Fairy gone フェアリーゴーンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
仕組まれた謀略が静かに踊る中、少女は己の宿命を前に震え上がる。
かつて故郷を焼き、家族を奪った災いは、新たな仲間を食い尽くす。第二の故郷、かつて身を寄せた義祖父との再開は、揺れる魂に何を与えるのか。内乱直前の、小さな休符回。
そんな感じの、マーリヤ姫の御心整え回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
オズさん死んじゃって心メタメタなドロテアだが、仕事の歯車は簡単には止まらない。政府直属の暴力機構、死ぬのも勘定のうち…とは言え、メンバーは結構善良で魂も擦れっ枯らしではない。なんつーか、”瑞々しい”よねドロテアメンバー。
これはウルフランやヴェロニカ、ビーヴィーといった、”戦後”に囚われた妖精兵の対比されているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
過去に囚われ、”人間らしさ”を失ってしまったもの。
現在に適合し、涙し悔いる”人間らしさ”を維持しているもの。
とは言え、人ではいられないほど苛烈な世界でなお人でいるのは、異常でもある
ドロテアは戦争を忘れて、過去を切り捨てて人間っ面をしているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
終わってない戦争の矛盾を噛み締めて飲み込みつつ、前向きに”戦後”に赴こうとしているのか。
同じように見えて、この差異は決定的にデカいと思う。それを顕にするのは姫力満載のマーリヤではなく、任務でザリザリしてきた歴戦の仕事
…なんだが、やっぱりあと半歩踏み込みが足りず、キャラクターの信念や行動原理がダイレクトに刺さってこない特色のおかげで、『こう!』と確言は出来ない感じでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
そこをハッキリさせるために、父親代理のジングルが乗り出してきて、フリーとドロテアの覚悟を問うたのだと思うけども。
優しくしなれてないクラーラの不器用な優しさとか、おちゃらけた仮面の外し方を忘れてなかなかいい言葉が紡げないセルジュとか、キャラの体温が宿った対応は結構良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
こういう細かい仕草がいいだけに、真芯がぶれているように感じる瞬間が結構あるのが、個人的には惜しい作品だ。
フリーは酔えない酒を流し込んで、自分と戦後、ウルフランとの関係を思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
堂々妖精武器を手に、七騎士の名を継いで”戦後”に適応する生き方を、フリーは選ばなかった。未だ戦争は彼の胸の中でくすぶり、半端な立場に彼を追い込んでいる。アルコールじゃ、その燻りは燃えきらない。
結局はウルフランと、男男超暴力でぶつかり合うしか、フリーの戦争は爆発しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
のだが、同時にマーリヤのことも大事には思っていて、そこら辺のゴニャゴニャをハッキリさせるのが今回のお話…でもある。マーリヤ軸と思わせて、存外フリー軸だよね。
ジングル親父の問い詰めとフリーの応答は、露骨にプロポーズ的な空気が覆い焼きされていて、なんか上品で穏やかな感じだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
ドロテア周辺に漂う、特権的な人間性。通じ合い、分かり合い、諦めるべきを諦められる正しさみたいのが、今回はなかなか濃い。
それはドロテアを取り巻く(置き去りにする)謀略の流れとは、なかなか混じり合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
ドロテアがどんだけアットホームな職場だろうが、人工妖精は暴走し、謀略は加速し、戦争は燃え広がっていく。ある程度努力はしているのだろうが、視聴者視点だと結構蟷螂の斧だ。
その水と油な感じを狙ってやっているのか、結果として浮き上がっちゃってるのか。相変わらず、判別が難しいアニメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
とまれ、ハイブランツ公は手に入れたフラタリヌを手に、型稽古に余念がない。新しいおもちゃを貰った子供みたいな無邪気さが、極悪人を憎みきらせない。そういうところは好き。
斥候もぶっ潰し、ビーヴィーと手を組んだハイブランツ公の乱逆はいい塩梅に燃え広がる。ドロテア、完全に後手である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
レイ・ドーンの手紙に何が書かれているか、政治的爆薬であるそれをドロテアがどう活かすかが、再発火した”戦後”にドロテアがどうコミットしうるか、一つの証明になろう。
今回はその前段階、フリーを代表にしてドロテアがどういう組織かを、堂々宣誓するエピソードだったのかもしれない。今何話だっけ?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
正直違法技術取締やるには、アットホームにすぎる感じもあるけど…ネイン局長の人柄なんかな?
オズさんの遺骸が妖精省に回収され、その約款をマーリヤが覚えてない下りは、彼女ののんきさをうまく示していて好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
超越技術で生み出された魔法サイボーグだからこそ、その身体は個人の尊厳を超えて、組織や国家に所有される。そんな悲しさから、生粋の妖精憑きであるマーリヤは自由でもある
ヴェロニカの復讐心と同じように、一般妖精兵の機械化された哀しみにも、マーリヤは混じり会えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
それでもドロテアの仲間は手を差し伸べ、家族とは違う形で繋がろうとする。そこでベタついた疑似家族推してくるのではなく、同僚としての繋がりをちゃんと強調したのは良かった。
内乱の予兆は回収されたけども、同じように蒔いてた”黒”はハイブランツ動乱では拾われないだろうし、妖精省はとにかく胡散臭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
ロステクである妖精兵技術の発祥を探ることで、人体実験や謀略込で技術進化を狙っているのかなぁ。2クール目は、妖精の起源と未来が焦点になってくのかしら。
それはそれとして、今の眼目は国境線を侵すキモい車と、内乱の予感である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
こんな野心家ばっかなら、そら首相閣下も走狗をボーボー燃やすわなぁ、と思った。ハイブランツ公は、何が欲しくておもちゃをかき集めたのやら。月並みではないネタバラシを楽しみにしたい。
マーリヤの災厄コンプレックスは、今回フリーとドロテアに受け入れられたことで落ち着いたのか。煮え切らないフリーの心は、マーリヤを鏡に覚悟を見せたことで安定したのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
そこら辺は、今後戦争と政治を局員が泳いでいく中で見えてくるのだろう。いやー、統一ゼスキアの妖精行政、大失敗だな!
民間犯罪組織に危険すぎる軍事技術はダバダバ流れてるし、首輪のついてないウォーモンガーが強すぎるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
取り繕った”戦後”がひび割れ、押し込んだ矛盾が火を噴く国境線。大きなうねりの中で、主役たちはどこに位置を占めるか。来週も楽しみですね。