ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
一味違う”戦士”になるッ!
父に見捨てられ命を狙われる悲劇のヒロイン、トリッシュ・ウナ。彼女が心に秘めた”勇気”が、特別な力となり道を切り開く。
I wanna be!
未来に向けて吠える叫びが、見据えるのは殺戮か、救済か。
”スパイス・ガール”、颯爽見参!
そんな感じのトリッシュ大覚醒回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
終盤までトリッシュ&スパイス・ガールの独演会状態なので、千本木さんは喋りっぱなしご苦労様でした。
可憐な被害者、勇敢な戦士、ドSで凶暴なゴロツキ。少女の様々な表情を好演され、非常に良かったです。
『一味違うのね』もズバピタでありました。
さて、トリッシュは後ろ(巻き込まれるだけの過去)に引いて自分を守るか、前に出てジョルノの腕(戦いの未来)を取るか、究極の選択を迫れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
表面的な意識は安全に対比することを望むが、しかしリクライニングシートは倒れる。それはブーツを濡らし、自分を危機に巻き込む危険な決断だ。
シートは偶然倒れたのか、それともトリッシュの秘めた想いが動かしたのか。なかなか判断が難しいところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
ジョジョ的には『意志』が決定的に未来を切り開くッ! と言いたいところだが、五部は特に偶然と運命のダンスが状況を転がしていく部分があるので、アクシデントでも面白いと思う。
どちらにしても、トリッシュは傷ついた人達を蘇生させるジョルノの腕を守るべく、死地に飛び込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
ボスの引きこもり大苦悩シーンを一話にまとめたことで、前に出る娘と後ろに下がる父の対比は、より鮮明になっている。
『なかったこと』にするために全てを賭けるか、隠された真実を暴くか。
リクライニングシートはただの物質であり、同時に少女を血の呪縛から決定的に切り離す『意志』(あるいは偶然、運命)の現れでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
”スパイス・ガール”の覚醒はその発露の結果であって、超常的なパワーが行動を規定するわけではない。ここら辺の因果は、非常にジョジョ的である。
”ノトーリアスB・I・G”も”スパイス・ガール”とは明瞭な対比になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
同じ自律型スタンドながら瞳を開けて逆転の秘策を見つける知恵と、動くものなら何でも食らいつく盲目。
生きて未来を掴むために発現した力と、死ぬことで生まれ死しか撒き散らさない力。
生者と死者。
少女でありながら少女ではないイマジナリーフレンドと、手を携えて窮地を脱していく様子はちょっと児童小説っぽさがあって好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
血みどろのグチャメチャホラーに相応しくチョイエロなのに、妙に真っ直ぐよね。そこが好き
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汗と涙が柔肌を伝う、ウェット&メッシーなサービスはホラーの常道とも言えるが、トリッシュは頭空っぽの犠牲者ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
己の魂から具体化したもうひとりの自分に導かれ、スパイス効いた知恵と勇気、ダイレクトな超暴力で状況を切り開いていく。
”スパイス・ガール”の忠言を聞き入れ、時計の秒針よりもゆっくり動くことで危機を脱したトリッシュは、再び怪物に追いつかれる。やっぱホラーは安心したところでドーン! だよな!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
かつて『助けて!』と助力を乞うたブチャラティは、ゆっくり、安全に状況を処するよう助言してくる。
ここで『だが断る』とばかりにスピーディーに動くことで、トリッシュは年上の助言者、時分を支配する存在に強く叛逆する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
”ノトーリアスB・I・G”の不死身のルール、無敵の殺戮を、海に閉じ込めることで無効化してしまう。そのヒントは、時計に固執させ永遠に殴らせる解決策で示されていた。
戦いに勝利するとは、犠牲を当然と受け入れ正面からぶつかることではない。果たすべき未来を見据え、時に戦場をずらし柔らかくすることで、敵を無力に抑え込んでしまうことも、また勝利だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
血みどろど真ん中を突っ走るギャングスタたちとは、ちょっと違うトリッシュの戦い方。
操縦席を柔らかくして、仲間を守るパラシュートに変える起点にも、そういう闘法を感じることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
仲間の傷を癒やすためには、ジョルノの右手が必要。だから守る。
ココらへんも、殺戮一辺倒の”ノトーリアスB・I・G”と対比になっているところか。一味違うわけだ。
トリッシュはブチャラティに『良き男性』のイメージ(実父に投影し裏切られたもの)を投げかけ、ブチャラティもそれに答えることで『良い人間』(かつて実父に投影し、死んだ今でも彼を縛るもの)を演じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
その相互作用は同時に、『守る男、守られる女』という役割に、二人を固定してしまう。
怪物を前にはわわするしかないフニャチン共に、根性一発勝利をもたらす。”スパイス・ガール”の叛逆は、そんな固定観念も柔らかくぶち壊していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
トリッシュが”一味(ギャング)”に加わった感じがして、この”絵”好き
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『ゆっくり動く』というのは超自我たる”スパイス・ガール”からの提案でもあるわけで、ブチャラティの提言の上を行くことで、トリッシュは自身のスタンド能力(に象徴されている、戦って未来を掴み取る意志)も乗り越えたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
この”伸びしろ”…ヒロイン立ち位置だからこそだなぁ。
トリッシュに投影されていたブチャラティの意志が、二人の関係が転がっていく中でどう変化できたのか。彼を縛り付ける鎖がどんな”柔らかさ”を手に入れ得たのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
原作を読み、未来を知っている僕はそれが、語られざる物語の種子だと知っている。
でもなー、ブチャトリの関係が二人を変えていく様子は色々想像したくなっちゃうよな~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
ファザーコンプレックスを共有する二人が、だからこそ組織の頂点(ゴッドファーザー)に立ち向かう。その過程が、真実の自分を磨き上げ、顕にする。
バトルの中にある精神的な部分を、より鮮明にする物語的装置として、スタンドはとても優れた発明だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
今回展開したトリッシュの戦いは、そういう機能をとてもうまく使ったと思う。未来はもともと自分の中にあるのだが、闘争という特別な状況、そこで試される強い意志によってしか、形にはならない。
娘が身を置く厳しい試練(ディシプリン)を、父は徹底的に否定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
己の正体を探り、真実にたどり着かせないために全ての手を打つ。その後ろ向きの猛ダッシュは、掃除のおばさんに向けられたように”柔らかく”過去をぶっ飛ばすこともあれば、血みどろに腹をぶち抜くこともある。
足取りを消したと喜ぶアバッキオの思惑を、ボスの猜疑は上回る。サルディニア島はそれぞれの思いと過去、意志と未来を詰め込んだ火薬庫となり、命が花と散るだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
そこでチームは、そこにいることを決断した一人ひとりは、何と出会うのか。終盤戦、更に盛り上がる五部アニメ。非常に楽しみです。
追記 悪種から良木が芽生えることだって、世の中にはある。
あ、”スパイス・ガール”のカラーリングが”キング・クリムゾン”とどっか似通ってるのは”血”を感じて好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月5日
ジョースターの血統を軸に進んできた”血”の物語を、別位相に動かしていくテーマが五部にはあんのかなー、って思う。血を受け継ぎ、跳ね除ける子供たちの物語。