戦姫絶唱シンフォギアXVを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
刃を重ねぬ闘いが、防人の自由を縛る。風鳴訃堂の長い手に囚われたSONGは、一時の安らぎを目指し雪の街を歌う。
しかし、鉄火場は戦士を待ってはくれない。
蘇る痛み、消えぬ傷跡。
瞳に宿った曼珠沙華が、一つ、また一つ。運命の車輪を狂わせていく。
そんな感じのジリジリした中盤戦、XV第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
ノーブルレッドの内部事情、滅私奉公という猛烈なエゴを持つ怪物・訃堂の傲岸、そしてSONGの自由と不自由。
無印第一話の傷口がバックリ空いて、響も翼さんもドンドコ坂を転げ落ちていく展開と合わせて、なかなかにストレスが強い。
…のだが不要な苛立ちというわけではなく、物語を総括するにあたりその始まりを掘り下げるのは大事だし、主役が立ち向かう敵が暴力、謀略、横車…全て使ってくる徹底感はなかなか良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
対手も最後の戦いを、自分に出来る全てを動員して勝ちに行っている。だからこそ、SONGの奮戦も光るのだ。
さて、お話はキャラが立ちすぎた監査役がイヤーな言いがかりを付けてきて、正義の味方が動きにくくなったところからスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
国家のバックアップを受ける強味と弱味を、訃堂と八紘の政治戦で見せるのはなかなかに面白い。勢い重点の根性世界ではあるが、政治の生臭さが存在しないわけではない。
…というか、風鳴家に関しては捻れた血縁含めて、非常に生臭い。最後にそこを切開して、風鳴翼の重荷全てを生産してから幕を引くってのが、作者の意図かなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
おかげで訃堂のジジイが黒幕として色々ちょっかい出して、超暴力一本槍ではない押し引きが生まれている。なかなか面白い。
ノーブルレッドの困窮は今までも描かれていたし、弱いからこその怖さが彼女らの強みでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
そこを補い、血と屋根を与える訃堂。惨劇の舞台を特権で覆い隠し、悪巧みの根城に変えるところは悪い権力者っぽくてよかった。あと”血”を踏みつけにするところ。
ヴァネッサさんの悲しい過去なども公開され、なんかキラキラしながら消滅するルートが順調に舗装されている。爆発事故で凄い身も蓋もなく吹っ飛んでるところは、シンフォギアっぽいなぁと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
機械の怪物として、疎まれ辱められながら生きる。その支えは、仲間しかなかった。
泥すすり加減ではSONG側もナカナカのモンであり、似た過去を背負いつつ善悪に分かれる分水嶺をどこに引くかは、最終章が問うべき大事な疑問だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
ノーブルレッドの末路はそこを総括することになるので、途中経過含めて見逃せない。対話できそうな気配はあるんだがな…。
一方バチバチに固められたSONG女子は、一時の日常をせめて楽しむスタンスに以降。背負わぬ気楽さで場の空気を抜こうと戯ける切ちゃんと、相変わらず辛辣な調が面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
世界の運命を背負った戦士だろうが、当たり前の日常を背負う。パートナーと風呂に入り、消えない過去で言い争いもする。
なんの構えもなくするりと肌を見せ合うひびみくだが、ハァハァする前になんだか悲しかった。露骨に全て消し飛ばす前提で積んでくるんだもんなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
僕は無印に前のめりになったのが未来さんの書き方だったので、彼女の当たり前の強さを見るのは嬉しい。のだが、それが表に出るのは不幸でもある。
久野ちゃん絶唱の”また会う日まで”は、洒落ではない(いや、爆笑したけども。なんで尾崎紀世彦やねん)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
”ふたりでドアを閉めて ふたりで名前消して”
日常に密接すればこそ悲しい別れは、お風呂と喧嘩が入り混じった二人の未来を暗示するようで怖い。
”その時心は 何かを話す”のだろうか?
どちらにしても、戦士は戦場に赴き、只人は逃げ惑う。カラオケシーンの呑気な空気から、ノイズ荒れ狂う地獄へシームレスに繋がって、あの世界の荒廃が生々しく感じられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
奏者相手にはクソ雑魚だが、対人災害としては最悪。ノイズの使い方から、XVが奏者と社会を捉えるカメラが見える。
一人間として強い、聖遺物使いとして強いということが、あんま機能しない状況が転がってんのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
ノーブルレッドの”弱い強さ”、あるいはシンプルな強さを包む訃堂の政治的な強さと同軸に、ノイズの暴虐を止めきれない奏者の書き方がある気がする。
裏腹な強さの定義に奏者はどう手を伸ばすか
その問いかけは、例えば自分の弱さを未来さんに預けきれない響の迷いに現れ、あるいは心の隙にきっちり付け込まれた翼さんの柔弱に透ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
あの時仕込まれた万華鏡に惑わされ、防人の刃が街を壊す。溶けゆく雪だるまが、哀しさのアイコンとして良い仕事。
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対手の精神を攻める搦め手。長く続き、強くなりすぎた奏者を追い込むなら”そこ”ではあるし、揺れるだけの重さが無印第一話の虐殺にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
そして風鳴翼は、まだまだ不動の刃には程遠い。人間だからこそ日常を謳歌し、感情に苦しむ。正義の機械のように己を殺す道は、もう選べない。
おそらく今回の暴走がXV翼さんの”底値”であるとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
見え隠れする訃堂の企みに対峙する中で。防人の宿命、血の呪い、消えない傷に向き合う中で。虹色の迷いを切り払って、答えを出す。そのために必要な迷いであるので、ちょっとかっこ悪くても飲み込む方向で。
うっうっ…こんな翼さん見たくない…
未来さんもキャラが立ちすぎたモブ…とミラアルクに追い込まれて大ピンチである。まぁ血柱はあの、異常な存在感を放つイヤミ役人のもんだと思うけど…。相変わらずモブの存在感が強いアニメだな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
臆することなく、弱者の盾となる。共に手を取って疾走る。未来さんはいつでも強く、正しく、美しい。
そんな刃のような強さに、響は救われつつ…救われればこそ全てを預けることは出来ず、気づけば神と融合すらした異形の力を持て余す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
安全圏無しの厳しい世界で、戦士は何を拠り所とし、何を守るか。風雲急を告げるXV中盤戦、来週も楽しみ。