キャロル&チューズデイを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
仮想通貨に個人情報流出。全てが加速していくAI時代じゃ、ラジオスターが地べたに墜ちるのもあっという間。
AIマネジの裏切りにより、全てを失ったアーティガン。最後の縁と頼られたロディ。
そこに触れつつも、少女たちの人生は勝手に回る。緩やかな繋がり、人の縁。
そんな感じのHead Over Heels(真っ逆さま/夢中になってのめり込む)なお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
ピノキオ野郎(原作だと性格極悪のクソジャリなので、かなりのリスペクトが感じられる)に全てをぶっ飛ばされたが、音楽に夢中な自分を取り戻し、ゼロからリスタートしようとするアーティガンに相応しいサブタイと言える
今回は色んな人の関係性がくるくる回る話で、アーティガンだけが中心にいる話ではない。むしろ彼はスーパーエゴに相応しく、自分と対話することでパワーを取り戻し、復活への道筋を自分でつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
のだが、ロディとの繋がりが傷ついた羽を休めたのは間違いがなく、緩やかな繋がりあっての復活劇だ。
Who am I? 俺は誰だ? という問いは、アーティガンがスーパーDJだったときから投げられてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
aka アーティガンと堂々胸を張ることで、彼は自信満々のアーティスト足り得た。しかし金を失い、取り巻きに去られ、虚無に身を置く
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鏡に反転した”?I MA OHW”を更に突き詰めると、”WHO ARE YOU?”になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
『アンタ誰だっけ?www』
嘲り混じりの世間の目は、アーティガンを強く傷つける。冒頭女を連れ、自分の金をAIに預けきり、ただのマネーモンスターになっていた存在は、真っ白に漂白されていく。
そういう孤独の中で、ロディだけが静かに彼に寄り添い、手を差し伸べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
先週のガスほど濃厚な物語を与えられてはいないけども、フツーに気のいい彼の良さがよく出たエピソードだと思う。
虚栄に目を投げるアーティガンと、それを見る友人の瞳
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このとき二人は『アーティガン-ロディ-崩壊した虚像』という三角関係にとらわれている。実像を置き去りにして加速する、AI時代の速度。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
AI機材を差し押さえられた苦渋が、そのまま『ヴァレリー-スペンサー-ジェリー』という三角関係に連結する
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支持率を上げるために置き去りにされる信念。話題作りのために発火させられた火星-地球間の問題は、おそらくただの選挙戦術以上の悲劇を引っ張ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
スペンサーはその虚像に耐えきれず、母に背中を向ける。
ヴァレリーは”母”という重石で息子を縛り付けようとするが、それが虚像だと反撃される
このとき動きを封じる三角関係は、『ヴァレリー-スペンサー-虚像の”母”』、あるいは『ヴァレリー-スペンサー-不在のチューズデイ(先に母を見捨てた存在)』へと変じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
絡み合った家族問題が、火星の未来を左右する巨大な政治と直結しているところが、この家族の厄介なところだ。
三角関係は至る所で顔を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
ストーカーからの庇護を求めて、一度は離れた母の家にはいるアンジー。それをじっと見つめるAIペット。
情報はどこから流出しているのか。オートマティックな便利さは、果たして我々の隣人なのか
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再び”ママ”に守ってもらう立場になったアンジーとの睨み合いは、アーロンに敷居をまたがせない攻防に変わり、それを睨みつけるブラックナイトの狂った愛情に繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
様々な三角形が形を変えながら、人々を繋いでいく。それは幸福ばかりではない。
アンジーはスキャンダルを種火に、タオの心に火をつけようとする。(そして当然失敗する)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
その視線には当然、望んでもいない『アンジー-アーロン-ブラックナイト』の対立は目に入らない。空っぽの車が、凶暴に恋敵を引き裂く。
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アンジーはヘッドライナーを飾った自分のスキャンダルを、タオが見ていると思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
しかしタオはかつて自分を罵倒したアーティガンの失墜を見ている。
『アンジー-タオ-アーティガン』の三角関係は、少女を置き去りに厚い絆で男たちを結ぶ
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アーティガンはあんだけ世話になっておいて、自分の復活にロディの手を取らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
オーディションで心震わせたもう一人のディーバ、そのプロデューサーたるマネーモンスターこそは、裸の俺に相応しい。
スターの復活は、『アーティガン-タオ-ロディ』という三角関係の終わりでもある。
そもそもアーティガンは、ロディとキャロチューの世話になりつつも、あくまで内言によって自分を再獲得していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
AIに頼らず、キーボードを握って夢を見たあの日。ネガティブな自分を、スーパースターが蹴り飛ばしていく。
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でもそんなスーパーエゴの大復活も、ロディが彼を気にかけ、裏切らず、キーボードのある場所まで引っ張り上げてくれたからこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
おそらく、タオと手を取った(が、歌うアンジーとは取ってない)曲は彼を再びスーパースターにするだろう。もう誰にも、『WHO ARE YOU?』なんて言わせない。
しかしそんな金ピカの復活劇が、冴えない青年の当たり前の優しさに支えら得れていたことを、忘れてほしくないな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
アーティガンは若さと老い、虚像と実像、自我と関係性が絡み合った、なかなか面白いキャラだ。一面的に天狗でやなやつとも言えないし、完全な善人でもない。コクがあって面白い
思えばピノキオの悪辣も、冒頭女を両手にブイブイいわせていたアーティガンの鏡なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
『アーティガン-ピノキオ-尻軽女』という三角関係は、復活劇に華を添える形で、かなり乱雑に蹴っ飛ばされる。まぁ鼻伸びてるしな…。
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サメに食われたピノキオよろしく、AIマネージャーも人生の荒海をくぐって、”素直ないい子”になるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
しかしそれは、アーティガンには関係のない話。基本自分しか好きじゃないけど、妙に他人に影響を与えてしまう。スーパーエゴの特徴といえるか。
色んな男のヤバ感情を流し込まれつつ、本命のタオはトンチキDJに夢中。アンジーの恋路はなかなか多難だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
二年前のDisをきっちり心に刻んでるところが、冷血人間の体温を感じさせてかなり好きだが、俺のアンジーはこのコラボを、そして凶悪なストーカー犯罪をどう糧にしていくのか。
三角形は相手を変え、価値観と繋がり方を変えてぐるぐる回っていく。”Round & Laundry”と、ライバルの曲を引用されるとアンジーは怒るだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
シベールの闇が少し、キャロチューを強くしたように。アンジーを取り巻く複雑な歯車が、彼女をより良い場所に持っていくことを期待したい。
んで、そんなライバルの状況と関わりつつ、すれ違いつつのチューズデイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
カイルとの接触はいよいよ深くなり、二人の重なり合いは強くなっていく。ここは三角形で睨み合いというより、ジワジワとお互いの間合いが詰まる感じなのよね。
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お互いアナログなペーパーメディア(アンジー、あるいはヴァレリー周辺のメディアが軒並みAI化されているのとは面白い対比)に魂を刻む、時代遅れの同志。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
自分には関係ない、と切り離していた母の政治的主張(ですら無い選挙戦術)が、隣の相棒に繋がっている事実を、ジャーナリストは的確に指摘する
カイルの言葉で、『ヴァレリー-チューズデイ-カイル』という三角形の力点が動き、母と向き合うこと、カイルの顔をしっかり見る方向に、チューズデイの心は動いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
こっちでも、三角形は常に動き続ける。そこに相棒との衝突が無いところが、光の子供たちの特異性だ。
一番身近な他人なんだから、キャロルともバチバチ三角形作っていい所を、キャロチューはあくまで一つ、重なり合った一つの点として描写される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
自分たちの領分に、勝手に分け入ってきた訳わかんねぇ大人…アーティガンを見る時もワンセットだ
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ここの『アーティガン-ロディ-キャロチュー』の変則三角形は面白くて、アーティガンはパラノイドを加速させて二人(三人)の顔を全然見てないし、他人を見ないロディの携帯いじりは、友達をハメた悪辣AIを追い詰める必死の追跡だったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
ロディ…良いやつなのにイマイチ、他人と触れ合えない子
キャロチューはなんでアーティガンが汗だくで演奏してるか気にかけないし。フローラやデズモンドのように、”音”を追い求める同志なんやぞ、その変なオッサン…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
しかしアーティガンはタオ-アンジーサイドのリソースなので、主役二人は遠巻きに見るだけだ。縁がなかった…いや、あるからこそなのか…?
回転する三角形、頭が踵を追い越すような逆立ち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
いろんな関係が睨み合って静止し、ぐるっと回転して変化を呼ぶ。そんなエピソードを、うえのきみこらしいユーモアが楽しく飾っていました。
やっぱちょっとぶっ飛んだ、ドラッギーな展開を回させるとこの人は面白い。アーティガン三人内面会話とか。
悪印象から始まった、チューズデイとカイル。お兄ちゃんとの接触をなかだちに、それは静かに変化を始めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
お兄ちゃんもまた、妹のように”母”の支配から背を向けた。己を訴えるギターも、一緒にいてくれる最高の相棒もいないお兄ちゃんが、どう世界と戦っていくのか。俺は心配だよ…(モンペ顔)
勝手に回って、自分とは縁遠い場所で燃える。AI化され、空洞化した政治もまた、カイルによってチューズデイ(と彼女の歌)に接続される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
それはつまり、大統領候補である母、それが排斥する地球移民としての相棒とも、体温のある繋がりを発生させる。
少女は歌を、どう使っていくのか。
冒頭、曖昧に予言されてきた『黄金の七分間』とも繋がりそうな、歌と青春と政治の三角関係。その輪郭を彫り込むエピソードでもあったかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
デカい話の説教臭さと、音楽青春モノの青臭い体温。これを連動させれば、面白い詩が生まれると思います。次回も楽しみ。
しかし父との別れ、デズモンドの死、フローラの老いと復活に続いて、政治的存在としての自覚、”血”の認識と、二クール目のキャロチューは自己像確立ドリル全力で突っ走っとるね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日
一クール目の幸福な黄金期とは違う味だけど、俺はバランスが良くて好き。満ち足りた幼年期は、当然永遠じゃないのさ。