ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
・Pastel*Palettes第二章『もういちど ルミナス』
激動のデビューを乗り越え、お互いを認め支え合い、進んできたアイドルバンド。
その先に待ってきたのは、栄光と離別。
”パスパレ”だからこそ生まれた光が、”パスパレ”であることを奪うのならば、私たちはどこへ行くべきか
そんな感じの超! パスパレストーリー!! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
現実のシビアさ、運営のクソさを常になすりつけられ、”プロ”として”プロ”だからこその波風に翻弄される。
厳しい風雪が勁草を教え、一つ、また一つと繋がっていく抱擁の連鎖。目標と夢の間にあるものはなんなのか、我々は何を手に入れてきたのか。
鋭く厳しく問いただし、ガツガツぶつかって己の硬度を試す。二章は全体的にハードコアな当たりが目立つが、やはりパスパレは別格に激しく、強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
ゆるふわ友情物語もやれっけど、『根性極悪人間の集合体』つー本性を晒してこそ”パスパレ”って感じするな。
話は色々あって実績を積んできたパスパレが、栄光の時代を迎えるところから始まる。仕事が増え、”個”として社会に求められる/消費されるメンバー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
その忙しさが断絶を顕にし、それぞれの弱さを照らす。そしてその荒野から始めて、新たな地平を目指していく。ここから…ここからにござる…。
忙しさにかまけてパスパレという”芯”を見失った時、日菜がかなり冷徹に損切に回るのが、日菜らしいなぁと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
エイリアンが人間になる物語は感動的だから、ついその色に染めたくなる。しかし彼女は徹頭徹尾”他者”であり、空気は読まずに真実だけを言う。あまつさえ、それに従う。
自分が思いもしなかった世界を見せてくれたパスパレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
日菜にとってそれは、自分が背負い自分が維持するホームというより、面白い他人が作り上げてくれる万華鏡に近い。
正確に言えば、日菜は自分の中に芽生えた帰属意識…”パスパレとしての私”をどう扱っていいか、自分の中に答えを持たない。
だから今までの合理主義を引っ張り出して、『壊れたんなら捨てよう』が言葉になってしまったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
”私たちとしての私”は例えばRoselia第二章で大きく取り扱われた問題で、ガルパの少女たちにとってとても大事なテーマなのだと思う。色んなバンド、色んな角度から掘っていく。
日菜だって”パスパレ”を諦めたくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
でもそこで出会った輝きは、自分の外側にあった思いがけない光だからこそ、美しく思えた。”パスパレの氷川日菜”もまた、そこに光を加えているという実感が薄いからこそ、またその尊さを維持するために自分の中から何を出せばいいか分からないからこそ。
エイリアンは冷たい真実を突き出したんじゃないかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
今イベントのスチルで、日菜は(おそらく)姉以外で初めて泣く。
自分の中に、当たり前の人間と同じ感覚が共鳴していることを、”パスパレ”を剥奪されそうになり、”パスパレの私”として対抗することで思い知る。感情が瞳から溢れ出る。
その実感が、彼女の怜悧な知性に共感のクッションをかけて、”他者”との付き合い方をもう一つ、前に進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
その結果が生徒会長であり、”ジブン、アイディアル”での積極的な支援なのだと思う。後追いなんで、イベントのリアル時系列を分節化して、独自の時系列で納得するのは面白いね。
さて、日菜の冷たい指摘と事務所の怜悧な現実感覚により、ずたずたに引き裂かれたパスパレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
”丸山彩”すら己を見失う中で、お気楽エセガイジンが立ち上がる。若宮イヴ。真実の武士道は、”誠”と見つけたり。
アクの強いパスパレメンバーの中で、ぶっちゃけイヴちゃんは目立ちにくく、コミックリリーフ的な色合いがやや強かったように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
無論ガルパの筆は精妙なので、ただの賑やかしで終わらせず、彼女なりの”真”があることを様々なイベントで見せてくれた。
純朴で真っ直ぐで、優しく脆いことを。
しかしこの二章で、イヴちゃんはグッと陰影を深め、一人間としての”コク”みたいなものを確立した気がした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
パスパレはプロアイドルとして、社会と商業に最初から接続されている。子供が何を言っても動かない場所、自己表現のメディアたる”歌”を他人から供給される立場。
その巨大さに、メンバーの崇拝を集め幾度も立ち上がらせてきた”丸山彩”ですら立ち竦む。それは”アイドル”として実際に活動し、経験が認識に染み込んだ結果であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
パスパレにヒビが入った忙しさが、パスパレが頑張った結果の一つであるように、常に”禍福は糾える縄の如し”だ。
そこでイヴちゃんだけが、地面に足を突き刺し、必死に踏ん張る。子供の純朴さを苛烈な風に振り向けて、『パスパレが好きだ、無くしたくない!』と吠える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それは誰もが感じていて、でも叫ぶ勇気を手に入れられなかった言葉。イヴちゃんが言ったからこそ、皆に広がった思いだ。
因果を飲み込んで、社会との接点を摩擦なく回すことが大事な瞬間がある。それが”大人”としての唯一の成長だと思われがちだけども、実はそこに抗い、情熱を吠えることが本当に大事なものをもぎ取る瞬間も、またある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
イヴちゃんは、そういう計算したわけじゃない。ただ、赤子のように感情のまま吠えた
その赤心こそが、彼女の”誠”なのだろう。誠は分解すれば『言葉を成し遂げる』とも書ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
有言実行、不惜身命。イヴちゃんにとっての”ブシドー”が、より強くより優しくあり続けるハードボイルドな在り方なのは、”譲れない想い、
燃えるブシドー”で見たとおりだ。
折れそうな彩を見て、イヴちゃんが必死に経験を攫って、突き刺さる言葉を探す様子が痛ましく、また力強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それは子供が必死に、自分の財布の中から大人に通用する貨幣を探す仕草に似ている。イヴちゃんは彩が捉えられつつある諦めの国の貨幣ではなく、自分が足場を置く夢の国の貨幣を差し出す。
あなたが強くあってくれたから、私も諦めずに済んだ。あなたが優しくあり続けたから、世界も変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
その事実を必死に探し、時分を鏡に”丸山彩”を見せることで、イヴちゃんは彩を取り戻す。自分が信じたい、純粋不屈の”丸山彩”を。
レッスンシーンの激情スチルが、『鏡の間』で行われているのが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
イヴに出会うことで、彩は他人の瞳に写った自分を見つけ直す。それは身勝手な偶像(イメージ)なのだが、同時に自分が忘れた己自身を反射し、掠れた過去の価値を蘇らせる。
万華鏡のように乱反射しながら、確立される自己像。
セルフ・イメージは常に、孤独な内省だけでは完結せず、顔の見える他者との関わり、その集合体としての社会に敷衍していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
”私の知る私”と同じように、”あなたの知る私”も貴重だと思えたのなら。
諦めかけた拳を握って、夢見た自分を引き寄せられるから。
イヴちゃんが投射した”丸山彩”は、(一章やイベストでそうであったように)生身の彩に反射し、彼女の中にある理想を復活させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
ヒーロー復活の興奮と同時に、世知辛い現実を前に誰よりも強い吠え声を上げたイヴちゃんの”誠”が、強く刺さった。そういう声をあげる強さを、ちゃんと持っている子なのだ
しかしパスパレはデコボコ人間大集合、乗り越えるべき山は多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
白鷺千聖。状況がヤバくなると、いい匂いがして顔のいい女に即座に連絡をつけ、ストレス回復を図る女。
いやマージ、薫さん呼びつけて上取りつつ甘えん坊さんした時には『この…アマっ…!』って声出た。そういう君が好き。大好き。
彼女も友希那と似た感じで、理想と現状の間に強いギャップを感じている。果たしたい完璧さに届かない自分、リミッターを外した情熱に憧れつつ立ち止まる自分を、『つまらない』と評する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
そんな胸のエンジンに、復活なった”丸山彩”が飛び込む。薫さんのケア、マジ感謝しとけよ白鷺。
現実を見据えて諦め、少しでも息がしやすい環境を引き寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それが白鷺千聖の処世術であり、現実的な彼女『らしさ』はパスパレを幾度も救ってきた。
でも、それじゃ乗り越えられないものがある。赤子のように声を上げ、曖昧な夢に向かって突き進むべき瞬間が。
第一章で己が見失った理想を”丸山彩”に投影した白鷺千聖は、スタッフの横車に反逆することで、”丸山彩”になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
つまらない”白”のキャンバスに、”彩り”をくれた君のために。他でもないここで、笑顔と夢に出会えた自分のために。
五人の色に染まったパレットを、絶対に守り抜く。
その叛逆が、とても勇気のいることなのだと、千里の英明な頭脳派はっきり認識する。心ひとつを前に進め、己の願いを言葉にすることが、時に何よりも難しい時がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それでも、千聖は叫んだ。それは若宮イヴ的な頑是なさ、いつしか失っていた”子供っぽさ”に、”子役”出身の彼女が帰還する儀式でもある
仕事を通じて”大人”になっていたパスパレは、イヴちゃんを進言とするアドゥレ・サンスの嵐に巻き込まれ、諦めを踏破していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
”もういちど ルミナス”のMVで、ブリスターに閉じ込められた”アイドル”が箱を飛び出し、自分たちのステージまでたどり着く姿は、それを寿ぐ詩なのだと思う。
パスパレ二章を貫通するモチーフに、『目標と夢』がある。その境界線が実は断絶ではなく、グラデーションによって橋がかかっている事実を言葉にするのが、若宮イヴであるのが嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
少女たちはそれぞれの経験の中で、新たに学び力をつける。それが世界認識を変え、自己イメージを変えていく。
イヴちゃんはバイトしたり部活掛け持ちしたり日本文化に興味持ったりアイドルしたり、日々精力的に走り回った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それは道化の空回りではなく、目標を夢に近づけ、現実の時分を理想のアイドルに接近させていく歩みだった。だから、そういう言葉が彼女から出るのだ。
それが全員に浸透する前に、日菜は麻弥に接触し、彼女の『目標と夢』のギャップ…自分自身も不鮮明な『夢』の形を顕にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
パスパレにいると、分からない他人を楽しめるようになる。自分が無知で、世界と切断され、他人と根源的に共鳴できない人間であることに絶望より喜びを感じられる。
分からないから、他人だから良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それは卓越した客観性を個性とする日菜が、孤独にたどり着いた境涯。だけど言葉にして分け当たることで、”夢”が良く見えない大和麻弥の曇りを晴らしてくれる。
この関係性は、後に”ジブン、アイディアル”でよりディープに掘られることとなる。
前半の日菜はエイリアン性が強く見えたが、今までの異星人生き直しストーリーは当然嘘ではなく、日菜は人間のこと、人間の中の自分のことが、物語開始時よりしっかり解っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
自分の中の”好き”という感情、不可能に接近していく夢への歩みが、何よりも人間的であることに。
日菜は気づかないし、価値も置かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
私は私、あなたはあなた。その一見冷たい真実を、なんの価値判断もなしに素直に受け止められる英明さは、時に怪物の牙になる。
だが同時に、彼女にも”好き”があり”夢”がある。だから、それを麻弥に差し出し共鳴させることも出来る。
夢が分からない日菜が、『もしかしたら、それが夢かも』と差し出したのは、姉との幼く暖かい日々を取り戻すことだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
それは降って湧いたものではなく、むしろ彼女を根源的に定義する”真”であり、未来への挑戦ではなく過去を再生する試みだ。
それは、いつでも日菜の中にあったのだ。
それを思い出すためには、冷たい現実の波風も、無理解への苛立ちも、冷たい現実の切断面も必要だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
厳しい風だけが、勁い草を教える。
生っぽい現実感覚を特色とするパスパレらしい、氷川日菜らしい歩みだと思う。そうやって手に入れたものを尊重して、蒸発させない話運びが好き。
白紙の白鷺千聖が、夢という彩りを既に手に入れていたことを、丸山彩は思い出させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
まーた千聖の”丸山彩”信仰が決定的になっちまう一撃を、意識せずにぶっ込む女である。エモの背筋が強すぎる…不公平なパンチ打ちやがって…(体をくの字に折り曲げつつ)。
夢が欲しいという切望それ自体が、もう夢なんだ。千聖ちゃんは真っ白でも、つまらなくもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
彩の言葉はとても好きだ。本当に白鷺千聖と、白鷺千聖がいるパスパレと、白鷺千聖と一緒にパスパレをしている自分が好きなんだと思う。
余裕を剥いで、むき出しの自分と向き合ってる時、彩は明言出すな…。
かくして五人の思いは物分りの良い”大人”をねじ伏せ、ステージングがパスパレ存続を引き寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
ここで世間の評価に反し、まったく納得していないメンバーに力強さを感じた。
目指すべき”夢”は遥かに遠く、自分はそこに追いつけない。それでも、私たちが”パスパレ”でいられるなら、下らなくなんてない
物語と人格が伸びる余白をたっぷり取り、”プロ”のパフォーマーとしての野心までギラつかせる、良い終わりだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
パスパレは、”パスパレである私たち”は、もっと強く優しく善くなれる。そうあるためのホームは、私たちが散々迷って、私たちの手で守りきったんだ。
迷妄と涙を潜り抜け、勇気と愛を結晶させた宝石が、パスパレを飾る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
彼女たちの”先”が非常に楽しみになる、力強いストーリーでした。
まーたクソみたいなお商売の都合が襲いかかってくるんだろうけども、確信を手に入れたパスパレは”勁い”んで、まぁ大丈夫でしょう。
イヴちゃんの存在感がグーンと跳ね上がったのが、彼女のファンとしては嬉しかったです。全体的にバランス良く、負荷と見せ場を与えてくれてたんだけども、特にイヴちゃんには的確で強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
”無敵の丸山彩”を凹ませてピンチを煽り、最後の切り札としてイヴちゃんが身を乗り出す運び、巧いよなぁ…
一歩、また一歩。目標から夢へ。不可能を可能にする自分を、”私たち”への愛情と信頼から引き出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月14日
そういう力を与えてくれる唯一の”バンド”の物語としても、とても良かったです。
『”私たちである私”という認識が、孤独な”私”以上の力を与える』ってのは、ガルパの重要なテーマなんだろうなぁ…