鬼滅の刃 第15話『那田蜘蛛山』を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
綺麗な衣に美味い食事、幸運を祈る切り火に誉の言葉。
一時の休息に、人が人たる証を掴んだ少年たちが挑むのは、人食いの蜘蛛深山。深い闇の中から伸びる糸は、数多の戦士を食い散らかす。心と体を操る邪悪に、炭治郎と伊之助、凸凹コンビが挑むッ!
そんな感じの、新章開幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
序盤の児童番組みたいな呑気な雰囲気から、暗い山のホラー、相手の正体を探るバトルと、一話の中で演出に勾配がついているのが面白かった。
劇伴と芝居が重なる、ミュージカルアニメ的な演出が多用されていたのは印象的。
ほっこり旅籠の修学旅行から、人が自由を奪われ殺される残虐山へ。気圧差で耳キーンなるけども、2つの領域はたしかに繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
これを明らかにするのは主役の炭治郎…ではなく、野生児・伊之助であるように思う。
伊之助は人との交わりも知らず、まともに飯も食えない。しかし療養所のおばあさんに衣装を仕立てられ、天ぷらを作ってもらい、切り火と言葉を貰って心がほっこりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
彼が人間性を獲得する度、周囲に浮かぶ謎球体が可愛くていい。伊之助のパーソナルクエストは、野獣が人間になる話なんだろうなぁ。
炭治郎と禰豆子は、暖かな家庭で長男として妹として、小さな社会で役割を持っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
それが破壊されてしまった悲劇の先に、今の二人がある。
それに対置される形で、最初から家を持たない伊之助の哀しさがある。強さだけが正解の山野で、自分が人であることも知らずにいた愚昧。
だがそれは伊之助の咎ではない。闘争本能の赴くまま、鬼滅の戦士として鬼を狩る内…一人では勝ちきれない強敵を相手取る内、人と人が繋がる強さを学んでも行くだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
その先駆として、藤屋敷の呑気な追いかけっこはなかなか良かった。やっぱ、ちと持ちすぎ感はあるけどね。
伊之助が真似っ子というか、『お前に出来ることは俺にも出来る!』と対抗心を燃やして、何でもかんでも模倣するのはなかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
猪の皮をかぶった、人間もどきの怪人はしかし、見知らぬ人の当たり前を真似する。彼のプライドを守る"強さ"の表現であったとしても、その意味は大きい。
意味も判んないまま追いかけっこして、当たり前の子供のように友だちと遊んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
山野に放置された伊之助が持ち得なかった幼年時代(炭治郎が幸福に浸り、残酷に奪われたもの)と、闘いの合間に戯れることは、彼の情緒にとって大事なことだと思う。
とは言うものの、鬼殺隊は戦闘集団、傷が癒えたら戦場が待つ。向かう先は蜘蛛の済む山、人食いの暗闇である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
一寸先も見えない深山から、ヒュと糸が伸びて人を食う。前半のほのぼのテイストから、一気にホラーな味わいが強くなるギャップはなかなか良かった。
そこから一手ずつ探りを入れて、相手の残虐と手筋が見えてくる。蜘蛛糸で戦士の自我を奪い、同士討ちをさせる戦術はエグくていい。『マジぶっ殺す』って気持ちになるからな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
獣の理屈で動く伊之助は、まだ味方を斬ってはいけない理由がわからない。村田さんの扱いが先輩のそれじゃなさすぎる…。
そんな伊之助を、炭治郎は必死に言葉で説得し、斬らない意味を見せようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
ここら辺長男…というか"兄"だなぁ、と思う。自分より幼いものが、道理が解らないこと自体には全然怒んないんだよね。
兄にとって、弟妹ってそういうもんだから、教え諭し導くのは当たり前。キレると肋骨折るけど。
戦に赴く少年戦士に、安全と栄光を祈願して贈られた切り火。その祈りも、伊之助は理解しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
骨の折り合いすらした出会いから、戦友たちは人生に大事なものを教え、支え合うことが出来るのだろうか。
炭治郎と伊之助初の共闘は、その試金石になりそうだ。
炭治郎が"鼻"、善逸が"耳"。異質な感覚で繋がった仲間に相応しく、伊之助も真実を感じ取るセンサーを"皮膚"に持っている。炭治郎の"鼻"が利かない分を補ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
空間識覚がスーパーソナーとして、視界も通らぬ闇を貫通し敵を探るシーンは、いい感じにケレンがあった。
敵の位置を探り当てて、さて本丸詰めというところで次回に引いてたが、二人の共闘は伊之助に何を教えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
炭治郎は結構完成された人格の持ち主なので、善逸は臆病、伊之助は野蛮と、精神的成長の余地を大きく取って差別化してる感じだなぁ。面白い。
そんな善逸はブルブル震える内に置き去りにされ、雀とミスコミニケーション・コメディを演じるハメに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
伊之助と炭治郎を対面で共闘させてて、関係性を深掘りさせるのは大事だから、カットオフされるのはまぁしょうがねぇ。
そのうち出番も来るさ…間違いなく、血の出る修羅場だがな!
村田さんのパニックが助けを求めたり、藤屋敷に呼びつけられたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
鬼殺隊の中核を担う(っぽい)"柱"がチラ見せされたりもした。
義勇さん久しぶりっす! 相変わらずツンデレですね! 隣の女誰ですか!
『鬼と仲良く』とか言ってたけど、露骨強キャラヤバ蔵っぽいし、言葉通りじゃないだろうなぁ…
言葉通りじゃないと言えば、義勇さんの「鬼が人を食う限り」も裏腹で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
"人食わぬ鬼"である禰豆子を見逃してる以上、それは「人を食わないなら、鬼とだってなんとかやっていける」って人間性の発露なのよね…叶わぬと知りつつ、鬼とも通じあえる可能性を捨てられぬ男よ…。
強キャラは絶体絶命のピンチに登場するものだから、"柱"の出番は未だ先として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
一手ずつ闇を剥いで、蜘蛛の本性を顕にしてる戦士たちの闘いがどこに行き着くか。なかなか楽しみである。
しかし敵さん"家族"かぁ…また炭治郎がキレそうだな。失われた聖域だもんな、そこ。
鬼は生前の妄執を、取り返しのつかない形で加速させるもの。凶暴な白面が似通う蜘蛛の家族も、どす黒い闇を抱え込んでんだろうな、と推測はつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月20日
その歪さは家族の思い出を背負って、必死に戦う炭治郎のシャドウとなるのか。そこら辺も次回、楽しみであるな。