KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
プリズムの輝き強ければ、また闇も深し。
0カラットの衝撃から始まる、一条シンの過去と現在。
無垢な視線の奥に潜む、魂の囚人。羽ばたく日を夢見る堕天使のジャンプは、人智を超え圧倒的で…誰にも届かない。
独り善がりな天使の愛を、少年よ、今宵殺せ!
そんな感じのラスト一個前、シャインの大暴走にエデロとシンちゃんがぶん回されるエピソードである。あと視聴者も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
いやー…マジでシンちゃん可愛そうだったな…。過去回想に新しい意味を与えるシャイン視点を搦めて、過去の真実を作り直す展開を踏まえても、シンちゃんとエデロが可愛そう。
過去文脈を大量に盛り込みつつ、基本は傲慢なプリズムの使者と、ど根性人間ストーリーの対比で進行する今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
シャインのジャンプは人間の領域を超えた圧倒的なもので、しかし判定はゼロ点。最初に結果を投げておいて『何がどうなっとるんじゃ!?』という困惑で食わせていくのは、なかなかの魔球だ。
冒頭、シンちゃんは地面に横たわった状態からスタートする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
りんねとジュネの反則使者コンビが演じた”Sevendays Love, Sevendays Friend”と同じ、傷ついた白鳥のスタンス。
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RLの使者たちはこの姿勢から立ち上がり、圧倒的なジャンプで観客の心を掴んだわけだが、シンちゃん=(≠?)シャインにとってはこれは終わりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
キンプリになって心のときめきを数字化出来るようになった結果、ジャッジは零点。しかし技とルーチンが最重要視されてたRL時代なら、多分高評価。
色んな意味でかつての使者とは対象的なジャンプは、どんなジャンプだったかという内実を全て蹴っ飛ばし、結果だけがまず叩きつけられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
『僕が一番、君たちを上手く愛せるんだ』
そううそぶく堕天使のジャンプは、しかし誰かを愛する情熱に欠ける。なんでアムロやねん…。
シャインのジャンプを『冷たい』と評したジュネ様は、あまりに強い愛の炎(ラ・フラム・ダ・ムール )で世界を壊しかけた過去を持つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
燃え盛る愛が自分を焼き尽くした時、聖は全てを捨てて彼女を抱きしめた。しかし落ちることもなく演技を終えたシャインは、誰とも繋がらないし誰も抱きしめない。
そう。封印された不自由さもあるが、シャインは誰とも繋がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
りんねちゃんは記憶を失い、なるちゃんと一年の時を共有した。ジュネ様は聖(と仁)に愛を与え、人として繋がった。
シンのあまりに普通の、だからこそ幸福な年代記に上書きされる、シャインの視線。それはただ外の光だけを見る。
光源たる人間の魂を見ない…あるいはりんね=ルヰのように同じ使者の輝きを見つめないシャインは、誰とも繋がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
レオが作った衣装、ゼウスが仕上げた曲ではなく、自分の服、自分の歌で舞い、強く威圧する。圧倒的な技術を見せつけ、誰の心も動かさない。機械は正直である…十王院スゲーな。
シャインのステージは完全に魔王降臨であり、毒々しい赤と黒が踊る圧倒的なステージだ。レオがマジビビリしてる様子が可哀想であり、可愛くもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
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オーロラに舞う七人のシャインがおもくそセカンドインパクト(あるいは劇場版の量産型)過ぎてひとしきり笑うが、そのジャンプはあまりに圧倒的なステージを、他人に届ける優しさがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
この傲慢は、今までの使者とは大きな違いだ。
先週見せたように、ルヰくんは最初シンちゃんの奥にあるシャインに惹かれ、触れ合ううち指名を超え一人間・一条シンを愛するようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
りんねちゃんは圧倒的な実力を持ちつつ、少女達が自分のジャンプを飛ぶ助けとなり、人間の尊厳を大事に闘ってくれた。
そしてジュネ様は、愛のために翼を降り、愛のために世界と自分を炎に包んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
大地に降り立った天使が、その圧倒的な実力を見せつけ飛ぶジャンプは、けして冷たいものではなかった。むしろ熱すぎて、人間には受け止めきれないほどだった。
そこ引き受けた聖となるちゃんは偉いね、やっぱ。
RLの技術至上主義を超えた先に、キンプリはある。なるちゃん(達)が証明した勇者のジャンプが、世界を変えた先に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
その判断基準は、堕天使の冷たい降臨にNOを言い渡す。それは涙を止めるため、仲間のために飛んだ一条シンのジャンプじゃない。だからシンちゃんは、己にリベンジを誓う。
過去作でも0点、満点、あるいは基準超越という結果はある。AD最終戦は、三人の主人公が己の生き様全てをリンクに叩き込んみ、別々の真実を結果として焼き付ける闘いだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
しかし今回のゼロ点(あるいは計測不能)は、シャインという生き方を全うした結果には見えない。
…使者特有の圧倒的な技術に驕り、他の選手や観客をただ圧倒するだけの孤独が反映された結果、あの結末、ということかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
身体と責任を共有し、堕天使の好き勝手を自分の落ち度と引き受けるシンちゃんがマジで可哀想である。
こんなのってないよ…おかしいよ!(プリズムまどか)
過去作をモンタージュして語られる、シンちゃんの過去。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
人間・一条シンがプリズムの輝きに出会うたびに、その奥に秘められた堕天使・シャインの拘束は緩んでいく。
生まれたときから勝手に巣食った宿命が、運命を引き寄せたとしても。それでも、出会いはシンちゃん個人の宝物のはずだ。
しかし人間世界の出会いや衝突を無視して(あるいはそれが強いからこそ)、拘束は緩む。一条シンのど真ん中青春ストーリーは、同時にシャイン復活を巡る神秘の物語でもあったわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
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闇の奥のシャインが追加されることで、あの時ルヰくんが流した謎めいた涙の理由も解ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
再び、愛する人を殺す。それは使命だからでもあり、人のためのプリズムショーを守るためでもあり、器である一条シンを愛してしまったからでもあろう。
ルヰくん…哀戦士やないか…。
ルヰくんが翼を砕いて封印を解いたのは、シャインのためなのか、シンちゃんのためなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
これはなかなか難しいところで、多分両方なのだと思う。
身体を共有する人間と堕天使は、簡単には切り離せない。シャインの零点はシンちゃんの零点なのだ。マジ理不尽だな…。
今回のサブタイトルは”光強ければ闇深し”といったところ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
だが、名前の通りShineが光とは描かれていない。一条シンの朗らかな光の奥に閉じ込められた、色の濃い闇。
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そういう描かれ方に見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
ただシャインにも願いや理想はあるはずで、それがオッドアイビカビカさせながらぶっ放した蹂躙だけなのか、何か輝くものをまだ求めているかは、まだ判然としない。
それを顕にするのが、次回七ツ星の仕事になるんだろうか?
光と闇の相克。それは一条シンの内側、ステージ内部のシャインと観客だけでなく、エーデルローズの仲間との間にも発生する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
優しく励ます声が、ズキズキとシンちゃんの胸に刺さる。
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一切記憶がなくても、ゼロ点は僕のゼロ点。僕の責任。真面目なシンちゃんだからこそ、心の影は深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
でもそこから踏み出して、僕らの主役は顔を上げる。僕は僕のジャンプを、僕たちのステージを取り戻す。使者なんかに奪わせはしない。
そういう決意の輝きである。
それはシャインの冷たいステージにはない熱量で、人の心を動かしうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
一番身近に一条シンの炎を浴びているはずなのに、シャインは一条シンを見ない。
シャインを通じてシンちゃんの人間を見たルヰくんとは、なかなか面白い対比である。聖との恋に燃えたジュネ様とも対比かなぁ…。
そんなルヰくんは、仁に優しく抱きとめられヒロイン顔である。事情がわからねぇのは仁も同じなんだが、彼の目は人間・如月ルヰをじっと見つめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
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仁も最初は、ルヰくんの中に自分の影を見た。失ってしまったイノセンス、もう取り戻せないものを。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
でも生徒としてスタァとして、ルヰくんを守り導く中で、如月ルヰ個人をしっかり見つめるようになったのだと思う。その真摯な視線が、仁の歪みを優しく解していった気もする。
今回慮外のゼロ点を貰って、シュワルツの勝利が確定した時。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
仁は全然嬉しそうではない。というか怒っている。真田常務は浮かれすぎ。ほんまおもろいなこのオッサン…。
ジョージの、アレクの、ルヰのジャンプを見る中で、仁の冷たい氷が溶けて、世界とジャンプへの復讐が終わりつつあるのかな、と思う
それはシュワルツ主催、教育者としての法月仁が、アクの濃い悪役仕事の裏でしっかり役目を果たしていた反射でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
なんだかんだ、子供たちの面倒を見て場所を作り、教え導いてきたからこそ、弟子たちは良いステージをした。その善因が、善果となって仁を変えつつある。
今回のルヰくん慈しみ祭りと、敵の失敗に激怒祭りはまぁそういうことかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
ファザコンに雁字搦めにされた彼が、父・法月皇と同じ”良き教育者”の領域まで、意識せず登ってきているのは嬉しいことだな、と思う。
正式な跡目を腹違いの弟に、ガッツリ取られてるからなぁ…。
少年たちの必死のジャンプには、歪んだ道を正す力もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
キンプラで破壊と悲鳴をばら撒いたアレクは、真摯にジャンプと自分に向き合うことで、新しいエンタテインメントを形にした。
RL以前から複雑怪奇に絡む因縁と劣等感の鎖を、仁は子供たちのジャンプを通じて乗り越えつつある。
”敵”であるシュワルツの内側から発せられる、確かで強いジャンプの光。これも闇と隣り合う光の描写と言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
シャインの暴力的で傲慢なジャンプは、そういう可塑性を否定し、たった一つしかない真実を使者のパワーで押し付ける暴力的なものだ。シンちゃんとエデロは、その犠牲になってしまった。
そこで泣き寝入りしてお話し終わり! じゃ、ど真ん中青春ストーリーの名が廃る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
同じく教育者としての聖の後押しを受けて、七つの星が空に輝く。一少年として、一人間として必死に汗を流し、笑いあった日々の総決算。
俺たちに何が出来るか、本気で見せてやる。
次回はそういうお話になりそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
シャインはあんま表立って人間踏まないけども、今回のシンちゃんへのリスペクトのなさ、ルヰ以外彼の存在を知らない孤独が、やっぱ傲慢で冷たいな、と思う。
ジュネ様の評価、システムのジャッジは概ね正しいだろう。十王院すげぇな…。
僕はRLが好きでキンプリを見に行った人で、オバレの物語が燃え上がる展開にワクワクした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
それと同じくらい、新しく出会えた主人公が真っ直ぐで優しくて、好きになれるやつだったことが嬉しかった。プリズムの輝きに惹かれていく彼の背中に乗って、俺もこの花氏が好きになった。
シャインのジャンプは、人間としての一条シンと、彼を好きになったファンを蔑ろにするものだ。やっぱこー、好きにはなれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
しかし”オーロラライジング・ミラージュ”か…シャインが見てる独善が、あやふやな蜃気楼でしかないって自分で言ってるようなもんじゃないか…。
ファルルの決め技も氷の城の蜃気楼だったなぁ、などと思いつつ、誰かがシャインを見つけて抱きしめてあげると救いもあるかな、と少し感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
ホントシャインの存在を認識してるのがルヰくんしかいないの、冷たいよね。宿主であるシンちゃんですら『ワケわかねぇ内にゼロ点』って認識だもんな。
人間の維持と尊厳を取り戻すだけでなく、孤独な堕天使に届く何かを見れると、最終話として収まり良いかな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月25日
二万点フルマークを出しても追いつけない、負けが約束されたステージ。七つ星は奇跡を起こすのか。愛は天使を殺すのか。
紡がれた物語の総決算、非常に楽しみです。