・言い訳
(これから約束のネバーランドダオ6話の感想を書きます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
何しろ二話分溜め込んじゃってるんで、マイナス評価なのかっつーと全くそういうことはなく、むしろスゲープラスなんだけども作品を咀嚼するのに手間取ってしまい、後に回してこんな感じです。
難しくて楽しい作品は、消化にカロリー使う…)
(自分の心の中にあるハードルに引っかかった結果、ウジウジ足踏みして感想出すのが遅れました。視聴するとやっぱり細部まで行き届いたサスペンスの作り方、心理と間合いの描写は凄くて、今非常に興奮しております。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
言い訳終了。感想行きます。遅れてすいませんホント)
・本編
約束のネバーランド 第6話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
光溢れる希望と、欺瞞に満ちた闇の奥。分断された子供たちが、未来と過去と現在を切り分けていく。かんばせを照らす明かりは、嘘に塗れた不和に陰る。
迷妄と衝突の果てに、信頼を預ける勇気と覚悟を。敵だらけの迷宮の中で、きょうだい達は魂を繋げるのか。
そんな感じの、内ゲバだとか謎だとかなエピソードである。謎を追いかけたり身内で話し合ったり、派手な動きは特に無いのだが、ヒリつく恐怖の使い方、暴走する感情の描き方が鮮明で、静かな展開がズブリと胸に突き刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
今回は徹底してライティングとキャラの心理、関係性を連動させた演出が冴えた
元々演出の受け渡しが非常に巧いアニメであるが、トップ三人とその下二人、図書室と地下室に分断された今回は、特にその手腕が目立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
カメラは障害物を舐めるように動き回り、物理的な距離が離れた二つの場所は、サスペンスと不和を孕み連結される。https://t.co/gWNXC98CdL
地上に位置する図書室では、ミネルヴァ(フクロウをトーテムとする知恵の女神)からのメッセージを”外”から受け取り、三人は希望を見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ライティングは明るめで、謎はスルスルと解け、関係性はスムーズに繋がり、波風は少ない。
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これに対し、隠し扉から地下(ママが隠蔽する真実。歯の生えた子宮の奥)に潜り込んでいく二人は、”内”へと突き進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
トロフィーのように飾り立てられた遺品。闇を照らすカンテラ。色の濃い影は、ドンの苛立ちと怒りを宿す
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通信機と暗号の本。二組共に”外”に繋がる出口と出会うわけだが、片や自分たちを食いものにするため、片や活かすため、それぞれメッセージは正反対だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
梟がもたらすのは、智慧か戦乱の予感か。ミネルヴァは戦争の女神でもある
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ドンは凡人(と言っても、この環境で11歳まで生き延びたのだから、相当な優良株なのだろうけども)代表として、物分かり悪く暴れまわり、状況を緊迫させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
みんながみんな優等生じゃ、パニックホラーの側面もあるこの話、面白くはならんからな…大事な仕事ね。
ドンは『ママが見守ってくれる幸福なホーム』という幻想にすがりたい。まだ保護を必要とする子供なのだから、その夢は当然だ。目を覚ましてなお冷静な三人が特別とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
深い闇の底で出会った真実はしかし、彼の幼年期を剥奪する
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ドンの不信と不安を強調するように、その額には影がかかる。比較的落ち着いているギルダは光の中にいて、しかしランタンは真実から遠ざけられていた子供たちに、長い影を伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ママの足音がして、二人はランタンを消し、闇に沈む。
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それはあの運命の日、エマが晒されてしまった残酷な世界であり、周回遅れで彼らもそこに追いつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
自分たちが食人鬼の餌として”飼育”されているのに過ぎないという、重たい事実。安らぐべき”ホーム”は家畜用の”ハウス”でしかない事実は、常に闇の色をしている。https://t.co/GfRr23MIX2
冒頭と同じように、年少組の機転でピンチから抜け出した二人は、疑心を抱えて三人と合流する。隠されていた真実、不信と嘘。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ドンとギルダとの断絶を、三人組の中でも薄暗い現実主義を担当するレイが引き受ける。
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場所を移して食堂、二つのカンテラは彼らの分断を照らし、レイはやはり、一番薄暗い場所に陣取る。
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ギルダとドンにかかる光と影の差は、そのまま二人の心の中を表現もしている。安定を失ったドンのほうが、より暗くより重たい。https://t.co/RGOsZjFFk8
より暗く、より客観的な思考パターンを持つキャラクターは、遠くて冷たい場所へ。心の中に渦巻くどす黒い感情は、光と影に乗せて揺らがせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ここら辺の演出プランは一切揺らぐことなく、サスペンスを支える土台となっている。画面の安定と不安定が、そのままキャラクターの内面、社会的立場を示す。
後ろに引いていたレイは、ドンの激情が表に飛び出し、暴力となって暴れまわった瞬間、光の側に出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
まだ伏せ札を隠し持っている彼だが、暴力の先にある死から二人を守りたいという気持ちが本当なのだと、アクションから見える
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選ばれたものの、傲慢と不遜。”家族”を口にしながら、真実を受け止めきれないときょうだいを侮り、嘘で隠す不実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
それを突きつけられた時、一番最初に光の中に出てきて、頭を下げる(相手の下につく)のは、やはりエマであるように。
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”ママ”と人食い鬼が自分たちを食い物にする、残酷と欺瞞を気づかず自分が背負っていると、エマが突きつけられた時。彼女は光が生み出す陰りに入り、頭を擦り付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
明暗、上下のポテンシャル、左右の分断。これらを活かした描写の鋭さ、変化の速さが、静かな会話シーンに緊張感を生んでいく。
”絵”が持っている抽象的な印象を的確に操作し、不安と内面をえぐっていく。ここら辺の演出スタイルが、深夜アニメというよりは海外ドラマ的なムードを、このアニメに宿しているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
やっぱ好きだなぁ、ここら辺の文法。勝手な思い込みかもしんねーけども。
さておき、内心に渦を巻く不安と一緒に、三人が知らず腰変えていた傲慢を指摘したドンは、一旦脱出同盟に背中を向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
外は月夜、ドンの不安を示すように叢雲が陰っている。だが、内面を吐露する内、雲は晴れていく。
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憎いのは、苛立つのは、何よりも自分の不甲斐なさ。きょうだいから信頼を預けてもらえなかった、自分の愚かさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ドンの激情がどれだけのサスペンスを生み出したか、ヒヤヒヤしながら見守っていた視聴者(つうか僕)は、彼の告白に少し、ホッとする。
『なんだ、自分で解ってんじゃねぇか』と。
残酷な真実を拒絶するだけでも、嘘つきなきょうだいを指弾するだけでも終わらず、自分の未熟を涙と一緒に言葉にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
そんなドンの咆哮を受け止めて、世界は地下室や食堂よりも、少し明るい。ギルダの側に、確かな光もある。
ドンの告発と咆哮は、脱出同盟を少し、良い方に変えもするのだ。
残酷極まる世界の中で、きょうだいは一つの明かりに身を寄せ、なんとか生き延びようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
能力も現実認識も、過酷さに耐える強さもバラバラだが、それでもかけがえのない仲間として。
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まず明かりを持ってやって来るのがエマ。その後を追ってノーマン。影に引っ込んで、明かりを向けられてようやく顔を見せるのがレイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
これまで描写された、三人それぞれが持つ理想と現実との距離感は、新たな仲間への歩み寄りでも、しっかり示されている。
エマが光、レイが闇の中、ノーマンは真ん中。
エマはドンに指摘された傲慢を反省し、真実を告げる。闇は晴れて、光の中で全ては順調…と安心させないのは、彼らが身を置く世界の厳しさからしても、サスペンスの運びからしても当然だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
カメラにかぶる障害物、監視めいた冷たい視線
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『3人と2人』が『5人』になっても、脱出が必ず成功するわけではない。周囲は鬼の巣、一切の気は抜けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
まだ闇に身を置き続けるレイは、一体何を隠しているのか。ベッドの下で、ノーマンは何を見つけたのか。伏せ札は多い。第5話で衝突と交渉を終えた後、ノーマンがかなり長く考えてたのが気になる
そこら辺は先の話として、まずは未来への希望を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
壁の向う側にあるネバーランドを探るべく、監視役の眼を誤魔化す。獅子身中の虫として”ママ”から情報を聞き出すレイの冷静は、自分の”出荷”にも及ぶ。この子、エマとノーマンを助けるためには、他人の命同様に自分の命も冷たい算数で使い倒す気かな…
最年長のレイが”餌”としての運命を冷徹に見据える中、残りの四人は未来へのハイキング…と思ったらシスターがドーーーーーン!!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
ホント良いタイミング、良い動きで場をかき回してくれるね…基本隠微な映像的暗号で心理を伝える作品なので、シスターの解りやすい動きがいいアクセントになっとるわ
木陰から顔出す時の『いるーーーー!!』感とか、謎の発光&スローモーションとか、クラウンめいた表情とか、マジ最高でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
サスペンスの強さはヒキの強さなんで、ドキドキするのは大事。いい仕事っぷりだなぁホント…
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しかしクラウンは道化でもあって、ママを出し抜こうと子供らに接触する知恵者気取りは、彼女を地獄に引きずり込みそうでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月25日
危うい綱渡りをしているのは、このサーカスハウスの人々、全てが同じ。シスターの接触が何を生み出すか、来週も楽しみですね。