イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツ! 一年目感想(第33話~第40話)

・第33話『チャンス&トライ☆ 』
風 雲 美 月 城 としか言い様がない回だった。
トップアイドル美月さん初のユニット結成ということで、全校無差別オーディション開催。
中身は垂直の壁(目測15m、上からの水攻め付き)を素手で登る、プールに渡された平均台を踏破する(横からバレーボールで狙撃される)、人間が飛ぶレベルの逆風を素手でこらえながら50mほど前進するという、フィジカルが要求されすぎるもの。

トップアイドルの隣に並ぶためには、波紋能力者や最強死刑囚並の肉体が必要です。
そりゃー、123先輩たちも付いて行けないわ。
地獄昇柱(ヘルクライムピラー)じゃん、アレ。


多分まぁ、美月さんがトップとして受けてきた世間の逆風に耐えられるかどうかのチェックだとは思うんですが、それにしても物理的すぎだ。
最近いい話が続いていたから、溜まったギャグを全部蔵出ししてきたスタッフの本気を感じます。
地味にキャラの再登場が多くて、そういう意味でもファンサービスが良かった。
スプラシュの二人はキテたなぁ……。

「誰も俺とは遊べない……」とか、まーた美月さんがバキか餓狼伝みたいなこと言ってて、椅子に座ってる姿がRB餓狼伝説のギースにしか見えない。
「さらば、美月」って感じ。
ゴールデン美月チャンスとか、ニコリともせずにハイブロウなネタをぶち込んでくるあたり、さすがに王者の風格。

123先輩たちの想いとか、ユリカ様が根性キャラにチェンジしてるとか、見どころいっぱいだったけど、最後の最後で新キャラが持ってった。
ルー語をしゃべるトップアイドルでマジシャンで寿司って……盛りすぎだろ、とか思ったが、基本このアニメのアイドル過積載だった。
その上で、属性が上滑りしないガッチリした描写をしてくるからこそ、今回みたいな突拍子もない話も底抜けに楽しめるわけで。

さて新キャラかえでちゃんはどんな子なのか、今から楽しみです。
なんか予告で早速、いちごちゃんにちゅーしてたけど、それは血の雨が振りかねない危険行為だとアイカツおじさんは思う。
……トライスターのオーディション、結局どうなるんだろうか。

 

・第34話『HELLO☆スーパーアイドル』
美月チャレンジ最終編と、黒船紹介編だった。
まぁトライスターオーディションはまだまだ続くんですがね!
ホントやりたい放題だなあの女!!

かえでちゃんは本場で揉まれた生粋のエンターティナーであり、強キャラの証であるレアコーデも既に収集済み。
前回あれだけ無茶苦茶だった筋肉番付も、二回りほど大きなスケールでこなします。
そっかー、艦砲射撃かー。メリケンはスケールデカいなぁ……。

器の大きさの表現がどう考えても男塾なのは今更なのでさておくとして、今までエピソードを濃い目に積み重ねたアイカツガールズに横入りしても、劣らないどころクビ一つ抜けてくる、とてもいいキャラ紹介だったと思います。
相手構わずちゅーしてくるのは、ドキドキしていいキャラ付けだと思う。
タップにマジックと、得意分野がかぶっていないのもポイント高い。


一方、修羅王こと美月さんは昔の仲間をノーモーションで切り捨てていた。
いやそういう冷たい行動ではないとわかってはいるのですが、あくまで頂上を見据えて情に一切流されない辺り、まさにトップという風格。
一二三チームは渺茫サバイバルの時の崎山位のことは言っていい。
「(前略)『参加してくれて本当にありがとう』は哀れみだわかってんのかっ 無視って事だよっ オマエ哀れんでんじゃねェっ
(中略)神崎美月はバカ強いよっ 知ってるよ 神崎美月はぬりかべが腰をおろしたようにドーンとアタシの中にいるよっ!!!(後略)」位のことは。
つくづく誰が何と言おうと、崎山→マキは最高に百合だと思います。

仲良し三人組によるサバイバルレースとなったのも、美月さんが求める修羅の連隊には必要なことなんでしょう。
順当に考えるといちごちゃんが抜けるんでしょうが、このアニメアイカツなので、あえて王道を外して魔球でストライクをビシっと取ってくる流れも捨てきれない。
いやー面白いなぁアイカツ

 

・第35話『涙の星』 
トライスターのラスト・オブ・ラスツオーディション。
今まで秘密のヴェールで覆われていた美月ハウスの全貌が公開されたりしつつ、ついに仲良し三人組のガチンコ対決。
仲良し部分は今までたっぷり描写してきたので、親友と書いて強敵と読む部分が、満を持して表に出てきた感じです。

オーディションの中身は、まさかの全国(ヘタすると全世界)公開面接。
いちごちゃんは朋の姿を思い浮かべてプレッシャーを乗り越え、あおいちゃんは落ち着いて的確な答えを返し、蘭ちゃんは孤独なアクターとしての覚悟を見せる。
今まで35話分の蓄積を贅沢に使った、キャラを見せるということの教科書のような面接だった。
アイカツ、マジ強い。


あまりにも巨大なトライスターの引力で、仲良し三人組がバラバラになることに三人娘も俺も怯えつつ、最後の晩餐のようなホットケーキタイム。
ぐりとぐらじゃねーか! というサイズのホットケーキが笑いを誘うと同時に、ジワジワと来るべき展開への期待と不安を煽ってくる。
あれだ、ジェットコースターの登ってる所だな。
穏やかで微笑ましいのに、どこか不安定でドキドキするのだ。

そしてなんてことな無いけど、かけがいもない毎日が終わり、闘いがやってくる。
最初に立ち上がったのが、かつて「仲良く出来るのも今のうちだけだよ」と言っていた蘭ちゃんな辺り、芸が細かい。
仲間たちのエールのシーンも、暑苦しくないがジワリと来る良い演出。

闘い終わり、トライスターに選ばれたのは蘭ちゃん。
最後の最後の大舞台で、今までの負け癖を全てぶち壊しにするような勝ちを掴んだ。
ここで主人公とその親友を迷わず負けさせるアニメ、それがアイカツ
いちごちゃんが言ったように、敗者の思い全部を背負って、蘭ちゃんは最高に笑って去っていった。
勝者であり親友を敗者にしてしまった蘭ちゃんが、一言も謝らないところが最高にいい。

見事としか言いようが無いエピソードだった。
友情と真剣勝負、友だちとライバルという要素全てをしっかり描いてきたからこそ、この直球勝負の話が圧倒的に胸に迫る。
蓄積と開放という、カタルシスの基本原理がシリーズ全体の構成だけではなく、一話の構成自体にも徹底されている辺り、ほんとうに強い。

来週以降蘭ちゃんとの距離が開く展開が続くと思うが、黙って離されたままのいちごちゃんでもあおい姐さんでもないだろう
どんな手段で星の高みまで昇るのか。
考えるだけでワクワクしてくるということは、やはりアイカツは最高だと思う。

 

・第36話『トライスター テイク オフ☆ 』
トライスターとして活動をはじめた蘭ちゃんと、可愛い夏服で自分たちの生活を続けるあおいち。
ガランとした部屋が、立場が変わってしまったことを残酷に見せつけます。
一方蘭ちゃんは、ハードスケジュールをケロッとこなすベテラン二人の間で疲弊していた。
アイドルゴッド美月さんは横に置くとして、かえでちゃんも相当アイドル力高いな……。

ドームレベルのコンサートをサプライズに使うあたり、トライスターの桁が違うのがよく判る。
一切のタメ無しでゾーンに入る一流アスリート二名と、環境の変化で死にそうになってる哀しい熱帯魚蘭ちゃん。
ダンスきっちり遅らせる辺り、前回から作画の気合が続いているなぁ。
そして、文句も言わず深夜までレッスンするジョニーは先生(つうかプロのコリオグラファーか)の鑑。

プレッシャーに押しつぶされそうになりつつ、自分を追い詰めていく蘭ちゃん。
優しいジョニーも、今回は助け舟にはならない。
失敗フラグが克服フラグか、あーハラハラするわマジ。


そして失敗だの成功だの、簡単には答えを出さないアイカツ
新技でも一発で技名を出してくるらいちに爆笑しつつ、納得していない蘭ちゃんに俺も曇る。
友達ではあっても今戦場で戦っておらんいちあおが、蘭ちゃんの状況を把握していないギャップが、今までの仲の良さと上手く対比されて、蘭ちゃんの孤闘を際立たせている。
それでも存在する真心の象徴として、メールと差し入れの使い方もイイ。
お海苔パリパリする蘭ちゃんは、可愛さと寂しさと切なさと心強さがあいまった、いいシーンだった。

そして、アイドル回最強の策士、学園長の打った手とは……あおいちユニットの擁立!
蘭ちゃんがあそこまで追い込まれる場所に、あおいちは立ち向かえるのか。
友人たちがお互いライバルとして戦い続ける展開に、三人はどう対応するのか。
そして相手が三人だけどこっち二人しかいねぇ! 三人目誰なの問題!!!
……マスカレイドが二人だったから、あおいちも二人かなぁ。

蘭ちゃんに光を当て、実力と意気込み、戦うものの孤独なんかをギュッと詰め込んだ、濃厚な回でした。
その上で「こ、こう来るかー!!」という衝撃と納得のあるヒキ。
アイカツ、マジでマジすごい。

 

・第37話『太陽に向かって 』

ソレイユ結成編であり、蘭ちゃん苦闘完結編。
いちあおが仲良く新ユニットの準備に勤しむ中、蘭ちゃんは巧く心を切り替えられない。
お互いの配慮がすれ違い、メールも行ったり来たりだ。

トライスターで動く時、常時「月楓   蘭」くらいの距離感で動いてるのが、まんま心の距離みたいで痛々しい。
実力不足故の遠慮と、サバサバした実力主義の合わせ技だと思うのだが、蘭ちゃんにはもうちょっと擦り寄らないといけんのではないか美月さん。
……美月さんの覇王主義だと、そこで餌与えなきゃいけないなら、隣にいる意味ないか。

結果、蘭ちゃんのサミシイサミシイ病が超悪化し、いちあおとすれ違ったのとも相まって爆発。
しかねない現状を把握し、美月さんが介錯してくれた。
蘭ちゃん、トライスターを首になってソレイユに電撃移籍ッ!!


この美月さんの行動が、蘭ちゃんの限界点を見切っての優しさなのか、何かに心奪われている存在が隣では全力出せないからいらないのか、過去に友を叩き潰してしまったことへの後悔なのか。
まぁどれでもあるんでしょうが、つくづくアイドルっぽくないキャラだな、美月さん。
そこら辺良くも悪くも鈍感なかえでちゃんとは、非常に相性がいいんだと思う。
飯絡みでコミュニケーション取ろうとしたり、いい子なんだけどなぁ。


トライスターの規模から言って、あれは色々面倒なことになってると思うが、まぁアニメだしそこは掘り下げても面白くないポイントだろう。
つーか蘭ちゃんのいちあお依存症が、思いの外重篤だった。
個人的には、いちあおの影から離れたトライスターという場所で輝いた上で、いちあおと一緒に頑張ろう! という展開のほうがしっくり来た気はする。
これだと、蘭ちゃんが折れて逃げたように見えちゃうんでなかろうか……。

そこら辺の評価は、今後のソレイユがどう言う動きをするかで見えてくるかなぁ。
蘭ちゃんにとって(そして視聴者にとっても)いちごやあおいと過ごした日々は、今を捨てても帰りたい場所だということ。
そして、過去から繋がる未来は、ここから描写されると思っておこう。

 

・第38話『ストロベリーパフェ♪ 』
ソレイユ回と思わせてトライスター再結成回と思わせておとめ回と思わせて蘭ユリ回だった。
つまり、いろんな人に出番があったヴァラエティー豊かな回だった。
蘭ちゃん絡みで重い展開が続いていたので、おとめちゃんのぽわぽわプリンな抜きがありがたい。
おとめソングの電波が飛びすぎてて、頭と腹筋が痛いレベル。

あおいち蘭におとめさくら、美月かえでユリカで一人足らなくね? と思ったら、まさかのしおんちゃん抜擢。
まぁ他の候補はパンクすぎるヒカリさんくらいしかいないので、癖のない人選だとは思う。
王道のソレイユ、ライバルのトライスター、オチ担当のぽわぽわというバランスは、結構いい感じだ。
……やっぱぽわぽわは無いわおとめちゃん。

地味ーに、ソレイユでの蘭ちゃんのイキイキした様子と、獲物を探し求める美月さんの描写を多めにすることで、前回までのフォローアップをしていた気がする。
美月さんがクッキリと「失敗人選」呼ばわりしている辺り、胃痛が加速する。
蘭ちゃんがトライスターのユリカ様を語る口調が超他人事で、強いんだか脆いんだかわかんねぇなこの刃と思った。

理事長の狙い通り、三大ユニットが鼎立する状態になったスターライト学園。
やっぱりジョニーは生徒のことを常に気にかけていて、ホント好き。
今後はユニットで話を展開していくのかな?

 

・第39話『それゆけ、ソレイユ!』

3ユニット、活動開始編。
アバンで蘭outユリカinなトライスターの描写がありましたが。コミュニケーションも上手く行ってて、メンバーの相性もよさそうで、ユリカ様は羽ばたける場所を見つけたんだな、と安心。
一大プロジェクトであるトライスターが全面廃止という事態にならず、俺の胃も美月さんの魂も安心。
色々あったけど、落ち着く所に落ち着いたんやな……。

一方ソレイユの三人は、アイドル労働の最高峰、握手会をしていた。
立ちっぱで常時笑顔、短い時間で鋭い切り返しっていうのは、かなりキツいわな。
そんな重労働でも学園長的には足らないらしくて、「お前ら野外ライブやれや、今」とか言った。何だよライオンって……。


メディア宣伝完全禁止、時間なし、一つでも空席あったら中止。
ジョニーもむっちゃ心配するハードモードの中、完全アウェーでのファン獲得活動がはじまります。
アイカツ名物根性で解決も、なんとなく久々な気がする。
走って走って、グイグイ前に出て、どう見ても選挙活動。

そしてママンがご飯を作ってくれて、三人が惚気る惚気る。
むっちゃキテるわー。
自分「ハラ減った時に飯を持ってきてくれる」以上の真心はなかなか無いと考えているので、こういうシーン大好き。

困ったおばあさんを助けたり、ベルトコンベアに乗ったり、警察署を襲撃したり、犬猫や鳥が付いて来たり。
ドサ回り街道まっしぐらであり、最後の動物はどう考えてもアイドルというよりジーザスだが、まぁアイカツだしな!
こういう演出も、トライスター編が始まってからなかなか無くて、久々な安心感があるなー。

一方ぽわぽわぷりりんは、尻振り挨拶を訓練してた。
……やっぱりおとめちゃん、ぶっちぎりキチガイやな。
あとしおんちゃん、どう考えてもそれ洗脳だから。
ケーキ屋に一緒にいたり、ぽわぽわもユニット相性はいいんだな……。


結果には届かなかったが、いちごちゃんのファンを想う熱い気持ちをジョニーが受け取り、客は足らないけどライブ開始。
ほんま、ジョニーはええ先生やで……。
いい加減、唐突ならいちの技解説にも慣れた。

学園長に「ライブを『やらせたい』と」と切り出す、ジョニーの男気にマジ惚れそう。
「ライブを『やりたい』と」だと、いちごちゃんの責任になっちゃうからな。
太陽のごとく輝いて、ライブはダイナマイトに大成功。
ご褒美として六人ユニット「スターアニス」大 結 成 。
…………ぽわプリはッ!?
あとアニスって八角なのに、六人しかいない!!

ソレイユ初エピソードとして、ガッツストーリーというアイカツの基本に戻ったいい話でした。
ジョニーの大人成分や、新トライスターの和やかな空気など、相変わらずサイドメニューの充実加減が尋常じゃねぇなアイカツ
来週はいちごとあおいのエピソードZEROかな。
そのタイトルが「ガール・ミーツ・ガール」ってのは、随分虹色で素晴らしいと思います。

 

・第40話『ガール・ミーツ・ガール』 
スターアニス結成
ソレイユとトライスター、メディアの対応が全く違うし、テンパるあおい姐さんと余裕な美月さんの差が目立つ。
やはり、露骨に格の差があるんだな。
……って、ぽわぷりも参加かよ! 八角なのに九人てどー言うことだよ!
まぁアイカツだしな……。
ってほんわか活動に忙しすぎて、ぽわぷりがスターアニス参加を蹴った!!

それはさておき、スペシャルオーデを乗り切るために、レアコーデが必要に。
相変わらず、なんとなれば新コーデが必要になる基本無料アイドルだな、この世界。
ジョニーのピルエットを見るだに、バレエの素養もあんだな。

そして唐突に過去編。
小坊時代から、あおい姐さんがアイドルキチすぎる……。
グッピーって、高橋由美子っすか?
いちごちゃんもおしゃもじだったし、あんま変わらないまま中学生になったんだな。


何やら絆ポイントを稼ぎつつ、デザイナーが物理的に殻にこもったので、あおい姐さんが急行する流れ。
あおい姐さん、「本当に殻にこもってるなんて……」はこっちの台詞です。
FGのデザイナーは、引きこもり系ニューロか、はたまたモスラか。
まぁアイカツだしな……。

いちあおの過去エピを持ち出し、絆値でデザイナーを説得成功。
サイバー系に装飾された、アメノウズメ的エピソードやな。
どう考えてもディストピア都市の管理AIを説得する演出だったが、まぁアイカツだしな。
深夜まで残って個別レッスンをやり切るジョニー、マジいつ寝てるんだ。

このアニメで新作プレミアムコーデ貰って負けるわけないので、オーデは大勝利。
ぞろぞろと楽屋にスターアニスが集まって、レッツ夏フェス! というところで次回に続く。
楽屋の一人遅れて入ってきて、「おら必要アイテム揃えただろ。とっとと特別イベント始めっぞ」と言わんばかりの美月さんに、王者の風格を見た。