Fairy gone フェアリーゴーンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
妖精郷を燃やし尽くし、手に入れた悪魔の力。妖精兵器を駆使して行われた戦争は、繁栄の向こうに霞む。
それでも胸の中にくすぶる戦乱の気配が、”黒の妖精書”にくすぶる。
犯罪結社、元兵士、政府の犬、サバイバー。マトモじゃない連中の、裏通りのダンス。
そんな感じの第三話である。色々設定語り、過去語りを挟みつつ、犯罪結社の薄暗い面々がお宝巡って一騒動、それぞれワケあり過去あり願いあり、という塩梅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
ドーム屋根がオリエンタルで期待が高まったが、町並みはフツーに西欧でちとがっかり。異世界観光したかった…。
先週以来、景色に期待をかけているのは僕がアニメの美術を浴びるのが好き、という個人的趣向もあるけども、世界を生で飲ませて欲しい、という願望の表れでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
妖精というファンタジックな技術が確かに存在する、ここと似てここではない場所。その気配を説明ではなく、描写して欲しい願い。
冒頭、妖精兵と歴史の成り立ちをナレーションで説明した後、ウルフランの過去を説明する描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
前回ラストのスパッとした余韻に感じ入っていただけに、主筋からブレるシーンが二連続するのはちと飲み込めなかった。全体的に、お話に必要な要素をゴツゴツ煮込みきれてない印象を受ける。
固有名詞も専門用語も多い、設定たくさんあるんだろうな、と思わせる話運び。その物量に混迷している間に、キャラが何を考え、何故その行動を選ぶかという物語の核が、うっすらぼやけてしまっている感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
魅力的な異世界に身を浸すためには、まず物語のシンプルな馬力で殴りつけられる体験が大事だ。
しかし例えば、今回の背景になっている犯罪組織が、この世界でどんな立場で、どんな価値観で動いているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
小粋な言い回し、印象的なアクションで殴りつけられ、強制的に理解させられるような体験を、僕はまだしていない。『それがそこにあるのだ』と、説明ではなく描写するような。
この語り先行のトーン、ロジカルに過ぎる節回しは、映像メディアだとちと重すぎる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
設定を言葉で見せるのに汲々としすぎて、『コイツはこういう奴です!』『ここはそういう場所です!』という、言葉を超えた無条件の殴りつけが足らない印象。
そこら辺をぶっ飛ばすのが、異世界の風景であり、妖精という異物であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
相変わらず妖精のデザインはいい塩梅にキモく、ケルト、ブリテン、ルーシ辺りの湿っぽい黒土の匂いがする。胞子が飛び交い、茸が生える水気の多い森の匂いがする。その薄暗さと湿度はとても良い。
妖精は戦争のために駆り立てられ、妖精兵の武器に変えられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
戦争が終わり、妖精兵は『あってはならないもの』として駆り立てられるか、首輪をつけられ政府の道具に落ちた。
スウィーティは前者、フリーは後者である。お軽い『いかにもイイオンナ』が、ドロリと憎悪をむき出しにするシーンは良かった
戦争は終わり、戦後は終わっていない混乱の世界。犯罪結社が力を持つのも納得の背景であるが、だからこそ平和に為りつつある世界で、アウトサイダー集団がどういう扱いを受け、どういう社会的パワーを有しているのか、描写が欲しくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
何故、彼らは犯罪に手を染めるのか。どの程度許容されているか
それを顕にすることで、スウィーティーがスタイリッシュな仮面の奥に隠していた憎悪、兵器に改造され終戦と同時に無用とされた怒りの背景が、ぐっと立ち上がってくるのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
スウィーティーが見せたギャップが魅力的だっただけに、そんな裏打ちに気を配って欲しくなる。
お調子者の卑劣漢に見えて、命を賭して”黒”を盗みきったアクセルにしても、印象の裏切り方はなかなかいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
そのひっくり返しの巧さが、主役・マーリヤにおよびきっていないのも惜しいところだ。もうちょい、ぼやっとした少女以外の顔が見たい。『仕事なら殺す』は結構好きなセリフだけども。
妖精省に戦争代理人。きな臭いパワーが色々うごめているけども、それが主人公の周辺をクルクル回って、どう繋がるのか見えきらないのも気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
まぁそこら辺繋がるのは、クライマックスになるんだろうけども。妖精省、ぜってぇロクでもねぇでしょ…。
そもそも主役が身を寄せるドロテアがどういう立場にあって、どういう哲学で国家組織してるかも、なんとなく推察しなきゃならんわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
そういう骨格をちゃんと見せればこそ、その上に乗っかって(あるいは反発して)動く仮想世界のキャラクターたちにも、重量が出てくると思う。
いろいろ推察は出来るし、作品世界を読みたくなる魅力も多々ある。それだけに、もっと簡勁に力強く『俺たちはこうだ!』と吠える1シーンが欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
三話まででそれがぶつけられていないと、高望みになるかもしれんけど。そういうのは初手で殴るもんだしなぁ…。
なんとなく言いたいことは判るけども、無条件の確信に至らせてくれない。『このアニメはこうだ!』という信頼を預けきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
ここら辺の歯がゆい語り口を考えると、マーリヤの薄ぼんやりしたキャラクターは、作品の色合いを反射した結果なのかもしれない。ある意味素直なキャラ造形、というか。
どうやら話を引っ張るっぽいので、今回気になったポイントが解決されるかもしれません。もっと設定を喋って、焦点を色んな場所に降るかもしれません。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
お話がどうなるかは、ページを捲らないとわからない。『ページを捲ってみよう』と思わせる魅力は、この話のルックには確かにある。
願わくば、それを裏打ちするような泥臭く、人間の重たさを感じさせるシーンがズバッと殴りつけてくれると、もっとこの話を好きになれる気がします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
もうちょいこー、ベタ足でやってくれっと好みだな。そうすっと、軽やかさがなくなるのかもしれんが…悩ましい。次回も楽しみです。