からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
サンタンジェロの激闘をくぐり抜けた先に待っていたのは、また地獄だった。
新たな肉体に魂を移したフェイスレスは、自分を愛してくれない世界の殲滅を宣言する。残されたかすかな希望。燃え盛るエゴと情愛。
人は己の魂を焦げ付かせながら、終末を待っていた。
そんな感じの勝ちゃんは見ちゃダメ! 人間のドブな部分満載、最終決戦直前回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
怨み、嫉み、理不尽な悪意。この渦の中に勝ちゃんがいると、泣きながら正論ぶつけてややこしいことになりそうなので、コロンビーヌちゃんを見送りに行ったのは正しかったなぁ…。
んで今回は最終決戦前、エレオノールが延々罵声と食器を投げつけられまくるお話。ハウス名作劇場のしんどいシーン集みたいになってて、ちょっと懐かしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
クソ童貞の八つ当たりで、すっかりこの世は地獄。その焦げ付きを誰かに押し付けて楽になりたがるのも判る。判る、が空気は最悪である。
『人形が人間ぶって気持ち悪いぜ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
記憶をなくした鳴海の事場は、エレオノールにも、はや二人となった”最古の四人”にも突き刺さる。
過去の悪行は、一回死んで心を入れ替えればリセットされるのか。新しい生き方に進むものを、どうすれば恨まずにすむのか。
戦闘中にやると色々ダルそうな部分を、事前にゴダゴダ煮込むエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
その主体として選ばれたミンシア姐さんの株が、取引寸前まで下がるのは酷いことだ。誰かが言わんといかん台詞なんだが、確実にドロ被るというね…悩ましい。
過去に縛り付けられたまま、罪も直接の関連もないエレオノールに全てをおっかぶせ、身勝手に天に君臨する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
今回描かれる地上の愚者達を極限まで煮込むと、新生なったフェイスレスになる。暗黒の太陽はアイツ一人のものではなく、あらゆる人の心にあるのだ。
その引力に飲まれそうになった姐さんは、ギィの導きを借りてエレオノールの行いを見て、怨みを浄化していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
ここで過去を振りちぎり、己を改めることが出来ることが救いであり、希望でもある。
素直が一番。んなこたぁみんな知ってるが、なかなかそうは生きられない。難しい。
しかし不可能ではないことを、今回のエピソードは描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
生き方を改めるのは自分の中だけで完結せず、それを他者に受け入れてもらって初めて完遂しうる。姐さん自身も、どす黒い衝動に飲まれず世界と他者を素直に見ることで、己の生き方を変えた(元に戻した)わけだ。
ここら辺は鳴海の先取りでもあって、記憶を失い地獄を見て”悪魔(ディーマン)”になった彼は、取り戻すべき素直な生き方から距離を置いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
しろがねの聖性を引っ張り出したのは彼なのに、しろがねになった鳴海は憎悪に凝り固まり、優しさを忘れている。それを、どう取り戻すのか。
これが最終決戦のデカいテーマであり、クソ童貞のコチコチ心理と同じく、難しい攻略対象でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
古川登志夫の声がつくと、ほんっっっとヤツの言い分最悪で、『一人で勝手に死ね!』って感じ。寂しがり屋が煮込まれた結果、こうなっちゃってんだからしょうがないけど。
『過去を乗り越える』というテーマでは、阿紫花とヴィルマ、二人の元殺し屋が一瞬の夢を見るシーンも印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
悪業は乗り越えうるのか。運命は変えられるのか。
このメインテーマを背負うのは主役だけでなく、脇役も同じ…というか、脇役にこそ色濃く輝いている。ジョージやコロンビーヌみたくね
ジュビロ作品は倫理の取り立てがマジ厳しくて、どんだけ改悛してても人殺したら、救済の代価は大概そいつの命である。これは作家のルールなので、早々変わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
拭えぬ過去を、他人の血で描いてしまっている元・殺し屋達。血と肉で作り上げられた、糸を切り離した自動人形。
彼らの運命がどこに流れ着き、どんな景色を見て終わっていくかもまた、一つの見所だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
色々粗もあるからくりアニメだが、サブキャラの散り様は全体的にとても良く仕上げてくれている。その炸裂に導く前段階として、一瞬の夢を印象づけておく。エグい技法である。
それと同時に、あの一瞬の交錯が男と女にとって幸福であり、救済でもあったことは事実で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
それが途上で終わってしまうとしても、手に入れた温もりは嘘じゃない。生き方を変えたことが、無意味であったわけでもない。
運命と倫理の峻厳さに向き合いつつ、曖昧なヒトの幸福もしっかり書く。
ここら辺の整然と雑多の同居が、作品に生々しい奥行き、深い味わいを与えているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
いろんな過去があり、いろんな今がある。既に決定的な一線を越えているものもあれば、その手前で迷っているものもある。鳴海はエレオノールに、罵声は投げても手は上げないのよねぇ…。
そしてけして引き返せぬ一線を、全力で突っ走るドブゲロ人間もいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
いや、フェイスレスくんキッツいすわ。鳴海やエレオノールではなく、過ぎ去ったはずの兄やフランシーヌを永遠に追いかけてる所が。
過去に縛り付けられ、一歩も動かない。生身はあるけど、精神性は完全に怨霊なんだよなぁ…。
その停滞に巻き込まれてぶっ殺されたんじゃ、たまったもんじゃねぇぜ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
生きとし生けるものの叫びを積んで、列車が走る。シャトルを背負って。あのダイレクトな絵面はオモシロすぎて、マジジュビロって感じ。最高。
中町サーカスとのユーラシア横断、非戦闘員の根性を戦士がどう背負うかって見所もアリ
空から見下すクソ童貞魔王に、人類の尊厳をロケットでぶっ刺す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月12日
最後の旅路が始まる前に、ヒトのドス汚れた部分、かすかな輝きを確認するエピソードでした。
泥中の蓮のように、そこに確かに希望はある。だがそれを掴む道のりは、数多の犠牲を求めるだろう。最終決戦、何が見れるか。楽しみですね。