歯車に、戦争機械すべてが分かるわけではない。
かといってヘッドクオーターから戦場の霧全てが把握できているわけでもないから、ヨシュアくんは死んだわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
誰もが混迷の中、望まぬ闘争に投げ込まれている。それを疑問に思うもの、与えられたポジションに満足する(ように見える)もの。様々だ。
ヨシュアが守ってくれていた平穏な揺りかごを、他でもない彼の死体で蹴っ飛ばされ、否応なく地獄に投げ出された姫様。彼女の笑顔の代価が一体何なのかは今後描写されるところだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
もう一人の主人公はずっと微笑みのまま、交流したり殺したりする。そこに代価はない。矛盾もない。
なまじっか氷のような無表情よりも、うっすら人間味をまとった微笑みのまま、敵と心を通わせたり、そのまま銃で脅したり出来る方が不気味だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
その微笑みが崩れるのか、ずっと歯車のまま戦争機械を回し続けるのか。そこもまだ、伏せ札のままである。狙って気持ち悪くしてるなコレ…。
今回はかなり地道な作戦で、だからこそあの世界の人命のスケール、軍人のお仕事も少し見えた気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
一進一退の地道な作業、三歩進んで二歩下がる。戦略戦術、難しいこと考えるのは上のお仕事。歯車が自由意志を持ったところで、幸福なんて来やしない。
食料工場を爆破したところで何かが劇的に変わるわけでもなく、それはヨシュアくんが命を張ったトンネル封鎖が結局、勝利をもたらさなかったのと同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
人は徹底的に地べたを這いずり、蟻の視界で戦場を見据える。天を約束された姫様は、家族を奪った敵国と戦争をどう見て、どう処するかな?
とまれ、兵士視点で展開する物語は歯車としてのあきらめと、そこからはみ出さんとする隊長の悪あがきがギクシャク絡まり、全くザリザリした食感である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
この尻の座りの悪ーい、どこにも答えがない感じは結構好きである。どこに落とし所用意すんだろうね。
隊長の人間味は巨大な戦争装置の中では偽善でしかなく、戦災孤児達は当然石を投げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
飢えを凌ぐ缶詰を分け与えておいて、工場爆破はやめない。戦争の中で歯車をやめようとすると、こういうエラーが多数発生する。それが隊長をこの世の果てまで押し流したのだろうか?
隊長は自分のエラーを自覚している感じがあるが、ステラは命令を受け取るままの歯車として、矛盾を気にかけていないように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
あるいは、気にかけない振る舞うことで矛盾に殺されない、手に入れた立ち位置を奪われないよう立ち回っているのかもしれない。そこら辺は、彼女のオリジン開陳待ち。
微笑みの人形は、同じく親を失い人形を抱える敵国の少女と心を通わせる。全てを奪われたが故のシンパシーは、少女がまだ”歯車”ではないからこそ突き返される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
それが堪えたのか。ステラが舐める飴は苦いのか。まだ見えない。
©タツノコプロ/エガオノダイカ製作委員会 pic.twitter.com/6AB3O40idq
便衣に軍服、様々な衣装(嘘)を都合よく着替える特殊戦兵士たちも、飯を食い飯を振る舞う。人民全ての口を潤すだけの地味が無いからこそ、帝国も侵略戦争に踏み切った…のだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
相手も人間、それは知ってる。知った上で殺せるほど、帝国兵も壊れちゃ…
©タツノコプロ/エガオノダイカ製作委員会 pic.twitter.com/IbRU67kia2
いないのか、もうぶっ壊れているのか。相手の目を見て、手を掴んで殺す今回の殺しは、相手が同じ”歯車”だから出来るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
そこら辺への問いかけも曖昧なまま、ただただ蟻の視線での事実が積み上がっていく。第1話でVRな嘘を積んだのと、似た話運びかな?
敵国の民間人も、俺らと同じ飯を食う。その想像力は『敵国の兵士も、俺らと同じ飯を食う』という所まであと半歩なんだが、命令と諦観はそこを踏み越えさせず、対話より銃弾を歯車に選ばせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
その時、エガオは和平のメッセージではなく、悪趣味な仮面になってしまう。
そういう帝国の現状をじわじわ描くエピソードでした。これで姫様が修羅に堕ちると、本格的に誰も”正解”を掴んでいない感じに仕上がって、いい塩梅にクソみたいだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
個人的には、姫様にはヨシュアの死体を背負い、二人で観た甘い夢を諦めないで欲しい。歯車に落ち着くより遥かにキツいなコレ…。
ステラもそういう踏ん張りを失って、微笑みの人形、戦争の歯車として落ち着いたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
『うーむ…』と重たく首をひねりたくなる所が、わりとワザと仕込まれてる雑味な感じはすんだよなぁ…今後伏せ札を開けるタイミング、見せ方大事っぽいね。
まずは今回見せた微笑みの仮面の奥の過去、隊長の尻の座りの悪さをどう活かし、どう表に返すかが気になります。ヨシュアくんを失った姫様の今後もな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月23日
帝国と王国をどういうバランスで描いていくかも含め、来週も楽しみですね。