グランベルムを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
"お気をつけなさい、将軍、嫉妬というやつに。
こいつは緑色の目をした怪物で、人の心を餌食とし、
それをもてあそぶのです。"
イアーゴー(ウィリアム・シェイクスピア "オセロー"より。)
そんな感じの超! 大感情地獄絵図 with アンナさん幼年期の終り! なグランベルム第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
寧々ちゃんが軟着陸したと思ったら色んな場所にジワジワ火種はあり、鍋を食ったりビンタにカウンターを入れたり、女術士は思春期に忙しい感じ。
ボーボー過去が燃え、正しさが夢を殺した後に輝く翠の石。
日常に接続された魔術的空間・グランベルムを彩る、あまりに魔的な、そしてあまりに人間的な感情に満ちた日常。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
魔力はなくとも人は狂い、魔力がないからこそ人は狂う。それしかすがるものがなかった思い出を、あまりの正しさにぶち壊された時に、何が殺されるのか。
良く見えるエピソードだった。
大車輪の活躍をしている高島大輔のコンテ・演出が今回も冴え渡り、日常と言いつつ全然落ち着かないバロックなレイアウトが、様々なシーンで暴れ狂っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
感情と関係性は様々な境界線に隔てられ、あるいは踏み越えられる。意思を込めて踏み込んだ決断が、あまりに残忍な未来を引き寄せる。
『手を取る、支える』という、普通の文脈ならばポジティブな扱いを受けるはずの行為が過去の傷となり、現在を切断する決定打となる矛盾。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
謎と危険に満ちた魔術的思春期に、あらゆる少女たちが身を浸している。アンナは頑迷と愚かさ故に無明に堕ちたが、あざ笑う余裕は誰にもない。多分。
グランベルムから切り離されてもなお家族でいられる寧々たちと、非才を突きつけられて家族を壊したアンナの対比が無残である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
おそらく余裕ズラの水晶も含め全員崖っぷち。どう飛び降りるか、順番は問題じゃない。
そういうことを画面がよく吠える、良いエピソードだった。マジ魔法少女瓶詰地獄。
冒頭満月と新月は食事をしながら、作品の根幹に関わる質問をかわす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
何故、戦うのか。何故、一人を選ぶのか。
魔術に身を浸していても、もしくは浸せばこそ、その答えはわからない。どんよりと空は曇り、無邪気な遊具が檻となって二人を引き剥がす。
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今回満月と新月は同じシーン、同じ物語を共有しながら、間に固い境界線を挟んで描写されることが多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
日常に身を置きつつ、残酷な非日常に心躍らせる満月の無垢。
魔術家系の重さを知ればこそ、日常の輝きに憧れつつ届かない新月。
二人は同じ釜の飯を食いつつも、どこか決定的なポイントですれ違う
一足先にグランベルムから降りた寧々ちゃんは、重荷から解き放たれたきっぷの良さで持って、年下を導く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
中学生は相変わらず伝えるようだが、偽装の必要がなくなった分姉さん力全開、そのくせ年下相手に『控え目に言って親友』…相変わらず、寧々ちゃんは面白い。人間が太くて、見てて安心だ。
学校という非日常に、中学校の制服のまま闖入した寧々を、戦闘態勢を解いた妹たちが迎える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
もう、道服は来ていない。彼女たちが魔術師でいられる可能性は潰えた…眼の前の少女が潰したのだ。
しかしそこに悲愴はない。結末を見届けたい、真っ直ぐな意志がある。
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このように真っ直ぐな敗北、優しき家族の繋がりがある中で、極限まで拗れきった過去がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
義妹として、仲良くなれるはずだった過去。自分が特別であることの証明。哀れみと愛を込めて伸ばされた手は、少女の人格を歪めた。その犯行は、最初隠蔽されている
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縋るもの、弱いものの手を取り、才能を行使する行為が何を生むのか。新月は痛いほどに知っていた。何しろ、アンナと家族になりそこなったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
だから、義妹であるクレアの手を取らない。クレアたんはずーっと新月お姉にしがみついてて可愛いね…姉が母をぶっ殺す地獄に急に投げ出されて、マジ可哀想
『フツーそこは手を取るでしょ!』というタイミングで取らず、満月と飯を食って心を通わせる体験を経て勇気を絞り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
そうして果たした決断はあまりに正しくて、満ち足りたものの残酷がアンナを徹底的に壊してしまう。手を伸ばし握ったからこそ、握り潰し壊してしまうような。
当たり前の家族、人間関係を扱うには新月の才能は大きすぎた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
アンナの母(新月の義母)が遠回しに、フーゴ家の重荷を背負わせるスケープゴートしてエルネストを"買った"ことを認めている所が、あまりにひどい。
その事実を知ってなお、家族でいたかった。新月の慕情も悲惨である。
カードは破滅を予兆するように、水晶とクレアの日常を切り取る。傾いだカメラワーク、中心に人物を安定させないレイアウトは、これまでも多用され今後も頻出する作品の顔だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
全ては運命の上を滑り落ちていく途中。大事なのはどう墜ちるかだ。
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母が残酷に選定する枝は、つまり魔術の才と非才。後にアンナが激情とともに燃やす、親のエゴそのものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
母が只人の幸せを願っても、フーゴの娘として魔術師であることを望まれ続けたアンナには、そんな降伏も優しさも解らない。
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フーゴ家の緑色の瞳、アンナの瞳孔は今回非常に元気に拡大・縮小する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
小さな魔石、大きな魔石。家に伝わる誇りの象徴。己の地と同じ色をした瞳が、嫉妬と羨望に狂いながらサイズを変える。
それが大きいからといって、幸福が訪れるわけじゃない。
母の語る智慧は、ただ娘を傷つけ、狂わせるだけだ。
お人形芝居のおぞましさを童謡に乗せて歌った水晶は、アンナに三行半を突きつける。世界の隙間から、親子の破綻を窃視し、破滅を予言した立ち回りか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
ただ燃え上がる激情の一撃は簡単に受け止められ、反撃を食らう。水晶の瞳もまた、怪物のように変形する翠の魔石だ。
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この爬虫類的な表情の奥に、どんな打算と感情を秘めているのか。袴田水晶の物語もまた掘り込めば面白そうだが、今はアンナ・フーゴの悲喜劇がメインステージで踊っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
水晶さんは人数合わせのトリックスターからガンッガン存在感を上げてきて、非常に美味しいポジションですね。素晴らしい。
今回のお話はアンナの死に至る迷妄と、満月と新月が魔術師達の人間性に踏み込んでいく歩みがつづれ織りになっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
あまりにもチグハグに、地獄に真っ逆さまなアンナさんに対し、二人は土御門の門をくぐり、人としてあるべき礼を尽くす。病を見舞い、腹を共に満たす。
九音の拒絶が二人を揺らした時、画面はやはり不安定に傾ぐ。しかし風邪によく効く生姜ダレ(五行をベースにした医食同源と考えると、これもある種の魔術)を平らげて、お互いの関係は満たされていく。身近な距離で心を通わせ、通じ合っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
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不足を満たす。同じ場所に座る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
普通の人たちが普通に共有できる幸福(アンナが求めあまりに遠すぎたもの)を甘受しながら、九音は人形と人形繰りの鏡合わせを語る。
運命と感情の糸に操られる人形。アンナの指先を強調したカットの挿入が、彼女の立ち位置を教える
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あんだけ熱い熱いと、お風呂をゴボゴボ言わせてたアンナさんが母に切り捨てられ『冷たい』と呟く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
焔の後に氷を生み出す、一度きりの奇跡。それが誰かの手を借りたまがい物だと、彼女だけが知らないまま戯けたマリオネットを踊っている。
そこに続く水晶の離別が、なんとも冷たい質感だ。
雨の中、傘を放り出してすがってきた義妹を、新月は蹴る。手を取ること、哀れみに流されることが何を生み出すか知っているからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
しかしそれでも、秘めた思いが揺れている。どこへ行けばいいかわからないまま、心を温める食事をもう一度、共有していく
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火の通った身の養いを共にし、満月の中の普通さ、新月いわく"心"を共食しつつも、二人は冷たい月光の下、窓枠によって隔たれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
同じ皿にもられたポテトをつまみながら、ポツリポツリと共有される真意。思いが溢れ、目をそらしていた真実に飛び込む覚悟を固めていく。
しかし一度離した手を取ることは持てるものの傲慢で、持たず騙され憐れまれたアンナには届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
蓋をした真実を暴くことが必ずしも、時間を巻き戻し愛を取り戻す結果には繋がらない。捻れた糸は強い歪みを溜め込んで、解き放たれれば周りを巻き込んで暴走する。
正しさの使い方を知らぬものと、正しさに辿り着けないもの。才と非才に分断された義姉妹の愛憎を、満月は静かに後押しし見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
そこに強いモチベーションはない。グランベルムに参加するのと同じように、満月は因縁も感情も持たぬまま、核心へと特権的に歩みを進めてしまう。
そういう意味では、満月もまたアンナの対極にいる『持てるもの』なのだろう。魔法という非日常に身を置いて、その重荷を背負いすぎた不幸を、満月は知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
ジリジリと魂を焼く、白い夢。ジーグァンロンとの闘争で顔を見せた原風景が、ただ漠然とした不安ではなく何らかの運命の反射だとしたら?
それは先の話として、満月との対話に背中を押された新月は、鍵に閉ざされた地下室(アンナの心)を横目に見ながら、義母と対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
一回額縁の境界線を超えて前のめりになり、あえて一歩引いて境界線の後ろに下がる動きが鮮烈だ。
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己の領分を弁え、フーゴ家のスケープゴートとして"娘"に戻ろうとする新月の行動は、正式な手段で扉を開けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
激情の赴くまま斧でぶっ壊し、全てをズタズタにするハードランディングをキメるアンナさんの心に、新月は結局踏み込めない。
どれだけ、愛する義姉の心に触れたいと願っても叶わない。
扉がアンナの心の暗喩であるなら、斧はその未来の暗示、あるいは過去の反射である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
焔の赤い花と、氷の白い花。母が冷たく剪定した枝に、アンナとエルネスタは分断されていく。傾いだ善意の中で、正しさがアンナを追い込んでいく。
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ぐるりぐるりと回転し、落ち着きのない場面。アンナが見ているものと新月が見ているものはけして共有されず、不格好なすれ違いを繰り返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
魔法を持たない不幸。才能が有り余る不幸。かつて手を取ったからこそすれ違った想いは、今回もまたあえて踏み込んだからこそ悲劇に連結していく。
魔法を諦め、普通に暮らせ。そういう形の幸福しか、非才の娘に提供できない母。家門の重さを、才覚ある義娘に背負わせよう、実娘の重荷を軽くしようとした親心は、ただただアンナを傷つけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
全てが裏腹に破滅へ向かう中で、世界は軋み、揺らいで行く。
一回目の回想シーンでは隠蔽されていた、差し出した手の表情。杏奈のプライドを支える背骨は、その善意で決定的にへし折られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
手を差し出し、掴まなければ生まれなかった不幸。差し出すしかなかった愛情。新月の瞳が複雑に揺れ、アンナの緑の目は縮退する。
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真実が残酷に、過去の首を落とす。斧刃は家族と『普通の少女』を切断し、新月は必死に正しさを紡ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
あなたに求めるものは掴めない。非才の果てに救いはない。だから、諦めて。
善意ゆえの不器用な言葉が刃となり、アンナ最後の誇りを処刑していく。
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モウセンゴケは陰湿の奥に潜む、食虫の植物。水晶は何を思って、元師匠(とその家族)の瓦解を聞くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
どうにもならない劣等感で振り下ろした斧と、同じ地平にアンナの膝が折れる。家門を背負い、望みに応える夢の扉が、ズタズタに引き裂かれていく。
アンナは母と義妹の正しさに、微笑みの仮面を作る。その餞に新月は涙ぐみ、決定的に間違えてしまった姉妹関係を思って涙ぐむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
そんな美しい宝石を、アンナが視界に捉えどんな表情をしたのか。緑色の目をした怪物は、何を嗤ったか。斧の光芒が全てを隠す。
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魔法が関わろうと、関わるまいと。あらゆる場所で起きるだろう、残酷でありふれた家族の崩壊。非才の行き着く、夢の困窮。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
皆が苦しみながら、そんなもんさと諦めて、寂しさを込めた微笑みで明日に歩き出す。寧々が優しく健全に、母の再誕を諦められたように。
EDテーマが流れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
"♪どこかで見たような日常で良い 傷つくだけの世界なr"
ズバン、と斧が全てを断ち切って、赤と白の薔薇を埋めた棺が壊れる。母には恨みを、頬には狂気を。
緑色の瞳は肥大し、魔石は妖しく嫉妬に輝く。
まだ、何も終わっちゃいないのだ。
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フーゴ家伝来の翠の魔石は、ただ魔力を帯びた石ではない。愛すればこその嫉妬、あまりにもネジ曲がってしまった憧れと憎悪が燃え上がるその瞳こそが、魔術を駆動させる厳選だとするのなら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
確かに、巨大な魔石は巨大な不幸を呼ぶだろう。謙遜や諦観という美徳は、もはやアンナには遠い。
それを決定的に壊してしまったのは新月と母の正しさと優しさであり、その複雑な絡み合いに満月は関与しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
因縁もモチベーションも持たない『普通の女の子』は、ありふれて特別な惨劇に手を伸ばす特権を持たない。
白く、あるいは翠に。世界が揺れていく。最後の一人を選ぶまで、人形劇は終わらない
最初に敗北を受け入れ、重荷を下ろした寧々の毅然とした態度、お互い支え合う家族の肖像を描いていたことが、フーゴ家のあまりに不器用な衝突、無残なる憧憬殺戮を鮮烈に照らした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
もう、夢には届かない。それを優しく受け入れ、明日への糧にできるものもいれば、斧でぶち壊し否定するものもいる。
世界はおぞましいほどに多層だ。一見健常に繋がったように見える新月と満月、寧々や九音にしても、傾いだカメラの中で歪みと軋みを抱えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
新月が語る、イデアルな自己像。心のなかにある、かくあるべしという理想像。皆それを目指し、凡庸と非凡の中に沈んでいく。
白い風景を心象とし、平凡への恐怖に突き動かされる満月。いかにも一般代表という顔の彼女は、しかしあまりに凶暴な"才"を持ち、鬼札としてグランベルムに参加した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
至近距離で敗北者の哀しさを浴びて思うのは、自分が特別になれる舞踏会の興奮。己が特別であるという証明。
白も赤も思いのまま、神に愛された新月はしかし、その手を伸ばしてアンナを壊す。一度は嘘で、二度目は真実で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
どう転がっても彼女の決断は、当たり前の家族の幸福を掴み取れない。魔法がどれだけ上手くても、優しさを知ることが出来ない。…否、魔法に愛されすぎれば、普通は遠ざかっていくのか。
そして家門の栄光を願ったアンナは、残酷に全てを砕かれる。プライドも夢も、正しさと才覚の前に切り飛ばされるなら、その刃を握り返して、お前らみんなぶっ殺してやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
魔石は緑の目をした怪物。嫉妬と愛憎を吸い上げて、肥大しまた収縮する。それに魅入られた少女の末路は、どこにたどり着くのか。
"日常回"でありながら、それが決定的に破綻してしまうフーゴ家の悲惨、重苦しい非日常の狂気と歪みへ丁寧に踏み込むエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
夢、願い、すれ違い。魔力に満たされていない当たり前の世界にこそ、全てを叶え全てを歪める強力な"こころ"の力は根を下ろす。
そんな当たり前の特別さを蕩尽する満月を、新月は羨み、当たり前に思いを伝え、正しいことを為す道のりに失敗し尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月10日
極めて残酷で、力強く脈動し、奇っ怪な魅力を持った魔法の石。このエピソード自体が、緑色の魔石であるかのような見事な物語でした。来週も楽しみ。