鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
どんでん館に迷い込んだ、三人の少年剣士、三匹の鬼。
お互いの喉笛を狙い合う決死の鬼ごっこに、巻き込まれた無辜の子供たち。
怯えて意識を手放すもの。己の限界を諦めるものただ暴走するもの。痛みを噛み締めて立ち上がるもの。
様々な業を込めて、鼓がもう一つ、鳴る。
そんな感じの鼓屋敷の冒険中編ッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
グルグル回る屋敷を良いアニメーションで魅せつつ、三剣士三様の生き方がゴロゴロと転がっていく。
”北斗の拳”のモヒカンのように、主役が持つ暴力強度を測定するべく出てきてナマスにされる鬼さんは、来世で成仏してください…大事な仕事よね。
お話は少年たち(と鼓の鬼・響凱)のことがよく判る仕上がりで、やっぱニンを書いている時面白いアニメだな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
いや、伊之助くんはよく判んない…ていうか話通じないけども。『コイツは他人をあんま気にしない子ですよ、少なくとも現状は』と見せるために、女の子踏みつけにさせるのはグッド
弟妹認定したものを雑に扱われるとキレる炭治郎に剛力出させておいて、パワーにしか興味ない伊之助くんと因縁作るところとか、我流・獣の呼吸の滅法な強さとか、ワイルドな面白さがグツグツ煮立ってて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
今の話通じねぇっぷりも、今後の交流を思えば楽しみである。
前回『コイツ大丈夫…?』と思った善逸くんが良いところ見せたように、このアニメは意図的に凹ませたところにパワーを貯めて、ドガンと打ち出してくるのが得意なお話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
なので、伊之助くんの獣人っぷりも今後煮込まれて、いい仲間になっていくのだろう。コミュニティ形成を、ジワジワ楽しみたい。
善逸くんは相変わらずのどヘタレが天元突破しとったけども、ヘロヘロになりつつ『弱いものを守りたい』という気持ちはブレなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
なまじ”音”が聞こえるだけに、弱者の真意から逃げれないところとか良いヒロイズムだったな。炭治郎が”鼻”で嗅ぎ取るものを、彼は”耳”で受け取って逃げないわけだ。
そんな彼の心の弱さが限界に達した時、意識が飛んで無想剣が飛ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
雷の呼吸、壱ノ型”霹靂一閃”
居合の圧倒的な速度と踏み込みの速さ、斬られた頭が時間差で落ちるほどの斬撃の鋭さは、UFO謹製勝負作画で見事に彩られていた。マージかっこいい。
彼が彼自身の強さと活躍を覚えていないことが、『俺はダメな奴だ、死ぬ!』と怯える理由(の一端)を担っているのは可哀想だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
誰かが彼の剣閃を覚えてあげて、『お前は強いよ』と言ってあげると、だんだん夢想の強さが目を開けた善逸くんに追いつきてくる気がする。
それは炭治郎の仕事…なのかなぁ?
やっぱクソヘロヘロしつつ、這いつくばってでもガキを守ろうとよだれ鼻水涙まみれになるボーイは憎めない。つうか立派だったよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
普段の超どヘタレっぷりと、眠り居合の鋭さを綺麗に演じ分ける下野紘は流石である。キメ声がしっかりイケてるからこそ、生まれる落差だよなぁ…ベストな配役。
善逸くんがヘロるなか、炭治郎は非常にしっかりしたコミュニケーションと知恵を見せていた。流石の主役。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
彼が幼子と目線を合わせ、落ち着いた口調で状況に対処し安心させる姿を見るたびに、『弟妹の世話で身につけた能力なんだな…”兄”だな長男…』と過去に思いを馳せちまう。
同時に『そういう幸福な家庭を滅茶苦茶にして、ただのいい兄貴を宿命の戦士に変えちまった鬼共…ぜってぇ許せねぇよな…』とメラメラするので、いい作りだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
善良な子供が戦士にならざるを得ない不自然から目を背けず、ふとした仕草に人間性を織り込んでくるのは、とってもグッド。
論外な伊之助、頑張ってるけどヘロヘロな善逸と同時進行させることで、怯える子供にしっかり向き合い、傷を癒やし勇気を与え知恵を付ける能力の高さが際立った感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
他の連中、マージマトモなコミュニケーション取れない。不利な精神的特徴でCP稼ぎすぎるのNGだってGM言ったでしょ!!
目線を合わせ、噛んで含めるように道理を伝えて、二人きりでも生き残れる手段を教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
炭治郎の剣は自分の中で閉じこもらず、誰かを守るべく外に出ていく陽性の剣だ。主役がそういう気質なことが、陰惨な物語に風穴を開けている気もする。
炭治郎は戦士としても優秀で、回転の法則を観察により見抜き、勝ち筋を詰めていた。異常な状況に思考停止せず、そのルールを見抜いて勝ちを取ろうとする知性こそが、炭治郎のパワーなのかもしれん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
ココらへんは真っ直ぐ勝負しか出来ない伊之助や禰豆子と、面白い対比になってるポイントだね。
もう一つ炭治郎にはパワーがあって、とにかく根性がある。否定し得ない痛みを仲間に否定してもらう流れかな、と思ったら、長男力を出して自力で鼓舞してきたときにゃ『コイツ…凄い男だ…』と感心してしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
ハードボイルドはやせ我慢。炭治郎はいつでも痛いが、それを乗り越えていくのだ。
『長男だから耐えられた』は鬼滅らしいセリフだなぁ、と思う。戦いの中の唐突のユーモアって意味でも、半ば強制的な規範が力に変わる大正のロジックを肯定しているところとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
鱗滝さんや義勇さんもそうだけど、『べき』っていう言葉が強制のヤダ味より、弱さのギブスとして使われてる感じ。
大正は『家庭かくあるべし』『日本男児かくあるべし』『大和撫子かくあるべし』という規範意識(と、それに伴う強制)が今より強い時代だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
今の倫理から見ると暗黒時代とも取られるけど、確かにその規範が支えていたものがあったはずで。悪いばっかじゃないはずだ。
炭治郎が『長男だから』と己を規定することで、耐えられない痛みに負けない力を引っ張り出すのは、そういう時代の風を背中に受ける行為でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
社会規範から外れた鬼、それを狩る理外の戦士を描きつつ、規範が持つ力強さを柔らかく肯定しているのはとても面白い。
家族を殺されても、その後継たる『長男』の意識は残る。育まれた思い出が背筋を支え、家の温もりが戦場を生き抜く力になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
日常と非日常がどう接続するかも含めて、炭治郎の強がりはとても彼らしく、このアニメらしい笑いだった。ほんと凄いなぁキミは…。
ここで『俺は大したやつだ! 長男だし、まだまだ頑張れる!』と奮起する炭治郎が、無残に見限られて心が折れちゃった響凱と面白い対比になってもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
十二鬼月の力と血位を封じられ、居場所がなくなった彷徨う鬼。食っても足らず、思い出は満たされない。新しい力にならない。
全ての鬼がそうであるように、響凱も炭治郎の、あらゆる人間の歪んだ鏡なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
ぐるりと回る屋敷も見切られつつあり、敗色は濃いがさて、どういう決着となるか。
回転屋敷の3Dな不思議感は、”アニメ”ならばこその面白さだったなぁ。伝奇として良い”絵”見せてくれるの嬉しいよね。
稀血を渇望する鬼たちは、古来からの『高徳坊主の肝食えば、寿命が100年伸びる!』文法を思い起こさせ、良い伝奇風味だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
あれ、今でいうとRh-とかなんかね。”希少なる贄の血”ってのは、吸血鬼ものだとよく見るモチーフだし、やっぱ定番のアレンジ能力も高いなこのお話…。
というわけで運命の三剣士、それぞれの強さと弱さが見え隠れする中編でした。雷の呼吸、獣の呼吸、それぞれの太刀筋の力強さがしっかりアニメになってて、とても爽快でしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
禰豆子分が足りねぇのは不満だが、このゴロゴロ禰豆子で許そう!
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable pic.twitter.com/DdgoeURlB8
ホント”抜き”のタイミングと可愛げが独特、かつパワフルなアニメよね…バチバチにやりあってる真っ最中に、こういう絵出てきて空気壊れないんだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月24日
そういう緩急も楽しみつつ、鼓屋敷の冒険がどう決着するか。来週も非常に楽しみです。