エガオノダイカを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
地獄のすり鉢の底から見上げるのは、顔の見えない敵との距離。希望的観測と日常的諦観の入り混じった泥の中で、這いずり回って明日を探す。
思い出も約束も、全て塹壕の泥の中に沈みゆくなら、底から這い出すための代価に何を捧げれば良いのか。帝国戦線異常なし。
そんな感じのどっしりジリジリ帝国サイド、温度低めの当たり前の戦争回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
なんか熱血展開があるわけでもなく、都合のいい無双が展開するわけでも、重たい犠牲が支払われるわけでもない。あっけない死が当たり前になった地味な停滞戦の、フツーの日々を死体込みでスケッチしたような低温のお話。
塹壕に頭を引っ込めてのにらみ合い。業を煮やし顔を出せば、紙くずのようにぶっ殺される。泥に体を沈め”治療される”ロボットは、異常に人間臭い鋼鉄歩兵である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
矢折れ弾尽き肉弾戦になる辺含めて、WWW1(の前駆としての日露、あるいは南北戦争)の血生臭さが、爽快感を上手く殺している。
総体を掴めない戦争の中で、台地の上を取られて釣瓶撃ちにされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
今回の戦闘は王国と帝国の政治体制、経済状況、戦争に至るまで(と、今首までつかってる現状)の暗喩でもある。
高い場所にいる姫様の慟哭も、神の視点にいる僕ら視聴者は知っている。だが蟻のように地べたを這う帝国兵には、雲の上だ
彼らは世界の理も国家が目指す未来も知らないまま、上の言うまま作戦に従事し、眼の前の戦闘をこなしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
かつて心を通わせた連中はあっさり死に、それに流す涙もとうに枯れている。笑うしか無い異常な戦場に、すっかり慣れきってしまった兵士たちの日常。
その冷たさが、なんともモッタリ重たい展開の中にジワジワ脈動していて、かなり好きだった。一次大戦の戦記物っぽい空気がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
姫様をお飾りに掲げた王国は絶対王政の華やかな戦場をなんとか残しているけども、帝国サイドはすっかり生き死に平等国民皆兵のリアリズムに染まっている感じだ。
あまりにもあっけなく、あまりにも沢山人が死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
(一応)民主体制っぽい帝国が”国民の戦場”のリアリズムを見据えているのか、一兵卒に過ぎないステラの低い立場がそういうものを見るのに丁度いいのか。
どっちにしても、王国=姫様の視座とは違うもの(だけども、同じ生き死にが乗るテーブル)を描く
今回唐突に出てきて唐突に死んだ兵士たちは、ビュルガー分隊の未来なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
かつて見たエガオに思い出を載せて、誰かのために生き残り未来を求める。そういう当たり前の人間だと理解ればこそ、ダイカとして死神に払うにはいい値段がつく。ヨシュアくんと同じ文法だな…。
国家の上に立つものも、下で這いずるものも、劇的なるものも凡庸なるものも、すべてを飲み込みあっけなく殺す戦場の霧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
今回の戦場も、それを晴らして分かりやすい結末に連れてくるような、強烈な戦いでは当然なかった。一進一退、一人殺して一人殺される。ジリジリと蟻の歩みで進む絶望の荒野。
姫様が未来を夢見て駒を動かしても、希望の明日はもぎ取れない。ステラが地べたを這いずったところで、なにかが変わるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
閉塞感の中でお互いの喉笛に巻き付けた縄が締まり、補給線は伸びる。国境線を窒息させる戦争はジリジリと進み、王国の不協和音は拡大していく。
そういう泥まみれの戦争の中じゃ、当然爽快感はない。スゲー強い王国の新型(パイロットは誰かなぁ~~)も、数的不利を無視できるほど無双もしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
このジリジリした空気の中、星の命運全てを窒息させるまで戦争が続くのか、どっかで風通しが良くなるのか。
そこら辺まださっぱりわからない、変なアニメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
詐欺めいたヒロイックな外見を選んで、人の生き血でギシギシ軋みながら悪魔の機械が動く様子を見せる。露悪に振り切って負のカタルシスを有無でもなく、ヒューマニズムがポジティブな結果を持ってくるわけでもない。
徹底したリアリズムの中に硬い真実味を生むわけでも、アニメアニメした嘘の爽快感で楽しませるでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
何もかも半端、何もかも閉塞。そのミスマッチの中に、妙なグルーブを感じつつもある。なんかヘンテコなんだけども、妙に嫌いじゃないんだよな…。
ビュルガー分隊の、仲いいんだか悪いんだか、信念を共有できてんだか打算的なんだか判然としない空気も、結構嫌いではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
あの諦めて体温低い感じが、戦場から栄光も夢も剥ぎ取られちゃった後の生っぽさを匂わせてる気がする。そのまま、藁のように死んでいくのか。
はたまたなんかこー、それこそ姫様サイドみたいに熱い魂のぶつかり合いとエグい悲劇で煮込んでくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
なかなか全体像が把握しきれないけども、それが作品が真ん中に据えた戦場の霧そのもののような気配もあって、このフラストレーション、嫌いではないのだ本当に。
今後視点を入れ替えつつ、戦争はジリジリと進んでいくだろう。その果てにどういう物語を書ききるのかと同じくらい、どういう筆致で出口のない戦争を描いていくかも楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
とりあえず帝国サイドの感情が見えにくくて、姫様の話のほうが興味深い(のにカメラはすぐ帝国に遷る)のは狙ってんのか
それとも話運びがブキッチョなだけなのか。断言するには材料が足らず、奇妙なチャーミングさとザリザリした食感が同居している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日
高い場所から見下ろす地獄か、地べたから見上げる天国か。来週も死にゆく惑星の戦争に付き合ってもらうって感じだ。結構楽しみ。