KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
かくして、輪廻の輪が閉じる。
プリズムの煌めきを世界に与え、維持するべくプログラムされた使者たち。使命と愛の狭間で苦しんだ因果が、今また再演される。
RINNNEタイプM型、如月ルヰ。かつて魔王を殺した天使は、泡沫の夢に踊る。爆ぜるものと知りつつ
というわけで行くぜ新世紀! 凄い勢いでファンタジーレベルが爆上がりするが付いてこいよオメーら!! という塩梅の最終章開幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
プリズム最終決戦でスケールと抽象度が上がるのはいつものことだが、これまでの『ジャンプにかけたそれぞれの青春、それぞれの決意』との温度差がやっぱスゲェ。
しかしシンルヰの根っこには『プリズム界が作り出した人造プログラム』『愛憎の果てにお互いを刺した因果』『超越的な力に踊らされる人間性』ががっちり食い込んでいるわけで、彼らの青春を真面目にやるためには、スケール上げてエヴァゴッコする必要があるのだ。プリズム委員会、まーじでゼーレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
過去二作で蒔いておいたプリズム時空関係の伏線を総ざらいしつつ、シンルヰDOKI☆DOKI☆デートをやり、プリズム上位存在のクソい内情を匂わせ、人間としての如月ルヰと仁の絡みを作りと、まぁ今回もネタが多い。一個ずつ見ていこう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
ルヰくんは絵に描いたような”謎の美少年”であり、その過去は意味深にほのめかされつつ、描写はされてこなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
今回はそこら辺全部出てくる話である。プリズムの使者としての彼だけではなく、”如月ルヰ”として仁に出会い、シンに出会った経緯も表になっていく話だ。
シュワルツでルヰに出会った時、仁は過去の自分をそこに見る。ジュネ様が聖の母親を模した様に、プリズムの使者は人の願いを反射する。だがそこにあったのは、ただのナルシシズムだけか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
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自分の非才、ライバルへの嫉妬。どす黒い感情に汚れる前の仁は、王子の衣装にふさわしい輝きをまとっているように思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
前回アレクのジャンプに、黒川冷に感じた躍動、その衝動を素直に受け止められていた時代への憧憬を見せたように。
自分が無垢でいられた時代を、仁はスタァに投影したように思う
それはプリズムの使者でなくとも、憧れを投射される全ての存在が発生させる反射だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
なりたい自分、取り戻したい自己を、遠くの誰かの影に見る。そんな視線を発生させうるものが、スタァと呼ばれる存在なのだとしたら。
その憧れはどこから来て、どこへ行くのか。ルヰくんの物語は、そこら辺を追う。
今回のサブタイトルは『I was programed to love you』である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
プログラム存在であるプリズムの使者たちは、超越的に見えて上部構造に支配され、簡単に書き換えられる。
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日本語サブタイのあまりのエヴァっぷりには思わず吹いてしまったが、ルヰのシンへの思い、ジャンプの才能は『そういうふうに作り上げられているから』出来上がったプログラムなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
過去にりんねとしてシャインを愛したから、シャインの転生であるシンを愛しているのか。
これは個人的にとても気になっていたところで、今回明瞭に答えを出してくれて嬉しかった部分だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
答えはNOである。最初は宿命というプログラムが導いた出会いであっても、ルヰくんは”一条シン”を愛している。ジャンプという表現を愛している。だから、使命に関係ないこともする。プログラムから外れる
シンくんへの個人的な繋がりだけでなく、不特定多数を魅せるジャンプも『そういう事になっているから』ではなく、自分なりの思いを込めて飛んでいる事が解って、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
ジュネ様やりんねちゃんがそうであったように、プログラムされた使者たちは人の世で人と触れ合う中で、何かを学ぶ。
それで狂って大変なことになったり、授けられた翼をぶっ壊して世界のバランスが崩れたりもするのだが、想いは止められないし、変化は拒絶できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
プリズムの輝きを外界に降ろし、管理するプログラム。そのエージェントたる使者たちは、存外人間が好きなのだ。
溢れるプリズムパワーで全てを押し流し、全ての憧れを自分に集める(人間が自由にジャンプする可能性を奪う)シャインも、人間を学んでもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
M型(Male、つまり男性であろう)は自分勝手で、真実の愛を知らない。F型(Female、つまり女性であろう)は気まぐれで危うい。
臆断に満ちた勝手な言い草だが、それを世界の真実にしてしまえるパワーがプリズムの使者にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
そういう力を専横しないように色々セーフティーがかかってる…はずなんだが、使者プログラムマジ想定外の挙動しかしない。一回根本的に組織改革したほうが良いんじゃないスカね、プリズム界!
人間の領域を超えた、プリズムの使者の圧倒的な表現力。それをぶん回す危うさはRLで天羽ジュネが背負ったドラマである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
彼女は聖への愛ゆえに狂ったが、シャインは特定個人への愛というよりは、高慢によってジャンプを支配し、終わらるように見える。ルヰ=りんねだけ見てる、って感じでもないのよね
シャインの独善がどこから生まれ、どこに飛んでいくかは来週、シンちゃんのエピソードで判るとして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
かつてりんねだったルヰくんは、シャインの暴走によって開発が中止されたM型に矯正改造され、元F型のM型りんね”如月ルヰ”として、現世に降り立つことになった。
そらー仕草もフェミニンになるわなぁ、という話で、いわばファンタジックに作られたトランスジェンダー・サイボーグみたいな存在なわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
芸、あるいは形として”女”を演じるユキ様とも、可愛くあることが女性的であること、自分らしくあることと接近してるレオとも、ちょっと違う”女性的な男”である
泥縄でプログラム改修を繰り返し、愛というバグに散々悩まされるプリズム運営。ルヰの捻れは、その犠牲とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
しかしルヰくんが『男(ルヰ)の形にシェイプされた女性(りんね)』であること自体は、ネガティブには描かれていない。それは可愛くて自然で、楽しくデートできる輝く日常なのだ。
『例の傘』『例のメリーゴーランド』『例のハローウィーン』『例の噴水』と、プリズムヤクザにはお馴染みなシーンが再現されるテーマパークで、少年と少年は幸福を踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
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当たり前の日常の中で手に入れた輝きを、ジャンプとして表現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
ルヰくんが今回選び取ったステージは、人間としての一条シン、人間としての如月ルヰを凄く大事にした表現で、彼が過去や宿命…”プログラム”に過剰に縛られていないことを上手く示していた。
しかしそれは、シャインによって絶たれる。
翼を奪われ地に落ちたルヰを、シャインは抱きしめない。抱きとめるのはもう飛べなくなったはずの仁であり、これはRLで冷がりんねに、聖がジュネにやったキャッチと同じだ。
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ルヰと出会うこと、アレクのステージを見ることで仁は、無垢な王子だった過去を取り戻しつつあるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
ルヰのジャンプは(たとえその視線がシンちゃんに向けられているとしても)仁の翼を蘇らせて、『誰かを守るために飛ぶ』というかつての憧れを、不死鳥のように飛び立たせた。
それは誰かの足を引っ張り、ジャマをすることでしか玉座に立てなかった過去を超越することであり、一足早く愛のために飛び、両手で抱きしめ着地した”三強”に並ぶことでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
逆に言えば、シャインは仁の領域まで飛べていない。愛はワリとどうでもいいのだ。そしてそれはこの作品では、明確な弱さだ
そういう倫理的な優越が、必ずしも表現や魅力に直結しないのもプリズム式である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
シャインは強い。インチキ世界で圧倒的なパワーを手に入れ、それを自分の願いのためにぶん回すことにためらいがない。愛がプログラムされていない。
キンプリで誰かの涙を止めるために飛んだシンちゃんが、そういう存在に”上書き”されてしまうとしたら哀しいことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
楽しかったデート、輝く日常を織り込んだルヰくんのデートは、体温がありとても良かった。人が人である喜びに満ちていた。
次回見られるだろうシャインのジャンプは、多分冷たい。
ルヰくんがシンちゃんと(そして仁と、もしかしたらジョージと)出会ったことで見つけた、人間一人一人の喜び。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
日常を包む当たり前の幸福を、シャインは当然知らない。一条シンが大事にしてきたものを、顧みることはないだろう。
そんなただ強いだけのジャンプは、しかし強いから正しい。
シャインが背負う変則の競技至上主義を、誰がどう崩すかは気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
主役として、シンちゃんがひっくり返すのが一番スマートではあるけども、仲間が愛で切り崩す形もあり得るか。
一条シンという少年が、汗水たらして手に入れた尊厳を殺さない展開になってほしいものだ。
大量の英字で使者プログラムの歴史とかも公開されてたけども、いやービビったね…コスモさんもKコーチもあいらもみあも使者だったんかい!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
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(追記:下記ツイートの考察は読み間違いによる的はずれなものです。各主人公に関わる言及は、作品世界を横断する『ソナタ型』の収集したデータと思われます。お恥ずかしい限りですが、消さずに残しておきます。)
アリア型はAD,DMFに干渉するプログラムで、その最終形が氷室マリア(聖の母親、仁の義母、ジュネの原型)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
RL世界にリセットされて、新しく作られたのがF型りんね、M型シャイン。雌雄一対だったはずのシステムは、シャインが暴走して封印凍結。以降、りんね型は自壊を繰り返す。
あろうことかジュネは羽もいで使者から人間になろうとするので、バグの温床である記憶をリセットして投下されたのがRLの”りんね”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
ジュネが代替わりしないことで生まれてた歪みをなるちゃんが是正して、りんねちゃんは記憶リセットして別世界(プリパラ?)に飛んでった。
一方封印されていたはずのシャインがシンちゃんとして復活しつつあるので、その抹殺を使命としてM型りんね(記憶あり)として投入されたのがルヰくん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
しかしルヰくんもシンちゃんとジャンプ、人間としての生き方を愛してしまって、使命を果たせなくなっちゃった。結果シャインが覚醒、と。
キンプリどころかプリリズ時空全てを貫く設定が開示されてビックリであるが、やっぱプリリズ運営ガッタガタだな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
アリア型は人格のあるプログラムというより、”主人公補正”をプリズム界が与えている感じなのだろうか。コスモさんの初出はリズとパラを繋ぐゲーム版なので、足場がコッチにあるのは納得
まぁココらへんは裏設定として、大事なのはルヰくんの人間性とシャインの傲慢だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
一条シンを守ろうとして、シャインを二度殺せないルヰくんの甘さ。それはやっぱり愛おしい。そういう優しさが仁に届いて、過去を飛び越える(かもしれない)ジャンプに踏み切らせた。とても大事で、意味あることだ。
ジャンプが胸に届いて、新しい未来に踏み込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
思えばキンプリは、シンちゃんがオバレと、ジャンプと出会うことから始まった。シンちゃんの背中に乗って、僕らが”男子プリズムショー”と出会うことから始まったはずだ。
ときめきと憧れに出会ってしまう物語として、このアニメは始まっている。
『. プリズムジャンプは心の飛躍、プリズムショーは心のきらめき』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
かつて掲げられ、今再び語られた作品の根源。それを言葉にしたのは間違いなくシャインなのに、彼はその原点を忘れている。
心の飛躍が飛び立つ空は、それぞれ別の色をしていて、だからこそ意味がある。離れていても、繋がれる。
そういう個別の尊厳を、全て押し流せるパワーがシャインにはありそうです。でもそれって、まぁ肯定してはいけない傲慢で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
彼自身が”ヒビキワタル”という一人間として見つけたはずの輝きを、シャインが忘れているってのも寂しい話ですが、誰がシャインを超え、受け止め癒やすのかなぁ。
レオが後方彼女ッ面でシンちゃんに干渉してきたり、可愛いシーンもたくさんありましたが。ジャンプの背後にあるデカい宿命が顔を見せる激動のエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
©T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ / キングオブプリズムSSS製作委員会 pic.twitter.com/hzGfGxHB6i
凄い勢いでサードインパクトに突っ込んでいきそうなスケールを、どう力に変えて魅せるか。シャインの危うさを誰がどう、ジャンプで否定(あるいは肯定)するか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月17日
その前に魔王が存分に荒れ狂いそうな次週、その先の最終回。とても楽しみですね。