※訂正
あ、十人じゃなくて九人だわクルー。訂正ということで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
※本題
彼方のアストラを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
それは五日間のヴァカンス…のハズだった…。
学校のキャンプ実習のため、集められた見ず知らずの十人。謎の球体に飲み込まれ、5012光年の彼方に漂流した彼らを理不尽が襲う。
絶望の未来、漂う不和。
それでも顔を上げて、彼方の故郷を目指すために。
まず、手でも繋ごうか。
そんな感じの銀河漂流ジュブナイル、堂々一時間の第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
いや、うめーしつえーわ流石だな…。
宇宙空間を旅するワクワク感と恐怖、10人の資質をバーっと見せる手際、主人公・カナタとヒロイン・アリエスの人間性を初手で理解らせる巧妙さ。サスペンスと期待感、素材の良さと化学反応の予感。
”第一話”に必要なモノが全部ぶっ込まれて、なおかつよく交通整理された構成がそれをスマートに食べさせてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
見せるものを見せて、伏せ札は伏せ札として存在を顕に。
今後アストラ号が進んでいく未来と物語の見取り図を、過不足なく見せる見事な滑り出しでした。いやー、凄いわ。
『この話はスペース飛び石作戦で10人が故郷を目指しつつ、それぞれアクの強いメンバーの個人的問題なんかも掘り下げ、また各々備えたスーパーな資質を活かすチャンスなどもあり、皆さんを死ぬほど楽しませるよ!』と映像で見せるためには、第一話は一時間必要だったのだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
そこで必要な放送時間をしっかり確保できるのもグッドだし、第一話に相応しく映像もリッチだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
主に光と水の表現に強さがあったけど、ただ美麗さに溺れるのではなく、ちゃんとキャラと作品を見せるためにクオリティを使い倒していたのが良かったですね。
例えばヘルメットへの映り込み。お互い名前も知らない状態で極限状況に追い込まれ、恐怖で視野が狭まる中で、我らのリーダー・カナタは存在感を滑り込ませる。一人で震えるものに、スッと手を伸ばしてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
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しかしカナタ自身も等身大の10代青少年であり、”先生”を助けられなかった後悔と自身の恐怖に向き合いながら、リーダーとして強がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
無敵のヒーローは、無条件に無敵ではない。震えを噛み殺して、役割を頑張って演じているからこそ、誰かの光になれるのだ。
謎の球体の襲撃を受けた時の対応、宇宙船を見つけた時の指揮。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
空港(日常)ではウザいお調子者暴力主義者に見えたカナタは、宇宙(非日常)でその資質を一気に開花させる。この好感度の落差も、非常に巧い。
不良と捨て犬理論つーか、最初点数下げておいて優秀なところを見せるとグサッと刺さるよね
話の根本を支える主人公が、どんな人間か見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
第1話でとても大事なポイントだが、カナタの人間力、オリジンはしっかりフォーカスされていた。
陸上か、夢か。闇の中目を伏せていた少年は、”先生”の言葉で顔を上げる。光を見据える。
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拓けた明るい世界は同時に危険に満ちてもいて、”先生”は教え子を守るために、可能性の淵に沈んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
その手を掴めなかった後悔が、カナタをヒーローにし、リーダーにする。少なくとも、それを目指す心のエンジンを植え付ける。
過去を描写することで、カナタの”今”が解ってくるのだ。
過去を適度にフラッシュバックさせることで、キャラクターを突き動かす信念と期限、現在の困難との繋がりを上手く強調し、視聴者にしっかり理解らせる演出も親切だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
崖の明暗は、これから10人が立ち向かう厳しいサバイバルの暗示でもあろう。希望の奥に絶望があり、闇の果てに未来があるのだ。
そして物語の最後、”先生”との思い出は置き去りにされる。過去にしがみついていては、未来は掴めない。カナタは思い出を振り切り、大人への一歩を踏み出したのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
同時に、胸に焼き付いていれば物質はいらない、ということでもある。
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守られるばかりだった幼年期を過ぎて、しかし何かを成し遂げる大人でもなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
この作品がジュブナイルであることをしっかり証明した、良い展開だったと思う。”先生”との思い出と傷を抱え込んで、カナタはクルーの命を未来に送り届ける責任と向き合っていくのだ。燃えるじゃない…。
色んな要素が盛り込まれたこの作品。漂流ジュブナイルの原典たる”十五少年漂流記”は当然参照にされている…とすると、ジャック立ち位置のフニシアたんが漂流の原因になっちまうわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
あっちでは”国籍”が人を分ける障壁だったけども、こっちは”ブレックファスト・クラブ”的なスクールカーストか。
凸凹人間たちがそれぞれ譲り合い、サバイバルしていく。心が繋がり、クルーになっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
そういう人間ドラマにも期待が持てる、良いツンツンな出だしだと思う。やっぱツンツン人間が壁を溶かして仲間になってく流れはよー、マジ好物だからよー。とりあえずキトリーとウルガーが面倒くさい担当だな?
ここでもヘルメットはいい仕事をしていて、周囲の声を遮断するようにキトリーは壁を作る。しかしそこにアリエスは手を伸ばして、衒いのない優しさを伝えてくる。そこが彼女の強みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
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繋がる手と手は非日常においては命綱となり、惑星を飛び石しながら故郷を目指す希望の作戦に繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
フニシアをおミソにせず、最後の要を任せてる所が良いなぁ、と思うわけよ。10歳だろうが、一緒に生き延びる仲間だからよ、特別扱いはしねぇ…絶対守るけどねッ!!
『お互い名前も知らない』ところから話が開始してるのがミソで、人間関係が構築されていくドラマと同時に、お互いの伏せ札を知らないサスペンスが生まれてくるわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
今回、主役たるカナタは手早く自分の機嫌を明らかにし、後悔という傷を持っていることも見せた。これが9人分残っているわけです。
宇宙服を前に進めた推進剤のように、それぞれ抱え込んだコンプレックスと過去が顕になり、”今”を共有するクルーがそれを共有することで、強烈なドラマが生まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
そういう構造への期待感も、しっかり生まれる良い一話でした。
例えばラファエリ姉妹のなんかぎこちない感じ(と、手を触れあえば温もりが伝わっちまう性根)とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
ザックとキトリーの幼馴染関係とか。バッドガイ・ウルガーの問題児っぷりとか。ユンファの自己否定な感じとか。全部が物語を加速させる燃料になると思います。
お互いの素性がわからないということは、それが明らかになった時の衝撃、わからないからこそ知りたいという楽しさを生みます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
伏せ札の楽しさと同時に、その裏をチラチラ見せる描写も上手くて。弱者たるフニシアへの接し方でキャラが見える。
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残念イケメン枠のシャルスがレディに紳士的なのは当然として、バッドガイ気取ってるウルガーくんも幼女とのこの立ち回り…良い子じゃないわけねーーだろッ!!!! って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
良いね…俺はバッドガイの仮面をかぶるしか無くなった純情少年が、冷凍みかんより好きなんだ…。
ヒステリックなクインビー立ち位置のキトリーお姉ちゃんも、アリエスの好意を無碍に出来ない優しさを既に滲ませていて、未来の厄介事と人間の良さを各キャラがしっかり見せていたのは、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
『こいつ善人ですよ』ってサインが上手く出てると、キャラと作品に体重預けられるからね。
序盤のダルい展開(ギャグ寒いっつーかタチの悪い銀魂腐女子みたいになってたのは、まぁ篠原先生空知先生の直弟子だから…)から、謎の球体、アリエス救出作戦、絶望の漂流と少しの希望と、休むことなくサスペンスが続くのも最高でしたね。上手く酸素を奪ってきやがる…(褒め言葉)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
ホットスタートは熱量と速度が命なわけですが、ただただピンチを連続させるわけでなく、各々の資質と能力を見せつつ状況が好転し、安心したらまたピンチ…と、緩急が絶妙なのが素晴らしかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
思わずガキども応援しちまうもんな…細かいやり取りで、彼らの善良さを見せてたのが効く。
今回は空港でのジャンプでカナタの身体能力、漂流してからはリーダーシップと度胸が良くわかりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
ザックの知能チート、アリエスの人間関係チートも表になったかな?
スペシャリストがそれぞれの強みを組み合わせて、『ぜってぇ無理!』ってピンチを乗り越えていくチームモノでもあるんだな。
こうやってキャラの人格と能力を楽しく見せる手際を叩きつけられると、今後他のキャラがどんな強みを持っているか、それを活かすピンチがどんなヤバさかも、なかなか楽しみになってきます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
フニシアたんは可愛いのが仕事だからね…あんまチートなことしなくても良いよ。
地味に宇宙服のカラーリングが、戦隊モノでよくある定番のキャラ付けときっちり呼応して人格が分かりやすいところとか、よく考えられてるなぁ、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
ブラック担当のウルガーは不協和音も生むけど、ニヒルでリアリストな視線が突破口になる局面もあるだろうな、みたいな。
カナタは相当強がってるボーイなので、本音喋りまくりなウルガー相手にヤバい部分共有できるのは、結構デカいと思うんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
最後の『五分五分だろ』で、一見クルーの和に入れてないウルガーの存在意義をズバッと刺してくるところとか、抜け目のない展開だと思いました。うめーわマジ。
俺はアニメの中の”食”が気になる人間なので、アリエスの冷凍みかんが宇宙空間に放り出される演出とかスゲーよく刺さりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
おミカン食べれるのんきな放課後は、あっという間にぶっ飛んじまったんだなぁ…てのが、肌で伝わる良い演出よね。
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ミクロの冷凍みかんと、マクロの氷の惑星を重ねて宇宙的スケールを見せる演出も冴えてたし、重ね合わせの表現が鋭いエピソードでしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
あの時の水滴はワープゲートの光芒となり、少年の後悔は未来への希望に変わるのだ。
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そして喜びの涙が、逆しまに無重力を舞う、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
雨(過去・後悔)→ゲート(未来・希望)→涙(現在・恐怖と喜びが入り混じったもの)という風に、モチーフが変化しつつ時間と空間を飛び越えてる連続性が、舞台となる大宇宙の広大さ、そこに突き刺さる人間の心を感じさせます。力強い詩情。
とまぁ事程左様に、色んなジャンルに貪欲に噛みつき、色んな楽しさが期待できる作品でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
沢山手を伸ばしつつも、それをどう届けるかよく考えた演出、手際の良さで終わらない豊かな情感でしっかりまとめ上げて、『なんか凄いもの見てるぞッ!』ていうワクワク感があるのは素晴らしい。巧すぎない。
やっぱ主役が好きになれると作品を信頼できるわけで、カナタの人間がどどんと叩きつけれる第一話、素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
欠けた部分も当然ありつつ、後悔を力に変えてピンチを引っ切り返す展開には思わず力が入り、主役を応援したくなりました。マージこの感覚大事。これありゃどうにかなる。
アリエスも漂流ヒロインがお仕事と思わせつつ、カナタが担当できない当たりの柔らかさ、手を伸ばす自然さで人と人を繋いでいて、好感の持てるキャラでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
あとボディラインがえっちだったね! 今後もあのケツが押し寄せてくんの? すげぇな宇宙世紀。
他の八人もそれぞれの凸凹を上手く暗示し、これが噛み合った時のトルクの強さ、噛み合わなかった時のギクシャクに期待が膨らみます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
人数多めなんだが、それぞれのキャラ付けと棲み分けがクレバーなのでワチャワチャした感じは全然ないね。数の多さを強さに変えれてる感じだ。
宇宙サバイバルのヤバさも、切迫感のある音の演技、広大さの演出が上手くハマり、いい感じに伝わってきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
ヤバい壁を、みんなで力を合わせて乗り越える。ベーシックだがだからこそアガる展開が、今後山程待ち構えているわけだ…燃えるじゃない。
今後惑星を飛び石していく中で、想像を超えた秘境の面白さとか、各々秘めた事情とコンプレックスとか、色んな楽しさが顔を見せるでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
それを力強くドライブさせていく物語としての骨の太さは、しっかり見せれた第一話だと思います。”先生”を一話で使い切る思い切りの良さ、ほんと良い。
銀河の彼方にたった十人放り出されちまったクルーがどんな困難に立ち向かい、どんな成長と繋がりを見せるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月3日
今後に期待が高まる、良い出だしでした。
いやー凄いアニメだ。とっても面白かったです。来週も楽しみッ!!!