ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
入れ替わりとスタンド暴走。"チャリオッツ・レクイエム"の能力を攻略するべく、ブチャラティの指揮のもとチームは落ち着きを取り戻す。
勝利を呼び込む弾丸に、溢れ出す未来の希望。だがそれこそが、悪魔の奸計。
さようなら、ナランチャ・ギルガ。
というわけで、ナランチャ死す、である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
フーゴとの別れも、アバッキオの死も辛かったが、ナランチャボーイがいっとう好きな自分としてはやはり、この別れが一番キツい。
"盛る"ことでアニメ独自の強みを出してきた五部にふさわしく、『あっけなすぎる』死にはオリジナルの演出がたっぷりと盛られた。
遠い空の下で、別れてもなお繋がっているフーゴとの繋がり、アバッキオとの思い出もよく刺さったが、とにかくこのスチルが強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
啓示的に差し込む光ではなく、不穏と予感を込めて輝く淡い闇。その下で美麗に立ちすくむ孤影。
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ここまでナランチャが歩いてきた道、この後待ち受ける運命をすべて練り込んだような見事な描画で、とても綺麗だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
少年は一人で立つ。出会いと希望に胸を膨らませつつも、次の瞬間、悪魔は残酷にその生命を突き刺す。だがだからといって、彼がここまでたどり着けたことは無意味ではない。
無意味ならば、こんなに綺麗な場所までたどり着けていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
そういう言外のメッセージが、まるでジョルノが友の遺骸を守った花束のように輝くシーンであったと思う。
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ジョルノは今歩く生き様…"ギャングスタ"に決定的に出会った瞬間も、傷ついたものをこれ以上傷つけないために、植物で覆っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
力は、命と尊厳を守るためにある。
影に潜み、不意打ちであっけなく仲間を殺していくディアボロの残酷と、ジョルノのスタンド能力は見事に対比される。
アバッキオが死んだ後も黄色の花が咲き乱れていたし、"ゴールド・エクスペリエンス"は弔花をよく送る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
どす黒い悪の牙が、未来への希望を道半ばに食い殺したとしても。未来に進もうと決めた意志には意味がある。なければいけないし、敬われなければいけない。
ジョルノらしい弔いだと思う。
先週まで入れ替わりギャグでたっぷり笑ってたのに、勝利を確信して学校とマルガリータという新しい生き方を夢見たのに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
人はあっけなく死んでいく。原作のドライな無残も好きだけど、『ありがとう…ナランチャ…』と言わんばかりに演出てんこ盛りにしたTV版の見せ方も好きだよ…判る…。
ブチャの体に入ったドッピオを撃って、やった! 勝った! というムードが生まれる。凄い勢いで死亡フラグを立て、キング・クリムゾンが時を吹き飛ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
何か、致命的なものがズレてしまった感覚。終わってしまった違和感。
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弾丸が急に増える場面の唐突さ。今まで命と希望の象徴だったテントウムシのブローチが血に塗れる描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
ブチャラティの指示は届かず、ミスタは過剰に"4"にこだわって動けず、ジョルノは仲間の混乱に押し流され前に進めない。
喜劇は終わり、悲劇が始まる。その接合点での不穏と混乱が丁寧に積み重なる
全員『何かがヤバい!』とは感じていて、でもその"何か"を確かめるのが怖くもあり。今までの幸福が本当にあっけなく蹂躙されてしまった事実を、受け入れたくないからこその混乱のようにも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
それくらい、ナランチャ・ギルガは大事な存在であったのだ。チームの戦力だけでなく、共に戦う同志として
傷を癒やすことは出来ても、魂を取り戻すことは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
同じヒーラー系スタンドだった"クレイジー・ダイヤモンド"が、祖父に対して行い、そして奪われたのと同じように、ジョルノは自分の体を癒やし、友を掴み損なう
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ジョルノとナランチャの口が全く同じリズムで動く描写は、口パクがあるアニメならではの説得力があり、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
かつて繋がり、自分の体を預けていたものが、今は空っぽになってしまっている。その空洞を行ったり来たりできてしまうほどに、致命的に損なわれてしまっている。
その事実を確認した仲間たちは、涙にくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
身体が入れ替わっても、トリッシュの涙はトリッシュの、ミスタの号泣はミスタの、ブチャラティの悔恨はブチャラティの魂を反映して"らしく"見えるのが素晴らしい。
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立ち向かうべき運命の重たさに、道を違えたフーゴもまた、遠い空の下で旅立つ魂を見上げる。その空は、抜けるような青空ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
死ぬ直前のナランチャが身を置いた、人の迷いと希望に満ちた灰色を、それでも共有している
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既にアバッキオが旅立った空へ、燕が上がっていく。灰色の空は重たく、姿なき悪魔の影を反射している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
それでも、輝きは天を照らし、魂になったものたちの旅路を曇らせはしない。せめて、その道に安らぎを祈りつつも、生き延びたものたちの戦いは続く。続いていくしかないのだ。
感傷と悲哀をたっぷり詰め込んで、ナランチャの死を嘆く。彼が手に入れた繋がりを思い、離れたものとの絆を焼き付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
クライマックスに向け尺がない中、たっぷりの原作改変である。だが、総せざるを得ないほどにナランチャ・ギルガの生き様は輝いていて、その夢が手折られたのは哀しい。
そういう情念がたっぷりと焼き付いた、良い離別であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
不意打ちの瞬間を見せないことで、過程をふっとばす"キング・クリムゾン"の強力さ、無慈悲さをしっかり体感させる演出にもなっていた。
これだけ問答無用のパワーを持ちつつ、ボスは未だ闇に潜み、不意打ちで安心を買う。
最終決戦はレクイエムの能力と、ボスの居場所という二枚のミステリが重要な戦いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
ディアボロの体に入ったブチャラティの魂から、チームはリーダーの身体にディアボロの霊が入っている、と推測する。だがそこにいるのはドッピオ…ディアボロの二重の影でしかない。
神の視座に立つ僕らは、ドッピオとディアボロのからくりを知っている。だから入れ替えトリックへの解答が過ちであり、そこで気を抜いてしまったナランチャを待つ悲劇も、ある程度予想がつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
分かっていても止めれない。知らぬ彼らを、愚かだと罵ることも出来ない。なかなかうまいサスペンスねこの辺
ではディアボロはどこにいるのか、という話になるが、これは次回以降暴かれる伏せ札である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
隠れて、しかし最後は自分の手で始末をつける。レクイエムの暴走に巻き込まれたときも、ディアボロは自分のスタイルを曲げない。あくまで地べたの下から、陰湿に不意を打つのだ。
もう一つのミステリである、レクイエムの謎…って言いたいところなんだけども、あいつの能力すげーカオスな上に、どんどん色々後出しされるから知ってても混乱するんだよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
ピストルズの錯乱とか、マジ唐突でビビるもんな。その人智を超えた後出しっぷりが、"矢"の凄みを出してもいるんだが。
これに対抗するチーム側ももう"凄み"で押し切るしかねぇ感じで、亀は気合い入れて矢を咥え、能力の暴走でカオスを押し込みに行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
五部ポルは三部ポルの陽気な部分がなくなって、亀になっても真面目一辺倒の根性人間なところが、頼もしいと同時に少し寂しい。昔の君なら…冗談の一つくらい言ったさ…
今回は漫画的("コミカルな"ではなく)な表現が多くて、五部アニメらしいケレンが強く唸るエピソードでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
コマ割りな目のアップ、溢れる擬音。
ナランチャの死に涙はするが、それはそれとして障害はノータイムで銃撃
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ショックは当然あるはずだし、号泣もしてんだけども、『それはそれ』と割り切れてしまう殺し屋の魂がよく見えて、良い演出だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
銃を構える時一切"タメ"がなくて、パンでも食べるくらいスルッと抜いて撃って手錠で固めるところが、ミスタのキラーっぷりをよく表して好き。
あと癒やしの能力であるGEだけじゃなくて、"ソフトアンドウェット"も"スティッキー・フィンガーズ"も、"守る"力として発現してる所も面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
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柔らかくする能力は敵を倒すためではなく、ピストルズの暴走がミスタの命を奪わないセーフティとして機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
ジッパーは手の届かない場所に捉えられたナランチャの尊厳と命を、仲間の手元に戻すために使われる。
殺すのではなく動けなくした、ドッピオへの弾丸も同じ…かなぁ? ミスタは難しいぜ…
ブチャチームが守り、癒やし、無慈悲な死に少しでも尊厳を取り戻そうと奮闘する姿と、一切姿を見せず死という結果だけを押し付けるボス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
最終決戦で問われるものが何か、間接的にメッセージを出す構成とも言え、なかなか面白い。やっぱスタンドバトルは、倫理と世界観のぶつけ合いになるのだなあ…。
"ムーディー・ブルース"と"エアロスミス"。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
ボスが怯えを乗り越えて直接手を下したスタンドは、皆"見る"スタンドだった。その主はかつて警官として正義を探し、将来学生として未来を掴むはずだった。
そういうものが、不意打ちによって奪われていく。悲しく辛いが、引く訳にはいかない。
そういう決意は多分、ジョルノとアバッキオが出会い、無辜の市民が麻薬に汚されていると知った時…”ギャングスタ”へのあこがれを再生させたときから、ずっと脈を打っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
それに魅せられて、ナランチャは共に戦い、海を泳いだ。傷ついた少女の痛みを、自分のものだと叫びながら。
そんな少年が、未来を閉ざされてしまった。泣いて良い、吠えても良い。だが、戦いは続く。死せる者の進むはずだった道を、その手に掴むためにも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
さようなら、ナランチャ・ギルガ。君が死んでしまったことは、本当に悲しい。学校に行って故郷のマルガリータをたっぷり食べれたら、どれだけ良いだろう
でも、そうはならなかった。悪魔の長い腕は、君を灰色の空の下に突き刺してしまった。戦いは続く。悪魔を卑劣な隠れ家から引っ剥がし、その無敵の鎧を剥ぐまで終わりはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
さようなら、ナランチャ・ギルガ。元々好きだったけど、アニメでコミカルに、格好良く動くキミは本当にチャーミングだった
もうキミの笑顔も勇姿も見れないけども、キミと共に歩いた仲間たちの物語はもう少し続く。燕が高く舞い上がる場所で、それを見守ってあげていて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月22日
戦いは続く。レクイエムは誰のために鳴り響いているのか。混沌は深まり、概念と"凄み"が更に押し寄せてくる。来週も楽しみです。