風が強く吹いている を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
師走。決戦の刻を控え、早足で駆け抜けていく景色。
別れてしまった道を、それでも己に引き受け未来を見据える王者。
赤い顔で照れながら、仲間の絆を取り戻してくれるマネージャー。
波穏やかに共有される、それぞれの家族の事情。
その先に、新たな日差しが待つ。
そんな感じのハイスピード・モンタージュ、本番直前ダイジェスト回…って感じもあんましない、最後の日常回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
チラチラ見せていた問題を解消したり、進化させたり、新しい爆弾が見え隠れしたり。前回に引き続き、箱根へ向けての感情と関係の交通整理といった感じか。
ざっくり色んなものが乗っかっているエピソードで、藤岡さんの超絶巨大純情とか、色んな所に埋まってる地雷とか、ニラちゃん可愛い祭りとか、葉菜ちゃん可愛い祭りとか、双子の地雷解除とか、ドキドキ区間発表とか、神童の核地雷爆裂とか、ほんと色々あった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
手早く進めつつ食い足りない感じが少ないのは、やっぱり表現力が高いからで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
序盤から僕らを惹きつけた”眼”の表現力は、今回も男たちの関係性、心の内側を丁寧に反射し、力強く輝いている。
これが一番出ているのは、やはり藤岡さんのシーンであろう。
心無い外野の声(これがメディア・スキャンダルと呼応するのは面白い)に荒れる、カケルの目の下のクマ。それを見守る藤岡さんの慈愛と陰り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
過去のハイジもまた、カケルと同じように弱々しい表情をしている。自分の中の影に、押しつぶされそうな表情
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一年生のカケルは、藤岡さんの力強い言葉、どこかハイジの到達点と似た『強い走り』に感銘を受け、ピカピカの顔を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
対して藤岡さんの顔に影が入っているのは、内面の暗さが滲んだというより、四年生の経験、王者としての貫禄が現れた結果だ。
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周囲の雑音。怪我と挫折。共に歩めなかった後悔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
最強の王者は最初から完璧だったわけでも、傷を知らないわけでもない。
共に走りたかった男に追いつけなかった哀しみを知りつつ、それでも強く走ろうと願うからこそ。
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藤岡は強く、早く、光り輝く栄光の中に立ち続ける。あらゆる人が羨むその輝きの中で、しかし藤岡はハイジに追いつけなかった過去、境界線を超えられなかった痛みを、今でも胸に刻みつけている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
純愛すぎる…榊のように過去への愛着に縛られすぎて、自分を地獄にへばりつけるのではなく、あくまで前へ
藤岡さんが光の中で、光の方へ正しく強く走り続けているのは、自分が置き去りにした/追いつけなかったハイジとの思い出に、しっかり報いるためでもある…気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
アイツと肩を並べて走れない”今”は、けして否定できない。でも、思い出と後悔は、自分が強くあり続けることで輝き直せるから。
そう信じて、藤岡さんは最強でい続けようと、記録や結果に左右されない誇り高い走りに身を置いているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
カケルが使い方に迷っている”言葉”が、非常に的確で強い使われ方をしていることも含めて、追うべき頂きに相応しい。
ハイジの爆弾と過去はここで明らかにしないと、もうタイミングがない。なので藤岡さんがデウス・エクス・マキナを担当するわけだけど、その横車に『余計なことを言った』と誠実な謝罪をするのが、また好感度を上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
サスペンスを盛り上げるためには、爆弾の在り処をちゃんと見せておかんとな。
現在と過去に引き裂かれた二人の男の、それでも美しい黄金の景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
離れていても確かに繋がっているハイジと藤岡の関係性は、後の箱根本番の描写にも、上手く連動していると思う。
区間が分かれ、肩を並べるのではなくタスキを繋いで走る駅伝。それでも、チームはチームだ。
藤岡さんが追いつけなかった距離は、いまアオタケのみんなで追いつき、カケルが隣り合って歩く距離になっている。不思議な運命がハイジ(やカケル)を傷つけ、それでも二人は暗闇の中で出会った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
俯瞰の描写が、その繋がり方を教えてくれる。
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藤岡さんがその人間力を見せたことで、『裏の二区』を走るカケルが目指すべきゴールは、より鮮明になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
ハイジの過去を教えてくれたおかげで、彼が抱える爆弾、それを乗り越える『強さ』に到達できるかというハラハラは、非常に強くなった。
本番が盛り上がる足場をしっかり整える、良い描写だった
しかし藤岡さんの折り目正しい思い出の殺し方が、哀しくも爽やかに胸に突き刺さるのは、まーったく過去に決着できず捻じくれひねくれた榊の粘着っぷりを、たっぷり見てきたからだよなぁ…お前も何処かで、適切な間合いを見つけて『強く』なれると良いんだが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
アオタケもう一つのノイズ、頂に届かぬと知りつつ走る意味への疑念は、葉菜ちゃん大活躍でスパッと解消された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
キャッキャしてる当事者が気づかぬ葉菜ちゃんの凄みを、人生経験豊富な先輩勢が的確に見抜き、視聴者に教えてくれる所が好き。
2+1のちょっとヘンテコな恋心が、どこに落着するのか。三区と四区でタスキを繋ぐ二人の関係が、どこに行き着くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
これも今後発展させるべき爆弾であり、可愛い可愛い葉菜ちゃん赤面描写は、非常に良い導火線であった。はー可愛い。
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心残りを解消し、皆で駆けていく上尾市民マラソン。爽やかな木漏れ日の中で、双子は明るくあっかんベーして、カケルはそれを見て微笑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
すっかり限界人間も丸くなったもんだ…こういう変化を、静かに見せてくれるの好き。
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とはいうものの、カケルだって完全に無憂ではない。家の事情、周囲の雑音に悩まされる姿を、ユキ先輩はクールに見据え…優しく声を掛ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
これも変化の描写だなぁ、と思う。走りと仲間に出会う前の彼だったら、多分そのまま背中を向けていた。
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高校時代の藤岡さんみたいに熱さど真ん中じゃないけど、皆黄金の輝きの中で、痛みと弱さを共有していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
ギクシャクとした家庭の事情。心を揺るがす弱さと、それに正対出来る強さ。ユキ先輩の斜な構えは、そこから少し遠いか。
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今はすっかり老成した王者が、四年前は超絶熱血青年で、そんな真っ直ぐさじゃ当時のハイジは掬いきれなくて、道は別れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
クールにサラッと重い事情と感情を公開し、静かな共鳴を差し出してくるユキの態度が、カケルの憂鬱に逃げ道を与える。
人の関わり合いには、様々な姿勢と結果がある。
そのどれもが正しく、意味がある。そう言い切るためには、強く走り抜き一つの結果を出さなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
『そんなに強くないんだ…』と弱々しく微笑んだ四年前の自分を、ハイジは追い抜けるのか。その力走が、あの時藤岡が向けてくれた想いに黄金の価値を宿すことにもなるだろう。
それぞれの姿を探す歩みは近づいて離れ、星のように微細な引力を発揮して、お互いを導く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
これまで伏せ札にすることで物語を牽引してきたハイジの過去、内面の辛さが藤岡さんを通して顕になることで、物語のステージが強く変化するエピソードでもあったか。
もう何億回でも藤岡&ハイジの話繰り返しちゃうけども、四年前のハイジも藤岡も今とぜんぜん違くて弱っちくて、そこを乗り越えてタフで頼れる『大人』になってることが、変化と成長を整理して見せる今回のエピソードとガッチリ噛み合っていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
どんな人にも、時間と熱量と優しさは必要で。
それを適切に与えられれば、どんなに歪んでも、強く正しく歩き直せる。そういう時間をかけた再生の話でもあるのだなぁと、過去の話しをされるとつくづく思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
同時に作り上げたものも残酷にぶっ壊されて、その荒野からまた芽が伸びていくって話でもあるんですけど。そこ、甘くないのが好き。
藤岡さんはあのハイジの弱い笑顔を見て、自分が特権的に背負ってる強さと速さだけじゃ、手に入らないもの、守らないものがあると思い知ったと思うわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
だからこそ、より早く、失ってしまった過去を取り戻せるくらい強くなりたかった。そしてそれを見事に叶え、守り続けている。
そんな藤岡さんだからこそ、あの断絶を経てハイジとすげーいい関係で、親友の再生、ようやく頂点で並び立てる喜びを後輩(ライバル)に分け与える善徳もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
僕藤岡さん大好きなんで、今回ディープに描写入れてくれてやっぱ良かったなぁ…。
ユキ先輩は抱えたもんの重たさに比べ、結構サラッとした描写なんだけども、そのクールさがむしろ”らしく”て、良い描き方だなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
冷たく、実利的に賢く。それが岩倉雪彦のスタイルだったはずなのに、気づけば切り崩されてて、でも失ってはいない。
そういう変化が、ユキの物語としてある。
サラッとした描写の中に、そういう感慨を強く覚えることが出来るのは、やっぱ今まで意志と哲学を持って、描写を積み上げてきたからこそだと想います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
やっぱ、最後もみんなでメシは食うわけよ。
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描写をかなり早回しにして作った尺で、区間発表の時間をどっしり構えたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
やっぱ気になるし、期待盛り上がるもんなぁ…最後の最後でぶっ込んできた爆弾も、ここしっかり描いたからこそ良い炸裂するし。
こうして盛り上げた期待感を活かし、本番前の高揚感、緊張感も丁寧に描写していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
一人ひとりの部屋の明かりが消え、決戦に挑む覚悟を固める描写。それぞれの戦場に皆が赴き、何処かで繋がっている景色。遂に運命の瞬間が近づき、興奮が高まっていく様子。
こういう無言の描写が上手いのは、スポーツモノとしては強いなぁ、と思う。ダイレクトに意味を伝える言葉を磨き上げつつも、フィジカルな無言のメッセージで勝負をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
『言葉では言わないけども、解ってくれるよね!』という信頼を込めて、一つ一つの風景を鋭く仕上げる。
こういう静かな強さがあってこそ、最後の強烈な足払いがキマるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
いやー、まぁたっぷりオーバーワークの伏線は埋めてきたからね! 『10人しかいねぇ。一人でも欠けたらそこで終わり』ってルールも、何度も説明したからね!
原作読んでても、メタ読み出来てても、やっぱりドキドキするねぇ…。
往路ラストを飾る神童の走りは、果たして『強く』大地を蹴れるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
それぞれの戦場を任され、孤独に走るランナーたちは、どんな表情を見せるのか。
一人でありながら、しかし奇妙に共鳴し合う男たちの思いは、どこにたどり着くのか。
葉菜ちゃんと双子の、甘酸っぱい恋の行く末は。
最終章に向け、これまでの歩みとこれからの力走をしっかり整理し、心を整えてくれるエピソードでした。やっぱIGは”繋ぎ”のエピソードが異常にうまいな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月22日
毎週強烈なヒキを作ってきたアニメ風強ですが、今回のはおそらく最強クラス。こっからどんな走りが見れるか、もう瞬き禁止ですよ!