マナリアフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
雨降れば君思い、雪見れば君想う。
つまらないことからズレた歯車が、ガタピシガタピシ、心の中で音を立てる。素直になれないまま静かに燃える熾火が、少女を走らせる。
美しいものが世界にあるとしたら、それは君。情熱、それは君。
かくして、雪は溶ける。
そんな感じの超! 女女感情雪祭りINマナリア! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
天から何かが降る時は、必ず女が湿度を上げる。マナリアにはそういう”法”があるので、今週もしっとりねっとり感情絵巻である。
くっそ面倒くさい感情が荒れ狂う”圧”となって、一般生徒が弾かれてる描写とか最高だった。雑魚は引っ込んでな…。
今回のお話は(も)非常にシンプルで、二つの境界線に阻まれた心の距離が雪をも溶かす情熱ダッシュで縮まり、感情ゼロ距離戦闘が開始されるまでのお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
『極端すぎんだろ寄りと引きの距離感がァー!』という意見もござろうが”感情”はそれで良いのだ。
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最初BGMなしで入って、冷え切った関係と雪の静けさを環境音で聞かせる演出が、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
序盤のストイシズムがあってこそ、『劇的なるもの、そは女』と言わんばかりの強めの演出も、よく刺さる。
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粉雪程度でそんなに吹雪いていないのに、運命を見つけた瞬間だけはその激しさを宿して雪が吹き荒れ、出会い直した美しさを反射して、光は美しく輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
耽美とは”美に耽る”と書くが、現実的な物理法則を思い切り蹴っ飛ばし、心を反映して切り取られる自然現象、物質のスケール感は、正しく耽美である。
『他はどうでもいいんじゃ。美しい世界と美しい女と美しい心なんじゃ』とばかりに、過剰にグレアの内面にクローズアップしていく映像。過剰に美しすぎる背景。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
起こっていることは思春期のクソアマが嫉妬燃やした結果、関係がこじれただけである。ほんの小さな心のさざなみが、世界全てを覆い尽くす。
そんな客観性を蹴り飛ばしたエゴイズムが、過剰な”力み”となって映像に力を与え、暖炉の薪のように温度を上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
この尺、”マナリアフレンズ”という題材と看板と後ろ盾じゃないと多分成立していない、超心象主義映像をタダで浴びる。贅沢なことだ。
そのテンポと文法、フォーカスと語り口は完全に正統派少女漫画であり、『アニメで萩尾望都やってる』とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
少女漫画では省略されることが多々ある背景(リアリティの担保装置)を徹底して書き込み、つまらない現実を超越した圧倒的な”美”として独自の存在感を与えている所が、独自の演出かな?
力強いオーケストレーションを背負って、キマリ過ぎな超遠景渡り廊下ダッシュをキメるグレア。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
目指すべき場所は、いつでも天の庭園。ピアノが思い出を爪弾くあの場所に戻れば、全てがあるべき場所に帰るから。
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ほんっとこの渡り廊下の構図ただただ美しくて最高だと思いますが、このロングレンジから二人が出会い直し、するりと間合いを詰めてグレアが隣に座る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
迫る体温にアンが逃げて、グレアが詰める。客観から超主観へ、冷たさから温もりへ。一気に位相が変わる。
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尻尾を感情と性欲の表現メディアとして描き直す”発明”といい、マナリアには心象をクローズアップで見せる筆に独自の鋭さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
この椅子の上での密会は、そんな筆の強さ、匂い立つエロティシズムが良く現れた、いい表現だと想う。ああ”お茶”ってそういう…。
かくして二人の雪は溶け、お互いの気持が距離を見つけ直す。触れ合って、離れて、また近づく。隠微な音律が支配する、女と女の関係。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
冠と赤い尻尾。お互いのフェティッシュを背負った雪だるまが、話を締める。オーウェンくん…雪だるまに転生しても二人を…
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第7話ではアンの一人称で物語が進んだが、今回は主客を入れ替え、グレアが”探す”側である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
それは公平な役割交換意識というよりは、お互いがお互いを翻弄し、だからこそ惹かれ合うエゴイスティックな欲望の結果だ。少女たちは運命と情熱を背景に、遊戯のように、無垢に挑発し合う。
恋の技芸も何もなく、ただど真ん中でぶつかり合ってるだけなんだけども、それが結果として退屈を跳ね除け、本物の感情をみずみずしく引き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
それが世界を照らすからこそ、あの学院は過剰に美しいのだ。腐敗しない耽美、とでもいうか。つくづく、10分形式との共犯だよなぁ…。
そんな二人の本気の戯れを、どっしり堪能できるエピソードでした。やっぱ良い美術としっとりした情動、女と女の劇的を見つめると肌がツヤツヤすんなぁ…マナリアは健康に良い!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月17日
あ、次回最終話らしいです。国民の福利厚生のために、あと20話くらいずっとやってくれていいのに…楽しみです。