約束のネバーランド 第7話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
シスターの手を取り、情報の奪い合いを開始した子供たち。お互いの魂胆を読み合う頭脳戦の裏で、脱出作戦は静かに進行していく。
欲得、優越、安全。人間的な、あまりに人間的なシスターの願いは、彼女をどこに押し流すのか。毒蛇の巣は、まだまだ深い。
というわけで、中ボスシスターを相手に丁々発止、取りつ取られつの情報戦が進んで行くエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
程よく切れもので、適度に隙があって、言い訳の仕様がなく邪悪で、しかし奇妙なチャーミングさがある。シスターは話を引っ張る良キャラだ。だからこそ、ここでお別れは惜しいな…良いタイミングだが。
ドンとの魂の殴り合いを経て、一応一枚岩に落ち着いた子供同盟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
そこに差し伸べられた手は、当然善意などではない。お互い腹に一物隠しつつ手を握る、そのサイズ比が、なかなかに邪悪でいい。
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大ボスたる”ママ”の凄みを増すためか、陰惨で重たいストーリーの空気穴を担当するからか、シスターの動きはコミカルで、行動には穴が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
しかし道化と嘲るにはクレバーで、完璧というには我欲が出すぎている。
子供たちが子供であるがゆえの無力さと、生存への強い意志、気高い尊さ。
主役サイドとはまた別のアンバランスが、シスターのキャラを魅力的に、不気味に彩っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
不気味なレイアウトで展開する、密室での頭脳戦。情報アドバンテージを取ったら(それこそ”ママ”みたいに)黙って握り込めばいいのに、口に出して子供相手に優越を確認せざるを得ない。
その自我と欲の強さが、彼女が追い込まれていく致命の隙間となっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
ボディランゲージを読んで、伏せたカードのめくり合いで勝てるくらいには頭がいいのに、怜悧な計算に徹することが出来ない。子供とは違う咆哮で、情を殺しきれない。
その歪さは、守るべき”子供”の人形をズタボロに引き裂き、グロテスクにつなぎ合わせる態度に上手く象徴されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
カメラをベイビー人形に据えて、魚眼で奇っ怪に見せる演出も、なかなか良いサスペンスだった。
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子供を騙し通したいなら、保護者の仮面で嘘を突き通せばいいのに、思わず本音が出ちゃう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
そこで巧妙な嘘を積み重ねてくる相手なら、子供が勝てる余裕もなくなってしまうので、この位がちょうどいいのだが。つくづく惜しく、そのハンパさが魅力でもある。面白いなぁこの人。
それで終わらせずちゃんと”怖い”のは、しっかり作り込んでいるからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
生理的違和感を掻き立てるカメラアングル、音響演出、3Dの頑なさを逆に怖さに変えた背動演出。人でありながら人を食らうモンスターの不気味さは、彼女にコメディエンヌ以外の顔を与える。
ここら辺のバランス感覚は流石だ。
シスターが人間的な表情を見せるほどに、彼女を超えた先にある(そして彼女が超えられず、死亡勧告を突きつけられる)”ママ”の冷たい異質さは際立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
部屋の”際”をけして踏み越えず、己を見せないまま殺す冷徹なレイアウト。
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中ボスの野望が潰えるエピソードだからこそ、知略戦で上を行った(だろう)”ママ”の凄味は際立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
シスターは戸棚の奥に、一体何を見つけたのだろうか? レイは何を狙って、そこに”紙”を用意していたのか。種明かしは次回かな?
今回のエピソードはシスターにフォーカスを合わせて、『彼女が何を間違えたか』を追いかけるお話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
主役たる子供たちは一旦舞台をシスターに譲って、彼女の見えないところで色々蠢く。上を取られた風のエマとノーマンも、どこまで本気だか読みきれないな…。
叡智と希望が静かに照らす世界は、しかし光に近いほど闇が濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
子供たちだけの秘密の相談が、照らす各員の背負った秘密。生まれるギャップ。
それとほぼ同じ光源で、ママとレイが描かれているのは面白い。
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シスターの失脚を切っ掛けに、お話は新しい局面に入ってくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
乗り越えるべき壁は”ママ”に移ってくるだろうし、つけ入るべき隙、隠している人間味も顕になってくるだろう。
その光は同時に、主役サイドの見落としや嘘、秘密も照らしてくる気がする。サスペンスだから伏せ札多いのよね…。
しかしその前にまず、死刑通告を食らったシスター、最後の見せ場である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月7日
何が彼女を、決定的に奈落に引きずり込んだのか。その退場がどんな波紋を生むか。サスペンスフルな画面を活かし、緊張感を保って展開する、丁々発止の頭脳戦。次回が楽しみです。