鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
悪鬼、遂に斃れる。長かった那多蜘蛛山の夜も遂に開け、十二鬼月下弦の伍・累も首を落とされた。
散りゆく命が燃え、失われていた思い出が蘇る。人を外れ、親を殺した鬼の原点。
それは人の名残りか、悪鬼の身じろぎか。鬼滅の刃が、鬼を妹と背負う少年に向かう。
そんな感じの、那多蜘蛛山始末最終章&ヤベー奴ら相手の裁判開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
鬼との絶滅戦争と違い、人と人とは話し合える。譲れぬものはあれど、変わることは出来る。
洒落と笑いが随所に戻ってくるのは、そういう”緩み”が作品に取り込まれるからか。ようやく、一息ついた心地だ。
累の回想は演出面でも前回を完璧に引き継いでいるので、一話にまとめて描いたほうが良かったんじゃないかなぁ…とか思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
病身を抱えて、あくまで遠くに見るしかなかった幸福。ドサリと身を横たえる”過去”は、首を切られた”今”と呼応する
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弱い自分が憧れた、美しい夢。優しく手を差し伸べてくれた人達の顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
何もかもがもはや遠く、鬼として強くなるほど人の記憶は薄れる。鬼の強さは、食った人の量に比例する設定を考えると、一口ごとに人でなしになっていく、悍ましくも哀しい生き物である。https://t.co/sUjF7VZ4v8
無惨がまた余計なことして、一つの家族が悲劇に落ちたわけだが、一家皆殺しの結末は竈門家に響くものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
不在の間に家族を殺され、たった一人残った妹を鬼に変えられ、なお人として戦士として、思い出を汚さず正しく生きる。
炭治郎が選べた道を、累は当然掴めない。
家族を的にかけた結果正気の糸を手放した累が、父から受け継いだヒノカミ神楽で敗北するのは、なんとも因果なことである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
鬼は父の涙も、母の懺悔も憶えていられない。
『丈夫な体に生んであげれなくて、ごめん』
それはキツいぜ、お母さん…。
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人食いの怪物を”家”に抱え込み、ご両親はとても悩んだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
殺すことが最後の慈悲、死出の旅路伴仕る。
その結論に至るまでの愛憎と煩悶を、そしてそれを鬼に堕ちた累が受け止めきれず、殺したことで縁と希望を断ち切ってしまったことを考えると、なんともやりきれない。
両親を殺す/良心を弑すことでしか、生き延びる術のなかった累に、悪逆が囁く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
仕方がない。本物の家族じゃなかった。
マジで『無惨てめぇ…ッ』って感じだけど、悪魔に抵抗する糸は、もう累の中には残っていない。一番大事なものは、自分で切ったのだ
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かくして人だった頃の抜け殻として、家族の残骸をフラフラ追い求め、沢山の死体を積み上げた鬼の生が終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
幼子のように手を伸ばし、ぬくもりを求めるその手を、炭治郎は傷だらけで見据え、手を伸ばす。
慈悲、かくあるべし。やっぱ坊主が天職…。
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炭治郎が累の悪逆だけでなく、その奥にある忘れられた悲しみ、末期の懺悔をしっかり受け止め手を伸ばしたからこそ、累は差し伸べられた手を思い出すことが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
どれだけ運命が弄んでも切れない糸を、最後の最後で掴むことが出来た。
己の痛みではなく、鬼の悲しみに泣ける少年が、この話の主役だ
炭治郎の涙に洗われて、累は白皙の鬼から黒髪の人間へと、彼岸で戻ることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
これは彼が押し付けた”家族”が、その重責を跳ね除けて果たそうとした人間の証明でもあって、恐怖で支配していた彼が、真実”家族”と対等になれた瞬間でもあろう。
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しかしそれはあくまで一瞬の夢であり、鬼滅の刃が首をはねなければ、累は迷妄の獣として殺し、押し付け、狂い続けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
無限の命を持つ鬼は、人を食らって強くなり、人であったことを忘れてしまう。それを取り戻すのが死の直前だけだというのは、やはり悲しい。哀れな生き物である。
炭治郎は身内を殺され、妹を生き地獄に落とされてなお、鬼を憎悪だけで見ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
その奥にある悲しさ、かつて人であった尊厳を見て、慈悲を忘れない。
それはつまり、自分ももしかしたら鬼になるかも知れないという想像力が、彼の中ではけして死なない、ということだ。根源的に謙虚なのだ。
鬼は人を喰う。人は鬼を斬る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
それだけしかない修羅の道行きから、フッと外れた今菩薩。
炭治郎の慈悲を踏みつけにして、”柱”が累の衣を詰る。鬼は鬼。人でなしの害獣。
そうやって”柱”である自分を維持しようとしても、義勇の体は炭治郎を守る
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炭治郎との問答に横槍入れる形で、てふてふと舞い降りた”蟲”の刃。ヒラヒラと踊る袂が可憐に危険だが、これをせき止める位置に体を置いた結果、義勇さんは累の衣から足を外すことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
炭治郎という”人”を守る動きは、知らず義勇が”鬼”を踏みつけにする生き方から、彼を遠ざけている。
義勇の(というか炭治郎以外の)苛烈さは、戦士として必要な強さだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
しかし自分が鬼になりうるという想像力と謙虚さを捨て、鬼に堕ちたものを憎悪だけで見ていれば、己も人身鬼魂の怪物に成り果ててしまう。
炭治郎の靭やかな慈悲は、そういうところから人間を救いうる。
鬼を殺すだけの機械ではなく、揺らぎ過つ弱さを認め、人として生き続けること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
それは心のない”鬼滅の刃”に成り果ててしまうより、多分優しくて辛い生き方だ。
ザラリと立てた刃に刻まれた、”悪鬼”の二文字。
胡蝶しのぶ…美しき鬼か。
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と、サイコだ何だキャラを切り捨てていると、後々痛い目見る作品なのだ、ということは俺も既に学習している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
ぜってぇなんかスッゲェ”業”があって、悪鬼の刃を立てることでしか人でいられないような苦しみがあって、この人もここにいるのだろう。
鬼も人も皆、哀しい動物なのだろう。
特にしのぶさんは医療剣士なので、人の命を守るという慈悲の根源に関わる仕事と、毒で鬼ぶっ殺す業を両方背負っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
何を繋ぎ、何を守りたいと願って、胡蝶しのぶは”鬼滅の刃”となったか。気になってしょうがねぇぜ…恋か、毒をもられたか…(どす黒い死体になって三日後発見)
義勇さんが追いかける形で、柱VS柱の戦闘が進む。フロントチョークの”効き”を、拳一個挟むことで止めてるのが業前。しのぶさん、”無手”やれんじゃん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
蝶の弟子は禰豆子に追いつき、鬼はロリータトランスフォームでトテトテと逃げる。はー可愛い。
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微笑みの仮面で修羅を覆うのは、どうやら”蟲”の流儀らしく。カナヲの本心もなかなか見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
心を殺し、命令に従順な刃になる。人形にしては、ちび禰豆子に合わせる目線が優しく見えるが、さてはて…。
あ、声が上田麗奈なのは”無敵”です。ニ億兆点。
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身内の追跡戦は鶏鳴で水入りとなり、炭治郎と禰豆子は拘束され、鬼殺隊本丸へと送られていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
長い夜が明けた。伊之助は己の無力さを知り、善逸はミイラ巻である。あらゆる人に、静かに日は降り注ぐ。鬼殺しの陽光が、祝福と舞い降りる。
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個人的に気になってるのは伊之助の今後で、獣の世界で力だけを頼りに生きていた彼は、人間として大事なものを蹴り飛ばすところから、炭治郎の『誰かを前に押す強さ』を学び、敗北に鼻っ柱をへし折られた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
誰かに手を伸ばし、伸ばされて進んでいく人の強さへ、伊之助は進みうるのか。気になるところだ
まぁ今は、どどんと降り立った”柱”のヤベー奴らが一番ワクワクすっけどな! ヤッパこういう超人大集合絵巻、理屈超越して心躍るなマジ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
それぞれの能力と性格は次回見えてくるんだろうけど、”南無阿弥陀仏”六字名号の”圧”がやべぇ…。
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個人的興味と化学反応して、僕はこのお話仏教を杖に読み解いてる部分があるけども、ダイレクトに僧形異形の”柱”が出てくると、殺すことでしか救えない業への対応含め、興味を強くそそられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
他にも謎のピンク髪おっぱい、墨入れたやべーの、炎属性っぽいの、ショタ…随分バラエティパックだな。
わざわざ”柱”がお待ちかね、ってことは、”人喰わぬ鬼”禰豆子の存在は鬼殺隊でも相当なイレギュラーで、大事な議題なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月27日
圧倒的な実力を持つ幹部を前似、炭治郎は身内を守りきれるのか。ヤベー奴らはどんくらいヤベーのか。
来週も楽しみであります。