スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
熱いメヒコの風を、街に届ける明るい家族。
笑顔とダンスと音楽が絶えない家族から、はみ出した小さな自意識。育ちだした社交性と気恥ずかしさが、”普通”という呪いを内面化していく。
俺たち、”異物”なのかな。
ロリポップを咥えても、その想いは苦い。
つーわけで、各キャラ個別エピソード第2ターン、えれなパイセンは家族のお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
スペイン語は使われてる範囲が広いので、『ルーツどこかな~』とは思っていたがなるほどメキシコ。
パパンは明るく情熱的で社交的、みんなに楽しくなってほしいサービス気質の人だった。
今回は子沢山天宮家の、発達に合わせたグラデーションの見せ方が面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
まだ幼い弟妹は、メヒコの風を取り込んだ”家”の異質性には気づいていない。比べるものがないから、それが”普通”なのだと当然思い込む。
実年齢より大人なえれなは、社会との差異を認識しつつ家の中の異国を愛する。
その中間点に位置するとうまは、友達(が所属する”ノーマル”な日本社会)からの、無邪気で残酷な一撃に戸惑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
”普通”
何気なく投げつけられるその概念は、確かに存在する少数派、異質存在には、時に暴力にも変わりうる。
”普通”とは一般的であることとも、多数派であることとも、似通いつつ違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
透明な空気を肌感覚で共有し、そこからはみ出さない圧力があたかも存在しないかのように振る舞い生まれる”和”
非常に古い、それであるがゆえに透明で狂暴な概念に、強く結びついた言葉だと思う。
人種的にミックスであり、家庭内文化もオープンで『日本っぽくない』天宮家。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
えれながかつて思い悩み、『それでも、私はここが好きだ』と開き直った問題は、社会と向き合う自意識が育ちだしたとうまには苦い。
なにか言いたくて、でも言えば大好きな人を傷つける。だから、ロリポップで口をふさぐ。
それはニチアサフィルターを駆けられた煙草(思春期的反抗の象徴)であり、怪物に落ちた後は全てをぶち壊す暴力にも変化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
出口を見つけられず、ついに爆発する”普通”にまつわる迷妄。淘汰圧への恐怖、同化への欲望、家庭内文化を社会に認めてもらいたい欲求。全てが入り混じり、青春の爆薬となる
理由なき反抗に飛び出したとうまを、ララが追いかける。ころんだララを見捨てられず、手を差し伸べることでとうま(を育てた天宮家)の人格の良さを見せる運びは、非常にスマートかつ優しくて素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
ワガママ言う役なので値段下がりがちなんだけど、こういう株上げシーンしっかり入れるよね
メキシコよりも遠い場所から来たララにとって、地球全てが異国であり、一つ一つの家庭が異星だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
ひかるから譲ってもらったおにぎり、星を語るプラネタリウム、踏み込んだ学校。
全てがヘンテコで、面白かった。異質であることは、楽しいことだった。
これまでの話数で経験値を積んだ”お姉さん”として、メキシコ(を引き継いだ天宮家)に通じるサーマン星の文化を共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
謎の触手ダンスはとってもトンチキで、チャーミングで、断絶を認識しつつ異質を寿ぎ、迷える幼子の手を取ろうとするララの善性が良く光っていた。ええ子やほんま…。
地球生活も長くなって、色々取り繕う智慧、取り繕ってでも社会に馴染もうとする意欲がララに育ってきているのは、見ていて楽しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
優しい嘘でむき出しの事実を覆うことで、事情を知らないとうまに真意を伝えやすくする。”大人”な気配りが、自然とできるようになってるわけだ。
最終的には”家”を共有するえれなの言葉で、とうまは社会と”家”を比較し、”普通”の圧力を自分だけの愛で跳ね返すことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
しかしその足場は、優しい異星人の歩み寄り、明るく楽しい家庭を異質ながら気づいてきた天宮家が、事前に整えていたものだ。
”パーティー”は外部の客をもてなし、楽しさを共有する宴だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
天宮家は異質な家庭内文化(であり、故地に繋がる異国文化)を、娘の新しい友達に繋げ、共有しようとしている。
その明け透けな態度は、たとえ”普通じゃない”と無邪気に(故に残酷に)試されるものでも、凄く良いものだと思う。
異国語を一つ一つ解説したり、通訳者の仕事をまどかが説明したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
細かいところで、メイン視聴者にとっても異物たる天宮家の異質性にブリッジをかけ、楽しく明るいものだと受け止めてもらえる工夫もされていた。
ひかるがなんの偏見もなく、差し出された善意に全力で答えようとするところも良い。
他にも冒頭『ロケットに集合!』の放課後秘密基地感とか、テンジョウさんのバンクとか、細かく心地よい描写がたくさんあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
アイワーンは巨大な怪物、カッパードは自分が使う武器、テンジョウは部下。
それぞれのキャラ性に合わせて、抜き取ったイマジネーションをどう”武器”にするかが違うのは良い
しかしえれなは持ち前の成熟を今回も崩さず、悩むのは弟の仕事となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
このままパーフェクトなキャラにして進めるのもいいけど、個人的にはどっかで切り崩すか、完璧であるが故の疵みたいなものを見たくもなる。
物語における欠落は、成長のためのスペース。魅力的な欠陥をえれなにも…とは思う。
ただえれながブレない”いい子””完璧な先輩”でいることで、作品全体の安定度が上がってんのは事実なんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
これを手放さず、役割や描写を固定せずってのはなかなか難しいと思うけど、彼女もまだまだ児童。未完成であるが故の彼女だけの問題と可能性、いつか見たいね。
というわけで、2つのルーツを持つエレナの家庭に踏み込み、そこに浴びせられる”普通”の圧力と反発を描くエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
非常に難しいネタを、巧妙に地雷を迂回しつつ答えから逃げることもせず扱う、よく仕上がったお話だったと思います。えれなをミックスとして設定したなら、踏み込むべきよね。
次回は怪盗惑星に飛び出して、宇宙冒険とまどか回を同時に書いていく感じ…なのかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月5日
まどかを縛る”家”の圧力から、一旦離れて月を照らすのも面白いと思います。プルンスくんの限界宇宙ドルヲタっぷりも見れそうだし、来週も楽しみですね。