Fairy gone フェアリーゴーンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
一つの事件が終わり、一つの事件が始まる。未然に塞がれた人工妖精暴走事件もまた、終わらない戦後を呼び覚ますための種火。
元七騎士・リスカーの襲撃が、妖精武器護送の車列を襲う。人型の戦争が贄の血を受けて吠えるとき、"戦後"が燃え、狼煙が上がる。
そんな感じの新たな展開、フェアリーゴーン第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
全体的に地味めだった人工妖精編に比べ、重低音のイカスBGMが鳴り響き、奇っ怪な妖精は大暴れ、焦げ付いた戦後はボーボー燃え上がり人がバッタバッタ死ぬ、派手目の展開となった。
んーむ…キャラデザ地味な分、アクション派手な方が良いな!
まぁオズさんは結構好きなキャラなので、死んじゃって残念ではあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
ドロテアのなんとなくいい雰囲気、戦争の残滓からいい具合に距離を取れてる"戦後"感は結構好きで、オズさんの寡黙な笑顔はその象徴みたいな所が、自分の中であった。最後まで体を張った生き様も、強く印象に残る。
今回は前回までの布石を活かし、別の局面が始まるお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
今までニヤニヤ顔だったハイブランツ公が謀略の前面に立って、かつての戦友を引き込んで状況を転がす形に。
こうして伏線が生きだすと、長かったタメの意味も出てきて、ゆったり目なテンポが長所に変わってくる…かな?
まぁ相変わらずウルフランは思わせぶりにかっこつけてるし、そこがフリーのグラウンドゼロなんだから、主役はホントの意味では動かないわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
過去の階層と現在の傷、マーリヤ周辺の温度がグツグツ煮えてきたのはいい感じかな?
ロバートが人情派の落としで決着をツケていた人工妖精暴走事件は、ハイブランツ公が妖精武器を手に入れるための布石でしかなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
地べたを這いずる庶民と、謀略の糸を引く超人の間で、全く見えてる図面が違うのは結構好きな所だ。ロバート、諜報より刑事のほうが向いてたんじゃないかな…。
さておき、ハイブランツ公は入念に状況を仕組み、布石を生かしていく。自分の目で七騎士・ネイン局長が盤面に乗らないのを確認して、ウルフラン経由でリスカーに伝えたり。衝突を前に、ギュッギュッと安全ベルトを締めたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
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公は妙に身体感覚がある悪党で嫌いになりきれないが、彼が手弁当で用意した謀略の結果、バッタバッタ人は死んだ。言い訳がましく釣った手が、野望のドス黒さを強調もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
七騎士として戦中の激闘、戦後の謀略戦をくぐり抜けた男にとって、居並ぶ死体は必要経費か。
終わらない戦争を求めて、己自身を戦争に変えたかのような超人・リスカー。嵐のような暴れっぷりはむしろ清々しかったが、軛がつかない獣がどんだけヤベーかもよく教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
七騎士レベルは生身の戦闘力が高すぎる…妖精もデカくてつええしな。迫力のある、良い敵役だと思う。
彼は統一帝国のルールには乗っからず、ゴルバーン首相の謀略戦にも組み込まれない。栄達に背中を向け、少数精鋭の戦争兵器を引き連れて、終わらない戦争を代理する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
戦闘狂以外の側面が見えないのはむしろ、ある種の英雄性に繋がってて面白いと思う。
政治だ名誉だ、まどろっこしい。俺は闘い続け、死を量産し、それに飲まれて死ぬだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
濃厚なタナトスに支えられた、烈火の戦意。戦争にも戦後にも決着をツケられないフリーは、小石として鎧袖一触、蹴り飛ばされる。擬人化された"戦争"を前に、開き直りが全く足らない。
それはマーリヤもおんなじで、回想シーンを挟むことでその沸きら中佐が筋金入りだということも解ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
鹿を撃ち殺し、命の重さにビビるシーンはキャラの根っこが見えて、とても良かった。それだけに、やっぱもうちょい早く見せるべきだったんじゃないかな…全然遅くはないけども。
口下手な義父が、故郷を薙ぎ払ったレイ・ドーンの兄だとか、話の根っこに関わりそうな設定を公式サイトに封じ込めて展開しているところは、まぁこのアニメらしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
いやぜってぇ大事だろその繋がり…ヴェロニカの仇と、マーリヤを血で繋ぎうる絆じゃん…。
そこら辺掘るのは今後だと思うが、人を撃てないマーリヤは同じスナイパー(でありながら、ナイフでの近接もやれる)ソフィーに、あっという間に詰められる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
一切瞬きをさせないことで、非人間的な殺戮兵器の風合いをソフィーに抱かせる演出は好き。
ドロテアに身を寄せて、初めての死者。しかしそれはマーリヤの人生にいつも付きまとう、災厄の犠牲もである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
なんとなく心地よかった政府直属特務機関での日々は、当然生ぬるいものじゃない。その残酷な側面が、人の形をした"戦争"で暴き立てられた形か。
フリーにしろマーリヤにしろ、戦争や災厄に向き合えていない弱さが露呈するエピソードだったと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
しかし開き直って、嵐や機械のような矛盾のない存在になることもまた、幸福とは言えない。強いだけなら、九十丘の敵の死体に自分の死体を重ねて、百の死体を作ってハイおしまい、だ。
それが嫌だから、フリーは七騎士の栄誉を受け取らず、妖精武器を継承しただけにとどめているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
だが、フリーの中でもそれを取り巻く世界でも、戦争は終わっていない。新しい火種が野望と共にくすぶり、それを"妖精"という超越的な力が加速させていく。
マーリヤもまた、自分を縛り付ける宿命にしっかり向き合えていない。殺す/殺さないの選択を強いられる極限状態に、ただ押し流されるだけの自分。そのツケとして、オズさんは死んだのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
その犠牲を、マーリヤはどう受け止めるのか。W主人公の去来が問われる展開となった。
オズさんが死んだことで、ようやくマーリヤは12年前のヴェロニカに並べた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
戦争は繋がりを断ち切り、命を奪う。スーナが焼かれても疼かなかった痛み、哀しみ、虚無感が、無力を思い知らされたマーリヤを襲う。
ヴェルとウルフランは、復讐鬼に落ちた。では主役たちは?
人の命を焚き付けに、野望と戦乱をボーボー燃やすハイブランツ公の今後も気になるし、なかなかいい速度のエピソード開始となりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月3日
物語の力学としては、奪われることはリベンジの前提条件。煮え切らない主役たちに、今回の犠牲でどう勢いをつけるか。来週も楽しみです。