鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
矢印鬼と手鞠鬼、人治す鬼と喰らう鬼。様々な鬼種が命を取り合う夜が、白白と明けていく。少年決死の一刀に、あるいは致命の甘い香りに滅ぼされていく鬼のため、炭治郎は刃を置いて一時祈る。
己が見据えた人の道を、妹の手を取って踏破していくために。出会った人よ、今はさらば。
そんな感じのVS十二鬼月(偽)、始末の夜明けである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
前回想定してたとおり、朱紗丸と矢琶羽は敵幹部ではなく、そう思い込まされていただけ。まぁここで強さの天井が見えちゃうと、後々転がしにくそうだし。
無惨の猜疑心、無慈悲っぷりが際立って、いい配役であった。https://t.co/ugveIDSoem
矢琶羽最後の呪いは、炭治郎の命をちぎらんと思い切り振り回す。炭治郎は信じた技を無心に打ち込み、その威力を減じていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
殺す鬼の技と、守る人の業のせめぎあい。殺してもなお油断ができないこと含め、いかにも鬼滅的な攻防だと思う。鱗滝さんが教えたのは”殺されてやらない”技術なのだなぁ…。
それを発揮できず死んでいった13の魂と違って、炭治郎は手の鬼を斬り、自分の命を守った。殺されないことで、繰り返す宿命を断ち切った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
自分の命を守る(鬼の好きにはさせない)防衛戦が挟まるのは、このアニメが戦いに何を見ているか、よく判る追補だと思う。
足と肋骨を砕かれてなお、炭治郎は獣のように刃を加え、戦場に赴こうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
それは鬼の首を取る…殺す執念というよりは、守る意志の表れで。戦える自分が前に進まなければ、誰かが死んでしまうことへの切迫が、少年を突き動かしている。
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それは勇ましく、頼もしく、そして痛ましい有様だと思う。こんな修羅のようにならなくても、幸せになれる道が炭治郎にはあった。妹も鬼にならず、母の庇護のもと生きることも出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
だが運命は…鬼舞辻無惨は犠牲を選んだ。その結果、少年は犬のように這い、殺しの刃を咥えて進む。
結局妹と珠世が頑張った結果、咥えた刃を使う羽目にはならずにすむ。童子のように鞠つきを願う朱紗丸を前に、炭治郎は刃を横に収め、鬼の末路に思いを馳せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
ここで鬼の消えゆく血、死の間際にしか蘇らない人間性に目を向けてしまうのが炭治郎である
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殺して奪うことしか許されない、哀れな元人間。炭治郎の目には、自分を害した獣もそう映る。そしてそれは、多分真実だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
刃の宿命に投げ込まれて、戦士たちが忘れてしまっても。あるいは呪いに蝕まれた鬼自身が、かつて人であったことを忘れても。
炭治郎は見据え、思い出す。祈り、思いを馳せる。
そういう魂の色合いこそが主人公の特殊性なのは、ただ能力を玩弄しているだけの物語とは一味違って、非常に面白いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
バトル主人公っていうより、仏僧伝の主役の資質だよなこれ…鬼滅の刃の闘いは、敵に哀れを、己に厳しさを持ち続け、人間であり続ける闘いなのだろう。
禰豆子ちゃんも無言のうち、己の闘いを加速させる。子供の遊びにも似た蹴り合いだが、一手間違えれば足がもがれるのは先週描写したとおり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
そして禰豆子は蹴り方を学び、より強く蹴り返すことが出来る。変化し、成長することが(まだ)出来る。
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これも他の鬼にはない唯一性であるように思う。悩み、選ぶことを止めて生き方を固定してしまえば、鬼は真実怪物になってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
珠世も愈史郎も、人の世には馴染めぬ宿命を抱えつつ、それでも人であろうと苦悩する。その脆さと曖昧さこそが、鬼が人であるための可塑性に繋がるのかもしれない。
音が重たく尋常では無いので、鞠の蹴り合いが子供の遊びじゃないと判るのは面白い。そこで生まれた隙を縫って、珠代の幻術が炸裂する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
言ってしまえばそこで終わり、子供には安らかな眠りを、鬼には裏切りと死を。エグい戦法である。
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ゆらりと立ち上る死の香気は、無惨の猜疑を呼び覚まし、朱紗丸を内部から引き裂く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
珠世の見立通り、無惨は小心者の小物なのだろう。しかしその器の小ささに収まりきらぬ、凶悪極まる力を持っている。
そう一発で判る、残酷な処刑であった。ゴアの使い方が上手い。目ん玉とかね。
死と残酷が臭う夜桜と三日月が開けて、静かに朝日が上がってくる。闘いの夜は終わったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
刃を杖に変えて立ち上がり、愛する人を法要できる時間。生き延び、鬼ではなく人であるがゆえの幸福。
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それは実の兄だけでなく、幻影の向こうの鬼も許し、救う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
ここで鱗滝さんの暗示に確かにあったヤダ味に向き合って、ちゃんとアク抜きをするのは偉いなぁと思った。禰豆子の曖昧な意識は、確かに家族の幻影を見ている。だが、それが完全に支配するわけではない。
鬼か、人か。物質的な在り方ではなく、魂のあり方をちゃんと見て守るべきか決める自由を、禰豆子はまだ有している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
それは戦闘で成長できる可能性と同じくらい…多分もっと大事なものだ。それを受け取ったから、鬼の目にも涙、珠世も救われる
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愛する珠世の涙を見取って、愈史郎も人であった時代、最後の思い出を牢獄の奥に思い出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
大事にしてくれた思い出は、深く心に突き刺さる。それを失わなければ、鬼血をうけてもまだ人でいられる。
珠世の”美”を至上とする愈史郎にとって『綺麗だよ』は最大限の感謝だったと思う。
炭治郎の曇りのない笑顔がなんとも心地いい。まだまだ道は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
運命を預けるのではなく、手をつないでともに進んでいく決断を果たして、奇縁で繋がった鬼と人は別れていく。
たとえ背中合わせになっても、お互い預けたものは活き続ける。そういうものを交換する出会いであった。
愈史郎の百面相が重たい話の空気穴になって、なんとも言えない可笑しみと哀しさをうまく出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
笑っちゃいけない重たい話なんだが、しかし笑っちゃう。その矛盾…に思えるものが、じつは世界の実相なのだとしみじみ感じ入る。笑いの使い方が上品かつ切実で、独自のセンスと優しさだ。
別れがあれば出会いがあり、休む間もなく任務に赴く炭治郎の前に、金髪の号泣人間が現れる。オイオイ、お姉ちゃんドン引きだよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
富士に囲まれた地獄の中で、生き延びた同期。どんな少年なのか…まぁ面白い曲者なのは間違いなかろう。
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あの顔見せから五話、メインキャラクター投入としては結構なゆっくりペースである。元々どっしり腰を落とした話運びなので、遅い感じはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
色々と感性に引っかかる部分が多い作品なので、ゆっくり味わえてありがたいまであるな、このスローペース。https://t.co/JGsCjIlEk7
とまれ、同期の道連れが出来ると炭治郎の滅鬼行もまた、色を変えてくるだろう。まーたうるさそうな輩だしなぁ…下野さんはベスト配役だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
この少年の地金がどんなものか。日輪刀を握る以上、闘いは容赦なくそれを暴く。新たな闘いで何が見れるか、来週も楽しみです。
しかし無惨の体細胞が鬼殺しの特権をもってるのも、主役のシャドウとして良い対比よな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月10日
鬼の不滅を殺す、宿敵の細胞。鬼の魂を救いうる、主役の慈悲。
日輪刀の致命力と、無惨の鬼殺しはどっかで繋がってんのかなぁ…花札っぽいピアスの秘密と合わせて、今後掘るところかな?