約束のネバーランドを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
迫りくるエクソダスに向け、少女たちは手札を数える。
捨てられない希望、無数の足手まとい、絡みつく監視の目。
楽しい日々を偽装しつつ反逆の牙を研ぐ中で、新たな””大人”シスター・クローネが静かに迫る。
今日も”我が家(ハウス)”は事もなし、極めて平穏無事。
そんな感じの第三話、ジリジリとした心理戦と事前準備、状況整理が続くサスペンスフルな展開である。深夜アニメと言うより、海外ドラマの文法な感じするね、絵の作り方、話の組み立て方とかね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
相変わらず傾いでモノを挟んで不安させるカメラワークは健在。このギシギシした感じがたまらねぇぜ…。
うっすらとした赤(未来の流血の予感)に染まりつつ、図書室や配膳準備室で子どもたちは反逆を期する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
しかしそれはなにかに覗かれ、監視されている予感と常に密着している。窃視症的なカメラワークが、不自由と抑圧を強く焼き付ける
©白井カイウ・出水ぽすか/集英社・約束のネバーランド製作委員会 pic.twitter.com/Sq5YLw0b1r
面白いのはそれが子どもたちの抑圧を見せる(一個目)だけでなく、なにかに気づいた時にフッと晴れ(二個・三個目のノーマンの画像)未来の希望を示したり、大人サイドの疑心暗鬼や相互監視、足の引っ張り合いを暗示したりもすることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
シスター・クローネはその道化めいた表情と仕草(大きめの唇、ぎょろりとした目を上手く使ったデザインは、コルロフォビアを強調してとても良い)で場をかき回しつつ、”大人”サイドの事情を露わにしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
”ママ”がとても優秀な飼育監であること。だからこそ反感を持たれていること。
そこら辺の事情を視聴者にも分かりやすく語りつつ、”ママ”は”妹”の顔を抑え、御する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
縦方向のレイアウトがそのまま人間関係の上下、心理戦の優劣を見せるのはこのアニメ(神戸監督?)に特徴的な演出だね。
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横方向に注目すると、時計から伸びる柱で切り取られていた境界線にスルッと踏み込み、相手の間合いを制圧する強かさが良く見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
しかし最後の一線は譲らず、ドアが作る境界線を踏み越え本気で抱きしめるような関係では、当然無い。子どもたちとはまた別種の、しかしどこか似通った緊張感。
それが”大人”にあることが判る。この不信と不和は脱出のために漬け込むべきヒビであり、しかしシスターはなかなかに強敵である。あるいは狂的である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
自室で赤ん坊人形を相手に、延々独語するシーンの座ったカメラワーク。過剰に芝居がかった作画と声。道化の哄笑はよく響く。
赤ん坊人形を乱雑に扱った直後に、即座に生身の子供を”たかいたかい”して、邪悪な未来を予測させる受け渡しの演出が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
放っておけば、何も知らない子どもたちは投げ捨てられて、ぶっ壊されてしまう。どうにかしなければ…。
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そのために最年長の三人は小声で相談して、反逆訓練を開始する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
彼らの相談が周囲に怯えつつの小声なだけに、シスターの傍若無人泰然自若、大声で喚き大きな仕草で暴れまわる大胆さは目立つ。
それが彼女の命取りなのか、不敵な自信の現れか。もう少し札が表になってみないと分からんなぁ…。
相談シーンの不安なカメラワークが、秘密の訓練では姿を消し爽快感がある。それそれの年齢と個性を動きに焼き付けた、一斉のアスレチック・シーンが凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
川、橋。ボーダーを力強く乗り越えていく少年少女の未来。
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それを信じきれれば良いのだが、川に落ちるもの、そもそも自分で歩けない赤ん坊までいる事実も、このアニメは冷静に演出する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
レイが冷たく現実を見据えて言い放った『足手まとい』は、ひどく生々しい重荷として、エマの行く末を縛るだろう。脱出計画の推移も要注目、か。
凄く抑圧されて出口がないお話なだけに、何かが出来そうな実感に満ちた”訓練”シーンの開放感はとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
それだけにそこにシスターが乱入してきて、アスリート走りで荒らし回る姿はショックがデカい。天性の陽気さと邪悪さが同居しているシスターのキャラが、良く見えるアクション。
ハウス内部の政治力学が、シスターを”訓練”に付き合わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
あくまで遊び、楽しいふれあい。実際”鬼”に捕まった子どもたちはとても無邪気で可愛らしく、だからこそこれが”遊び”で無くなったあとの無残を想像させる。
ほんと隙あらば、ベビー達の可愛い可愛い仕草をカロリー高くねじ込んでくる…。
道化の仕草の奥には、ドス黒い功名心と人を人とも思わぬ邪悪が潜んでいる。エマを追い込むシーンの暴れっぷりは、序盤のボスとして良い見せ場だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
そう、この段階で自分を表に出すのなら、彼女は”序盤のボス”でしかない。本番に向けての”訓練”、”ママ”と対峙する前の”シスター”。
不用意にカマかけてきた所、トップ2相手には手が届かない所を見ると、シスターにはまだまだつけ入る隙がある。こういう状況を見せるための”訓練”だったのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
丘の高低差を活かし、勝者を高く、敗者を低く置くレイアウト。
©白井カイウ・出水ぽすか/集英社・約束のネバーランド製作委員会 pic.twitter.com/y7kvn4LUMR
隙があるのは子どもたちも同じで、内通者の存在が示唆される。露骨『このメガネが内通者です!!』っていうサイン出されてるが…素直に飲んでいいものか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
存外、言い出したレイ自身が内通者って感じもすんだよなぁ…ギルダは独自に”真実”に感づいた?
『内通者である』っていう事実の伏せ札と同時に、『なんで内通してる』っていう理由の伏せ札も大事で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
我欲か保護か、あるいはそれ以外か。それによって行為の意味合いは180°変わってくるわけで、複数枚謎を残し、それが表になっていく興奮を用意できているのは強い。
シスターの口からトップ3それぞれの弱点が顕になり、今後の蹉跌を上手く暗示したのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
エマの”弱さ”とされた優しさは、今後も沢山の苦難を連れてくるだろう。しかしそれを見失えば、エクソダスが背負う人倫は地に落ちる。現実の厳しさを背負った上で、どう進むか。
あるいは奥歯を噛み締めて、何かを置き去りにする決断を果たすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
穏やかな日々の中に不協和音を大量に混ぜ込み、なかなかイヤーな未来を予測させるエピソードでした。
ほんと子供らの描き方がイキイキしていて、見るたび『うっうっうっ…』ってなる。この子らを”食肉”とかマージよぉ…。
子供らの白い服はデザイン的には”囚人服”であり、このお話は残酷SF童話で味付けされた脱獄モノなのだなぁ、と思い至る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
愛情で麻酔された監獄の中で、子どもたちはネバーランドを夢見る。その先に待っているのが荒野だとしても、お仕着せの囚人服を脱いで、巣立たねばならない。
未だ脱獄は計画段階、乗り越えなければいけない山は沢山。予期せぬアクシデントが山積するだろう未来に向けて、エマ達は一歩ずつ、不安定な歩みを進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月27日
シスターの追加で動いた状況を、どう利し状況が進むか。”内通者”の真実とは。来週も楽しみですね。