まちカドまぞく を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
今日も今日とて、シャミ子の奇妙な日常は踊るッ!
ご先祖に体を乗っ取られたり、タコさんウィンナーの実演販売をしたり、異能と日常は緩やかに混ざり合いながら、心がだんだん近づいていく。
桃はすっかりシャミかわであるが、シャミの方はどうなんだい! ズブズブかい!?
そんな感じの魔界系日常アニメ、第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
お話としては相変わらずのゆるふわに、ピリッと生っぽさが香りつつ、ほっこりと構築される関係性に頬が緩むようないい塩梅である。
コンテ・演出の個性がよく出て、似た感じの運びを毎回楽しく食べれるのはありがたい限り。
桜井テイストなら擬音を声優に読ませるところで、レトロRPGなSEがザクザク入ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
結構スタッフによって『まちカドまぞくらしさ』をアニメにする切り口が変わっていて、それぞれが上手く作品の匂いを捉えてもいて、集団で作るアニメの面白さを再確認する視聴となっている。なかなかありがたい。
話の方はリリスご先祖がシャミ子の体を乗っ取ったり、杏里ちゃんのママンと一緒にバイトしたり、平凡で平和な日常が流れていく感じ。…変身だの憑依だの、マジカルな要素は結構混ざるけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
ここら辺の超日常的要素をどのくらいの割合で混ぜ込むかも、各話で結構切り口が違って面白い。
今回は目立たないところの芝居が良くて、型にはまらないキャラの可愛さ、生活感が良く出ていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
高いところに立つ時、わざわざ上履き脱いだり。
降りる時に、足つかなくてプルプルしたり。
ころんだシャミ子withリリスを、桃がカバーしたり。
©伊藤いづも・芳文社/まちカドまぞく製作委員会 pic.twitter.com/NuhowIzeUB
ちゃんと身体のある存在として、アニメのキャラが細かいことに気を配り、当たり前の仕草を怠けずやっている。そのことが存在感を強め、作品に陰影を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
何かと手癖でやっちゃいがちな『いかにもきらら的な”日常”』を、ちゃんと再構築して積んでいく筆がやっぱ良いな、と思う。ここ流されるとキチー
ご先祖パワーでぶん回されたヨワヨワシャミボディを、桃が気遣う気持ちと、ご先祖棒が傷つかないようにカバーで守ろうとする桃の思いがちょっとシンクロしている所とか、優しくていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
あんまでかい声で大好き大好き言う作風ではないのだが、コマの端っこに優しさが焼き付いている。
その細やかで奥ゆかしい感じが、独特のテイストとなって楽しいんだろうなぁ…みんな優しくていいね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
酷使されたシャミボディを気遣って、みんなで健康ランド行くオチとか好きよ。もうすっかり親友じゃんッ!!
僕いわゆる『優しい世界』って言い回しが大っキラいで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
それはいくらでも世界律を捏造できる創作世界で、色んなものに目を塞いで優しくされたい欲求を満たすためにネトネトのソフトコアポルノ世界を希求し、またそれに応答する共犯関係が透ける…どころが腐臭漂わせながら見えるからなんですが。
このお話は桃の言う通り、まぞくが目覚めたら欲望に任せて大暴れするのがフツーで、存外優しくないわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
しかしシャミ子は(ポンコツな身体の事情もありつつ)悪いことはしない。角が生えても、当たり前の日々を家族や友人と送り、新しく出会った魔法少女ともいい関係を一個ずつ作っていく。
その『頑張って優しくなっている世界』は怠けていなくて、凄く良いな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
杏里ちゃんのママも、角の生えたシャミ子をサラッと流して、一緒にお仕事頑張る。それは『そうなってるから』という自動的な反応ではなくて、キャラが選び取ったからこその決断の一つなのでしょう。
今回切り取られた細かい仕草は、そういう色んな選択肢を広げた上で優しくなろうと頑張ってる子ら、そんな子たちが楽しく生きてる世界をしっかり支えてくれています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
細かく蒔いてる伏線が芽を出した時、目の前の『優しくなろうとしている世界』が反転したように思えた時、またさり気なさが生きてくる
…ような気がする。佐田杏里(さたあんり)ってまぁ、サタンで魔族絡みのネーミングだよなぁこれ。メガネも行動から闇が透けて見えるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
桃があんま変身したがらないのも、その上でシャミ子のために変身新記録だしたのも、厳しさを秘めた世界で優しくなろうとする一環だろうし。
新米まぞくのシャミ子が知らない、魔法少女世界のルール。桃の過去。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
それに飛び込んだ時に、ここまで積んだ日常が嘘ではなく、優しさに物語が帰還できる足場として機能すると、これは凄く良い展開だと思う。
そうなるだけの確かさを、ジワジワ進む日常は掴めている気もする。
まー反転無しでダラダラ進んでもいいし、ジャンルのテイスト考えると”そっち”なのだが…好みとしては、細やかに世界に置いてある陰りは、計算された布石だと面白いなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
日々は何事もなく歩みを重ね、その奇跡を少女たちは未だ知らずにいた。そう振り返るための序奏であり本題を、今やってる。
ハードコアでシビアな世界を”本当”にせず、ゆるっとふわっと優しく積み上がる日常との対比だけで描こうとしてないのは、凄く良いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
それは多分両方が本当で、裏表に切り離されたというより、繋がって支え合い、あるいは傷つけうるものなのだと思う。
定番ギャグとして使われている貧乏ネタも、ソフトフォーカスをかけた現実味のいち表現ではあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
それを笑い飛ばしつつ、どう付き合っていくかって一例なんだと思う。ウィンナー売りは。
そういう明暗のバランス、『優しくあろうとする世界』を一手ずつ構築していく誠実さが、僕は結構好き。
相変わらずダイアログのセンスがキレッキレだったり、妹ちゃんが”史記”読んでたり、細かいクスグリも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
なにかと桃シャミの”身長差”を活かす構図が頻発し、心拍上げてくるのも強い。コイツら…ていうか桃…。
©伊藤いづも・芳文社/まちカドまぞく製作委員会 pic.twitter.com/vrKqD9iyeG
桃が身長も魔力パワーも”上”から、小動物的に『シャミ子は可愛いなぁ…シャミぽこ全然聞かないなぁ…』と愛でる視線、友達として対等平行に付き合う視線、魔法少女へのトラウマをシャミ子との交流の中で癒やしてるっぽい”下”からの目線、全て同居して”シャミかわ”なの良いな、と思いますね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
対してシャミ子はあくまで対抗路線、ズブズブ間合いに入られつつも下から見上げる感じの距離感…なんだけども、なにか起きればグルっと関係性が反転(あるいは多様化)しそうな気配もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
キャラもドラマも一本調子で塗らず、色んな真実を多角的に捉えているのは作品の強さだと思います。
そのマルチアングルが、どういう話を連れてくるのか。明るく楽しいまぞく生活に、一体何が隠れているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月2日
ほんわかな日常を楽しみつつも、その奥行に目を凝らす面白さを沢山用意してくれていて、なかなかリッチな視聴体験です。ありがたい。来週も楽しみ。