※訂正
ご指摘ありがとうございます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
なるほどー、勘違いしておりました。訂正させていただきます。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/g50V3ys33f pic.twitter.com/tX14eCkgdr
ということで、炭治郎の修行期間は二年のようです。訂正させていただきます。
※本文
鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
半年厳しく己を鍛えてくれた兄弟子は、既に泉下の客であった。
乗り越えられるはずのなかった理不尽を覆し、鱗滝一門の"水"を己のものにした炭治郎。
藤の結界にて、最後の試練が待つ。
武芸と人品を試される、鬼の住む山へ。少年は震えつつ、未来へ踏み込む。
そんな感じの炭治郎修行編終了! バトル漫画本格始動! な感じの第四話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
水エフェクトを駆けまくった戦闘が本当にバリバリで、非常に印象的だった。派手な異能だけでなく、刀や身体の扱いがUFO印の丁寧さで、地道な安定感が揺るがないのが凄い
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日輪刀を納刀する所作の細やかさは、例えば"活撃・刀剣乱舞"のスタイリッシュチャンバラ…と同時に、"衛宮さんちの今日のごはん"の日常に重たさを与えていた、細やかな所作描写に通じるものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
人が美しく日々を生きるということを、どうアニメーションさせていくか。よく考えるスタジオだ。
前回立てた予測に違わず、錆兎と真菰は黄泉の人であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
人の里から遠く離れた深山には、鬼も魑魅も住む。怪物に家族を殺されることもあれば、切れるはずのない大岩を断つ"呼吸"を、己のものにもしてくれる。
竈門家の家業が"炭焼き"…山と街の境界線でしか成立し得ない事実と、不思議な呼応を感じる
鱗滝さんは大岩の前に炭治郎を投げ捨てた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
もうこれ以上、子供が死ぬのを見たくない。鍛えても鍛えても手の鬼に殺され、厄除の面がデスマスクに変わる宿命に、天狗も疲れ果ててしまったのだ。
しかし、炭治郎(と、彼の死せる兄弟たち)は宿命を覆し、師匠が間違っていないことを証明しにかかる。
鱗滝さんは一年の鍛錬を走り抜けた炭治郎を、我が子のように撫でる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
年老いてくたびれた手のひらは、彼が鬼ではない証明だ。
それに導かれて、炭治郎は一年間封じてきた涙…"水"を取り戻す。泣けるなら、少年は鬼でも死人でもない。
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妹の手を取り、決戦に赴く炭治郎の指もまた、ガサガサと荒れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
グロテスクな手の鬼が敵に回る今回、人であるがゆえに醜く荒れ果て、人であるがゆえに誰かと繋がれる"手"が、慎重に描かれていたように思う。
これが荒れなくなった時。血に塗れ、命を奪っても何も感じなくなった時。
人は人とつながる手段を失い、鬼になってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
幼い犠牲者を必要経費と、藤の地獄に放り込む鬼殺隊。鱗滝一門の厳しさと優しさ、人間らしいガサついた手は恐らく例外であると、なんとはなしに判る。
人を捨てなければ、鬼を切れないと固めた覚悟が、どこまで鬼殺隊に食い込んでいるか。
それは入隊試験を乗り越えた先で、炭治郎(と禰豆子?)が出会う物語であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
今まであった男達(と真菰CHANG)はいい人ばかりだったけども、どーも尊厳値削れそうな組織なんだよなぁ…戦ってる相手の凶悪さを思えば、当然ではあるのだが。
炭治郎は鬼を殺す技の冴えに武者震いしつつも、刃を収め悪鬼の成仏を祈る情を、しっかり持った少年だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
罪を憎んで人を憎まず。綺麗事の局地のような正論を、てらいなく実行できる人徳を持っている。それが、今後枷になるか、武器になるか。
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オッサンは非常に心配である。禰豆子ちゃんも殺すべき鬼には違いないし、本隊に行った後も優しい人と出会えると良いね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
保護者目線は鱗滝さんも同じで、馳走を作りお守りを与え、晴れ着を着せて死地に送り出す。
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古来何かを成し遂げた青年を、厳しくも広い世に送り届けるときに家族が、共同体が果たしてきた"ハレ"の儀礼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
鱗滝さんはその伝統をしっかり引き受け、温かい飯を与え、髪を切らせ、自分と同じ"水"の装束を与える。
せめて死を取り除けるようにと、想いを込めて狐面を与える。
それは手の鬼にとっては犠牲者の目印であり、これまで13度、返り討ちにあってきた呪いの印だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
それでも、鱗滝左近次は面を作ることしか出来ない。無事に帰ってきてくれと、祈りを込めて手渡すことしか出来ない。
その無念、その誠実。人間試験二億兆点だよ~…。
錆兎の"顔"を覆い隠していた狐面を、炭治郎が引き受けるということ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
それは手の鬼に無残に殺された二人の無念、鱗滝を縛る呪いを弟弟子が引き受ける、ということでもある。
水の衣と、狐の面。血よりも濃い絆で繋がる一門の象徴をまとって、少年は進む
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狂い咲きの藤は美しくも禍々しく、案内役の童女(見た目通りの年、純真ではなかろう)は鳥居の向こう側…"鬼"の住まう領域に足場を置く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
七日間、地獄で生き延びろ。
鬼を使って鬼滅を選び取る逆しま、幼い命を啜る絶望の山。
不死の肉体を手に入れたが故に、藤の呪に縛られる鬼とどこか似ている矛盾
修行の成果を雑魚鬼で試し切りし、出会ってしまった手の鬼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
そのグロテスクなデザインは、今まで一応ヒューマノイドだった"鬼"の概念を別次元にぶっ飛ばし、凄惨で奇っ怪な震えを引き出してくる。
声も子安だし、マジかっけぇ…超極悪だけど。
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藤に囲まれた孤独の壺に、生まれるはずのない巨大な怪物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
鱗滝への怨み、流れる時代への怨嗟をたっぷり溜め込んだ狂鬼は、炭治郎が師匠から、兄弟子、姉弟子から受け取ったものを蔑する。
厄除けの仮面は、殺しの目印。非道に憤る心は、隙を生む逆鱗。
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フィルターをかけられつつ、手足をバラバラにされ、頭を潰される凄惨な児童殺しを、このアニメはしっかり書く。鬼は、そういう許せないことをするのだ。マジ許せねぇからよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
しかし怒りの炎は、水を揺らす。全集中の呼吸は、あくまで激情を抑え込み、静かな心で一撃を見舞うためにある。
炭治郎は感情を殺さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
恐怖に震えつつ、見ず知らずのライバルを守るために前に出る。
怒りに乱れつつ、死せる兄弟に勇気づけられ、ふたたび立ち上がる。
師匠の教えを踏みにじり、兄弟子たちの命を奪った仇を、冷静に切り伏せる。
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感情を捨てた鬼にならないまま、恐怖や怒りを飲み込んで踏み込むこと。水面の静けさを保ったまま、許せぬ悪を切り伏せ、止めてやること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
鬼がいかにして生まれたかはまだ描写されていないけど、吸血鬼モチーフだと元は人で。
つまり、炭治郎や鱗滝さんが必死に守っているものを、手の鬼は捨てたのだ。
血を啜らねば、人を食わねば生きて行けぬ宿業に取り込まれた、地獄の悪鬼。それを切り伏せ、これ以上の犠牲者、許せぬ命の愚弄、魂の奥底では望まぬ殺戮を止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
水の刃は、明王倶利伽羅剣にも似た慈悲の一刀ともなり得るわけだ。"糸"が見える炭治郎、天性の浄法眼を持っとるな…。
鬼が鬼に落ちた哀しみ、殺戮の歯車になってしまった地獄を、今後作品が掘るか。この座組、匂いだとまぁ描くと思うんだよね…炭治郎は確実に、鬼の裏にいる”人”を見つけてしまう子でもあるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
どれだけ哀れでも、斬らねばならぬ。そんな宿命で思考停止せず、妹が人でいようとする闘いを見据えた過去。
鬼滅側にも、義勇さんや鱗滝さんのように、禰豆子の中の人を信じ、覚悟を決めて後見する”人”がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
鬼の中の人、人の中の鬼。それが複雑にうねり始めるのは、鬼殺隊に正式加入し、物語のフレームが説明された後になるかなぁ…楽しみだ。
今はまず、手の鬼が握りつぶしてきた鱗滝一門の悲劇を、運命の少年たる炭治郎が切り抜けたところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
仮面は壊れて、叩きつけられた炭治郎の命を守った。
刻みつけた技術は、鋼鉄の盾を切り裂いた。
死人から学んだ剣術は、鬼の首と亡霊の無念を切り払った。
何も、間違ってはいなかった。
色んなものを師匠と兄弟子…あるいは最初に鬼と出会った時、炭治郎と禰豆子の中の”人”を信じて未来をつないでくれた義勇さんから受け取った、炭治郎。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
手の鬼の首を跳ねた刃は、ただ命を奪う暴力ではない。継承される思い、尊厳への信頼。そういうものを証明する、鋼の咆哮でもある。
因縁深く極悪な手の鬼を相手取ることで、炭治郎の握った刃が何を切り裂き、何を止めるのか。良く見えるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
異能力の表現も美麗かつ凄惨で、アクションにはスピード感と見応え満載。ヒューマニティを巡る思索と同じくらい、血湧き肉躍る活劇描写を頑張ってくれているのは、非常に良い。
かくして、因縁と悪鬼を切り裂いた炭治郎。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 1, 2019
これで試練が終わるのか、まだまだ七日は長いのか。
鬼が秘めているもの、鬼滅が隠しているものが顔を出してくるのか。
新しい出会い、動き出す運命の先に何が待つか。
様々に期待が膨らむ、鬼滅の刃であります。んーむ、面白い。