Fairy gone フェアリーゴーンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
燃え上がる教堂、渦を巻く因縁。既に終わった戦争が、”黒の妖精書”を巡る闘争の中でくすぶる。
その激突が、新たな因縁を生み、あるいは命を奪う。燃え盛る火花は、一体何を照らすのか。
灰かぶり姫は過去を取り戻し、あるいは未来と指切りできるか。
そんな感じのVS掃除屋後半戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
回想の挟み方が相変わらずゴツゴツしてて、公式に年表を出して時系列を、相関表でキャラの因縁を、それぞれ整理して欲しい気持ちになる。
情報や情動の魅せ方が深夜アニメっつーか、小説(新文芸)よりなのがゴツゴツ感の理由かなぁ…映像ボーッと見てても、頭に残らん…
さておき、今回はステンドグラスをぶち破って颯爽登場したヴェロニカさんが、マーリヤちゃんのハートをビンビンに震わせる回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
何かと昔の女に手を引っ張ってもらった過去を思い出し、そのクセ『昔の私じゃない…』と呟きボーボー燃やす辺り、相当に面倒くさい女である。
ヴェロニカは故郷を焼いて英雄になったレイ・ドーンを、仇と付け狙っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
それは故郷に受け入れられ、その手を取っていたからこそ生まれる感情だ。
自分と強く癒着した地縁、地誌が燃え尽きた後には、空虚しかなかった。だから、復讐で満たす。彼女のテロルは、共同体主義の歪んだ双子だ。
マーリヤは家族にも故郷にも、忌み子としていい思い出がない。手を繋いでいたのは共同体ではなく、あくまでヴェロニカ個人だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
そして、彼女は死んでいない。だから、復讐のためにテロリストになる必要もない。もう一度会って、あの黄金の時間を取り戻す。
呑気と言えば呑気、切実と言えば切実なな祈り
しかし大っぴらに名前が呼べない組織に所属し、妖精兵にまつわるどす黒いクスブリに身を寄せたマーリヤは、夢見る少女ではいられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
抜けざまに腹を切り裂き、そこに妖精をブチ込んで内破させる。ヴェロニカのエグい妖精使いと、マーリヤのまっすぐ火炎放射は、覚悟の違い、見てる世界を反映する。
自分は変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
そう言い聞かせつつ、マーリヤは”芸術家”のエグい死に様、それを与えたテロリストに目を見開く。何も出来ないお姫様気質は、実はそこまで変わってないのだ。
だから、自分の空疎を見つめ、そこに復讐を詰めることにしたヴェロニカは手を振りほどく。大事なのは、個人の思い出じゃない
そのすれ違いは、ヴェロニカにとってマーリヤが全てではない事実を冷たく突きつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
燃え果てた故郷の仇を取るべく、ヴェロニカは覚悟を決めた。殺した相手の返り血を浴びて、人相手の猟師、あるいは獲物になる覚悟。人でなしの妖精使いとして、既存社会に挑戦する覚悟。
そういうモノが、今のマーリヤにはない。終わってなおくすぶる、あまりに巨大な戦争の重力から、彼女はおそらく唯一自由だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
その特権が、因縁を崩す鍵になるか、背景世界の重さに対し軽すぎる違和感のまま終わるか。今後の展開が気になるところだ。
変態芸術家はなかなかいいキャラで、『なんかバックボーンあって狂ったんだろうけど、お前の仕事はアクションの盛り上げ。あと無残な死』という戦闘ゲスト感も含め、かなり好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
初戦は影の住人、教堂の闇から引きずり出されたら死ぬしかないところに、軽い哀しみを覚えた。
ということは、光の側に足場を置いてるヴェロニカは、単純な殺人鬼ではない、ということでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
イブランツ公とウルフランもそうだが、”戦後”に巧く組み込まれなかった敗残者をどう掘り下げるかが、今後重要になりそう。
戦火の燃えさしをどう処理するかが、話の軸なんかね?
そういう意味では、楽しい打ち上げシーンは見た目のハッピーさを堪能すると同時に、社会に適合できた戦勝者を地べたに近い側から書くシーンでもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
勝ち、誉れを手に入れ、毎日バーの片隅で旨い酒が飲める立場の老人たち。戦功によって国を手に入れ、栄達の先端に堂々立つ者たち。
彼らの対極に、故国を燃やされたヴェロニカ、犯罪結社に身を寄せた元妖精兵がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
美味そうな料理と、集団への帰属。マーリヤが手に入れた多幸感は、それを手に入れられない存在の影を色濃くする。そしてその陰影に、マーリヤはあまり自覚的ではない。
彼らの同僚も同じ明暗の中にいるが、『色々あった』で流して、それをどう思っているかはあんまり掘られない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
フリーもウルフラン以外には、過去を巧く乗りこなしてる体で対処するんで、”戦後”を巡る個人的感情、抱え込んだ価値観が巧く浮かび上がってこない感じはある。
マーリヤが身を寄せたドロテアが、結構悪くない共同体だと見せるのに、酒場のシーンは結構良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
可能ならばその一歩先、ドロテアを覆う矛盾だとか、組織が追う”戦後”をどう感じているかまで、しっかり彫り込んでくれればなお良かったが…まぁ高望みか。人数と設定多いからなぁ、このアニメ…。
とまれ、ヴェロニカとマーリヤの共通点、そして差異点はいい具合に浮き彫りになったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
ヴェロニカが見据える虚無と喪失、テロリストになるしかなかった切実さを、失われた共同体と手を結んでいなかった子供は共有していない。
思っているほど、二人は繋がっていない。そこを今後、どう埋めるか。
あるいは埋めさせないまま、ズタズタに敵対させていくか。どっちにしても、マーリヤの呑気さをどっかで切り崩したほうが、面白く回りそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
掃除屋の生き残った方、パトリシアをどう使うかも気になるね。フリートの二刀VS二刀アクションは、血生臭くてなかなか良かった。
作品世界や大まかなフレーム、雰囲気やルックには惹かれるものを持ちつつ、週刊アニメという媒体にあった語り口、スマートな演出を掴みきれてるとは、正直言い難いこのアニメ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
なんとはなしの歯がゆさと、それでも拒みきれない不思議な魅力を睨みつつ、そろそろ折返しである。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
×そろそろ折返しである。
と書きましたが、DVDのセルスケジュールを見るだに2クール作品っぽいですね。1/4返しですか。
ドロテア事件簿を追いつつ、お姫様の成長を掘り下げていくのか。くすぶる”戦後”を背景に、複雑に絡まる人間模様を紐解いていくのか。はたまたその両方か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月6日
次回のエピソード次第で、作品を把握する軸足が整いそうでもあり。まだ不鮮明でもあり。とまれ、来週も楽しみですね。